「私、杏子さんみたいな気の強い人が好きなんです…」
「し、静香ちゃん、それなら舞さんだって、あ、あう…!」
「ああ、あの人はダメですよぉ、私の趣味じゃないし。
あの人はせいぜいお兄ちゃんに相手にしてもらえるように頑張って、って感じです」
 そう言いながら、静香は杏子の胸を愛しそうに手と唇で愛撫する。
杏子が感じやすかったのか、それともまさか静香が巧いというのか、杏子の乳首は
ピンと硬く張り詰めてきていた。
「本当は自分で弄りたいでしょ?ごめんなさい、その分私が弄ってあげますね」
 杏子の両腕は静香によって、タオルで頭の後に縛られている。
そこへ杏子の意志とは関係なく、静香が体の所々へ次々と刺激を与えてくるのだった。
「もう、杏子さん感じやすいんだから」
「静香ちゃん、こんなの変だよ!ね、だから止めて!」
 自由の利かない体を成すがままにされる杏子は必死に懇願するが、うっとりとした
表情を浮かべて愛撫に夢中になる静香の耳には、その声は全く届いていない。
 そればかりか、ついに静香は杏子のショーツの中に自分の右手を潜り込ませた。
細くしなやかな指がすばやく秘豆を探り出し、杏子の体に新たな刺激を与える。
「ひぃあああっ!」
「どうですか、気持ちいいでしょう?」
「や、やめ、やめて静香ちゃんっ…」
「うふふ、そんなこと言って。ほら、もう湿ってきたみたい」
 くにくにと杏子の秘豆を弄りつつ、膣口にも指を這わす静香だったが、
そこに早くも湿り気を感じていた。
「う、嘘よ…!そんな、そんな事信じないから!」
「もっと正直になりましょうよ。ねっ」
「ぁあんっ!」
更に静香が杏子の秘豆を撫で上げると、杏子の秘裂はより愛液を染み出させた。
「すごい!もうこんなにぐっしょり…。初めてってわけじゃないみたいですね」
「い、いや、そんなこと言わないで…」
 同性の静香に陵辱まがいの恥ずかしい行為を受けているにも関わらず、体が
勝手に反応してしまう事実を否定したい杏子。
 逆に静香はそんな杏子のショーツの中から手を抜き出しつつ、無駄な抵抗と言わん
ばかりの意地悪な笑みを浮かべながら、愛液に濡れた指を美味しそうに舐めた。
「ほんと感じ易いんですね。私も尽くしがいあります」
「はぁっ、はぁっ…。静香ちゃん、何故こんなことするの…!?」
「えへへ。言ったじゃないですか、杏子さんのこと好きだって。それにね…」
「そ、それに…、な、何なの?」
「杏子さん、本当は誰のことが好きなのかなあ〜って」
「そ、そんなこと…」
「言えません?でもこれはいつも誰かのことを思ってオナニーしてたって感じ
じゃないですか?」
 静香の言葉は図星だったらしく、彼女の愛撫で上気した顔を更に赤らめながら、
無言で杏子は顔を逸らした。
「やっぱり遊戯さん?それとも海馬さんかな〜?」
 濡れそぼったショーツの上から再び杏子の秘裂を弄くりつつ、静香は尋問する。
それにあっ、と小さい声を上げて反応しつつも、杏子は目を瞑ったまま応えない。
「もしかして、お兄ちゃんだったりして!」
 そう言うなり静香は杏子のショーツをいきなりずらすと、秘裂へと指を一気に
挿入し、ぐちゃぐちゃに掻き回し始めた。
「きゃあああああっ!!」
「お兄ちゃんだったら…、私のお兄ちゃんだったら許せない…!」
「痛いっ!痛いよぉ!静香ちゃん止めてぇっ!じょ、城之内じゃないよぉ!」
「あ、そうですか。それなら良いんですけど」
 杏子の必死の弁解に、静香は激しく動かしていた指の動きを止めた。
乱暴な行為が止んだ事で荒い息をつく杏子だったが、それを静香は普段彼女が
見せないような冷たい眼で見つめており、そして言い放った。
「”私の”お兄ちゃんには絶対手を出さないで下さいね。舞さんに対しての
私の態度だって、あくまで上辺だけなんですから」
(まさかこの子が猫被りだったなんて…)
 杏子は静香の豹変振りに強いショックを受けた。確かに兄を頼りにしていた
少女だったが、同時に強度のブラザーコンプレックス保持者であったのだ。
 いや、だからこそ疑心にかられた相手に対してはこのような仕打ちも平気で
出来るのかもしれない。そう思うと、杏子は今の静香に恐怖した。
「どうしました?私の顔に何か付いてますか?」
 兄に対する気が無いと理解したのか、杏子の思いとは裏腹に、いつものような
大人しい声に戻って再び話し掛けてくる静香だった。
しかしその裏には、まだ何か秘めていそうな感じも想像出来ないわけではない。
「う、ううん、何でもない。何でもないわよ!」
「そうですか。じゃあ改めて聞かせて下さい。いつも誰でオナニーしてるんですかぁ?」
「そ、それは…!」
 静香の追求は終わってなどいなかった。持ってなどいなくてもいい助平根性まで
彼女はその顔の下に潜ませていたのだった。
(そんなのやたらに言えるわけ無い!)
