東方キャラとウフフにイチャつくまとめ

【服用の際の諸注意】

にとり×○○です。まあウフフ板のイチャスレで強いて言うことでもないとは思いますが、一応。
あんましエロくないかもしれません。
不器用で純情なくせにエロいにとりを目指したとかなんとか。








「なんかあったー?」
「いいや、ぜーんぜん」

かくれんぼじみた調子で交わされる声が無縁塚に響く。

「……なんかあったー?」
「……いいや、ぜーんぜん」

再びがらがら、がちゃがちゃ、がしゃがしゃといった、おもちゃ箱をひっくり返したかのような音が、応答の合間を埋める。
ような、というより、ここ無縁塚はふたりの探索者にとってみれば似たようなものだろう。もっとも、いつもそうであるとは限らないようだったが。

「……ねー、なんかあったー?」
「……いいや、ぜーんぜん、これっぽっちも」
「あ―――」

がしゃりん。
お世辞にも寝心地が良いとは言えない無機物の小山に、探索者の一方が仰向けに倒れこんだ。

「……駄目じゃーん」
「だーから言ったろー、そんな何日かで目新しいもんがほいほい落ちてるはずは無いってー」
「外の世界じゃ流行り廃りが激しいって言ってたのはそっちでしょー」
「いや、確かに言ったが……いくら激しくっても十日も経たん内にどうこうなるかーい」

いささか会話が間延びしているのは、疲労もさることながら、互いに少々離れているためであって、それが口癖とかそういうわけではない。

「やれやれ、これならこんなでっかいのを担いでくることなかったなぁ」

傍らに置いてあった背負い用の巨大な網かごを小突くと、中身の入っていないそれは簡単に横倒しになった。
縫い付けられている『霖』の字の入った布が、それ自体の借用元とふたりのスポンサーをささやかに主張している。

「○○ー」
「あー? 何だにとりー」
「つーかーれーたー」
「おーれーもー」

気合が完膚なきまでに抜け落ちた声で応じながら、額に滲んだ汗を拭った。
朝晩が肌寒くなってきた季節とはいえ、正午を過ぎたばかりの時間、外で熱心にガラクタあさりをしていれば暑くもなる。
あさる都度いちいち持ってもいないアイテムを売りますとかの作業が不要なのだから、何も出なくても文句を言うところではない。

「○○ー」
「あー?」
「ちょっときゅーけー」
「りょーかー」

言う前から休憩に入ってる、と突っ込むのは体力の無駄使いという気がしたので止めた。
朽ちてスプリングがむき出しになったソファーの背もたれに安住の地を見つけ、腰を下ろす。

「しっかしまぁ、見れば見るほど壮観だなこりゃ……ゴミの島ってのはこんなんだったのかね」

辺りを見渡して呟く。
ガラクタの山を形成するのは元の形状をとどめる家具や、『外』から流れ着いたらしい家電――これも随分古い型だが――などはまだしも、小さいものや半ば以上損壊したために正体不明と化した物体まで様々である。
そのほぼ全ては、○○の感覚で言えば『懐かしい』と呼べるラインを現在の方向へ踏み込む事のないものばかりだったし、少数の例外は、過去数度の探検によって文字通り取り尽くしている。

「うー」
「お?」

不意に、ほど良い重みと柔らかさが後頭部から背中にかけて広がった。
視線だけを横にやると、少し埃で汚れた水色の髪の向こうに、だらけて緩んだ少女の顔がある。

「どした?」
「つかれたー」
「それはさっきも聞いたぞ」
「あーうーあー」

山の神の専売特許を奪うようなことを言いながら、少女にとりはぐいんぐいんと○○の肩の上でうごうごする。
それにあわせて、背中に当たる柔らかさと大きさが右へ左へバランスを変えつつむにむにした。時折小さく硬い感触があるのは、リュックの肩紐を留めている鍵だろうか。

