■傾向:
アップテンポな曲は「オセロ」くらいで、他はややスローテンポのものが多い。歌詞を聴かせたいという作曲者の想いが強く表れている。また、歌に合わせてバレエダンスも踊っている事が多い。
歌い声は粘着質アダルトvoiceとファンなどから言われている。

 傷負った 鳥
 どこまでも続く 空

 闇が天を覆い 光を失う
 虹のふもと 羽を飛ばす

 力なく羽ばたく 鳥
 声を枯らして 叫ぶ声
 砂漠の大地は 喉を焼く

声は届かず 黒が喰う

舞えない鳥が堕ちる先は
 天国か 地獄か
 天獄か 地国か

 傷負った 鳥
 光の欠片を求め 彷徨う

 歌声に 誘われて
 歌声に 導かれて

 温かな光を浴びて
 羽をやすめる 鳥

 天使の足音 音階を奏でる
 暗き空 どこまで昇る

 白雪と共に 羽が舞う
 どうか 拾ってくれないか

その優しさごと 黒に染めてあげるから

手繰り寄せた 糸の絡み
 羽先に触れたのは だれ


 …、だれ

剥ガレタ季節―side:A―

♪━━━…・・・‥…
 闇色の瞳にうつる雪が音律を奏で始める。
♪━━━…・・・‥…

(記憶はいつまでも消えない)
(堕ち行く姿を横で見続けたあの日々)

♪━━━…・・・‥…
♪━━━…・・・‥…

出会いは今日みたいな雪の日
歪な石が並ぶ地面で倒れた僕に
手を伸ばしてくれた優しい天使

♪━━━…・・・‥…

身寄りもなく売れない画家の生活は
貧しいばかりのものだけど

君と一緒のひと時は
雪をも溶かす暖のひととき

♪━━━…・・・‥…

あれから数回同じ季節を2人で巡る

交わした言葉の数よりも
合わせた視線の数の方が多かった

同じ空間で過ごす心地の良い空気
自然と毀れる笑みは空腹を満たすほど

♪━━━…・・・‥…

 だけど…

(時折見せる困った顔は気付かないふり)

 
    …ううん、なんでもないよ

♪━━━…・・・‥…

額縁のないキャンバスに
裸で眠る天使の絵

♪━━━…・・・‥…

あの日も今日みたいな雪だった
突然 君の前から消えた画家

生とも死とも判らない別れは
君の心を氷柱で貫く

♪━━━…・・・‥…

雨を見ていた
それは涙という名なんだよ
季節が剥がれて 砕け散ったうえに降り注ぐ

雨を見ていた
それを涙というのだと

知ってほしかった だけなんだ


♪━━━…・・・‥…



  そばにきてほしかった だけなんだ


♪━━━…・・・‥…
♪━━━…・・・‥…

…… ‥

 ・     ・   ・   *

剥ガレタ季節―side:B―

♪━━━…・・・‥…

 黒い手招きは甘い罠
 弱いふりして近付いて
 そっと懐忍び込む
 黒猫みたいに懐いていても
 甘い牙にはご用心

 ざらついた舌で舐められて
 それを嬉しく思えたら
 君は既に僕の裡
 黒猫みたいに懐いても
 甘い鳴き声にご用心

 それは誘惑 それは導き

 気づかぬうちに影は伸びる

♪━━━…・・・‥…

友、君を想う

 君の声が震える時は いつ
 君の身体が壊れる時は いつ

 大切に育てたモノほど
 この手で掴み
 苦しむ顔を見たくなる


 友、君を想う

 君の心が罅割れる時は いつ
 君の魂が闇に染まる時は いつ

 水をあげて育てた花を
 この手で手折る
 瞬間が…たまらない

 こんな歪んだ僕と
 「友達になってください」

 こんな歪な僕と
 「毎日雑談してくれますか」

 友、君を想う
 「僕は君の強欲が…、好きだよ」


 ―――(囁くように)loving you …
 

頂の君

(語り)