 言っても言わなくても只で済みそうにはないと考えつつ、杏子はそんな
恥ずかしい告白は出来ないと無言の抵抗で目を伏せた。
「もう、じれったいですね。ま、大体判るけど…」
 杏子の態度を目にして、不て腐れたような表情になる静香だったが、
そこまで呟くとパッと何か気付いたように明るい顔になって言う。
「そうだ!面白い事しましょうか?」
「な、何?何をするの?」
「えへへ〜、こ・れ」
 よく見れば、静香の態度はどうにもわざとらしい物だった。
含み笑いの顔で静香は傍らに手を伸ばし、どうやら最初から用意してあった
らしいそれを杏子の目の前に突き出す。
突き出された物の放つ鈍い金属の輝きに思わず息を呑む杏子。
それは一本の剃刀であった。
「そ、それ、一体…!?」
 しかし静香は杏子の問いに答えず、笑顔で黙ったまま自分のショーツを脱ぐ。
「え…?」
「杏子さん、ほら、見て下さい。私のここ、綺麗だと思いません?」
 静香が自ら晒した下腹部、そこはただ一筋の割れ目だけが存在する白い丘だった。
「し、静香ちゃん!?まさか…」
「そう、そのまさかですよ」
言うが早いか静香は杏子のショーツに手を掛けると、それを一気に引き下ろした。
薄くはないが決して濃くもない、上品に生え揃った杏子の下腹部の和毛が露になる。
「きゃあああああぁっ!」
 思いがけぬ破廉恥行為に、悲鳴を上げながらも自衛本能で足を閉じようとする杏子
だったが、静香もその間に素早く割って入り込む。
 彼女の体自身がつっかい棒状態と化し、杏子が足を閉じるのを防いだのだった。
「ダメですよぉ、抵抗は。さ、杏子さんもここ、私のように綺麗にしてあげます」
「いやーっ!駄目よ!おかしいよ!ここ、剃っちゃうなんて!」
「杏子さんはここ手入れとかしないんですか…?」
「そ、そりゃあ少しはするわよ!それにそれはあくまでエチケット程度だし…」
「やっぱり剃って欲しいんじゃないですか」
「ど、どうしたらそう解釈出来るのよ!?」
「『剃れに剃れ』なんちゃって」
「……」
 静香は片目を瞑りながら、悪戯っぽくペロリと舌を出す。全く悪びれのない、無邪気
な顔だった。しかし杏子はと言えば、そんな彼女の下らな過ぎる駄洒落に開いた口が塞
がらなかった。ふと口が滑る。
「はぁ…、馬鹿みたい」
 そう言った直後、しまった!と杏子は思った。だが後の祭、その言葉に静香は確実に
気を悪くしたらしい。杏子を見下ろす視線がやけに冷たかった。
「…つまらなかったですか」
「あ、あの、ごめん…。と、とにかく、そろそろ悪ふざけは止めてくれない?ね、静香ちゃん」
「私、悪ふざけなんてしてません!」
「じゃ、じゃあどうしてこんな所、全部剃っちゃったのよ!何かあったって言うの?」
「…元々です」
「え…?」
 静香の言葉を、杏子は一瞬聞き間違いかと思った。しかしそれは次の言葉で確実な
物となったのだった。
「私のここには、元々毛なんか生えてませんっ!」
「えええーっ!」
 杏子は俄かに信じられなかったが、静香の眼の色は嘘をついているようには見えない。
確かに個人差と言う物もあるだろう。しかし、どうやら彼女は本当の白板らしかった。
(『パイパン』…)
 改めて静香の下腹部を見やる杏子。するとまるで彼女が見つめているからだとでも
言うように、静香は右手で自らの割れ目をしきりになぞっていた。
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