最終更新: touhou_icha 2013年06月23日(日) 17:16:59履歴
愛は次元を跳躍させるの続き
※できうる限り、原作水準(東方夢時空)にしてみた。
『……はぁ……。またか……』
私は、北白河ちゆり。
岡崎夢美教授……、御主人のアシスタント的立場だ。
……で、なんで溜め息を吐いているかと言うと、その御主人に恋人ができたことがそもそものきっかけである。
青年……、私より年上で御主人よりも年上なんだけど。わざわざ、追いかけてきた。
どうやって、『ただの人間』がここまで来たのかは知らないけど、執念だけはすごいと感心している。
「………あぁっ………!」
……どうやら、御主人が絶頂に達したらしい。
こういう関係になったのは、青年が来てから5ヶ月のことだ。
彼の方が御主人を好きだったのに、御主人の方から告白させるなんてね……。
彼の気持ちは私には分からない。
そして、そういう関係になってから、御主人は彼に夢中になって、学会への復讐の決意は揺らいでいる……。
そういう風に見ている。……『魔力』の研究もあまりしてないみたいだし。
『こんなことでいいのかなあ……』と、私は御主人と彼の関係を冷たく見ていた。
◇
「……ちゆりちゃん、つまらなさそうな顔してるけどどうしたのさ」
ある日の夕食で彼は私に言ったが、言葉を返さなかった。
……全く。美味しいのが憎らしい。
これで美味しくなかったら、適当に理由つけて自室に行こうと思ったけど、そういかなかった。
最初は、簡単な料理でしか出来なくて、逃げれるチャンスはいくらでもあると思っていた。
御主人が青年を調子付け、調子に乗った彼がどんどん料理を覚えだしてこだわりだしたからこうなっている。
――構ってもらってくれなくて嫉妬してる?
『……まさかね』
黙々と私は青年の作った料理を食べていた。
時々、御主人は食べさせてもらったり、それを返したりしていて、まるで夫婦みたいだった。
そして、その夜。私は何故か寝付けなかった。
ある考えがぐるぐると私の頭の中で渦巻いていた。
――私は、あの青年に嫉妬していて、御主人に構って欲しいのか。
『……嫉妬なんて……』
御主人が以前のように戻ってほしい、とまではいかなくても頼りにして欲しい。
この世界に来る前も来た後も……。私は、御主人のそばにいた。なのに……。
いっそ、青年を御主人の見ていないところで亡き者にしてしまえば……。
……でもそれじゃ、泣きながらキレて御主人が私を攻撃してくるに違いない。
御主人は、彼を深く愛しているから。
『……もう嫌だ』
――皆 消えてしまえばいいのに 死んでしまえばいいのに
◇
……結局、私は青年に何も危害を加えることは出来なかった。
それどころか、御主人に同じように愛情を投げかけてきたのだ。
「なんでさ……。私はあんたに危害を加えようとしていたのに」
「そうかい? ……まあ、夢美ばっかり構ってて、ちゆりちゃんの存在をないがしろにしていたから、そうされたら『ああ、自分が悪かったのね』って思うけどさ。
……今更と思うかもしれないけど。それに、夢美にその話をしたら、私も悪かった部分があるって」
「御主人が? ………」
「そういうこと」
青年は私を抱きしめた。
「――!?」
「……ごめんな。俺が悪かったよ」
「もう……いいぜ……」
御主人−岡崎夢美っていう恋人が彼にはいるのに、私は差し伸べた彼の手をしっかり握った。
――愛されたいとも思ってしまった。彼の暖かさに包まれて。
そう思っていることが、彼に伝わったのか。
――彼の唇が、私のを……奪った……。
「……ハハハ、簡単なことだぜ」
「なっ……。ななっ……!」
「こうして欲しかったんだろ? 違うか?」
――こいつ……。私の心を……。いとも簡単に盗みやがって……。
「……○○のバカ……。御主人に刺されたって知らないぜ……?」
「構うものか。……俺は夢美も、ちゆりちゃんも愛してあげたい。――それじゃ嫌なのか?」
○○の……大馬鹿野郎……。
◇
それから。私は、御主人と彼の間に割って入ることをしていた。
「わっ、ちゆり!」
「お、おいおい……」
「いいだろ、減るものじゃないしさ」
図々しくなったといえば、そうかもしれない。
私も、○○を好きになっていた。御主人にここだけは譲れない。
……このままでも、幸せだと思っていたけど……。身体がそうさせてくれない。
