最終更新: touhou_icha 2013年12月23日(月) 19:40:11履歴
>>894の続きのようなものを書いてみました
「うぁ……屠自古、さん……」
月明かりの差し込む部屋に、呻くような男の声が響く。
響く音はもうひとつ。じゅるじゅるという生々しい水音を立て、少女が男の肉棒にしゃぶりついていた。
「ぷぁ……気持ちいいか〇〇? もっと、してやるぞっ……」
「と、屠自古さん! もう、出っ……!?」
その言葉を聞くが早いか、少女――屠自古はいっそう動きを激しくする。
その情熱的な奉仕に、ただでさえ限界に近かった〇〇の肉棒が耐えられるはずもなかった。
「ぐ……うううぅぅっ!!」
「んぶぅっ! んっ、ん……」
屠自古の小さな口の中に、〇〇の熱い精が放たれる。
いや、放たれただけではない。屠自古は恍惚の笑みを浮かべ、尿道内に残った精液まで貪欲に吸い上げていた。
一滴残らず精を絞り出したところで、屠自古はやっと肉棒から口を離した。
「ほら屠自古さん、吐き出してください」
〇〇が布団の傍らのちり紙を差し出し、促す。
しかし屠自古はそれに応じず、少し苦戦した後……飲み干した。
「ん……飲み干すと、男は喜ぶものだと聞いたから……心配するなよ。お前のなら、嫌じゃない……」
何を、と問いかける間もなくそういって笑ってみせた彼女に、〇〇は何も言えなかった。
――まただ、やっぱり……
「さぁ、まだまだ夜はこれからだぞ」
屠自古が再び寝そべり、亀頭を舐めあげる。それだけで反応してしまう愚息を殴りつけたくなる衝動を、彼は必死に抑えた。
「お前の気が済むまで……好きなだけ出していいからな」
好きなだけ、という部分に、特別感情がこもって聞こえたのを、錯覚とは思えなかった。
そのまま一心不乱に口淫を続ける彼女を見ていると、愛おしさだけではなく、何かもやもやとしたものが心に渦巻く。
――やっぱり、気にしてるんだ――
〇〇が彼女と出会ったのは一年前のことだ。
不注意から人喰い妖怪の縄張りに迷い込み、案の定死にかけた彼を救ったのが屠自古だった。
稲妻とともに降り立ち、目の前の妖怪を一瞬で黒焦げに変えた屠自古。
彼女自身はそういうつもりは無かったのだが、〇〇は礼をすると言って聞かなかった。
結局酒を奢って終わり……の筈が、どういうわけか酒の席ですっかり意気投合。
気づけば何回も会うようになり、いつの間にかお互いを異性として意識するようになった。
そしてある日、些細な事で両片想いだったことを知り、そのまま恋人となった……それまではよかった。
付き合い始めて、〇〇は屠自古が意外にも男に尽くすタイプだと知った。
普段の彼女の性格からは、想像もできなかった一面である。
そんな彼女の姿を自分だけが知っていることに、〇〇は小さな優越感を覚えていた。
だが、一緒の日々を過ごしていくうちに、彼女の献身はどんどん強くなっていった。
炊事洗濯、掃除はもとより、その他諸々の雑事まで一人で片付けてしまう。
彼女の都合もあるのだから、そこまでやる必要はないと言ったこともあるのだが……
――私がしてやれることなんて、これくらいしかないから――
そんなことを言われて、思い出した事がある。
彼女に想いを告げたあの日の会話。
私なんかお前に相応しくない、と顔を背ける彼女を抱き寄せ、思いつく限りの愛の言葉を囁いた夜。
腕の中で、屠自古が泣きじゃくりながら呟いた言葉。
――駄目だ、駄目なんだ。私の体では、お前とまぐわうこともできない――
――お前の子だって、産めないんだぞ――
例え体を重ねることができなくとも、屠自古を愛していることに変わりはない。
〇〇自身はそう思っていたが、彼女はそうではなかったようだ。
不慣れな料理を練習し、自分の都合も顧みず〇〇の家を掃除し、ついにはフェラチオによる性欲処理……
――まるで、道具じゃないか――
自分が彼女に惚れていることを負い目に感じているのなら、そのために、これほどまで自分に尽くしてくれるのだとしたら。
すぐにでも彼女を解放してやりたい。
そんな風に思う必要は無いのだと、言ってあげたい。
……だが、本当にそれで解決するのだろうか。
自分の無神経な言葉では、かえって繊細な屠自古の心を傷つけてしまうかもしれない。
そんな考えが頭の中にちらつき、今まで切り出せずにいた。
このままでは、お互いによくないと思っていながら……
「……私も、焼きが回ったもんだ」
〇〇との密会を終え、神霊廟に戻った屠自古は独りごちた。
亡霊の身でありながら人間に恋焦がれ、片時も離れたくないと心から願っているなど……昔の自分なら、考えもしなかったことだ。
最初は、ただの人助けだった。
