■名前:キランディ
(天使文字表記:⊃フX》Uτ)
■年齢:6000歳以上(創世記初期近辺)
■誕生日:―(不明)
■血液型:―(不明)
■好きなもの・こと:興味が無い (人間・甘いもの・煙草)
■嫌いなもの・こと:興味が無い (過酷過ぎる試練)
数千を超える年月を過ごし、数多くの権能を有する実力ある天使。
元は「人の停滞を進める」役目を背負っていた。
人間の利を己の指針とし、人の為に動く天使らしい様子も見せるが、
その実、己に興味が無く孤独に慣れ一人で完結しきってしまった人でなし。
人間が試練に勝てず心が淀んでいく様を仕事柄幾度も見ており、
試練の過酷さとその結果に飽き疲れ、「人間は脆く未熟な生き物」だと諦観してしまっている。
本編より10年前に幼いヨーランダと出会い、当時彼女を追い詰めていた
抱えた感情を、自身の権能を用い分かちあった。
その彼女の魂が淀まず綺麗だった事から己の価値観や導きに迷いを持ちはじめ、
役目をまともに果たさなくなった為に、降格ともいえる現在の役目に至っている。
後述していく過去により、感情が摩耗している。
「人間が大事なもの」であるという以外には物事に碌に興味を抱けなくなっており、物忘れもその一環。
共感性はほぼ失われ、人間の一般論、理想論、数千年の間の勘で適当に話を合わせて応対している。
が、性格の根底と感情の摩耗により、
人の利益が関わらない「自分自身」の質問には全くと言っていいほど答えられない。
好物として一応明記された「甘いもの」「煙草」でさえ、
「人間の感謝の情や負の感情を摂取した時の感覚に近いから、満たされはしないが気は紛れる」
という利便性だけで語っている。
「ネグレクトクソジジイ」「じじママ」等の蔑称愛称がついている。
「エンジェルさん」
天獄市に噂されている都市伝説の一つ。
アプリ、もしくは50音と数字、「YES,NO」、
矢印とハートを構成した紙を用いた降霊術の一種とされる遊び。
それらに指を置き、「エンジェルさん、エンジェルさん おいでください」
そう唱えれば、そのうち「エンジェルさん」から返事が返ってきて、
こちらの質問に答えてくれるというもの。噂は様々な尾ひれがついており、
「運が良ければ虹色の「エンジェルさん」に会える」というものも存在する。
潜在意識、誰かのいたずら、低級な霊・悪魔の憑依など現象の理由は諸説あるが、
天獄市に於いては本物の天使であるキランディの仕業。
天からの措置により天獄市の「エンジェルさん」の降霊を行おうとすると、
キランディの召致と置き換わるようになっている。
「ほぼ同意義同名の都市伝説による天使のイメージダウン案件のカバー」との名目で
この役目についてはいるが、以前の役目を果たさなくなった
キランディへの天からの降格処分ともいえる。
本人は時折揶揄するような言い回しをするが、この措置を全く気にしても居ないし受け入れている。
権能
天使が行使する奇跡のようなもの。
最初から与えられるもの、申請して後に授かるものも存在する。
キランディは長い時を天使として活動した為、
申請した権能の数が多く、本人も覚えきれていない程の権能を所持している。
膨大な権能の影響で体の構造や機能が大分変化しており、
その変化は自身を肉体で定義するのは難しい程。その為、魂に依存した存在に成り代わっている。
エーテルを取得する器官の主は胃になっていたり、羽を隠すのが下手な事もそれが理由。
一般的な隠し方に変化した身体が対応していないため、少々無理をしながら隠す羽目になっている。
本編で主に使用されるのが「暗示」と「吸魂」の権能。
どちらも人の感情に関わる権能であり、以前までのキランディはそれらを用いて役目を勤めていた。
「吸魂」の権能とは、人の感情を呑み込み、消化する祝福の事。
人間はこの世の生き物の中でも感情が豊かであり、
溢れすぎた感情が他の存在に影響を及ぼしやすい。
その感情が負の感情だった場合、自己や他の存在を害する場合がある。
故に溢れた分だけの感情を呑むことで、感情の暴走故の凶行や停滞を防ぐ為に使われる。
幼少のヨーランダに用いたのはこの権能。
また感情は魂にも繋がるものであり、呑むことは精気を奪う事に等しい。
その為、祝福されたものは少々の眠気を伴い、呑み切れば簡単に覚めない深い眠りに落ちる。
人の意識を特定の方向に向けさせる「暗示」の権能は、
同時に行える範囲は広いが、効果がまばらで浅い。
天使や悪魔の存在を公に出さない為、集団ヒステリーによる感情汚染を避ける為に主に使われる。
状況次第では、二つを同時に用いて事態の安静を図る場合もある。
本編では、シシャによる襲撃の際や、幼少の伶に用いられた。