――気がついたら、御主人のように抱かれる妄想をしていた。
ハグしてもらうことも、キスしてもらったりすることもしてきたけど……。満足できなかった。
『○○………、ダメよ……。好きで好きで思いつめてるちゆりに聞こえたらどうするのよ……』
『夢美は、優しいんだな……』
『だって、もう……。ちゆりの怖い顔、見たくないから……』
――しっかり聞こえてるよ、バカップル共。全く……。
ある日の夜。私は二人の声を聞いていた。
二人でいちゃついてる時は私のこと、気にするなっての。
『……そんなに焦らさないでよ……。もう、私の身体は「あなた」を欲しがってるっていうのに……!』
『そう急かすなって……。これが快楽を増幅させるんだからよ……?』
……暫くして、こっちまで興奮するような声が聞こえてきた。
「……濡れてる」
身体が煽られたのか、股間に触れると汗とは違う何かで濡れていた。
そして、御主人のあえいでる声でどんどん興奮してきてる。
『………は、あああっ………。○○………、そんなにしないでぇ………』
――くちゅ……、くちゅ……。
「ふ………。あぁっ………」
我慢できなくて、股間に手を伸ばしていじっていた。
気持よくて、手の動きを止められない。
「ああっ、ダメ……。これじゃあ、私が先に御主人よりも……ッ……!」
……結局、セックスしている御主人よりも先にイッてしまった。
「はぁ………、はぁ………」
心臓の鼓動がまだ早い。
私は、疲れてそのまま寝入ってしまったが、二回戦に突入していたらしく、かすかに声が聞こえていた。
◇
「……御主人、あのさ……」
――御主人と○○がセックスした3日後。
私は、御主人に○○とセックスしたい、と申し出た。
「貸して欲しい、ってこと?」
そう言った後、御主人は笑いながら「いいんじゃない? ○○がいい、っていうなら」と二つ返事だった。
……あとで聞いた話だけど、私が御主人に○○とセックスしたいと言ったときは、御主人は月の日だったらしい。
その時に求められたらどうしてるんだ、と聞くと、とりあえず精液出させて満足させるんだそうだ。
――その夜。
○○の部屋で、隣りに座った。
隣に座ることは慣れているけど、彼に私の処女を上げる、と考えると、好きになって初めて隣に座った時のことを思い出してどきどきしていた。
おずおずと、○○の手に触れる。
「……緊張しているのか」
「あ、当たり前だろ……。○○と違って私は初めてなんだぜ……」
「それじゃあ……、優しくしてやらねえとな……。これがトラウマになったら可哀想だからな……」
そっと抱きしめられてキスされた。
「んっ……。んふ……。ふ……ぁ……っ……」
今までで、一番濃厚なキス。舌のからみ合いもお互いの唾液を交換するかのような。
唇が離れると同時に、銀色の糸のように唾液が逆アーチを描いていた。
それが頭で上手く処理できなくて、今の状況を把握するまで、○○の顔をじっと見ていた。
「ハハハ……。ちゆりちゃん、大丈夫か?」
「………。ハッ……ごめん……。ぼーっとしちまったぜ……」
「……さてと、それじゃ脱がすけど、いいかい……?」
私は首を縦に振った。
「ご、御主人より貧相に見えるかもな……」
「気にしなくていいさ……。成長期なんだし……」
とはいえ、いいのかなあ……。俺、ロリコンじゃねえかなあ……。
――と、○○は言っていたけど、『外』の世界ならいざしらず、いいんじゃないのかなと返した。
……そこからのことは忘れようと思っても、忘れることは出来なかった。
初めてのことだったのもあった。○○を好きだったから、というのもある。
――御主人はいつも、こんな愛撫されてるんだな、と思いながら。
そして………。
◇
……目が覚めると朝だった。
「おはよう」
「……うん」
寝ぼけててそうとしか返せなかった。
……少し、股間が痛むけど、身体まで愛される、ってこういうことかな。と考えることにした。
○○は分かっててもなあ……。と苦笑いしながら言った。
「……もう、しちゃったことはしちゃったんだし、……ね?」
寝起きだったけど、○○にくちづけた。
「……ちゆり……」
「――大好き」
今の私がこうして笑っていられるのは、○○のおかげだと思う。
……いつか、御主人の心が○○から離れて、彼が一人ぼっちになっても、私が支えてあげる。
そこまで考えられるようになった。
――愛してるよ、○○。
メガリス Date:2011/09/20 20:02:34
