93-10-20「続不況についての考察−特に消費税のこと」
先日アップした「不況について考察」についての続編ともいえないのですが、
と書いたとおりの言い方に接したものですからまたこのことを述べていきたいと思います。
きょう事務所で朝仕事をしながら偶然TBSラジオでA・Tという女性評論家が喋っていた内容が、私が恐れていたことにあたります。彼女は次のようなことをいっていました。
現在不況対策の減税のために消費税を引き上げるという案が出てきている。たとえば堺屋太一を中心とするグループが、10兆円の所得税減税を提言していて、その財源としては1年後からの消費税10%の適用を主張しているという。またこれが不況脱出策だそうな。秋山はこれに対してとんでもないという。主婦の立場から当然とんでもないという。現在でも非課税制度、簡易課税制度があり、私たちがおさめた消費税はそれらの人たちのふところにはいってしまい、国家には入らないのだから、まずそんなことも改めないで、なんで10%なのだという主張です。そしていまもっと税金をごまかしているところから強力に徴税して、宗教法人等への課税も強化し……などといっていました。
まず堺屋太一らの主張はさておきます。秋山馬鹿おばさんの話では正確にわかりませんからまだ判断できません。まあ印象としては、この堺屋たちのも「とんでもないよ!」という感じですが。
いったいA馬鹿おばさんは消費税に関する論議があったころから、何を学んできたのでしょう。あまりにも不誠実すぎます。前にも書いたことですが、またここで改めてこの消費税の課税額のこと考えてみましょう。
年間ちょうど3,000万円のお店を考えてみます。皆さんの近所の商店を頭に描かれればいいかと思います。ここの仕入れ率を70%とします。簡単にいうと、のこりの約900万円で、従業員(多分1名くらい)、働いている奥さん、社長の給与、そして福利厚生費等々をまかなっているということになります。この商店が課税業者だったら、支払うべき消費税額を計算してみます。
30,000,000×100/103×3(%)−30,000,000×70(%)×3(%)=243,786(円)
すなわちこの商店は、非課税業者であることによって、この約244千円を納税しなくていいことになります。ただしこの前提はこの商店が必ず売るときに3%の消費税をかけていることが前提です。
さてそこで、みなさんのまわりにある商店を見てみるといかがでしょうか。たぶんこの244千円分は消費者である皆さんに還元しているのではないのですか。方法は個々の商店で違うと思いますが、そうでなければ、私たちはより価格の適性でよいサービスを提供する別の商店を選んでいるはずです。そこでどうしてこの 244千円をこの商店がふところに入れているような表現になるのでしょうか。
先日私は妻の代わりに、買い物をしたとき、秋刀魚4匹で252円というのを買ったら(安いと思った)、妻から3匹でよかったのにと怒られました。私らはこんなに細かいんですよ。近所の商店で買うときにも細かく比較検討しているのではないのですか。そこで、店をしまう時間になったら、ひとさらの魚をすべて100円なり値引きしてしまうようなサービスをするときに、またさらに消費税を価格に転嫁して値付けしている中小の商店がありますか。
結局このA馬鹿おばさんは、こうした庶民の買い物の現場なんか何も知らないのです。ただ頭の中で、あの中小の商店は消費税をふところにいれている、払っていないんだと思い込んでいるだけなのです。その商店の仕入れにはすべて消費税が含まれているのですよ。ちっとは、買い物の現場でもよく自分で体験してみればいいのだ。毎日野菜を買う八百屋、自転車直してもらう自転車屋、赤ちゃんの風邪について心配してくれる薬局、こうしたところのおやじなり、あかみさんが、なんだかこの 244千円(ただし年間売上3千万円で、仕入れ率70%の場合)をふところにいれているなんて、私たち庶民が考えているものか。
ちょうどこの消費税が導入されようというときに、この馬鹿おばさんは次のようなことをいっていました。
