自分の机の明かりだけが点いている部屋。もう日付が変わったころだろうか。

ここは、デュエル・マジック・アカデミー。DMAだ。
主に魔法を学ぶ学園で、真剣に修行ができるよう親とは離れて暮らす寮生活が基本とされている。

私の名はアウス。私には、十代以上前から地霊術の血が流れている。
霊術の血統がある者は、特に学ばなくても簡単な術くらいなら自然に使うことができる。
だから、本来ならば学ぶ必要はない。しかし、私はそれだけでは満足しなかった。
単純に霊術の力を持つだけ、というのは宝の持ち腐れというものだろう。
どうせなら、あの"黒の魔法神官"のような、魔法の世界の第一人者を目指す方が、
有意義だと思うのだ。

そんなわけで、私は今、ここDMAにいる。
見慣れた二段ベッドと二つの机、そして二つの洋服箪笥。
私とエリアは、それらが詰め込まれた六畳一間で共同生活をしている。
エリアは、私と同期でここに入学した、水霊術の血を継ぐ女の子である。
彼女に私と同じような野望があったなら、ライバル登場!といったところだが、
彼女は単に霊術を学ぶことだけが目的のようで、生まれ持った力に興味を持ち、ここに入学したらしい。
したがって、私のような野望を抱く者とは敵対しなかった。
また、彼女とは同じ先生に担当してもらうことになったので、私たちの関係は始めのうちからとてもよかった。

「……もう、寝ようかな」
私は、来るべき野望に向け、勉学に時間を惜しむわけにはいかなかった。
連日、日付を越える時間まで勉強を続けている。
エリアは、大分前から寝息を立てている。基本的に勉強時間は私のほうが長い。
しかし、要領がいいのか、勉強時間は三分の二なのに、成績は私と大差ない。
「……ぅ〜……ァゥスちゃ……」
「え?」
「……ぉ…くま……ちゃカ…ダにゎ…ぃよー……」
「なんだ……寝言か」
その台詞は、試験の前に私が半ば徹夜で勉強する度に、エリアが寝る前に必ずといっていいほど発する言葉である。
聞きなれた言葉だか、寝ぼけたその喋り方にちょっとしたエロスを感じてみたり。
「ち、ちょっと……私に……そのケはないよ……」
あわてて今の空想を振り払う。しかし、あまり自信はない。今までにも、こういうことはあったのだから。

ある日。私は「鉄(くろがね)」の、エリアは「葵(あおい)」の完成度を確かめるため、自らの術を披露しあった。
私は周りの「地」の属性を持つ精霊の力を触媒として、自らの魔力によって
「地」属性の魔獣を召喚する、という霊術「鉄」。
エリアは、「水」の属性を持つ精霊の力を触媒として、他人が今考えていること見て、操作する霊術「葵」。
私が先に「鉄」を発動し、魔獣「デーモン・ビーバー」の召喚に成功した。
非常に低いレベルの魔獣だが、今のレベルではこんなものかな、と一応の成功に満足したあと、エリアの番となった。
エリアは、人の考えを操作する術だ。だから、ちょっと恥ずかしかったりする。
「じゃ〜あ、どうでもいいこと考えてね〜。間違っちゃったら大変だから」
「うん」
とはいっても、あまり考えることもなく。目の前に立つエリアをぼーっと眺めて、霊術を発動する様子を観察してみる。
まもなく、詠唱が始まった。私はいつ霊術にかけられてもいいように、どうでもいいこと──夕食は何かな〜とか、
ほんとうにどうでもいいことを考え始めた。だが。
(うわっ!)
とんでもないものが視界に入った。それは、魔力波動によってふわふわ浮いているスカートと、
それにともなって見える、白いもの。顔がカーッと熱くなるのが分かる。
最初、何が何だか分からなかったが、彼女のスカートの奥にあるモノといえば、ひとつしかない──。
「……ぅぅ……アウスちゃん……エッチだよ〜……」
「はぅっ?!」
しまった、今は霊術「葵」を掛けられている最中だったんだ……。
つまり、今考えていたエリアのスカートが舞う合間に見えるものに関すること。全てがエリアに筒抜けだったわけで……。
「あ……」
突然、私の意識が無くなった。

