お正月なのでちょいとサプライズ
まえのエリア×マスターものの続きもの

夜が更けった空のもと、決闘神社は人でごった返していた。
 今日は12月31日。つまりその年最後の日。すなわち大晦日である。

「凄い混んでますね」
「ああ」

 実体化したエリアは、ごった返す雑踏を見ながら囁く。
 カードの精霊であるエリアは非常に人の目を引きやすいはずだが、この決闘神社ではコスプレをしている輩も少なくないので、目立つことはないはずだ。
 ただし、エリア自身には自覚がないが、彼女はまごう事なき美少女である。
 青い髪で、なおかつそれに映える淡い青色の花が描かれた晴れ着を着るエリアは、周囲の男の目を集中させていた。
 が、本人は気づいていない。

「しっかし、何が悲しゅうてこんな混んでる中を歩かにゃいかんのか」
「いいじゃないですか、いっつも家でごろごろしてるんですから、今日くらいは私に付き合ってください」
「この前、映画に連れて行ってやったじゃん」
「でも、それ以外では滅多に遊びに行ってないじゃないですか?」

 うっ……と彼は唸る。エリアはそれをみて少し勝った気分になると、すっかり人ごみに酔ってきた彼の手を引いた。しっかり手をつないでないとはぐれてしまいそうだったからだ。
 ことさら過去にゴミ箱へ捨てられたことのあるエリアには、誰かと離れ離れになるということが何より恐ろしい。
 しばらく歩いていると、キョロキョロと夜店を見渡していたエリアが声を上げた。

「あっ、綿飴が売ってますよ!」
「欲しいのか?」
「……いえ、私はお金持ってないし、マスターに買ってもらいわけにはいきません」
「じゃあなんで言ったんだ?」

 うーん、と今度はエリアが唸る番だった。少し気恥ずかしそうな顔をして口を開く。

「だって、私がワガママを言って連れてきてくれたのに、マスターが楽しくないんじゃ私も楽しくなれません。だから、マスターが楽しくなれそうなことを探してるんです」
「……お前って、本当に時々恥ずかしげもなく、そういうこと言うよな」
「へ?」
「まあいい。じゃあ、行くぞ」

 今度はエリアが引っ張られる番だった。彼は、エリアの手を固く握ると、雑踏の中を歩いていく。

「まずは参拝だ。それが終わってから色々回ろう」
「いいんですか?」
「エリアが喜ばないと俺だって喜べるわけないだろ」

 さらりとさっきのエリアの言葉を捩って彼は笑いながら言う。それを見てエリアはホッとしたような気分と、気にかけてくれて嬉しいという感情を同時に抱いた。
 そうですね、と小さく微笑むと彼の手を頼りに歩いていく。
「――だったのに、どうしてこうなるんですかぁっ!?」

 本当にさっきまで良いムードだったのだ。だからこそ、エリアは今の状況に文句を言わざるえない。
 参拝を終えて、縁日を見てまわろうということになって今に至る。
 エリアたちは、参拝客から身を隠すように、境内の林の中にいた。

「すまん。まさかここで勃つなんて思ってなかったんだ」
「だからって今日は大晦日なんですよ! 煩悩を滅する除夜の鐘だってもう少しで鳴り出すのに!」

 泣きそうになりながらエリアは目の前に屹立するテントを見た。
 生理現象なのはわかるが、時と場所を考えて欲しいとエリアは目で訴える。

「エリアの晴れ着が可愛くてな」
「またそういうこと言って誤魔化そうとしていませんか?」
「うっ」
「まったく……わかりました、わかりましたからやりますよ。確かに今日、ここに来たいと言ったのは私なんですから」

 若干ヤケになりながら、エリアは屈んだ。土で晴れ着を汚さぬように気をつけると彼の顔を見上げた。

「えっと……前みたいに、手ですれば……いいん、ですよね?」
「うーむ、それじゃあエリアの着物が汚れないか?」
「それはそうですけど、じゃあどこでやれっていうのでしょうか?」
「そうだな……口でやってくれないか?」