これを細かい数字をあげて説明主張していました。
私はこれをきいて呆れました。呆れたのには2点あります。
1.全くこの説明主張がひどすぎる。
2.これは立花隆が、他の文でいっていたことをそのまま述べているだけである。細かい数字、いいかたのニュアンスまで、まったく一緒である。
プロの評論家として恥ずかしくないのか。
結局は立花も話にならないのですが、こうした主張は一体何なのでしょうか。もう簡単にいえば、次のようなことでこのことはイメージできるかと思います。
こうして消費税の最初のときから解っていない馬鹿おばさんが、あいもかわらずおなじように大衆を啓蒙しようとしています。こうしたことは、
この「さまざまな評論家や、市民主義者や、社会党」の役割を、かの馬鹿おばさんが忠実に果たしつつあることを意味しています。結局は消費税のやみくもな値上げを補完支える役割をするだけです。
私は昨日夜中、「山川菊栄評論集」を読んでいました。私は女性活動家としては、彼女が好きなのです。そのなかで、1939年(昭和14)6月25日の東京朝日新聞に載せた文が印象に残りました。「婦人の団体行動」という文です。
この中で彼女は、当時「女子部隊」とか「督戦部隊」とかいって、婦人のみで「消費調査の突撃隊」などといって、浪費者や遊蕩者を尾行したりする行動を、「一体誰が誰に向って『突撃』するというのか」といって、いましめています。
まったくこのA馬鹿おばさんも、いったい誰に向って言っているのか。私たちが、私たちのまわりの中小の商店主と面白おかしく、掛け合いで買い物したりする関係を、「いや、よく調べればね、あのひとたちは、消費税をふところにいれているのよ」と嘘八百で啓蒙したいのだでしょう。
まったくこの山川菊栄がこの時代の婦人団体の行動かつ思想に感じたことをいままたA馬鹿おばさんに感じてしまいます。
( )内が戦前の話です。これが大政翼賛運動になりました。市川房枝のような人間が、いまこそ私たち女も、「八紘一宇」のため、「亜細亜解放」のため立ち上がろうといっていったわけです(もちろん婦人参政権のことも主張はしたでしょうが)。そしてたくさんの私たちの親たちを戦場に送った。なんと犯罪的なのでしょうか。山川菊栄はそうしたことを冷静に見ぬいています。
いままたこのような馬鹿おばさんには同じような匂いを感じます。戦前だって、世界平和のために戦おう、金持ちのためなく庶民のための国を作ろうと言って、あの連中は戦争への道を突き進んだのです。さも消費税の値上げには反対するような顔して、その実は、細かく徴税しろ、庶民からこそ、中小企業からこそ完全に徴税しろ、大衆よ、よくこうした零細企業を見張れといっているだけではないのですか。
とにかく私たちは私たち自身で自らを守っていかなければならないのです。こうした馬鹿犯罪評論家のいうことは、もっともっと注意していく必要があるようです。
いや、もっともこんなことはもうみんな判っていることなのかもしれません、ただ、私としては、あのおばさんをとにかくけなしたいだけなのです。
情況への発言
- あれほど消費税に反対だった社会党かつマスコミもこの「減税」というマジックの前ではどうしちゃったのでしょうか。このままいけば確実に消費税はあげられるでしょう。しかもこれらの勢力のおかげで最悪のパターンになるかもしれません。
と書いたとおりの言い方に接したものですからまたこのことを述べていきたいと思います。
きょう事務所で朝仕事をしながら偶然TBSラジオでA・Tという女性評論家が喋っていた内容が、私が恐れていたことにあたります。彼女は次のようなことをいっていました。
現在不況対策の減税のために消費税を引き上げるという案が出てきている。たとえば堺屋太一を中心とするグループが、10兆円の所得税減税を提言していて、その財源としては1年後からの消費税10%の適用を主張しているという。またこれが不況脱出策だそうな。秋山はこれに対してとんでもないという。主婦の立場から当然とんでもないという。現在でも非課税制度、簡易課税制度があり、私たちがおさめた消費税はそれらの人たちのふところにはいってしまい、国家には入らないのだから、まずそんなことも改めないで、なんで10%なのだという主張です。そしていまもっと税金をごまかしているところから強力に徴税して、宗教法人等への課税も強化し……などといっていました。