余談として、天使や悪魔の存在を公に出さない理由を本人が語るには、
「魔女狩りとか魔女裁判とかそういうの流石に引いた」とのこと。
どちらにしても対処療法的な使われ方しかしないのは
前を向かせ、「人の停滞を進める」までがキランディの役目であり、
状況の解決は当人の役目としている為。
本編のルート次第では、この二つの権能が本人の望まぬ形で悪用されることになる。
過去
キランディは天使になる前までの全ての記憶を失っている。
その為自分が元はどんな人間だったのか、そもそも人間だったのか、
初めから天使として生まれたのかもわかっていない。
役目による忙殺と不可視の存在である事が、他者との接点不足、次いでは己を見つめる機会を失い、
結果「願いも記憶も無い、人間より劣った孤独な生き物」として、
自己の根底が形成されてしまった。
主がそのように作ったのならと疑わず、本人はそれを気にしてはいないとしているが、
自己愛の欠如は自身への興味の喪失にまで至っている。
他者を幸福に導いた時に己へ誇りを持つだけで、己の肯定を他者の中にしか見い出せない。
本編ではそれらを原因に、後述する「悪魔」を生み出してしまっている。
キランディの記憶については何の媒体でも一切語られない。
が、後に発売されたファンディスク内シナリオ『Episode 0』、『孔雀と風鳥』の中に、
今の精神の根底を形成するまでの天使になりたて当時や
「人間の脆弱性」について主と喧嘩になりかけた等の天での過去話は一部語られる。
「悪魔」
キランディは本編より10年前に幼いヨーランダと出会い、
当時彼女を追い詰めていた「寂しさ」という感情を、自身の権能を用い分かちあった。
自身の感情に押し潰されそうになっても、決して他者を恨まず魂が濁らなかったヨーランダの魂。
そこに諦観していた人間への僅かな希望を抱いたキランディは、
エーテルの取得に困難があるのも知りながら呑み込んだ感情を消化せず、
別った彼女の半分を満たし、自浄させようと試みる。
だが前述の性格故、孤独を受け入れそれを苦と思わないキランディに、
「寂しさ」という感情は理解できなかった。
己を肯定する術が他者の幸福を作る事だけしかなく、更に自身に興味が無い為、
その幸福の中に自身の姿が無い事、それらを語りもしない事が彼女との致命的なすれ違いを生む。
結果、寂しさを補う為のケアを怠り、呑み込んだ感情は自身を満たせず、
惨めな想いをする現状に怒り悲しみ絶望し、「悪魔」へと成り果てた。
そうして己を追い込んだキランディへの復讐と、
湧き起る激情に飲まれ自身も忘れてしまった「満たされるもの」を手に入れる為に
「悪魔」はキランディを内から蝕んでいく。羽の色が虹色なのはその影響によるもの。
キランディはそれでも彼女を救えるとし、彼女を己の内に維持し続ける為に、自身の感情を糧にする。
結果、感情摩耗や興味の喪失を招いており、
それが「悪魔」とのすれ違いと自己維持の悪循環を加速させてしまっている。
本編後半、「悪魔」はキランディを乗っ取り始めるが、口調が本来のヨーランダ由来の者ではなく、
キランディを模しているのは「感情」という身の上が宿主に影響を受けやすい為。
本編中既に感情が摩耗しているキランディと比べ、
激情を抱えている「悪魔」は本人よりも感情表現が少々大きく、
また元は子供だった故に反応が少し幼い。
真名と名前
真名とはその名の通り、その者を表す真の名の事。
悪魔の一部には真名を呼ぶ事で魂を縛る効果がある。
キランディの腹に巣食う「悪魔」もその仲間であり、
キランディ本人も肉体より魂に依存した存在である事から、弱点である。
内に抱えた「悪魔」には決定的な弱点になりえるが、
キランディに関して効果は「悪魔」程の拘束力は無い。
本人曰く、首輪を嵌められたような「むず痒さ」、
如何あれ対応をしなくてはならない「無視し難さ」がある。
本人的には気持ちのいいものでは無いらしく、
必要に迫られるか、信用を置かない限り、簡単に真名を名乗る事は無い。
以上の不都合を抱えている為、仲間内には「キラ」と名乗っている。
キランディが己に近いものであればある程、他者を適当な呼び名を付けたりして
名前を呼ばない理由は、影響があるにしろ無いにしろ真名の影響を避ける為。
あとは純粋に名前自体に興味がないせいで物覚えが悪い。
また、偶にガルムの躾を食べ物や独自ルールで崩そうとするのは
自身の真名の効果とガルムの躾を重ねて思う処あって故。
全くの余談だが、初対面イベントの際に選択肢「サンバみたいな羽根ですね」を選ぶと
名乗る名前に「サンベイロさん」が追加される。
コメントをかく