久保田万太郎著作
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kusakidoshoten 2024年01月25日(木) 15:50:39履歴
【久保田万太郎特集】
早稲田の夜 急にしぐれぬ 漱石忌 (松根東洋城)
大正5年12月9日 漱石早稲田南町の自宅で亡くなる。
戒名は文献院古道漱石居士。墓所は東京都豊島区南池袋の雑司ヶ谷霊園。
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かねて落札していた、久保田万太郎関連書をやっと整理した。つい読み耽ってしまうので、随分かかったが頗る楽しい時間だった。売らずに手元に並べておきたい本たちである。氏は「俳句の師は誰?」と問われて、「しいていえば松根東洋城」と答えている。今日、丁度"愚陀佛"の御命日に当たり文頭に置かせて頂いた。
★青みどろ/久保田万太郎/久保田万太郎没後二十年記念出版★
昭和58年慶應義塾発行/三田文学ライブラリー編/初版帙付/[17cm×25.7cm-106p]/自筆原稿-複製本/当時[非売品]として発行されたもの/※本体は美本ですが、筒状の函の表紙に数点小さなシミあり/2,000円
★久保田万太郎 久米正雄 互選句集/久米正雄(著)★
昭和21年文藝春秋新社発行/初版/[B6判179p]/●万太郎句抄(久米正雄選)="灰ふかく立てし火箸の夜長かな"・"蜆汁きのふ大火のありしかな"・"大風の空にごりたる霞かな"(はせ川句会にて)・"短日や鏡のなかの山の膚"(箱根にていとう句会)・月みゆるところに立てる一人かな""一句二句三句四句五句枯野の句""石よけて水あたたかに流れけり"他・●三汀句抄(久保田万太郎選)="朧夜の宴の氷菓くづし頒く"・"兄よりも禿げて春日に脱ぐ帽子"・"ぬかるみてよき野道あり紀元節"・"草市や小山内薫紺飛白"・"立版古仕立屋銀次孤独なり"。"荷をかじる真田紐なる秋時雨"・"日の当たる動物園や年の暮れ"他・●万太郎俳句覚書(久米正雄)・三汀の句(久保田万太郎)/※経年のシミある頁ありますが、昭和21年の本としては、まずまずの保存/1,500円
★句集 いとう句会/澁澤秀雄(編)/久保田万太郎・高田保・徳川夢声.・小糸源太郎.他★
昭和22年いとう書房発行/初版カバー付/[四六判267p]/戦後紙質の悪い時期の発行ですが、当時のものとしては、保存良好です。/久保田万太郎・高田保・徳川夢声・澁澤秀雄・川口松太郎・大場白水郎・小糸源太郎・堀内敬三・佐佐木茂索・小島政二郎・久米正雄・(客)富安風生・水原秋桜子.他多彩/◆高田保の序文が素晴らしい=(前略)原則として「いとう句会」は、その句を門外へださぬことにしてゐる。出せといつても出せぬのだらうといはれるかもしれぬが、門外で通用することを考へての句など作らぬのが同人一般の量見なのである。俳句は作るものであつて見せるものではない。作つてしまへばそれまでといふまでに徹底すれば大したものである。すこし違ふかもしれぬが「思ふこといひ出てここに至つて迷ふことなし」といつた芭蕉の意気に近いかもしれぬ。「文台引下せば即ち反古なり」とさらさらとやつて退けてゐるのである。(中略)何をしやうと何を喋らうと、この席ではかけかまひない。自然この句会では、どんな句を作らうとも、尊敬もされなければ軽蔑もされない。だからこの会へ集ると、ふだんは常識人中の常識人みたいな人物までが、いささか非常識になつたりする。非常識といひ出せば、第一が「句集」などを編むことがそれであり、更にそれを売り出さうといふに至つてはである。しかし広い世間には非常識な読者もあるかもしれない。非常識な次第だと誰も悟りながら、それもよからうと賛成した。だから責任は一統のこらず背負ふべきである。/※徳川夢声の章の一箇所、頁余白に句一行書き入れあり(無聲関連)/3,000円