まず堺屋太一らの主張はさておきます。秋山馬鹿おばさんの話では正確にわかりませんからまだ判断できません。まあ印象としては、この堺屋たちのも「とんでもないよ!」という感じですが。
いったいA馬鹿おばさんは消費税に関する論議があったころから、何を学んできたのでしょう。あまりにも不誠実すぎます。前にも書いたことですが、またここで改めてこの消費税の課税額のこと考えてみましょう。
年間ちょうど3,000万円のお店を考えてみます。皆さんの近所の商店を頭に描かれればいいかと思います。ここの仕入れ率を70%とします。簡単にいうと、のこりの約900万円で、従業員(多分1名くらい)、働いている奥さん、社長の給与、そして福利厚生費等々をまかなっているということになります。この商店が課税業者だったら、支払うべき消費税額を計算してみます。
30,000,000×100/103×3(%)−30,000,000×70(%)×3(%)=243,786(円)
すなわちこの商店は、非課税業者であることによって、この約244千円を納税しなくていいことになります。ただしこの前提はこの商店が必ず売るときに3%の消費税をかけていることが前提です。
さてそこで、みなさんのまわりにある商店を見てみるといかがでしょうか。たぶんこの244千円分は消費者である皆さんに還元しているのではないのですか。方法は個々の商店で違うと思いますが、そうでなければ、私たちはより価格の適性でよいサービスを提供する別の商店を選んでいるはずです。そこでどうしてこの 244千円をこの商店がふところに入れているような表現になるのでしょうか。
先日私は妻の代わりに、買い物をしたとき、秋刀魚4匹で252円というのを買ったら(安いと思った)、妻から3匹でよかったのにと怒られました。私らはこんなに細かいんですよ。近所の商店で買うときにも細かく比較検討しているのではないのですか。そこで、店をしまう時間になったら、ひとさらの魚をすべて100円なり値引きしてしまうようなサービスをするときに、またさらに消費税を価格に転嫁して値付けしている中小の商店がありますか。
結局このA馬鹿おばさんは、こうした庶民の買い物の現場なんか何も知らないのです。ただ頭の中で、あの中小の商店は消費税をふところにいれている、払っていないんだと思い込んでいるだけなのです。その商店の仕入れにはすべて消費税が含まれているのですよ。ちっとは、買い物の現場でもよく自分で体験してみればいいのだ。毎日野菜を買う八百屋、自転車直してもらう自転車屋、赤ちゃんの風邪について心配してくれる薬局、こうしたところのおやじなり、あかみさんが、なんだかこの 244千円(ただし年間売上3千万円で、仕入れ率70%の場合)をふところにいれているなんて、私たち庶民が考えているものか。
ちょうどこの消費税が導入されようというときに、この馬鹿おばさんは次のようなことをいっていました。
- 日本の法人企業の約6割が赤字企業で、まったく税金を払っていない、ここから税金を取り立てれば、莫大な税収がえられ、もう消費税なんか必要なくなる。
これを細かい数字をあげて説明主張していました。
私はこれをきいて呆れました。呆れたのには2点あります。
1.全くこの説明主張がひどすぎる。
2.これは立花隆が、他の文でいっていたことをそのまま述べているだけである。細かい数字、いいかたのニュアンスまで、まったく一緒である。
プロの評論家として恥ずかしくないのか。
結局は立花も話にならないのですが、こうした主張は一体何なのでしょうか。もう簡単にいえば、次のようなことでこのことはイメージできるかと思います。
- 92-10-11 鉄道グループと流通グループ 周
- 赤字企業からさらに税金をしぼりとろうなんて、それこそ女房子供を売り払って、もう何も残っていない病人が咳き込んでいるのを蹴り飛ばして、人頭税のかたに布団をはいで行くといったイメージですね。でもこう考えている人が多いんですね。何だか「企業=悪、庶民=可哀想」というイメージで論断する識者が多いのです。ほんとういえば、それこそ庶民を馬鹿にしているんですよ。