「いーオトコの四人や五人おっこちてないかと思ったんだけどなぁ」
「ふ……にとりよ、そいつは新しい機械が落っこちてるよりもレアなケースだ。その証拠におれを見ろ。こんないい男がほいほい落ちてたらありがたみが薄れるじゃないか」
「行き倒れて日干しになる寸前だったけどねー」
「いやもうほんと感謝してます。マジであの時は駄目かと思ったもん。妖精さんとか幽霊とか見えたし……ううっ」
「あーあーごめんごめん、トラウマ抉っちゃったか。なでなでしたげるよーほりほり泣くな泣くな」
「んーむー、なでなでもいいがむにむにももーちっと」
「むにむに?」
「あ」

ぴた。
意識しての行動ではなかったらしく、言われて初めて気付いたにとりは、動きを止めた。

「…………」
「あのー……にとりさん?」

見ると、ガラクタあさりでやや薄汚れた顔を、それでも判別が容易なほどには赤らめて、しばし視線を外し、ぽりぽりと頬をかいてから、言った。

「……したい?」
「いや、まあ、そりゃあ……したくないっつったら嘘になるけどさ」

ふたりっきりプラス密着状態。
刺激されるなというのが無理な話ではあった。あったが…

「けどまあ、ここはお世辞にもそういうのには向いてないんじゃねーかと」
「あー……」

追加要素、無縁塚。
陽射しはあるもののベッドの代わりは山を成すガラクタであり、そこかしこにほんのり漂う妖気だか霊気だか瘴気だかで雰囲気はバッチリだ。ある意味において。

「ま、確かにねぇ……」
「そういうわけで」

ひょい、と、中身のほとんど無い、というよりはすっからかんのかごを持ち上げる。

「今日はもう収穫もなさそうだし、長居してても時間の無駄無駄無駄ー」
「ん、それじゃ」
「帰りますか?」
「帰りますか」

にひ。
お互い歯を見せて笑いあった。








―――え? 恋人同士が仲良くしてると、突然天気が悪くなったりアクシデントが起こったりする?
―――それは嫉妬の神様が、妬んでいると同時に祝福してくれているの。
―――本当よ。信じなさいってば。信じないと妬むわよ。

ペルシャの哲人、パルパル=イチャイチャスンナヤ=シットスキーの言葉。








「湯加減は如何ですかお姫様ー」
「うむー。よきにはからえー」

かぽーん。
所は香霖堂の裏手。折から降り始めた雨の中、ひとり風呂の火の番をしていた○○は、雨だというのに煤けた背中のまま、次の薪を火中に放り込んでいた。

「いーい湯だなーっと」
「ふ……おれの気持ちを分かってくれるのはお前だけだよな」

すっかりあったまった声のにとりとは裏腹に、○○は傍らの切り株に突き立った薪割用の鉈を相手に、早くも現実逃避を始めている。
雨中に金属製品を放り出していていいものかと思ったが、さりげなく緋緋色金製などと書いてあったのでそのままにしておいた。

「大体だな」
「んー?」
「同じ雨に打たれるんでも、にとりは別に濡れたりしないじゃないか」
「んー、まーそうだねー」
「おれはずぶ濡れなんだが……」
「なに? それじゃ○○が先にお風呂に入って、かよわいオンナノコに火の番させようってーの?」
「いや、そりゃ……」
「むっふっふー」
「む」

見れば、小窓からにとりが顔を覗かせていた。

「あったまったか?」
「うん、あったまった」
「そりゃ良かった」
「でもさー……」
「あ?」

腕を窓枠にのせ、さらにその上に火照った顔を置いたにとりは、艶やかとも言うべき笑みを浮かべている。

「もーちょっとこう、なんて言うのかな……芯まで、あったまりたいな、って。ぇ、えへへっ」
「…………」
「な、なんちゃっ―――」
「お待たせ」
「ひゅい!?」

つる。どぼん。





「ぬうぉぉー、あったまるぅー」
「せまいー、あと親父臭いぞー」
「しょうがないだろ、ついさっきまで外で冷えてたんだから」
「にしたってもうちょっと寄せろー、対等の領土を要求するっ」
「何っ、待て待て、ここはお互いの身体の大きさを基準にだな……」
「なーに言ってんだか、入ってきた時あんなに縮み上がってたくせにー」
「ぬなっ!? あれは、外で冷えたからであって……決して通常でああなってるわけじゃないぞ!」
「はいはーい、○○ちゃんはかわいかったでちゅねー」
「むおー!」
「ぬおー!」

