創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

STSとしてのインテリジェントデザイン

インテリジェントデザインの父たるPhilip Johnsonの「法学者が進化論を論評できる理由」


インテリジェントデザイン運動の始祖は、法学者Phillip Johnsonである。法学者が進化論に取り組むことができる理由、というより、むしろ適している理由を本人は以下のように説明する。
Before undertaking this task I should say something about my qualifications and purpose. I am not a scientist but an academic lawyer by profession, with a specialty in analyzing the logic of arguments and identifying the assumptions that lie behind those arguments. This backgroud is more appropriate than one might think, because what people believed about evolution and Darwinism depends very heavily on the kind of logic they employ and the kind of assumptions they make. Being a scientist is not necessarily an advantage when dealing with a very broad topic like evolution, which cuts across many scientific disciplines and also involves issues of philosophy. Practicing scientists are of necessity highly specialized, and a scientist outside his field of expertise is just another layman.

このタスクに取り組む前に、私は資格と目的について述べておかねばなるまい。私は科学者ではなく、法学者を職業としていて、議論のロジック分析と議論の背後にある仮定を特定することを専門としている。このバックグラウンドは人が思うよりも適切である。というのは進化論とダーウィニズムを信じている人々は、彼らが採用したロジックと彼らが創った仮定の類に依存しているからだ。多くの科学分野にまたがり、哲学の問題を含むような進化論のような幅広いトピックに取り組むのに、科学者であることは必ずしも有利ではない。科学者を実践することは必然的に専門化することになり、その分野の外側では科学者も初心者にすぎない。

Phillip Johnson:"Darwin on Trial", p.32 via Mark Perakh
創造論用語「evolution(進化論)」は、宇宙論から生物進化までの幅広い分野を指していて、さらに創造主がいないという主張も含んでいる。その「進化論」を念頭におけば、普通に考えるより「さらに幅広い」分野に見えるだろう。であるとしても、法学者が勝負できるのは「創造主がいないという主張」あたりになるはずだが。

また、法学者Phillip Johnsonは、科学の原則たる「超自然に言及しない」という「方法論的自然主義」は「唯物論」の偽装にすぎないという立場をとっている。なので、「彼らが採用したロジックと彼らが創った仮定の類」とは「神は存在しない」という「唯物論」あるいは「形而上学的自然主義」を指している。法学者の利点は、このような「唯物論」の存在を見抜くことあるという主張のようである。そして、それが進化論の探求に役立つらしい。

そして、法学者Phillip Johnsonの専門知識入手方法は以下の通り:
Access to the relevant scientific information presents no great difficulty. Charles Darwin and T. H. Huxley wrote for the general reader, and the same is true of the giants of the neo-Darwinist synthesis such as Theodosius Dobzhansky, George Gayload Simpson, and Julian Huxley. Current authors who address the gengeral public and who are eminent among scientists include Stephen Jay Gould, Richard Dawkins, Douglas Futuyama, and a host of other experts who are named in the reseach notes to each chapter.
関連する科学情報へのアクセスに大きな難点はない。チャールズ・ダーウィンやTHハクスレーは一般人向けに書いている。同じくことはネオダーウィニスト総合説のTドブジャンスキーやGGシンプソンやJハックスレーにもあてはまる。現在の一般向けch作者で科学者たちのなかで著名な者にはSJグールドやRドーキンスやDフツヤマや、他の章の参考文献で挙げた著者たちがいる。
Phillip Johnson:"Darwin on Trial", p.32 via Mark Perakh
一般向け解説書を読めば、関連する科学知識は手に入るので問題ないというのが、法学者Phillip Johnsonの主張である。実際はもう少し手抜きしていて、Dr. Michael Dentonの反進化論本を基軸にしたようである

法学者全般がこのような考え方をとっているのかはわからない。ただ、類似した主張として、STS学者Steve Fullerの「STS学者に研究対象の分野の専門知識は不要」というのがある








コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

サブメニュー

kumicit Transact


管理人/副管理人のみ編集できます