いつの間にか酒を酌み交わす用になり……いつの間にか、彼の誠実さ、優しさに惹かれていた。
「〇、〇……」
その名を呟いただけで、彼の笑顔を思い出すだけで、少女のように胸が高鳴るのを感じる。
もっと彼と深く繋がりたい。彼と一つになりたい。
しかし、その願いが叶わぬものであることは、彼女自身が一番理解していることだった。
「こんな体でさえなければ……」
寝間着の下の自らの下半身を、恨めしそうに見やる。
物部布都の策略により尸解が失敗に終わった体は、臍から下が原型を留めていない。
煙が凝固したような下半身には、無論女性器など存在しない。
〇〇は気にしないと言ってくれた。彼女自身、その言葉に偽りはないと信じている。
……だが、屠自古は恐れていた。
いつか彼の心が離れていくのではないかという疑念が、彼女の心に巣食っていた。
〇〇への不信ではない。彼女自身への不信と言っていい。
自分のような不完全な者が、彼の心を繋ぎ止めていられるだろうか。
その不安が彼女を突き動かし、「献身」という鎖で〇〇の心を繋ぎ止めるという行動をとらせていた。
その行動が彼を悩ませていると、薄々感づいていながら……
(……寝るか、何だか調子が悪い)
帰ってから、どうも体に違和感がある。
いろいろ考えすぎて、疲れているのだろう。
ぐっすりと眠れば、少しは気が晴れるはずだ。
逃げるように布団に潜り込んだ彼女を、瞬く間にまどろみが包んでいった……
夢を見た。
屠自古の傍らで微笑む〇〇、彼女も笑っている。
二人の側には神子が、その横で布都が騒ぐ。
みんな、みんな、笑っていた。
その笑顔の先、屠自古の腕の中で眠る、小さな命。
彼女が願った……願った末に諦めていた光景が、そこにはあった。
目が覚めた時は、特に何も感じなかった。
夢であることは悟っていたし、覚めないでほしいなどと馬鹿なことも考えなかった。
ただ、枕にはうっすらと、涙の滲んだ跡があった。
(……馬鹿みたいだ、たかが夢に)
そう思って布団から出ようとした瞬間
――ふと
違和感に気づいた。
(何だ? 下か?)
布団を跳ね除け、自分の下半身を見る。
「……嘘だろ、おい」
ゆっくりと頬に手を当て――力いっぱい抓る。眠気は、とっくに吹き飛んでいた。
――現実だ
目の前の細い脚は
紛れも無く
彼女自身のものだった。
「……確証は無いのだけれど」
目の前の少女――屠自古の主、豊聡耳神子が口を開いた。
「亡霊というのは、魂が魄――肉体という枷から解き放たれた、いわば精神だけが独り歩きしているようなもの。
強い思念の影響を受け、形状を変化させたとしてもおかしくはないわ」
「……成程」
神子の言葉に屠自古が頷く。
どうも実感がわかないが、この体の変化はどうやら自らの願望が引き起こしたことらしい。
何はともあれ、これは願ってもないことだ。
神子に見せる前に、自身の手で性器の存在と、それに感覚があることも確認している。
(この体なら、〇〇と……)
「――ところで」
突如声をかけられ、屠自古は一瞬飛び上がりそうになった。
「やはり、今から会いに行くの?」
「え? な、何を……」
「とぼけなくてもいいわ。彼の為に願って、そうなったんでしょう?」
屠自古は顔を真赤に染めて俯いた。
神子の『十人の話を同時に聞く事が出来る程度の能力』にかかれば、彼女の考えを読むなど容易いことだ。
「構わないわよ。但し、あまり羽目をはずさないこと。わかっているわね?」
「あ……ありがとうございます、太子様!」
言うが早いか、屠自古は全速力で神子の部屋を後にした。
頑張るのよ、という神子の呟きを、背中に受けながら。
「何で肝心なときに寝てるかなぁ……」
〇〇の寝室で、布団の側に仁王立ちする屠自古。
無論その布団には、〇〇が包まって寝息を立てている。
どうやら今日は仕事が休みなので、心ゆくまで惰眠を貪っていると見える。
「こらー、恋人が会いに来てるってのに何だお前はー」
顔を掴んで揺さぶってみるが……依然として目を覚まさない。どうやら相当深く眠っているようだ。
どうしたものかと思案に暮れる屠自古だったが……ふと、その顔に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
「ちょーっとだけ、びっくりさせてやんよ……」
「んー……朝か……」
寝室に差し込む日差しを浴び、〇〇はようやく目を覚ました。
――と同時に、その眠気は一瞬で吹き飛んだ。
「と、屠自古さん……」
布団の中、彼の胸に縋りつくようにして、一糸纏わぬ姿の屠自古が寝息を立てていた。
あまりに不可解な光景に、〇〇の頭には疑問符が乱舞する。
(何で? 神霊廟に帰ったんじゃ? てか何で全裸? あれ、もしかして夢?)