どばんざぶん。ばしゃんびしゃん。
家主が聞けば、憮然とした後で「湯浴みくらいもう少し静かに出来ないのか」とでも言ったところだろう。
その霖之助はというと、ご存知里の大店、霧雨家の主人から何やら顔を出せと連絡をもらって留守にしている所だ。
留守を預かった身で店をほったらかして出掛けていたのかと言われればその通りだが、元々客などほとんど来ないので、その点に関しては問題ない。

「はぁー」
「ふぁー」

結局、背中合わせに互いが中途半端な形で膝を抱え、その長さを基準とする事によって風呂桶の国境紛争はひとまず集結した。
雨によって下降線をたどり始めた気温に対し、少々熱過ぎるほどの湯はちょうど良く、染みとおってくる温度にふたりともしばし、無言。

「…………」
「…………」

なまじ見えない分、触れ合った部分に意識が集中しているのか、そこだけが妙に熱く感じられて、居心地が悪いような、悪くないような、微妙な感覚。

「なあ――」
「あのさ――」

ほぼ同時に口を開いて、閉じた。

「……○○の背中、おっきいよねー」
「ん、そりゃあ、まあ……な」
「私なんて、長いことこんなんだから、これからまたおっきく感じるようになってくんだろうなぁ」
「いや、おれももうそんなにでかくはならん……と、思うが」

言い切る前に、背中にかかってきた重みと、熱と、柔らかさに彷徨わせた視線が、風呂桶と反対側の壁に据えられた鏡で止まる。
寄りかかって目を閉じたにとりは、当然帽子など被っておらず、髪留めも外していて、湯煙の中でひどく儚げに見えた。

「……にとりも」
「んー?」
「そうやって髪をほどいてると、その、えーと……」
「綺麗に見える?」
「いや、正直知らんかったら誰だか分からんなーと」
「うわひどっ」
「あ、いや、いや、そのな」

さばり。
苦労しながら、やや無理矢理に身体を90度ほど回転させた。
こちらも振り向き加減になったにとりの、小柄な、けれども全体に柔らかさを備えた肢体が目に入る。
その肩を少し過ぎた程度の髪をひと房、手にとってゆっくりと梳いた。

「ん……こら、気安く触るなー」
「…………」

水妖の髪は濡れてこそ、という格言なり何なりがあるのかどうかは知らないが、不思議なしなやかさとなめらかさに一瞬、我を忘れた。

「……こういうのも」
「……んー?」
「こういうのも、その、良いんじゃない、かな」
「……そう、かな」
「……多分」
「多分かよ」

拗ねたように言って、にとりが身体ごと○○の方を向く。
雨が降っていてもまだ時間は昼下がり、それなりの明るさを保った中、ゆらめく湯の向こうで双丘や太股の付け根の陰影が、奇妙なほどに淫靡に見えた。
それはきっと、にとりからもそうだったに違いない。

「…………」
「…………」

何かを言おうとして、互いに何も言えず、二度、三度と開いたり、閉じたりを繰り返す。
そして、結局―――

「ん……」
「……っふ」

どちらからともなく、目の前の唇を塞いだ。






「ん、む……っふぁ、んん……ちゅる、んっちゅ」
「ふぅ……んっむ、っちゅぅぅ……ぷぁ」

ざぱり、ばしゃん、ざぷん。
唇を合わせたまま、四本の腕が互いの身体を這いまわっていき、時に強ばり、時に跳ね、時に大きく動いて湯船の中を掻き回す。

「ん……っぷぁ、うわ、もうこんな……○○ってやっぱエロいよね。……んっ!」
「にとりこそ、もう、こんなになってる」
「えへへ、泣く子も黙るエロガッパとは私のん……っくちゅ、んぅっ!」
「む……ん、ちゅ、く、それは、黙らんと思うぞ」
「やっぱ? あぅっ! ん、ちょ、それ待ったっ……ぁっ!」
「待たない」
「こらぁっ」