 思わず引っ叩きそうになった。下手をすれば悲鳴を上げていたかもしれない。
 それをしなかったのは、エリアはまさかの返答に起こるより先に硬直してしまったからだ。

「えっええっ!? く、口ですか? そ、そんな……こと……」
「あれできないのかー? 残念だなー、エリアはそんなこともできない娘なのかー」
「わ、わざとらしいです……わ、わかりましたよ……わかりましたから、その腹の立つ顔はやめてください」

 ニヤニヤする彼の顔に若干苛立ちを覚えながら、エリアは男の股間に手を伸ばす。チャックを下ろすと、限界にまで膨らんだそれが現れた。
 本当に相変わらず醜悪な見た目で、本当に同じ生き物なのか今でも疑問である。

「……うぅっ……これを舐めるって、こと……ですよね?」
「ああ仕方は教えるから、指示通りに頼む。まずは軽く先っぽを舐めてくれ」
「……はい」

 躊躇いがちに口を近づけると、ツンとくる匂いが備考を刺激した。
 前のことを思い出してしまい、エリアは赤面し今にもやめたくなったが、ぐっと我慢して舌先を先端に触れさせる。酸っぱいような塩っぱいような何とも形容のできない味がした。

(へ、変な味……)
「いい感じだ。そのまま周りを舐めて行ってくれ、唾液を塗りこむように……」
「……んっ……んちゅ……」

 言われたとおり、先っぽだけでなく肉棒全体を丁寧に舐め込んでいく。
 感じとしては棒アイスを舐めているのと同じだろうか、エリアは少しだけそう思いながら丹念に舐める。しばらく立つとさらに元気さを増してきた。

「そう、今度は口でくわえてくれないか? 手も一緒に添えてくれ」
「ふぁ、ふぁい……」

 舐めながら返事をすると、エリアは大きさの増したそれを小さな口で頬張った。
 むろん全て頬張ることはできず、せいぜい半分位までしか口に含むことはできない。その空いた部分に手を添える。

「前後に動いてくれ、舌も動かしながら」
「んんっ……ふぁんっ……ちゅ……んくっ」

 唾液と肉棒の先端から漏れ出す粘液がが混じりあう。前にも嗅いだこの独特な匂いに、エリアの頭の中は熱に満たされ始めていた。
 下半身が熱を持ってきて、着物の下で太ももをすり合わせる。

「ふぉう……ふぇふふぁ?」

 どうですか? と聞いたつもりだったが、モノを加えたままでは言葉にはならない。
 上目遣いで眺めていると、返答は行動で返された。

「――んぐぅ!?」

 いきなり頭を両手で掴まれたかと思うと、ただですら許容外だった肉棒がさらに奥へと突きこまれた。
 口内だけにとどまらず、先端は喉の壁にまで到達する。
 エリアは息苦しさと吐き気で声にならない悲鳴を上げ暴れるが、頭を掴まれたままでは逃げることもできず、突き入れに抗うこともできない。

(く……くる、しいっ……)

 葉で噛み付いて抵抗するという選択肢はなかった。いや、噛みつけられないほど、口内は肉棒に満たされている。
 エリアのくぐもった悲鳴は聞こえているはずだが、彼の行為は止まることがなかった。
 やがて、突き入れらていたそれが膨張すると、喉に叩きつけられるかのように粘着く液体が発射された。

「んっ……くぅぅぅっ!?」

 口内いっぱいになるほど吐き出された液は、エリアの呼吸を阻害するほどだ。目尻に涙を浮かべて、エリアはそれを吐き出そうとした。
 しかし、肉棒は栓をするかのように引き抜かれることはなく、両手もエリアの頭を掴んだままだ。

(この、ままじゃ……息が……飲み込ま、ないと……)