SS : 旧作総合へ戻る
※できうる限り、原作水準(東方夢時空)にしてみた。
『……はぁ……。またか……』
私は、北白河ちゆり。
岡崎夢美教授……、御主人のアシスタント的立場だ。
……で、なんで溜め息を吐いているかと言うと、その御主人に恋人ができたことがそもそものきっかけである。
青年……、私より年上で御主人よりも年上なんだけど。わざわざ、追いかけてきた。
どうやって、『ただの人間』がここまで来たのかは知らないけど、執念だけはすごいと感心している。
「………あぁっ………!」
……どうやら、御主人が絶頂に達したらしい。
こういう関係になったのは、青年が来てから5ヶ月のことだ。
彼の方が御主人を好きだったのに、御主人の方から告白させるなんてね……。
彼の気持ちは私には分からない。
そして、そういう関係になってから、御主人は彼に夢中になって、学会への復讐の決意は揺らいでいる……。
そういう風に見ている。……『魔力』の研究もあまりしてないみたいだし。
『こんなことでいいのかなあ……』と、私は御主人と彼の関係を冷たく見ていた。
◇
「……ちゆりちゃん、つまらなさそうな顔してるけどどうしたのさ」
ある日の夕食で彼は私に言ったが、言葉を返さなかった。
……全く。美味しいのが憎らしい。
これで美味しくなかったら、適当に理由つけて自室に行こうと思ったけど、そういかなかった。
最初は、簡単な料理でしか出来なくて、逃げれるチャンスはいくらでもあると思っていた。
御主人が青年を調子付け、調子に乗った彼がどんどん料理を覚えだしてこだわりだしたからこうなっている。
――構ってもらってくれなくて嫉妬してる?
『……まさかね』
黙々と私は青年の作った料理を食べていた。
時々、御主人は食べさせてもらったり、それを返したりしていて、まるで夫婦みたいだった。
そして、その夜。私は何故か寝付けなかった。
ある考えがぐるぐると私の頭の中で渦巻いていた。
――私は、あの青年に嫉妬していて、御主人に構って欲しいのか。
『……嫉妬なんて……』
御主人が以前のように戻ってほしい、とまではいかなくても頼りにして欲しい。
この世界に来る前も来た後も……。私は、御主人のそばにいた。なのに……。
いっそ、青年を御主人の見ていないところで亡き者にしてしまえば……。
……でもそれじゃ、泣きながらキレて御主人が私を攻撃してくるに違いない。
御主人は、彼を深く愛しているから。
『……もう嫌だ』
――皆 消えてしまえばいいのに 死んでしまえばいいのに
◇
……結局、私は青年に何も危害を加えることは出来なかった。
それどころか、御主人に同じように愛情を投げかけてきたのだ。
「なんでさ……。私はあんたに危害を加えようとしていたのに」
「そうかい? ……まあ、夢美ばっかり構ってて、ちゆりちゃんの存在をないがしろにしていたから、そうされたら『ああ、自分が悪かったのね』って思うけどさ。
……今更と思うかもしれないけど。それに、夢美にその話をしたら、私も悪かった部分があるって」
「御主人が? ………」
「そういうこと」
青年は私を抱きしめた。
「――!?」
「……ごめんな。俺が悪かったよ」
「もう……いいぜ……」
御主人−岡崎夢美っていう恋人が彼にはいるのに、私は差し伸べた彼の手をしっかり握った。
――愛されたいとも思ってしまった。彼の暖かさに包まれて。
そう思っていることが、彼に伝わったのか。
――彼の唇が、私のを……奪った……。
「……ハハハ、簡単なことだぜ」
「なっ……。ななっ……!」
「こうして欲しかったんだろ? 違うか?」
――こいつ……。私の心を……。いとも簡単に盗みやがって……。
「……○○のバカ……。御主人に刺されたって知らないぜ……?」
「構うものか。……俺は夢美も、ちゆりちゃんも愛してあげたい。――それじゃ嫌なのか?」
○○の……大馬鹿野郎……。
◇
それから。私は、御主人と彼の間に割って入ることをしていた。
「わっ、ちゆり!」
「お、おいおい……」
「いいだろ、減るものじゃないしさ」
図々しくなったといえば、そうかもしれない。
私も、○○を好きになっていた。御主人にここだけは譲れない。
……このままでも、幸せだと思っていたけど……。身体がそうさせてくれない。
――気がついたら、御主人のように抱かれる妄想をしていた。
