シンデレラガールズ劇場（アニメ版）

概要
登場話

概要

シンデレラガールズ劇場のアニメは2017年の4月に放送開始。デレアニと違い5分枠の短編アニメとして1クール（3か月）放送され、以降は2017年10～12月の2期、2018年7～9月の3期、2019年4～6月の4期（CLIMAX SEASON）と一定のスパンを取りながら放送を継続、現時点で最終となる5期はデレマス及びデレステ内でExtra Stage（えくすて）と銘打ち、2020年3月24日から2021年4月13日まで毎週配信された（4月14日～8月4日配信分のみ、新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言発令を受けて隔週配信であった）。放送日に合わせてゲーム内コンテンツ「火曜シンデレラシアター」で限定アニメを公開したり、出演声優によるトーク主体の番組「シンデレラガールズ小劇場」を月に一度の頻度で配信したりと連動企画も充実しており、2018年3月3日と4日にはこのアニメ版をメインとした単独イベント「すぷりんぐふぇすてぃばる2018」が開かれ好評を博していた。
スタッフ的には同じく短編アニメであった「ぷちます！」シリーズの流れを汲んでおり、監督のまんきゅう氏を始め「ぷちます！」に参加したスタッフが続けて参加している。なおゲームにおいては契約の都合なのか長年名前を伏せられてきた作者の名前が、今回キャラクター原案という形で初めて「熊ジェット」と正式に表記された（えくすてではアニメーションディレクターとしても参加）。
原作が5コマ漫画と非常に短い形式であるため、基本は3編を1話としてまとめた編成になっているが（1編あたりの時間はおよそ1分）、たまに5分枠をフルに使ったアニメオリジナルの話が用意されることも。「アイドルたちを愛でられるようなアニメ」というコンセプトが全編に渡って貫かれ、原作と同様のコメディタッチな話がほとんどでありながらも、アイドルたちの可愛らしさをより強調する作画・演出になっている。またデレアニでは払拭されていたアイドルのセクシャルな面の魅力を併せて描くようにしているのも特徴的と言えるだろう。登場するアイドルは基本的にボイス実装済のアイドルとなるが、それでも主にオリジナルエピソードにてボイス未実装アイドルを登場させたり、デレアニでもあったサプライズボイス実装（棟方愛海など）と言った「全員は無理だけどそれでもなるべくいろんなアイドルを出す」という意識はデレアニから継承されている模様。

本アニメにおける雫の出番は、原作での登場話の大部分がボイス未実装アイドルと一緒に登場しているということもあってか、アニメオリジナルのエピソードがほとんどとなっている。出演回数自体はほぼ1期につき1話のみではあったものの、初登場話である「刑事（デカ）の回」は色々な点で強烈なインパクトを見る者に与え、それ以降もサプライズボイスを引っ提げての登場となった愛海との共演や実家の牧場を舞台にした話、ゲーム内ではいまだ描かれない「アレ」を身に着けた話などそれぞれが出色の出来となっており、原作ありの話も含めて雫の魅力がたっぷり込められた良作であることは疑いないだろう。

登場話

第9話「刑事（デカ）の回」

アニメしんげきにおける初登場エピソードは前述のとおりアニメオリジナルのエピソードでもあり、セクシーギルティの盟友である片桐早苗や堀裕子と共に劇中劇「三姉妹刑事（デカ）」において刑事役で出演、という設定である。他には警察署長役で橘ありす、某国の王女役で宮本フレデリカ、フレデリカの命を狙う殺し屋として川島瑞樹と大和亜季が出演しており、本放送の時点では瑞樹以外の3人と初共演となる。ちなみに三姉妹というからには元来最年長の早苗が長女であることは想像に難くないが、同い年である裕子と雫のどちらが次女なのかは今もって明らかになっていない。
刑事ものと言ってもお堅い内容ではなくむしろドタバタのテイストが強い展開で、直前のデレステイベントで描かれた看板番組にも通じるセクギルらしい破天荒ぶりが全開の話となっている。エンディングテーマも放送直前（前日）に終了したばかりの同イベント初出新曲「モーレツ★世直しギルティ！」が使用され、その唐突ぶりが多くの視聴者を驚かせ、そして笑わせたであろうことは想像に難くない。雫は長年プロフィールに掲載されてきた「トラクターの運転」という趣味を十全に活かしてかトラクターを引っ提げて登場するも、直後に砲撃を食らったため残念ながらその運転技術を見ることは叶わなかった。砲撃で吹っ飛ばされた時やそのまま地面に横たわる時も終始ニコニコ顔だったのが印象的（フレデリカも）。さらっとアニメ初出となる「LiPPS」の名称を遣ったり何故か一番ひどい目にあってしまうありすの描写と言った細かい演出も楽しく、次回予告でのお遊びナレーションも含めまことに古き良きドタバタ喜劇であった。なお「シンデレラガールズ小劇場」第2回に出演した裕子役・鈴木絵理によると、この砲撃で全員が吹っ飛ばされた場面で使うために、裕子の「ハラホロヒレハレ～」といった感じのセリフを収録していたようだが、完成作品では使用されていない。
ちなみに今話の絵コンテは第2期終了後に発売された「アイドルマスターシンデレラガールズ劇場アニメファンブック」にてすべて見ることが可能。話の流れに大きな差異はないが、コンテではありすが眼鏡をかけていたり銃を突きつける早苗に代表されるような所謂「乳揺れ」についての指定がなかったりと、作画面における追加や修正が行われていたであろう事実が散見される。欄外には他のスタッフに向けたと思われる登場アイドルの簡単なプロフィールが記載されており、コンテを担当したまんきゅう監督の作品に対する真摯な姿勢が見て取れる。