 喉にまとわりつく不快感に耐えながら、エリアはそれを飲み込み始めた。早く飲みきらなければ呼吸もできない状況だ。
 しかし粘着く液体を飲み干すのには容易ではなく、なんとか飲み切る頃には目尻から涙が流れていた。
 すべて飲んだことを確認すると手が離され、肉棒が引き抜かれる。口から飲み干しそこねた液が漏れた。

「……はぁ、はぁ……どうして……」
「すまん。どうしても我慢ができなくなった」
「だからって、酷い……です。もう少しで……窒息しそうだったんですよ」

 肩で息をしながらエリアは彼に恨みがましい目を向けた。いつも何をやりだすかわからない彼だが、ここまで酷いことはされなかったはずだ。
 これの答えも、行為で返された。

「じゃあ、今度はこっちがエリアを気持ちよくするよ」
「えっ――――んんっ」

 エリアの目線に合うように屈んだ彼が、エリアの唇に吸い付いた。突然のことに目を白黒させたエリアだったが、酸素不足で疲れた身体では抵抗することもできない。
 恋人同士がするように口内で舌が絡み合い、唾液が交換されていく。

「んぁ……ふぁっん……」

 あれだけのことをされたのに、エリアの頭の中は熱に満たされて、さっきの怒りはどこかへと隠れてしまう。
 それと同時に胸元の隙間から手が侵入してきた。
 冷えた彼の手が、火照った地肌に触れるとエリアはゾクリと身を震わせる。そこに地肌を守る下着はなかった。

「下着、着けていないのか?」
「だ、だって……着けないものだって、本に書いてあって……ひゃうっ! そ、そこはぁっ」

 ぎゅっと先端が摘まれてエリアは悲鳴を上げた。
 感触を楽しむかのように揉みしだかれる。先端は指の腹で転がされ、エリアはその度に震え上がった。

「ま、ますたぁ……そ、そんな外で……ぁんっ……」

 真冬の寒さなど、感じる余裕はなかった。それを感じる前に、彼の手が伸びて身体中を愛撫していく。
 やがて太ももの間に手が差し込まれ、ソコをなで上げられた。

「まさかとは思ったけど、ここも着けてなかったんだな。ちょっと変態っぽいぞ」
「あっ……やっあっ……だか、ら……それはぁ……本にぃ……」

 クチュクチュと水音が鳴らされるたび、エリアの頭の中でスパークが起きる。
 やっぱり着けるのが普通なのだと今更気づいてしまって、エリアの顔が真っ赤に染まった。

「本に書いてあったから真似しちゃったのか、実践の移しちまうなんて可愛いやつめ」
「うっ……ぅぅ……でも、それとこれ、とは……――ぃひゃっ」

 どの指なのかはエリアは知らないが、花弁の中にいきなり侵入されて悲鳴が上がった。
 それを彼が人差し指を立てて静める。

「しぃー、あんまり声出してると参拝客にバレちゃうぞ」
「そ、そんなぁっ……んっ」

 これが見られる。自分の痴態が見られてしまう。それを考えるだけでエリアは頭が真っ白になった。前にも体験した感覚に、エリアは自然に腰が砕けてくる。
 そんなの嫌だ。なのに、身体は疼くばかりで、アレが欲しいと思ってしまう。

「もうイっちゃったか……それに、こんなに指を締め付けて……ほら、そんな変態さんにご褒美を上げよう」

 立ち上がらされ、木に押し付けられる。
 彼はエリアの着物を捲くりあげて、つるりと毛の一本も生えていないそこに硬くなった自分の分身をあてがえる。逃げようとする腰は両手でガッチリと固定されていた。
 そのままひと思いに前進。すでに濡れていたソコは驚く程滑らかにソレを受け入れて、全て収まってしまった。

「ふあっ……ああっ……」
「ほら声が出てるよ。バレちゃうぞ」

 慌てて口を片手で塞ぐ。もう片方は木に捕まるのに使っているので、片手しか使えないのだ。
 そしてそれと同時にピストンが始まった。すでに洪水状態のエリアのそこは、抜き差しされるたびに愛液を撒き散らし地面を濡らしていく。