にとりの両手が、湯よりも熱い怒張をしごき、○○の指が、湯よりも熱いにとりのナカを弄り、しこった肉芽と、胸の頂を責めた。
自然、受ける快感はにとりの方が大きくなる。

「ひぁっ、うんぅぅっ! んっ、こ、こらぁっ、ふぁっ! こ、のっ、んっく!」
「余裕が、なくなって、きたな……ん、むっ……ちゅぅ」
「んんんんっ、っふぁ、あっ! や、だ、だめっ!」

言葉通り、にとりの手はかろうじて○○自身を握っているに過ぎず、その上下動はにとりが責められて反射的に動くものだけになっていた。

「ほら、一回……イっちゃえば、良いんじゃないか?」
「やぁっ、も、もうっ、もういいっ、からぁ……あくぅっ!」
「何が『もういい』んだ?」
「も、ゆび、いい、から……」
「うぉ……」

ぎゅう。
唐突に握り締められ、にとりの手の中で反射的に跳ねた。

「も、なんか……だめ、なの、奥の方、すーすーして、指じゃ、届かないとこ、すーすーしててっ」
「……おーけー」

どうしていいか分からないといった風で肉棒を掴んだままの手を、首に導いてつかまらせた。
腰を抱え上げて、にとりの其処に先端をあてがう。

「あ……」
「…………」

今更ながら、潤んでひらき、ひくついているにとりの秘唇と、己が一物との対比に僅かの罪悪感を覚える。
お互い初めてではないとは言え、貫くには大きく、貫かれるには小さい。

「…………」
「……うん」

視線で問い、にとりが頷く。
腰を抱き寄せると、さして力を入れることもなく、狭い入り口は精一杯広がって異物を受け入れ始めた。

「んぅぅぅ、うぁ、あっ、んっ、ふぁ……あああぁぁぁっ!」
「……く、ぬ」

ぬぷり。

「うぁ、とどい、たぁ……」

満たされた表情で、にとりがいっそう○○に抱きついた。
意識してか、無意識か、熱く潤んだ洞内がきついほどに絡んでくる。

「動くぞ」
「ん、んんんっ! あぅんっ!」

密着した状態で大きくは動けないが、ゆっくりとした抽送がかえって細かに互いの感覚を刺激した。

「んんっ! ふぁ、あっ、くぁ、んっきゅ……ぅあぅっ!」

ぬっぷ、ぬっちゅ。
技巧も何も無い単純な動きだけで、敏感なにとりの方は早くも達しそうになっている。
それをこらえようとしているのか、一層きつくしがみついてきた。

「ふぅっ、ふぁっ、んっ、ああっ、ひぅっ、ん、んんっ、ふぅっ!」
「ふっ、く……ん?」
「ふぅぅっ、ふぅっ、ひっく、んっ……」

ふと、違和感に気付いて動きを止める。
○○に抱き付き、肩に顔をうずめたにとりの身体の震えは、快感のそれというには少し妙だった。

「……にとりさん?」
「ん……ふ、っく……ひぅ……うっく」
「にとり」

繋がったまま、しゃくりあげる少女の頭を、抱いたままで優しく撫でる。

「ん……ぁ、ご、ごめんねっ、その……」
「どしたのさ」
「……それは、その……ぁー」
「にーとーりー」
「……怒らない?」
「怒らないし、笑わない」
「……ん」

ぽす。
○○の胸板に頭を預けて、目を閉じた。

「……急にね」
「うん」
「急に、こうやって繋がってる○○が、私よりずっと早く死んじゃうんだろうなぁって……考えちゃった」
「…………」
「そしたら、なんかすごく怖くなって、寂しくなって……こんなに熱いのに、寒気がして……」
「…………」

それは、きっと自分よりずっと年上のはずの河童の少女の、とてもとても、未熟な一面。
嗚呼、神様。
この愛い奴に応えるのに、自分は少しの間理性に休暇を出そうと思いました。