 君の過去を知りながら
 知らない振りで近付いた…

 圧巻のスピーチは生徒を魅了し
 圧倒的な大差で掴み取った栄光

 完璧な麗人のような君

 そっと横から近付いて
 甘い囁きと誘惑で絡めたくなる

[ルティレ(※膝を外側に向け、つま先は軸足の膝の高さにつけたポーズ)をキープしたまま腕だけをしなやかに動かす。
とん、と小さくジュッテ(※要はジャンプです)を飛んび、伶の方へ筋肉が程よく乗った腕を伸ばす。]


「この手をおとり、オディール。」
 

 2度目はない季節を共にする
 そう思っていた

 体育祭 文化祭
 押し寄せる行事を
 弧を描く女体のように
 ぶつかりを知らず
 流していく手腕

 感嘆の溜息は称賛と同意
 信を集め 頂に立つ

 あれは雷鳴
 卒業を待たずの留学

 ざわつく民衆がいても
 君はいつも通りの凛を崩さない

 理由も聞かず
 僕は君の背を押した
 

(セリフ)
 「やりたいことがあるのなら
  それを応援するのも仕事だから」

(コーラス)
 「「「それはまるで天使の祝福のように」」」

 (セリフ)
 「僕がうまくやっておくから」

(コーラス)
 「「「それはまるで悪魔の囁きのように」」」


 遠くの空に溶けて消えた機体
 高い高い頂は宙(そら)の彼方

 君の仲間の浮かべる涙ごと
 僕は抱きしめていたんだよ


 高い空から見下ろす眺め
 君の瞳は何を映す

 あれから君に送った
 卒業証書は届いたかな


 君はまだ頂の君
 手を伸ばせば 届くかな
 

胸の奥が苦しくなる
身体の奥底
何か忘れてる

あぁ、だけど
答えを求めるより
今は────…

柘榴の色を見つめていたい
何度もこうしていた気がする

今の僕の気持ち
変だと思うなら
今すぐ止めてよ

零にしたい
君との距離を

零にしたい
…、──だから

「こんな布一枚すらももどかしい」

零にしたい
キミとの距離…

群舞(コール・ド・バレエ)

 笛の音は天からの鈴音

 筋肉の声にも耳を傾け
 優しく解してあげよう

 傷つけてしまわぬよう
 僕が君らを支えよう

 見せられて 魅せられても
 僕はそれを全て抱きしめる

 四肢の先まで宿りし魂
 意識して――

「…そう、上手だね」(囁き声)

 整えた手の爪を揺らしても
 隣人を愛する事を忘れずに

 開いた脚に身体を委ねれば
 手折れた愛しき花

 蜜を求める蝶のよう
 軽やかな跳躍をしたなら

 火照った肉体と滲む汗
 喜びの声を上げよう

約束


 彼方からの約束の時
 運命の邂逅を果たす

 僕は君に全てをみせよう
 僕は君に全てを魅せよう

 陽の中でも色褪せない漆黒纏う
 悪魔は君にも微笑みを向ける

 全てのモノを堕落に導く
 それが悪魔の僕の姿

 監視にも似た役目
 天秤の均衡を保つが如く

 人にも獣にも
 天使にも悪魔にも
 僕は等しく愛を囁く
 
 争いや血も甘美だけれど
 そんな日常茶飯 あり得ない

 静かな堕落が 日毎の糧
 知らずに重ねる罪が 日毎の糧

 君からも漂う罪の香
 誑かしたい衝動は 

 翼の裡に隠しておくね


 彼方からの約束の時
 運命の邂逅は果たされた

 僕は君に全てをみせよう
 僕は君に全てを魅せよう

フルコース

出会いは偶然を装う必然
 君は僕の皿の上

 白く甘い毒薬を
 唇割らせて飲ませ続ける
 
 悦びを謳う嬌声は
 君の裸体を彩るドレス

 罪な果実が宿る瞳
 血涙のスープが椀を満たし
 黒い茸が香を立たす
 
 出会いは偶然を装う必然
 君は僕の皿の上

 黒い鯔(ぼら)の脂は上々
 煮ても焼いても舌は喜ぶ

 息の根止めた白い鳥
 屠り羽根を毟り取る
 
 黒炭で炙る血肉から
 滴る汁すら極上の一滴

 身体をかっ割き
 秘めたる柔肉暴き
 隠さぬ牙で噛みついた

 百年かけて味わいたい
 君は僕の腹の裡

 君は僕の皿の上
 君は僕の腹の裡

      ――、ご馳走様。

オセロ

 中心の白(blanc/ブロン)
 盤上に置かれた君と僕 
 さあ勝負を始めようか

 君は白(blanc/ブロン)
 僕は黒(noir/ノワール)

