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タグ検索で1960年は9件見つかりました。
擬制の終焉
安保闘争は奇妙なたたかいであった。戦後一五年目に擬制はそこで終焉した。それにもかかわらず、真制は前衛運動から市民思想、労働運動のなかにまだ未成熟なままでたたかわれた。いま、わたしたちは、はげしい過渡期、はげしい混乱期、はげしい対立期にあしをふみこんでしる。そして情況は奇妙にみえる。終焉した擬制は、まるで無傷でもあるかのように膨張し、未来についてバラ色にかたっている。いや、バラ色にしか語りえなくなっている。安保過程を無傷でとおることによって、じっさいはすでに死滅し、死滅しているがゆえに、バラ色にしかかたり
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私的利害を優先する
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戦後一五年は、たしかにブルジョワ民主を大衆のなかに成熟させる過程であった。敗戦の闇市的混乱と自然的灰墟のなかから、全体社会よりも部分社会の利害を重しとし、部分社会よりも「私」的利害の方を重しとする意識は必然的に根づいていった。ことに、戦前・戦中の思想的体験から自由であった戦後世代において、この過程は戦後資本主義の成熟と見あって肉化される基盤をもった。丸山はこの私的利害を優先する意識を、政治無関心派として否定的評価をあたえているが、じつはまったく逆であり、これが戦後「民主」(ブルジョワ民主)の基底をなして
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孤立に死んだ いや生きた
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たたかいに斃れた少女は
どんな時間を着ていたか
日本の誇るべき息子たち娘たちのようか
否(ノン)
六月にうつる紫陽花の色のようか
否(ノン)
教授たちの貧弱な思想のようか
否(ノン)
父と母との掌のようか
否(ノン)
時代のようにあざやかな絶望のブラウスと暗いズボンをはいて
あかるく賑やかな「市民」の行列とボタンのちぎれた「民族」の道化芝居の幕間に孤立に死んだいや生きた
(「時のなかの死」「ユリイカ」1960.8月号に掲載「模写と鏡」1964.12.5春秋社に収録された)
:| この少女は60年安保闘争の
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何ものにもなるのを拒否する
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わたしは、ただ、なにものにもなることを拒否しながら、めぐってくる舞台を捕捉しようとしているだけだ。舞台は、社会構成の疎外がむこうからもつてきてくれる。わたしは、それを捕捉する。かつて、大衆運動の舞台がわたしにめぐってきたように、こんどは、何らかの役割がめぐってくる。ただ、何ものになることをも拒否するたたかいに耐えることによって、どんな舞台にも応じようとしているのだ。
(「海老すきと小魚すき」1959.9「民話」未来社に掲載され、「異端と正系」1960.5.5現代思潮社に収録された)
:| こうして吉本さ
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ふとわれにかえったらシラガのお爺さん
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『昆蟲記』のファーブルも、『新約聖書』の作者も、『資本論』のマルクスも、また、やがてわたしが遭遇するであろうすぐれた書物の著者も、その著書によってどうしようと考えるよりもまえに、彼自身の生自体が必然的にそこにのめり込み、のめり込んだ主題につきすすんだままやがて気がつくと、膨大な時間を浪費していた、という種類の人物であることはうたがいない。ファーブルは、昆蟲を眺めて、ふとわれにかえったらシラガのお爺さん。新約書の作者は人を愛憎して、ふとわれにかえったらシラガのお爺さん。マルクスは資本主義社会の正体をあばいて
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資本論
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『資本論』をよんだのは大学院の研究生時代であった。わたしは、ジイド・リストの名著『経済学説史』や、ジョゼフ・シュムペーターの経済史を一読してから、スミスからマルクスまでの古典経済学の主著をたどっていった。シスモンデイやロウドベルトウス・ヤゲッツオなどにも触れていたので、『資本論』の発想が確然たる独創とはおもわなかったし、同時代の人間は、おなじようなことを模索するものだなあと思ったが、『資本論』の精密な膨大な論理の体系は、ほとんど有無をいわさぬ形で常人に隔絶していることを感じた。素人であるわたしがこんなこと
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新約聖書
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『新約聖書』をよんだのは、敗戦直後の混乱した精神状態のさ中であった。その頃は、ちょうど天地がひっくりかえったような精神状態で、すべてを白眼視していた時期であった。そんなとき、十代によんだ『昆蟲記』のことなどを思い出すことができたら、随分道がひらけたろうとおもうが、そんな時期にかぎって眼は現実の社会的動きに苛立っているものだ。いまおもうと、自分がコッケイでもあり、悲しくもあるが、富士見坂の協会などに行って、牧師の説教をきいたりしたこともあった。だめなのだ。彼らは、「新約書」の理解を、まったく、まちがっている
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昆蟲記
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『昆蟲記』をよんだ時期は、ちょうど太平洋戦争のはじまる一年くらい前である。ファーブルの分析的な緊密な文体をたどりながら、たしかに、ここに、一生を棒にふってどこかの路ばたにうずくまって蟻地獄の生態などを観察している孤独な人間がいるような気がした。それは、十代の柔軟なこころにはおそろしい感動であった。昆蟲の生態を観察しているファーブルは充実した時間のなかにおり、すこしの孤独もないのだが、そういうことに生涯をついやしうるということで、わたしの人間の孤独とは何かということを感じないではおられなかった。実用的ならざ
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三冊の本
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いままでの読書の体験のうち、おそろしい精神的な事件のような読み方をしたのは、十代の半ばごろよんだファーブルの『昆蟲記』と、二十代のはじめのころよんだ『新約聖書』と、二十代半ば頃よんだ『資本論』とであった。
あえていえば、この何れの場合も、完全にこれらの書物を理解したとはいわない。しかし、たしかにわかったという感じがしたのである。
(「読書について」1960.4東販「新刊ニュース」掲載 「模写と鏡」1964.12.5春秋社に収録された)
:| この三つの本に共通することは何だろうか。私から見えるのは、と
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