「んっ……ふんっ……んんぐぅっ」

 エリアには口を押さえているくらいしかできなかった。声を抑えて快感の波に酔いしれる。同時に外でしているという事実に羞恥心が刺激されて、さらにキツく花弁が肉棒を締め付けた。
 そこで。彼の腰の動きが急に止まった。

「しっ」
「んんっ」

『ねえ、何か声がしなかった?』

 他の参拝客の声だと気づくのに数瞬もいらなかった。
 今の状況にエリアの顔が青くなる。もし見られたらと思ってしまい、身体がガクガクと震えた。

『空耳じゃないの』
『でも確かに女の子の声が聞こえたんだけどねー』

(やだやだ……こんな状況見られたら……)

 恥ずかしい、バレてしまう。むろん彼も息を潜めていたが、やがて抜いて挿す行為を再開した。。
 確かに、水音がならないように控えめな動きだったが、羞恥心が限界となったエリアにとっては未知の刺激である。

「ま、ますたぁ……い、いまは……やめ――んぁっ」

 今度は完全にわざとだった。グンと最奥の門にぶつかるほど深く挿れられて、エリアの視界が明滅する。
 出てしまった悲鳴に気がついて、エリアは呼吸を止めた。

『やっぱり聞こえた』
『そんなのどうでもいいでしょ。除夜の鐘がもう鳴ってるんだから、さっさと行きましょ』
『あーわかったから置いてかないでよ、もおー』

 気配が遠のいていく。それと同時に既になっていた除夜の鐘の音が耳に届いた。年の終わりを表す除夜の鐘だ。
 108の煩悩を振り払うためになされる鐘の響きの中、行為は再開された。

「除夜の鐘がなってる中でやるなんて罰当たりかな」
「それ、なら……抜いて、くださ……い」
「こんなに締め付けておいて、もうお開きは無理だろ」

 ぐんと差し込まれ、また引き抜かれる。それが何度も何度も、速度を上げながら繰り返される。
 すでにエリアの内股は愛液と先走りが混じったものでぼとぼとに濡れていて、もう着物が汚れるなんて気にしている余裕はなかった。

「んっ……んぁっ……んくぅっ」
「もう誰もいないし、鐘の音が隠してくれるから大丈夫だ。ほらっ、もっと可愛い声を聞かせてくれ」
「あっ……やっあ……おか、しく……なっちゃ、う……」

 手を無理やりどかされて、耐えていた声が全て漏れ出してしまう。
 しかし除夜の鐘の音が予想以上に大きいためか、それは縁日の喧騒には届かない。むろんエリアにとってはそれどころではなく、寒さを忘れさせる快楽に溺れ始めていた。

「ますたぁっ……ぁあっ……ますたぁっ! もう、イっちゃっ……」
「イクぞっ、エリア!」

 中で動くものが急激に膨張する。そこから熱いものが放出されたと同時に、エリアも達した。
 彼のものを咥えたまま、エリアは崩折れた。彼もまたエリアの腰を掴んだまま、荒い息を繰り返している。
 ちょうどその頃に108回目の鐘が鳴り、盛大な声が街中で上がった。

「こんな、ところで……やっちゃうなん、て……」
「まあ、とりあえず……あけましておめでとう、エリア。今年もよろしくな」
「は、い……あけましておめでとうございます、ますたぁ……今年も、よろしくお願いします……」

 若干、息も絶え絶えに交わすともう一度口付けを交わす。
 彼が思いついたように言った。

「ちょっと、このままじゃ収まらないだろうから……続きを家でやろう」

 この言葉にエリアは少しだけ悩んだように見せたあと、無言で頷く。
 その後、彼の部屋の中では少女の嬌声が、空が白むまで鳴り続けていたという。

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