「ん……あ……」
眼が覚めると、私は保健室のベッドに寝ていた。というか、寝かせられていた。
となりには、エリアがいる。ベッドにうつぶせになって、眠っている。
「エリア……」
どうやら、私は霊術の異常によって、意識を無くしてしまったらしい。
特に人の記憶に干渉したり、割り込んだりする霊術や魔法は、基本的に発動中に雑念が入ってはいけない。
その対象者の記憶に障害をきたす恐れがあるからだ。高度な魔法使いになるとまた話が異なるらしいが。
で、エリアの霊術発動中に雑念が入った原因は、私の考えていたこと──つまり、彼女のスカートがひらひらと……。
再び顔が熱くなる。そのエリアは、今、隣ですやすやと眠っている。私が目覚めるのを待っていたのだろう。
私とエリアは、同じ部屋で生活をするので、下着姿は何度も見たことがある。
しかし、なぜかあの瞬間、妙に眼に焼きついたというか、違う感情が浮かんでいた。
「うー……私、疲れてるのかな……」
アレが頭から離れない。そして隣には、エリアが──。
一瞬手を伸ばしそうになって、気がつく。
「……やっぱりもうちょっと寝よう」
変な気をおこす前に、少し気分を落ち着かせよう。
そう決めて、私は再び横になった。

「アウスちゃん……いいよ……」
エリアの胸が、私の手の中で踊る。
「はぁ……ふあうっ!……ち、ちくびは……やだぁ……」
指の間に挟んだり、くりくりっとしたり。エリアは、呼吸も荒く、熱い吐息を私にかける。
「はぁ……はぁ……んくっ……はふぅ……ん……」
私は、エリアの股間に指を這わせる。
とたんに、ぬるっとした感覚が。
「ひゃっ!だ、だめぇ……そこ……」
「うわぁ……エリア、すごいよ。洪水だね」
「あ、ん……アウス…ちゃん……」
「ん……」
私は何度目かのキスをする。舌をもぐりこませて、互いの舌を弄ぶ。
「エリア……指、入れるよ……」
「う……うん……あ……ふああん……」
ずぶずぶと指がエリアの膣に埋まる。エリアの温かく、充分に濡れたそこは、私の指を難なく飲み込む。
「いくよ……」
エリアの中で、指をくねらせる。同時に、胸にキスをしたり、クリトリスを刺激したり。
「あううっ!あぁぁっ!ふああああっ!だ、だめぁぁっ!」
エリアを、最高潮まで持っていくため、愛撫を強くする。
「んぁうすちゃ、ん!あぁぁ、わ、私っ!も、もうぅああっ!」
「イッていいんだよ?私、イクときのエリア、かわいいから大好きだよ」
「あああっ!だめっ!ああんっ!い、いっちゃうよっ、あぅぅううっ!」
指が出たり入ったりするたび、エリアの愛液が跳ねる。
「いいよぉ!も、もうだめっ!わた、し、イクよぉっ!い、あ、あああああっ!」
エリアのカラダがガクガクっと痙攣して、私に崩れてきた。
荒い呼吸をしながら、エリアは余韻に浸っていた。
「アウスちゃん……すごく……気持ち……よかった……」
私は、エリアの中から指を抜いて、どろどろに愛液がついたそれを舐める。
少しひっかかりながら喉を流れたものが、エリアのものであることを考えると、たまらなくなる。
「エリア……」
エリアを抱きしめて、口づけをする。
「大好き……」
「はぁ…はぁ…アウスちゃん…はぁ…私もだよ」
「…ウス……アウスさん」
あれ……だれかが呼んでるような……

「アウスさん、起きなさい」
私は、揺り動かされていることに気づく。
「ん……だれ……」
眼を開けると、そこにはドリアード先生──私たちの担当の先生──が。
「アウスさん。起きましたね」
怒っている様子はあまりないみたいだけど。
「せんせい……」
「霊術の練習で意識を無くしたって聞いたから……」
「すみません……心配かけました」
「無事でよかったわ。だけど……エリアさん。あなたの『葵』は決して発動中に邪念を入れてはなりませんと言いましたね?」
と、エリアを諭す先生。
「あ……す、すみません……」
エリアは小さくなってしまっている。
「今回は無事だったからよかったけど……。誰かの記憶に障害を与えてしまったらどうするつもりですか?」
「はぅ……」
あ〜……。この事故の原因って実は私なんだよね……。エリアに申し訳ないなぁ……。
ってことで、私は助け舟を出すことにした。
「あの、あまり怒らないでください。私にも、責任はあると思うので……」
「アウスちゃん……それ、どういうこと?」
「いや、いらないことを考えてしまって、それにエリアが驚いたんです」
先生は、ため息をついてから、私たちの処分を下した。
「仕方ありませんね。でも、これは重大な事故なのです。明日、反省文をちゃんと提出してください」