第1期映像特典1「ボヨンの回」（頼むから雫さん）

1期のBD・DVD第2巻に収録された映像特典であり、原作224話のアニメ化。雫にとっては初の原作付きアニメであり、雫単独出演ということもあって雫の魅力が全開に描かれている。…無論ここでの雫の魅力とは原作解説で説明している通り雫の「アノ部分」に関してのことになるわけだが、原作よりも描写がより際立つ作画や魅せ方となっており、今日においては色々思う御仁もいるかもしれないが、これもまた紛れもない雫の大事な魅力の1つであるというのは原作、ひいてはゲーム中でもたびたび描かれている事柄であり、今話はその要素を最大限に生かした挿話とも言えるだろう。

第23話「おやまの回」

今話で愛海にボイスが実装されたというのは前述の通りだが、ボイスが実装されての初登場となったその話の中で、ゲーム中では既に共演実績があるだけでなく愛海の趣味嗜好的に共演を期待されていたであろう雫との共演が早々に実現するというのは、見ているこちら側からすればなかなかの急展開であった。
内容は「棟方愛海最高峰に挑め！3番勝負！」という別タイトルの通り、上条春菜、藤原肇、そして雫の3人のおやまに愛海が挑むという、そのままな構成である（今話はアニメオリジナルだが、おやまを求めた愛海の3番勝負自体は原作の方でも他アイドルに対して行われている）。雫は最後に文字通り最高峰として登場し、穏やかな性格故に愛海に対して簡単に入山を許すも、雫は最高峰であると同時に最難関でなければならないという愛海の矜持に基づき登山を諦めるという、愛海にとっては大真面目だが見ている方はよくわからない締めくくりでクロージングとなった。無論その微妙にずれた「真面目」さが愛海の魅力であるという点は言うまでもないが。
ちなみに今話の雫と愛海のやり取りは後にミラーボール・ラブのイベントコミュで回想として触れられている。

第2期エンディングテーマ「Snow＊Love」

第2期の3か月目、2017年12月中の放送分にて使用された6番目のエンディングテーマであり、雫の参加した楽曲としては通算4曲目となる。雪をイメージソースとした正統派ラブソングであり、そのため5人の衣装も白色で統一（一部シーンでは赤になるが）され、結果として雫のイメージカラーである「白」が全編に渡ってメインカラーになっているのは、偶然ではあろうが非常に嬉しいところ。5人並んだ際にはっきりわかる高身長やゲーム中では見せたことのない「foo foo」時の表情、3期に先んじての仁奈との組み合わせと、見どころは目白押しである。

第33話「ようこそおいかわ牧場へ」

3つ目のアニメオリジナルエピソードは雫の故郷であるおいかわ牧場を舞台とした、ある意味で長いこと待望されてきた年少組（市原仁奈、龍崎薫、橘ありす）との共演と相成った。夏休みの1日体験教室としてやってきた3人に牧場の作業を丁寧に教えるだけでなく、その作業の根幹にあるものが自分たちにミルクや肉を分け与えてくれる牛や牛たちを育んだ自然と、それらに囲まれて成長出来たことに対する感謝の気持ちであること、そして今の自分が牛たちや自然に向けているのと同じ気持ちを多くの人たちから送ってもらえる、アイドルとしてそんな存在になれればみんながもっと「楽しく」なれるという自分のアイドルとしての理想を優しく伝える姿は、どちらかと言えば受け身になることの多い、包容力に溢れている普段の雫とは少々異なるものであったかもしれない。しかしそれ故に、変に大人ぶることもなく真摯に向かい合って伝えた雫の確固たる想いが3人の幼い少女たちの心にもきちんと届いたというのは、最後のありすの様子を見ても明らかであろう。朝早くから牧場の作業を始めていた雫を見ていたありすに対し「起こしちゃいましたか？」と、年齢差を気にせず常に相手を気遣う姿勢を見せるのも雫ならではであった。