混乱する〇〇だったが、胸の中の愛しい恋人の姿を見ていると、その混乱も徐々に収まっていった。
(屠自古さん……やっぱり綺麗だ……)
普段の活発を絵に描いたような屠自古も、〇〇は大好きだ。
しかし、眠っている彼女は普段の騒がしさが嘘のように淑やかで、昔はいいとこのお嬢様だったという本人の弁も真実のように思える。
〇〇が誘われるように、ゆっくりと手を伸ばす。
その手が、白い頬に触れる……と、その瞬間。
彼の胸に添えられていた屠自古の手が電光石火の早さで動き、それを掴んだ。
「うおぁぁっ!? お、起きてたんですか! きったねぇ……」
「汚いとはご挨拶じゃないか。ふふふ、おはよう〇〇。朝からお盛んだなぁ……?」
赤面する〇〇を尻目に、屠自古が体を起こし、立ち上がる。
横目でそれを見ていた〇〇だったが、『それ』にはすぐに気づいた。
「屠自古さん、体が……」
「ああ、そうなんだよ」
ふわりと『浮き上がる』のではなく、億劫そうに『立ち上がった』屠自古は、その裸体を惜しげも無く〇〇に見せつけた。
凹凸は少ないものの、程よく引き締まった上半身は〇〇にも見覚えがある。
だが、下半身は白い霊体ではなく、細い腰とすらりと伸びた脚で構成されていた。
屠自古の整った顔立ちと相まって、大抵の男が一瞬で骨抜きにされてしまいそうな美しさである。
「詳しい話は割愛するが……まぁ、お前のことを想っていたら、こうなったとでも言っておくか」
そういってゆっくりと腰を下ろし、〇〇に抱きつく屠自古。
正面から〇〇の目を見据え、赤面しながら囁く。
「まだ日も高いのに、はしたないのは分かっている。だが……」
少し俯いた後、意を決したように口を開く。
「だが、それでも……私を、抱いてくれるか……?」
絞り出したような屠自古の問いかけに、〇〇は何も言わず、口づけで答えた。
正直、さっぱり事情はわからない。
ただ……彼女が愛おしくて、
そしてそれ以上に……断れば、彼女を深く傷つけてしまうことを察していたから。
「ん……うれしい、〇〇……愛してる」
再び、今度は屠自古のほうから口づけを交わす。
くちゅ、くちゅ、と二人の舌が、微かな水音を立てながら絡み合う。
ようやく口を離すと、抱き合った体勢のまま、〇〇が屠自古を押し倒した。
「いつも屠自古さんにされてばっかりだったから……今度は、僕が」
「え、待っ……ひゃぁっ!?」
制止の言葉も聞かず、〇〇が屠自古の胸にしゃぶりつく。
乳首を口に含み、舌で乱暴に責め立てる激しい愛撫。
優しい〇〇のイメージにそぐわない野性的な攻めは、屠自古が今まで経験したことのない未知のものだった。
「やぁっ! すっ、すごっ……!! だ、だめっ! そっちは……あぁぁぁっ!」
屠自古が気づいた時には、既に〇〇の指が屠自古の秘所に侵入していた。
拒絶の言葉とは裏腹にそこは指をがっちりと咥え込み、抜くのも一苦労だ。
ぐりぐりと指を中で動かすたび、洪水のように愛液が溢れ出る。
「屠自古さんのまんこ、すごい締め付けですよ……もう、こんなに濡らしてる」
「んあっ! い、言うなぁ……ぁっ! あんっ!」
いつもの屠自古からは想像もつかない、艶を含んだ声が部屋に響く。
その可愛らしい喘ぎ声が耳に入るたび、〇〇の欲望が昂っていく。
そうなってしまっては、屠自古はもうされるがままだ。
「んっ、うぁ! だめっ、も……ひぁぁぁぁぁぁん!」
殆ど叫び声に近い嬌声を上げ、屠自古は絶頂した。
力を入れて指を引き抜くと、膣内に溜まっていた愛液がとろりと溢れでて布団に染みを作る。
(す、すごかった……こんなに、気持ちいいなんて……)
ぐったりと倒れこみ、荒く息をつく屠自古の心は、すっかり快楽に支配されていた。
「屠自古さん、大丈夫ですか?」
心配そうに彼女を見下ろす〇〇、しかしその肉棒は、今まで見たことのない恋人の痴態に痛いほどに膨れ上がっている。