こうして消費税の最初のときから解っていない馬鹿おばさんが、あいもかわらずおなじように大衆を啓蒙しようとしています。こうしたことは、
- 93-07-30 細川、近衛、不況、消費税 周
- 私は税の直間比率を直していくのは当然だと思いますが、こんな形をやみくもにやられたら、中小企業はやっていけないですよ。勿論そのときになれば、どうにかやっていくわけでしょうが、こんな安易な形ではやっていられません。うちは年間売り上げ3,000万円以下だから、非課税で関係ないと考える商店の方たちも、今のままではわかりませんよ。前にも書いたように、簡易課税制度は昨年10月から大幅に変わりました。国会できめたんですよ。反対したところなんかないんです。また同じでしょう。
- 10%にするのなら、ちゃんと徴税するためには、非課税枠は1,000万円以下にしろなどと、さまざまな評論家や、市民主義者や、社会党がいいだすに違いありません。
この「さまざまな評論家や、市民主義者や、社会党」の役割を、かの馬鹿おばさんが忠実に果たしつつあることを意味しています。結局は消費税のやみくもな値上げを補完支える役割をするだけです。
私は昨日夜中、「山川菊栄評論集」を読んでいました。私は女性活動家としては、彼女が好きなのです。そのなかで、1939年(昭和14)6月25日の東京朝日新聞に載せた文が印象に残りました。「婦人の団体行動」という文です。
この中で彼女は、当時「女子部隊」とか「督戦部隊」とかいって、婦人のみで「消費調査の突撃隊」などといって、浪費者や遊蕩者を尾行したりする行動を、「一体誰が誰に向って『突撃』するというのか」といって、いましめています。
まったくこのA馬鹿おばさんも、いったい誰に向って言っているのか。私たちが、私たちのまわりの中小の商店主と面白おかしく、掛け合いで買い物したりする関係を、「いや、よく調べればね、あのひとたちは、消費税をふところにいれているのよ」と嘘八百で啓蒙したいのだでしょう。
- こういう不用意な表現の中に、消費者の注意を促す謙虚な誠意よりも、民衆を蔑視する驕慢な思い上がり、少数の浪費者のみでなく、消費者大衆に対する挑戦的な表情を感じたものは、一人や二人ではなかった。
- (「婦人の団体行動」)
まったくこの山川菊栄がこの時代の婦人団体の行動かつ思想に感じたことをいままたA馬鹿おばさんに感じてしまいます。
- 大企業はよくない(財閥はよくない)
- 自民党は汚い(政党政治を打破しよう)
- 私はキレイだ( 同じ )
- 政治に関心もとう( 同じ )
- いまこそ立ち上がろう( 同じ )
( )内が戦前の話です。これが大政翼賛運動になりました。市川房枝のような人間が、いまこそ私たち女も、「八紘一宇」のため、「亜細亜解放」のため立ち上がろうといっていったわけです(もちろん婦人参政権のことも主張はしたでしょうが)。そしてたくさんの私たちの親たちを戦場に送った。なんと犯罪的なのでしょうか。山川菊栄はそうしたことを冷静に見ぬいています。
いままたこのような馬鹿おばさんには同じような匂いを感じます。戦前だって、世界平和のために戦おう、金持ちのためなく庶民のための国を作ろうと言って、あの連中は戦争への道を突き進んだのです。さも消費税の値上げには反対するような顔して、その実は、細かく徴税しろ、庶民からこそ、中小企業からこそ完全に徴税しろ、大衆よ、よくこうした零細企業を見張れといっているだけではないのですか。
とにかく私たちは私たち自身で自らを守っていかなければならないのです。こうした馬鹿犯罪評論家のいうことは、もっともっと注意していく必要があるようです。
いや、もっともこんなことはもうみんな判っていることなのかもしれません、ただ、私としては、あのおばさんをとにかくけなしたいだけなのです。
情況への発言
2007年01月16日(火) 09:19:29 Modified by kozymemory