★これやこの/久保田万太郎(著)/[日本叢書36]/カット=鍋井克之★
生活社発行-発行年記載なし=巻末に著者が昭和20年10月と記しているので、それ以後の発行か/[B6判31p]/【後書(抄)】"久保田万太郎句集"以後の句をあつめてみた。昭和17年4月から昭和20年10月にいたる43ケ月に、よみ捨て、つくり捨てたものの中からふるひあげた270句である。この270句は"戦争"の誘起した時代的突風の中に、せめて"自分"をみ失ふまいとしたわたくしのすがたをみつけさせ、たしかめさせ、そして反省させてくれる。/後書には、前書や句についての自註が書かれていて、貴重である。例えば(12)の句「草笛のをふいて神田の生まれかな」には[永井東門居に示す]との前書があり、註には[永井龍男君の俳句をつくるときの名前である]とあり、"ふところにアルミの銭のかるき世や"の東門居の句を付している。続く(13)「かうもりに枯れたる軒のあやめかな」には、"返り花"出版記念会にての前書。その註は[三汀久米正雄君の句集である。この出版記念会、"はせ川句会"同人の肝入でひらかれたが、風生も来れば、水巴も来る、青邨も来れば、秋櫻子もくるといった工合の著者の人徳を感じさせるにぎやかな句会だった]、という具合に、「これやこの」に納められた句ごとの思い出や解説が帰されていて、句の味わいも深まるところである。/※残念ながら句の行頭にチェックの◯印が23ケ所あります。/1,000円
★久保田万太郎句集/昭和17年/[いとう句会の諸兄に献ず]★
三田文学出版部発行/初版函付/[B6判201p]/【後書】いまゝでの句集「みちしば」「もゝちどり」「わかれじも」「ゆきげがは」のなかゝら、約250句をふるい上げて一冊にしたのがこの句集であります。わたくしのいまゝでつくつた俳句の全貌と思っていたゞいていゝと思います。/「ゆく雁や屑屋くづ八菊五郎」「神田川祭りのなかを流れけり」「ふりしきる雨となりけり蛍籠」「蓮咲くや桶屋の路地の行きどまり」「竹馬やいろはにほへとちりヾに」「長火鉢抽斗かたく春の雪」「芥川龍之介佛大暑かな」いずれも名句揃いの句集。/※残念ながら句の行頭に点やがチェックが70余ケ所あります。・1p断裁時のミスによりページの上端が長くなりそこに折れができています。後見返し上端に古書価格票剥がし跡・裏表紙裏に古書店シール。奥付裏に蔵名あり。函少し痛みあり・函裏表紙側にシミあり。/1,500円
★句集 流寓抄/久保田万太郎(著)/昭和33年初版函付★
昭和33年藝春秋新社発行/初版函付/[B6判290p]/昭和20年11月東京をあとに鎌倉材木座に移ってから、昭和33年9月までの総句数1809句を収む。/「鎌倉の果てから果の小春かな」「東京に出なくていい日鷦鷯(みそさヾい)」「人情のほろびしおでん煮えにけり」「鶯に人には落ちめが大事かな」「杢太郎今亡き五月来たりけり」「盆の月ひかりを雲にわかちけり」/800円
★句集 春燈抄/久保田万太郎(著)/署名(墨)入り/昭和22年★