 角の黒(noir/ノワール)
 足音隠して策を練り
 油断をさせて駒を返す

 君は白(blanc/ブロン)
 僕は黒(noir/ノワール)

セリフ(アンク)「…僕の勝ち。」

 再戦は君が忘れないうち
 熱が冷める前に始めよう

 君は黒(noir/ノワール)
 僕は白(blanc/ブロン)

 端の黒(noir/ノワール)
 裏に白を隠した黒は
 自らの手で黒を増やす

 打つ手なしの白(blanc/ブロン) 
 パスばかりでは攻められない
 盤上を見れば勝負は明確

 君は黒(noir/ノワール)
 僕は白(blanc/ブロン)

セリフ(マイ)「今回は、君の勝ち。

                  ――…なんてね。」

 角の白(blanc/ブロン)
 忘れられた一手
 盤面を全て白に染める

 けれどその裏は全て黒

 君と僕は裏表の勝負
 終わらない戦い
 再戦はお預け

 次はどちらの色を選ぶ?
 君と僕の終わらないオセロ

楽園

 手首を制して動きが止まる
 杭で打たれ背には十字架
 磔の身体 まるで救世主(メシア)
 罪を背負いて藻掻き苦しめ
 その先は死かそれとも生か
 Ankhはとうに消えてしまった

 首筋噛まれた赤い点
 蛇みたいな長い舌が
 甘い果汁を求めるよう
 身体を這いずり回る

 罪は善と悪魔は嗤う
 口移しで飲ます紅い果汁
 これで君も同じ罪

 胃酸の海で溶ける未来
 骸骨すら残らないなら
 二人で溶ければ証拠隠滅
 イチジクの葉は不要の世界

 罪を背負いて藻掻き苦しめ
 その先は死かそれとも生か
 Ankhはここだと悪魔が嗤う

 甘い果汁が全身を巡る
 蕩けた視線を甘やかすまま
 酸の海に君の身体を沈めたい

 呼吸をする事すら罪のよう
 深い場所で繋がり溶けあいたい…

Secret Garden

ଘ♥ଓ窓枠の外 降り始めた粉雪を
2人身を寄せ合い眺めてた

ଘ♡ଓ質の悪い薪では暖は続かず
薄布1枚で包むも息は白い

ଘ♥ଓ静寂の中 絡む視線
どちらともなく影が重なる

ଘ♥ଓいつまでも続くと思ってた
ଘ♡ଓこの繋がりは永遠だと信じてた
ଘ♥ଓ粉雪みたいに溶けて消えるなんて
ଘ♡ଓsecret garden……知らないままで

ଘ♥ଓ窓枠の外 朝陽を浴びて
薄布被る天使の寝顔

ଘ♡ଓ暖炉の薪は燃え尽きても
身体と心の暖は消えない
それを忘れないかのような
キャンバス擦る音がする

ଘ♥ଓやがて目覚める天使
僕のおはようを覚えてる?
少し照れた天使の顔を
僕は今でも覚えているよ

ଘ♥ଓいつまでも続くと思ってた
ଘ♡ଓこの繋がりは永遠だと信じてた
ଘ♥ଓ粉雪みたいに溶けて消えるなんて
ଘ♡ଓsecret garden……疵(きず)を遺して

悪魔の子守唄

 気分転換に轢き逃げて
 散歩気分で飛び降りた 

 タイヤの下 潰れた蛙の合唱
 鳴き袋の数を数えよう

 1(アン)・2(ドゥ)・3(トロワ)…
 安らかに眠れ

 ビルの上 雨のように人が降る
 飛び散る破片を数えよう 

 1(アン)・2(ドゥ)・3(トロワ)…
 永遠(とわ)に眠れ 

 深紅の寝具に横たわり
 悠久の眠りに堕ちていけ

 …1(アン)・2(ドゥ)・3(トロワ)…

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