第3期映像特典2「満開スマイル！」

概要でも触れた「すぷりんぐふぇすてぃばる2018」のday2にて上映された特別編であり、早苗以外にも双葉杏に安部菜々、三船美優、上条春菜と言った面々と共演している。すぷりんぐなだけに春のお花見を舞台としており、春を象徴するような行事に雫が参加するのは、しんげき・カードイラスト合わせても今回が初。飲んだくれる大人組の姿や、そんな様子を何故か？羨ましそうに見つめる菜々など楽しい場面が目白押しであるが、雫に関してはやはり「眼鏡」が全てであろう。ゲーム中では未だ実現されない（そもそも実現する機会がそんなにないが）雫の眼鏡着用姿の破壊力たるや、劇中の春菜と同じようなテンションMAX状態になってしまった雫Pはかなりの数いたに違いない。その一方でお花見に大量の牛乳を持参するいつもの雫らしさもきちんと描写されていた。
お花見自体は杏が寝ている間に見た夢であったが、その後杏の提案した本当のお花見もまた、夢の中と同じような楽しいひと時となったことだろう。

第42話「スポーツの回」（重いのには慣れちゃってて）

原作861話を忠実にアニメ化。特典映像ではない正規の話数の中で、雫の登場している原作話がアニメ化されたのは今回が初めて。忠実故にこれまでのアニメオリジナル編と比べるとさほど際立った事項はないが、原作解説でも触れた「ぶいぶい？」の裏話や原作とは違い「にゅっ」と現れるところなど、裕子の描写が原作より強調気味になっているあたりが特筆点だろうか。雫や早苗の「普段から持っている重いもの」にどうしても注意が向きがちな話であるだけに、3人をなるべく平等に魅せようというスタッフの配慮が感じられる。

火曜シンデレラシアター第44回「この一蹴に全てを！」

原作同様「セクシーでかわいいどうぶつコスプレショー」のイメージとして城ヶ崎莉嘉と共に登場。原作の解説でも触れたが4期（CLIMAX SEASON）では「スポーツの回」に続いての登場となり、一度の放送期間で複数回にわたって登場するのは4期が初となる。

第46話「動物の回」（似合うでごぜーます！）

こちらでは仁奈が向井拓海や村上巴をイベントに誘う際に見せたチラシでのみ登場。前回での描写をそのまま一枚絵として切り取ったものを流用していると思われる。

Extra Stage 第20話「セクシー！とは！」

またまたチラシでの登場。雫たちのポージングは以前のものと同じだが、ロゴのフォントが異なるので前のチラシとは別に作られた物らしい（さらに言えば雫と莉嘉の作画も新規に描きおこされている模様）。このチラシを見た大和亜季は二つ返事でイベント参加を了承していた。

Extra Stage 第38話「こういうのが欲しいですー♪」

えくすて初登場のエピソードは雫が登場する話にしては珍しく他のアイドルが登場しない、雫個人にフィーチャーした内容になっている。内容としては雫メインのイベントに用意する物販の内容をちひろと相談するという、言ってみればアイドルとしての仕事の一描写を切り取った内容になっており、日常の一コマを切り取った以前の単独回と結果的にではあるが良い対比となっているのが面白い。以前は原作からしてそうだったということもあって雫の容姿に焦点を絞った内容であったが、今回はあくまでプロのアイドルとしての描写に終始しており、この辺りも雫に対する見方や扱い方の変遷を具象化したものと言えるだろう。隙あらば牧場育ちとか牛好きといった面を商売に反映させようという商魂の逞しさや強かさを発揮する点は、非常にいつもの雫らしいところであるが、雫提唱の「及川牧場スタイルパーフェクトコーデ」を全部購入して着てみたいと考えた人の数は決して少なくないはずである。最後の雫のおねだり、断れるプロデューサーなど存在するであろうか。

Extra Stage 第38話特別エンディングテーマ「Milky Mode」

ずっとずっと、本当に長い間待ち続けた雫のソロ曲である。多言無用。

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