ハグしてもらうことも、キスしてもらったりすることもしてきたけど……。満足できなかった。
『○○………、ダメよ……。好きで好きで思いつめてるちゆりに聞こえたらどうするのよ……』
『夢美は、優しいんだな……』
『だって、もう……。ちゆりの怖い顔、見たくないから……』
――しっかり聞こえてるよ、バカップル共。全く……。
ある日の夜。私は二人の声を聞いていた。
二人でいちゃついてる時は私のこと、気にするなっての。
『……そんなに焦らさないでよ……。もう、私の身体は「あなた」を欲しがってるっていうのに……!』
『そう急かすなって……。これが快楽を増幅させるんだからよ……?』
……暫くして、こっちまで興奮するような声が聞こえてきた。
「……濡れてる」
身体が煽られたのか、股間に触れると汗とは違う何かで濡れていた。
そして、御主人のあえいでる声でどんどん興奮してきてる。
『………は、あああっ………。○○………、そんなにしないでぇ………』
――くちゅ……、くちゅ……。
「ふ………。あぁっ………」
我慢できなくて、股間に手を伸ばしていじっていた。
気持よくて、手の動きを止められない。
「ああっ、ダメ……。これじゃあ、私が先に御主人よりも……ッ……!」
……結局、セックスしている御主人よりも先にイッてしまった。
「はぁ………、はぁ………」
心臓の鼓動がまだ早い。
私は、疲れてそのまま寝入ってしまったが、二回戦に突入していたらしく、かすかに声が聞こえていた。
◇
「……御主人、あのさ……」
――御主人と○○がセックスした3日後。
私は、御主人に○○とセックスしたい、と申し出た。
「貸して欲しい、ってこと?」
そう言った後、御主人は笑いながら「いいんじゃない? ○○がいい、っていうなら」と二つ返事だった。
……あとで聞いた話だけど、私が御主人に○○とセックスしたいと言ったときは、御主人は月の日だったらしい。
その時に求められたらどうしてるんだ、と聞くと、とりあえず精液出させて満足させるんだそうだ。
――その夜。
○○の部屋で、隣りに座った。
隣に座ることは慣れているけど、彼に私の処女を上げる、と考えると、好きになって初めて隣に座った時のことを思い出してどきどきしていた。
おずおずと、○○の手に触れる。
「……緊張しているのか」
「あ、当たり前だろ……。○○と違って私は初めてなんだぜ……」
「それじゃあ……、優しくしてやらねえとな……。これがトラウマになったら可哀想だからな……」
そっと抱きしめられてキスされた。
「んっ……。んふ……。ふ……ぁ……っ……」
今までで、一番濃厚なキス。舌のからみ合いもお互いの唾液を交換するかのような。
唇が離れると同時に、銀色の糸のように唾液が逆アーチを描いていた。
それが頭で上手く処理できなくて、今の状況を把握するまで、○○の顔をじっと見ていた。
「ハハハ……。ちゆりちゃん、大丈夫か?」
「………。ハッ……ごめん……。ぼーっとしちまったぜ……」
「……さてと、それじゃ脱がすけど、いいかい……?」
私は首を縦に振った。
「ご、御主人より貧相に見えるかもな……」
「気にしなくていいさ……。成長期なんだし……」
とはいえ、いいのかなあ……。俺、ロリコンじゃねえかなあ……。
――と、○○は言っていたけど、『外』の世界ならいざしらず、いいんじゃないのかなと返した。
……そこからのことは忘れようと思っても、忘れることは出来なかった。
初めてのことだったのもあった。○○を好きだったから、というのもある。
――御主人はいつも、こんな愛撫されてるんだな、と思いながら。
そして………。
◇
……目が覚めると朝だった。
「おはよう」
「……うん」
寝ぼけててそうとしか返せなかった。
……少し、股間が痛むけど、身体まで愛される、ってこういうことかな。と考えることにした。
○○は分かっててもなあ……。と苦笑いしながら言った。
「……もう、しちゃったことはしちゃったんだし、……ね?」
寝起きだったけど、○○にくちづけた。
「……ちゆり……」
「――大好き」
今の私がこうして笑っていられるのは、○○のおかげだと思う。
……いつか、御主人の心が○○から離れて、彼が一人ぼっちになっても、私が支えてあげる。
そこまで考えられるようになった。
――愛してるよ、○○。
メガリス Date:2011/09/20 20:02:34
SS : 旧作総合へ戻る
コメントをかく