(あ、あんなに大きくなって……あんなの入れられたら、狂ってしまう……)
だが、最早屠自古にとって、そんなことはどうでもよかった。
早く〇〇と一つになりたい。
〇〇のモノで、思いっきり突かれたい。
そして何より、
〇〇を気持よくしてあげたい。
そのためなら、狂っても構わない。
「……っ!? ちょ、ちょっと……」
一瞬の隙を突き、屠自古が〇〇を押し倒した。
驚きに目を丸くする〇〇に屠自古がのしかかり、自ら挿入の体勢を取る。
〇〇は何とか逃れようともがくが……人ならざる少女の力には全く歯がたたない。
そして、屠自古が〇〇の肉棒に狙いを定める。
彼女の目は、理性の光を完全に失っていた。
(ああ……やっと……)
〇〇の制止の言葉も聞かず、屠自古はそぉっと腰を浮かし……〇〇の肉棒を、一気に飲み込んだ。
(――ッ!? うそ、こんな……痛、痛いっ! 苦しいよぉっ……!)
愛液に塗れているとはいえ、屠自古の性器は〇〇の怒張した肉棒を一気に飲み込むには未熟すぎた。
全身を貫かれるような痛みが、容赦なく小柄な少女の体を襲う。
なんとか痛みをこらえてはいるものの……歯を食いしばり、息も絶え絶えなその姿は、見ている方が痛々しい。
「大丈夫ですか屠自古さん!? やっぱりやめたほうが……!」
「ぅっ……だい、じょぶ、だからぁ……う、うごい……」
「大丈夫なわけないでしょ! そんなにキツそうな顔してるのに!」
「いいか、ら……お前が、きもち、よく、なれる、ならぁ……」
大粒の涙をこぼし、なおも哀願する屠自古。
(……何でだよ、すごく痛がってるのに、何でそんなこと言えるんだ)
(何であなたが、そこまでしなきゃならないんだ)
(そうすれば)
(僕が喜ぶとでも思ってるのか)
(そうしないと)
(僕があなたを嫌いになるとでも、思ってるのか)
「……けんな」
「……え?」
「ふざけんなって言ったんだ!」
突然の叫びに身を竦ませる屠自古の肩を掴み、、〇〇が強引に体を起こす。
二人は挿入したままで向かい合う、俗に言う対面座位の状態となった。
状況が飲み込めていない屠自古に対し、〇〇が声を振り絞る。
「何でそうやって、自分を蔑ろにするんだ! 僕の気持ちも知らないで!」
「……好きなんだよ! ずっと前から、元気で、明るくて……口は悪いけど、本当は優しい屠自古が大好きだったんだ!」
「屠自古さえいれば、他に何もいらない! いつまでも、君と一緒にいたい! だから……!」
言っているうちに、涙があふれているのに気がついた。
こんなみっともない顔は、彼女には見せられない。
だから、力いっぱい抱き締める。一番伝えたい想いを、一番強く伝えるために。
「もう、抱え込むのはやめてくれ……そんな君は、もう見たくない……」
屠自古の表情は見えない。
ただ、しばらく経って、すすり泣く声、背中に腕が回されるのを感じた。
二人共、泣いた。
泣いて、泣いて……どれくらい経っただろうか。
「ごめんな、〇〇」
先に口を開いたのは、屠自古だった。
「ずっと、ずっと不安だった。お前がどこかに行ってしまうんじゃないかって。だから何とかして、お前を私のものでいさせたかった。
……結局、私がお前を信じられなかっただけだったんだな。お前はこんなに、私を思ってくれていたのに……」
「謝るのは僕の方だよ。ずっと言わなきゃ、言わなきゃって思ってたのに、結局今まで言えなかった。屠自古さんを傷つけるんじゃないかって。
でも違った。屠自古さんが尽くしてくれるのが嬉しくて、それを終わりにしたくないって思ってただけなんだ。大馬鹿だよな、俺……」
改めて、お互いの顔を見る。
二人共泣いたおかげでひどい顔になっていたが、その顔はこれまで以上に愛おしく見えた。
「なあ、その……まだ、繋がったまま、なんだよな」
屠自古の言葉に、〇〇もそう言えば、と思い出す。