昭和22年12月1日木曜書房発行/初版カバー帯付/[B6判163p]/「これやこの」以後の三百餘句、昭和20年11月〜22年4月にかけての、十八ケ月の収穫を収録。/20年5月戦災に遭い、半年間友人のところに厄介になった後、鎌倉に転住した頃の句。東京以外に住んだ事のなかった著者にとって、大変化の時期、いよいよ余情的、私小説になってきている所以、と後書で自己分析をされています。/「日記より」「赤瓦帖」「松の中」「冬ふたたび」「春のあゆみ」/"十日まだ一度もふらず冬の海"・"冬ごもり掃き出すけふの埃かな"・"懐手頭を刈つてきたばかり"・冬の薔薇あけてしめたる障子かな"・"月の出のおそきをなげく田螺かな"・"短夜のあけゆく水の匂かな"・"かゝへたる蝙蝠傘や青芒"・"清方といへば英朋つりしのぶ"・"古本屋素人に出来鳳仙花"・"しぐるゝやみるからあまき鹿子餅"・"ゆく年や蕎麦にかけたる海苔の艶"・"藁屋根のあをぞらかぶる彼岸かな"・"梅咲くや小さんといへば三代目"・"ながき日やちる花やどす龍の髭"など、情感溢れる名句揃い。とても店主ここに選び切れない。/※紙質の悪い時代の発行で見返しに経年のシミが浮いています。・「ふゆぞらのひかりのこせる師走かな」の句、「せ」と「る」が誤植で逆に印刷されている部分、S形の訂正線が書き込まれています。/3,000円
★句集 流寓抄以後/久保田万太郎(著)/【遺作集】/◆序文=小泉信三★
昭和38年文藝春秋新社発行/初版函付/著作権者=慶應義塾/[B6判179p]/昭和33年発行の「流寓抄」につづくもの。昭和38年5月6日、本書を最後まで推敲する事なく、逝去。享年73歳。(昭和33年〜35年までの全作品と36年の前半、および38年の前半までは著者自らの作品に厳しい篩(ふるい)がかけられたが、それ以外の期間の作品については、未整理のまま収録した。だれがこの作家に代わってそれをなし得よう。(後書/安住敦)/「熱燗のいつ身につきし手酌かな」「たけのこ煮、そら豆うでて、さてそこで」「すゞめ来て萩をゆするや秋祭」「すべては去りぬとしぐるゝ芝生みて眠る」「高遠の江島の寺の桜かな」「猫けふで三日かへらず鰯雲」「十三夜雲まづ山をかくしけり」「句碑ばかりおろかに群るゝ寒さかな」情感溢れる名句揃い。とても店主選び切れない。特に先に逝った友や知人への哀悼の思いが溢れる句が多いのは、著者の年齢のせいだろうか。何となく自身の死を予感していたのかも知れない。「牡丹はや散りてあとかたなかりけり」/※表紙側裏表紙側の扉の裏に、元付いていたと思われるパラフィン紙を剥がした跡が残っております。他は保存良好です。/1,500円
★わが久保田万太郎-"枯野はも縁の下までつゞきおり"/後藤杜三(著)★
【青蛙房選書44】/昭和49年青蛙房発行/再版函.ビニカバー付/[A5判322p]/著者がメインタイトルにしたかった、という句は最初の妻、京の自死後、周囲から全く孤立してしまった時期のもの。当然芭蕉の句を連想させるもので、まさに、久保田万太郎は昭和の時代の芭蕉、といってもいいのではないだろうか?著者は熱烈な読者-愛好者であり、本書を「稀有な一作家を主人公とした小説であって、単なる伝記や評伝と見られたくない」と書き進め首尾を形成したという。本書の前書きで、石塚友三氏は「今日のところ、先づこれ以上の久保田万太郎関係文献は見出だせない」と評している。/※函背焼けあり・布装の表紙裏表紙にシミ浮きあり/1,000円
★久保田万太郎集 [現代俳句文学全集第八巻]/自選の句集・エッセイも散りばめて★
