[---以下、ネタバレ注意---]
彼の正体は、『逢魔が時』そのものである瘴気の塊。
一般的には、逢魔が時とは夕方頃、昼と夜の移り変わる時間帯のことで、魔物に遭遇する、大きな災いが起こるなどの伝承があるが、夕方というただの時刻の移り変わりに対して、そうした魔との遭遇や災禍などを引き起こしているのが、このヴェスパタインという怪異――ということが、ストーリー上で明かされる。
しかし、便宜上怪異とは呼ばれるものの、現象・概念に近い存在のため、実体は持たない。
本体は黒いもやのようなもので、怪異の力で人のかたちを取ったり、完全に見えなくなったりすることができる。
気体 ↔ 液体 ↔ 固体のように、不可視 ↔ 本体 ↔ 人間体 の3形態があるようだ。
とはいえ、人間体はもやが実体を取ったというだけのもので形は可変らしく、刷屋に頼まれて黒猫の姿を取ったこともある。
メアリーという『姫』が『王子』を求める物語において、物語の『障害』として呼び寄せられた存在。
桃園にいる怪異たちの力を励起したり、フラグの立った(折れた?)キャラに怪異の力を与えて目覚めさせるなど、基本的には妨害ポジションにいるものの、しっかり攻略対象ではある。
また本人曰く、中立で、どちらの味方でもない。闇は呼び起こすものの、それはメアリーの『本物の恋の物語』を彩り、『運命の王子』との出会いを創り上げるためで、メアリーと敵対するものではないと語っている。
事実、作中では石炉や黒臣、柊木や刷屋などに気まぐれに協力する一面も見られる。
最も、それはいずれもトリックスター的な行動で、自身が人間や怪異、ひいては今作の『物語』に関わることで発生する様々な事件や混乱を愉しんでいるだけのようす。そうした行動を若林や禰多から毛嫌いされている。
このような一時の享楽だけを求めるどこか物悲しいふるまいを看過せず、ただの部外者、物語の外側の傍観者、かき乱すだけの存在でいようとする彼を、ひとりの登場人物として迎えてあげるのが攻略への第一歩。
怪異として恐れすぎす、直接は手を出してこないからと放置したりせず、愛情を持って手を伸ばせば、彼の凍りついた心も少しずつ応えてくれる。
また、人間ではないので食事をする必要はない身体だが、人間体の間は嗜好品として時々口にするようだ。紅茶に砂糖を入れたり、芋羊羹を好むなど、嗜好品のうちでは甘いものを好む様子が見える。
なお、エンディングによって彼の今後は大きく左右される。
詳しくは自分の目で確かめてみよう。
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