「続き、しないか? できれば、この体勢で……」
「了解です、たくさん気持よくしてあげますからね」
〇〇がゆっくりと屠自古の体を持ち上げ、深く肉棒を突き入れる。
挿入したままだったのが功を奏したのか、屠自古の膣内は程よくほぐれ、ピストンもスムーズに行えるようになっていた。
卑猥な水音と共に肉棒が絶え間なく愛液を掻き出し、布団に染みを広げていく。
「屠自古さん、どう? 気持ちいい?」
「んっ、うんっ、きもち、いいっ……!」
屠自古の言葉に偽りはない。痛みは殆ど消え失せ、ただ〇〇が与えてくれる快感だけが感じられる。
最早二人の間に壁はない。あるのは互いを思いやる優しさと、求め合う欲望のみ。
ぐりっ、ぐりっ、と子宮を肉棒が叩く度に、〇〇も、屠自古も、軽く達してしまいそうになるのを必死に抑えた。
「ふぅ、んむっ……ぷはぁっ……屠自古さんっ、もっと、早くしていいですか……?」
「いいよっ……もっと、はげしく、あいしっ、てぇ……! ちゅうっ、んっ!」
「むぐっ……ふぅっ、ふぅっ……!」
「んぁ……ん、んぅぅっ!」
両の手で数え切れないほど口づけを交わし、その度に二人は高まっていく。
いや、お互いの体温、声、部屋中に響く水音、肉のぶつかり合う音、全てが脳髄に染み渡り、思考を蕩けさせる。
「そんらにっ、ついちゃ、あんっ! あっ! しゅご、すごいよぉっ!」
「屠自古さん、僕も……! 膣内に、膣内に出しますよっ!」
「ひん! いいよっ、きてぇ! 一緒に、一緒にぃっ……!! ひぁ、あっ、い、くぅぅぅぅぅぅっ!」
「屠自古っ……! 屠自古……! ぐぅぅぅぅぅぅっ!」
びゅくっ! びゅるっ! ごぷっ……!
〇〇の肉棒から堰を切ったように精液が溢れだし、瞬く間に屠自古の中を満たしていく。
口淫による射精とは量も濃度も桁違いの精は、膣内には収まりきらず肉棒を伝って流れ出すほどだった。
自らの内部に吐き出される精を感じ、恍惚とする屠自古。
その唇を、〇〇が深く、優しく貪る。
「んっ……! あぁっ……〇〇ぅ……すき、だいすき……」
「僕も……大好きです、屠自古さん……」
「わかった、精子だ」
行為の後、疲れ果てた二人が布団に倒れ込んでいると、唐突に屠自古が口を開いた。
ぽかんとする〇〇を尻目に、屠自古が矢継ぎ早にまくしたてる。
「ほら、昨日お前の精液飲んだだろう? あの後どうも調子が悪くなって……それで起きたら、脚が生えてたんだ。」
屠自古はやたら興奮しているが……やはり、〇〇にはさっぱりだ。
「男の精を取り込むと、霊体が変化する切欠に……ふふふ、これはいい……」
「あのー、屠自古さん……?」
俯いてニヤニヤと笑う屠自古に〇〇が声を掛ける。
途端、その胸に彼女が飛び込んだ。呆気にとられる〇〇を抱き締め、囁く。
「喜べ、子供……出来るかもしれんぞ」
子供……屠自古と自分の……
完全に予想外の言葉だったが、その未来を心に思い浮かべると、二人共自然と頬が緩むのを感じた。
二人で頑張ろう、という思いを込めて、〇〇も負けじと屠自古を抱き締める。
「そうと決まればこれっぽっちじゃ足りんな……もう一回、するか?」
屠自古が上目遣いで哀願する。
しかしその声色には、拒絶など聞き入れない無言の圧力が込められていた。
苦笑する〇〇に、屠自古が目を閉じて口づけをねだる。
たまにはこんな休日もいいか……そんなことを考えながら、〇〇は屠自古と再び唇を重ねるのだった。
「……そういやお前、どさくさに紛れて呼び捨てにしただろ」
「いけませんか?」
「いや……その、恋人、なんだからさ、呼び捨てくらいは……」
「ん、わかったよ……屠自古」
「あぅ……よ、よし……」
イチャネチョするロダ : icyanecyo_0407.txt
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