昭和30年角川書店発行/初版函付/"あとがき"に「この集をつくることが、こんなにも骨の折れる仕事とは思はなかった....と、ひそかに溜息をついたほど、ぼくは、この仕事に、時間と手間をかけた」とあるように、自選の句集である。巻末の「年譜」も筆者自身の手によるもの。原 弘氏の装幀も布張の柄が粋だ。章は1月〜12月と月別となっていて、その巻頭に自筆の句が短冊風に印刷されていて、好ましい。また各章の随所に著者の折々の小文(2p-14p)が添えられていて、この"さりげなさ"がまた貴重で楽しめる。句の推敲、エッセイの編集などに本当に細やかな手がかけられている。/「雪さそふものとこそ聞け手毬唄」「いつ濡れし松の根方ぞ春しぐれ」「あたゝかやひとの猜みと聞き流し」(各章頭の自筆句は本文中にも採られているが、三月には見当たらない)「時計屋の時計春の夜どれがほんと」「らんぎりのうてる間まつや若楓」「短夜のあけゆく水の匂かな」「朝ぐもり朝からいやな話かな」「蚊やり粉のしめりてもえず盆の月」「簾透く水のひかりや秋の風」「残菊やふたゝびめぐり逢ひしとき」「たかだかとあはれは三の酉の月」「われとわが身をかばへばの寒さかな」=章頭の小さな筆跡を判読する為、読み進むのもまた楽しみのひとつ。/※裏表紙に目立ちませんがうっすらシミ・見返し頁に経年のヤケあります/2,500円
★久保田万太郎全集17巻 [俳句・俳論]/久保田万太郎(著)/昭和24年/月報付★
昭和24年好学社発行/初版元パラ付-アンカット本(カット済)/[13.5cm×18.5cm457p]/(後書)この巻にはわたくしの年来つくってきた俳句と、そのわたくしの俳句ならびに他人のの俳句に関しての随想と、そして、終戦後、鎌倉に転住してからの、そのおりおりの所懐をしるした。短いのは12行、長いものでも原稿用紙12.3枚以上にでなかった文章のかずかずを収めた。/◆「久保田万太郎句集」[いとう句会の諸兄に献ず](大正12年9月〜昭和17年3月)・◆「これやこの」(昭和17年4月〜20年10月)・◆「春燈抄」(昭和20年11月〜22年4月)・◆「すぎゆく日々」(昭和22年5月〜24年4月)・◆随想=【「あさぎまく」】(「古句十句」「『榴花洞日録』序」「三汀の句」他)・◆【「かまくら雑記」】(ひとりごと・河童忌・慶應義塾九十年祭・清方先生.など)/※帯も付いていて同封致しますが、切れて破損しております。元パラに少し切れ部分あり・紙質良くなく、経年の焼けが表紙裏表紙、見返や表題頁にございます。/1,500円
★久保田万太郎全句集/「嘆かひの詩人」万太郎俳句の全貌★
昭和53年中央公論社発行/再版函帯・パラフィン付/[15cm×19.5cm-501p]/市井諷詠の詩人久保田万太郎の全句業を網羅集成する豪華決定版/※函に退色箇所あり・題字部分一箇所に1cm程の剥がれ箇所あり・帯裏表紙側に一筋折れ跡あり・本体にかかっているパラフィンの背にヤケありますが、本体は無事です。8,800円
★東門居句手帖 文壇句会今昔/永井龍男(著)★
昭和47年文藝春秋発行/初版函付/[約15cm×20.5cm-252p横本]/◆巻頭に「三汀居士.久米正雄に献ず」とあります。/◆文壇句会=内田百�痢�渋沢秀雄・川端康成・室生犀星・宮田重雄・徳川夢声・久保田万太郎・大野伴睦・五所平之助・北條誠・中村汀女・木山捷平など錚々たるメンバーによる。(画像も参照下さい)著者は、この文壇句会と「いとう句会」の思い出、各氏の句などを紡ぎながら、先達の在りし日を偲ぶ、永井龍男氏の句集。/※函に焼けあり・函の角少痛み・本文表題頁に四方からヤケ入り/1,000円
【昔書きました、不遜なコラム『俳句は久保田万太郎』は「古楽夢10」にございます。アーカイブというよりアカッパジです。】
【昔書きました、不遜なコラム『俳句は久保田万太郎』は「古楽夢10」にございます。アーカイブというよりアカッパジです。】
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