「にとり」
「ふぇ?」
「ごめん、それ反則」
「へ? ぅあっ、あんんんっ! んっ! こ、らぁっ! おこらな、って、言った、のにっぃ!」
「怒らないし笑わないけど、萌えた。よって萌えたからには燃える」
「ば、っかぁ! んっ、ふぁ! やぁっ、ちょ、強い、ってば、ぁ!」

先ほどまでと打って変わった、大きな動きで狭いにとりの胎内を荒々しく掻き回す。
一層硬度と径を増した肉槍がずちゅずちゅと潤滑液を泡立てながら、やや不釣合いに小さな少女の母性に甘えるように引き抜き、押し込む。

「ふぁぁっ! あぁっ! んぁっ、こ、らぁっ、んぅっ! ちょ、ま、った、待ったっ、ふぁやっ!」
「待たない」
「んぅぅぅぅぅっ!!」

答えと同時に一際強く最奥を突き上げると、にとりの全身が強ばり、それに合わせてきゅうきゅうと胎内の締め付けが増した。
反射的に放出しそうになったのを危うい所でこらえ、間もおかずに動きを再開する。

「やぁらっ、それ、やぁっ! い、いまっ、んぁっく! うごい、ちゃ、ぁっ! だ、め、ぇっ!」
「お断りだ」
「ひゃぅ! うぁっ、やぁっ、ひっあ、ああっ、ふぁ!?」
「ほら、エロガッパは、余計な事考え、ないで、感じちまえっ」
「やあっ、ま、た、くるっ! んぁぁ、あぅ! あっふぁっ! まっ、た、くるぅっ!」

際限なく高まる官能を全身の震えで示すにとりを、がむしゃらに、力任せに抉り続ける。
一秒でも早く少女の膣内を染め上げたいという衝動と、一秒でも長く少女の膣内を味わっていたいという衝動の間で、歯を食いしばって動いた。

「んひゃぅっ! ふぁやぁっ、だ、も、まって、あぁっ! 休け、いぁっ!」
「…………」

余裕などひとかけらも残っていない。
僅かでも気を抜けば決壊しそうな欲望を押しとどめながら、震える自分の腰を叱咤して交わる。

「やぁっ! な、んか、ぁあっ! お、っき、の、うぁっ! くるぅ……ああっ!」
「ふ……っ、く……」

そこがゴールだろうか。
わけも分からず、夢中でそれ目掛けて全身で動く。
浴室に反響するにとりの嬌声と、風呂の湯ではない水音が耳から入りこんで、頭の中がそれでいっぱいになってしまう感じがした。

「ぬ……ふっ……」
「あぁっ! ふぇぁ! ひゅあ! こ、んんっ! こ、のっ!」
「んむっ!?」

不意打ち。
されるがままだったにとりが、それまで艶めかしく喘いでいた口で、○○のそれを塞いだ。
股間に集中していた意識がいきなり頭に引き戻されると同時に、辛うじて耐えていた欲望が制御を失って、はじける。

「んぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
「――――――――――!!」

一番深い所で溢れた熱さに、にとりが震え、○○が震え、吸い合った唇の間で、互いの唾液と吐息と、魂まで交わったような激しさが生まれた。








かぽーん。

「…………」
「…………」

再び、背中合わせ。
互いに達して気付けば、動きまくっていたせいか風呂の湯は大半が脱落してしまっていた。
湯を足すために手ぬぐい一枚で雨振りしきる外に出て薪を追加したのは無論、○○の方だ。

「あー、腰痛ぇ」
「私も、まだちょっと腰抜けてるかも」
「ははは……」
「へへー」

双方見えないものの、随分と緩んだ顔をしているのは想像がついた。

「……あの、さ」
「ん?」

ざぱ、と、湯が動いた。
にとりが膝を抱えて寄りかかってきたらしいことが、背中に伝わる感覚で分かる。

「もしね、○○が死んじゃったら……その時は私――」
「馬鹿」
「な、なんだよー」
「そりゃ、お前の気持ちは分かるよ。おれだって逆だったら、そう考えるかもしれない」
「だったら――」
「まあ、ちょっと聞けって」