「はい!わかってます、ね、エリアちゃん」
私はエリアに目配せする。
「う、うん」
「では、また授業で会いましょう」
「さようなら」
「さようなら」
ふう。危機は去った。
「アウスちゃん……」
「い、いいんだよ。別に、エリアが悪いわけじゃないんだし」
「ううん。私もちょっと変なコト考えちゃったから……」
そのエリアの発言が、さっき見た夢を思い出させる。
「……」
私はつい無口になってしまった。無理も無い。さっきの夢は……その……し、しちゃってたワケだし……。
「顔、赤いよ」
エリアが覗き込む。そ、そのしぐさはまさに……。
「だ、だだだだだ大丈夫だって!さ、部屋に帰って反省文書こうよ」
私は慌ててベッドから降りると、エリアに背を向けてそう言った。
エリアは、少しの間きょとんとした顔をしていたが、すぐに笑顔で
「そうだね」
と言った。

はぁ。なんか思い出したなぁ……あの夢。普通、夢ってだんだん忘れていくんだけど……。
エリアは……
「……すぅ……すぅ……」
静かに寝てる。
「……」
私はベッドに寝転ぶと、シャツの前のボタンをはずした。
あ、下も脱がないと……。
でも、もしエリアが起きたら……と思うと、あまり大胆にできないかなぁ。
「いいや、脱いじゃえ」
私は着ていた寝間着を全て脱ぐと、タオルケットの下に隠した。そして、タオルケットを整えて、すぐにもぐりこめるようにした。

最後に眼鏡を外してベッドに仰向けに寝転ぶ。
深呼吸をする。昂る気分を少し落ち着かせるためだ。
手を胸にやる。仰向けなので、重力によって少し形が崩れている。私は、よく胸が大きいといわれる。そして、よく食生活とかを聞かれる。
でも、私は普通の生活をしているだけ。だから、大きくなった理由なんて知るはずも無い。
ゆっくりと、両手で自分の胸を揉んでみる。
「……ん……ぁ……」
揉み方を変えたりしながら、徐々にペースを上げていく。
「はぁ……ぁ……ん……」
夢の中では私が責めていたけど、今度は私が責められる番。
自分でも、想像にエリアを登場させるなんて、って驚いてる。でも、今はそうしたい。さっき思い出したせいで、中途半端だから。
「エリアぁ、もっと……」
『こんな感じ?』
エリアは、乳首を擦る。そして、お腹をつー…と撫でながら股間の突起に触れる。
「……ふぁっ!……あ」
こ、声出しちゃった……。上にはエリアがいるんだ……。
もうちょっと我慢しないと……。
「……ん……んん!……はくっ…ん…」
『アウスちゃん、気持ちいい?』
エリアは、私を愛撫しながらこんなことを聞いてくる。

「き……きもちひぃ……よ……」
とか想像の声に反応したり。もちろん、つぶやく程度で。
彼女は、私に口づけをする。そしてすぐに口を離して
『アウスちゃん……いくよ……』
私の指が、膣に埋まっていく。でも、今の私には、それがエリアの指のように思える。
「ああ……ん……んんん…いい…よぉ…」
私の体だから、私の気持ちいいところは知っている。当然、これもエリアが私の気持ちいい場所を知っている設定だ。
『ここだよね……アウスちゃんの……イイとこ』
彼女はそこを刺激する。
「んんん……はぅっ!……んんっ!…はふぅ……」
エリアの指使い(←という設定)に、私はだんだん我を忘れてきた。
『気持ちいい?』
「うん……いいよぉ……ぁんっ!…んんっ!」
『じゃあ、一気にイこうね』
そう言って彼女は、ぐちゅぐちゅと膣に指を出し入れして、クリトリスを擦ったりして、私の快感スポットを刺激する。
「んんんんっ!ぃぃ…ょっ!はぁっ!んっ!」
私はもう、エリアが寝ていることなど忘れて、自慰行為に没頭していた。
「あっ!だめぇっ!んんん!エリアっ!ああああっ!」
体がびくびく痙攣し始める。そして、おしっこがでそうな感覚。
「ああっ!でちゃっ!ああああっ!アレが…でちゃあああああっ!」
私の股間から、おしっこじゃないけど、おしっこのようなモノがぴゅっ!と吹き出る。同時に、私の体は弓なりになって痙攣した。
「はぁ……はぁ……だめだ……エリアが……起きちゃ……」
「あ……」
声。
「……」
ベッドの上から私を覗き込んでいるのは……
「え…り……あ……」

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