肩越しに手をやって、にとりの髪を梳く。
もう一方の手で、にとりの片手を捕まえ、握る。

「この間、小町姐さんに会ってな」
「うん」
「聞くところによるとアレだ。そこそこに善行を積んだ人間は、ちゃんと河も渡れるし、地獄行きになることも少ないらしい」
「らしいね」
「その場合、結構さっさと次の転生に入ることもあるんだってさ」
「ん」

何を言おうとしてるのか察したのか、繋いだ手に、にとりがもう一方の手も絡めてきた。

「ま、別に悪いこともしてないし、気をつけてればそうそう地獄落ちにはならんだろ、おれは」
「そうかなー」
「いや、そこは同意してもらわないと困るぞ」
「はいはい」
「だからな」

絡めた手に、少し力が入った。

「さっさと転生するから」
「……うん」
「記憶が忘れても、魂(こころ)が覚えてるから」
「……うん」
「きっと会えるって」
「うん……うん……」
「だからほら、泣くなっての」
「泣いてなんかないやいっ……」
「あーもーまったく」
「わ」

ざぱあ。
無理矢理体勢を入れ替えて、にとりを正面に抱きかかえるような形で入りなおす。

「きっと会えるって」
「……うー」
「もしまた外界に生まれてもさ、おれのことだから、またきっとこっちに迷い込んで、行き倒れて、日干しになっちまってると思うから」
「……ん」
「その時は、またにとりが見つけてくれよ。あの時みたいに」

言ったら、少女は信じるだろうか。
最初のあの時、彼女を天使かと思って、しかも一目惚れでしたなどと。

「にとりがみつけてくれたから、おれはここにいるんだぜ」
「ん……わかった」
「そうか」
「約束?」
「約束」
「ん」
「……さて!」
「うわ!」

今更のように湧きあがってきた照れくささを、隠すようにして立ち上がる。

「腹が減ったなぁ、何か作るか」
「勝手に食べちゃっていいのかなー」
「店番の駄賃代わりということで」
「賛成ー」

外の雨はいつの間にか止んで、雲間から射す光は赤く染まりつつあった。

幻想郷は、秋である。










この先には、本編のまったり感をぶちこわすあとがきがあります。
別に構わないぜと言う方のみ、先へお進みください。








作者「というわけで、エロいにとりのSSでした」

○○「過去最速で書き上げたな」

作者「思い付いてすぐ書き始めて8時間くらいか、確かに。
エロとしては夏場に書いたルーミア以来だが、あれはウフフ用のろだに上げて、もう流れてしまったからなぁ」

○○「いや、それにしてもちゃんと終わって良かった。
このまま(ピー)とか(ピー)みたいに書きかけで放置されたらどうしようかと思ったぜ」

作者「勢いで書き始めたんなら、勢いのまま書きあげないとまずいなぁと思ってね。
無縁塚の設定とか香霖堂の風呂とか、結構意図的に無視した部分はあったけどさ。
いやまぁ良かった良かった」

○○「良かった良かった」

作&○「はっはっはっは」

にとり「いいわけあるかー! もの凄く恥ずかしかったんだぞ!?
大体いいのかこんなん書いてて! (ピー)の続きとか(ピー)のバグ取りとか追加とかするんじゃないの!?
いやそれ以前に卒論の準備とかほったらかしてエロなんて書くんじゃねー!」

作者「何を言うにとりん。エロは人類の活力の源である。
そもそも、本編であんなに乱れた君の言うことではないだろう」

にとり「くっ、あのまま綺麗に終わってればよかったのにっ!」

○○「徹夜明けでハイになってるからなぁ」

にとり「廃の間違いじゃないの」

作者「そんなわけで、縁があればまたどこかで」








Q.さて私は誰でしょう?



1スレ>>894 icyanecyo_0093.txt

SS : 河城 にとりへ戻る

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

管理人/副管理人のみ編集できます