カキーン

鋭い音が響き、エルフの剣士の剣が斬首の美女の大太刀を真っ二つに叩き斬った。
「幾人もの剣士の首級をあげた貴様もこれで終わりだな」
エルフの剣士は切っ先を美女の首元に突きつけて冷断に言った。
「くっ、呪いの剣の力を借りておいてなにをほざくか。貴様はいずれその太刀に身も心も乗っ取られて滅びよう」
エルフの剣士の持つ剣はただの剣ではなかった。
融合武器ムラサメブレード、持ち主に強大な力を与えるかわりにその身に寄生し生気を吸い取る呪われた剣だ。
「なんとでも言え、お前も人斬りとなった以上、ベッドの上で死ねるなどとは思ってはおるまい」
「ああそうとも、しかし貴様のような卑怯者もいずれどこかでむなしく野垂れ死にする末路が待っていよう」
「口の減らぬ奴だ、ならば貴様には死ぬ前にひとつ私の役に立ってもらおうか」
その瞬間エルフの剣士の剣が一閃。
斬首の美女のおよそ戦いには不向きと見える着物をズタズタに切り刻んだ。
「ひゃっ! なにを? この上まだ辱めようというのか!?」
着物の下に隠されていた乳房や陰部をあらわにされ、美女は思わず両手で恥部を覆い隠そうとした。
「ふん、気取ってみても剥いてみればただの女、だが安心しろ、辱めようなどとは思っておらん」
「ならなにを……ああっ!」
エルフの剣士は美女を押し倒すと、無事なほうの手で無造作に美女の乳房をもみしだいた。
「うっ、ああっ!!」
思いもよらぬ衝撃に思わず嬌声をあげる美女。
それを冷酷に見下ろしながら剣士は静かに言った。
「お前も言っただろう、いずれこの剣は我の生気を吸い取り、命を奪い取ろう。ならその分の幾分かをお前からもらおうということだ!」
「そんな、馬鹿な……ひぎゃぁっ!!」
剣士は美女の反応を待たずにまだ濡れてもいない秘部におのれの男根をねじりこんだ。
「ほう、まだ処女だったか。だが今となっては関係ない、最初で最後の交わりをとくと味わうがいい」
「ひい、ぎゃあ!! ひぁぁ!」
処女の、しかも前儀もなにもなしに女陰に男のものをぶちこめばただですむわけはない。
美女の股ぐらは流れ出る鮮血によって真っ赤に彩られ、顔は涙と鼻水とよだれでびしょびしょだ。
もうここには無慈悲な女剣士の姿はなく、ただ泣き叫ぶ無防備な女だけがあった。
「おお、みなぎるぞ。貴様からどんどん生気が流れ込んでくるぅぅ」
魔剣の呪われた力はふたりの交わりをとおしてどんどん美女から生気を奪い取っていた。
「あふっ、ああっ、あう……は……あ……」
剣士がひとつきするたびに美女の息が少しずつ小さくなり顔から血の気が引いていく。
「さあ、これが最後だ、人生最初で最後の中だしとともに逝くがいい!!」
エルフの剣士は渾身の力をこめて美女の膣内に最後のひとつきを打ち込んだ。
「たす……けて……」
最後の瞬間その一言が美女の口からこぼれおちた。

「ん、ん……」
暗い意識のなかから美女はゆっくりと目を開けた。
「わたしは……?」
美女はからだを起こそうとした。
しかし全身に力が入らず息も苦しい。
「ほう、まだあれから数分しかたっていないというのに大した回復力だ」
「はっ、お前は!」
一気に覚醒した意識でなんとか首を声のした方向へ向けるとそこにはエルフの剣士がまだ冷ややかな目でこちらを見下ろしていた。
「ふん、せっかく命が助かったというのにもう少しうれしそうな顔をしたらどうだ?」
「なに? どういうことだ、まさか貴様この上まだ……?」
「ふっ、生気の抜け殻同然の貴様にもう興味はない、それに勘違いしてもらっては困るが助けたわけでもない」
「どういうことだ?」
「覚えておらんのか? 最後に貴様の言った「たすけて」をな。くくく、まさか貴様の口から命乞いを聞けるとは思いもよらなかったよ」
「はっ!!」
美女はそれでようやく自分がいまわのきわに言った言葉を思い出した。
そして身を焦がすような屈辱感に嗚咽した。
「まあ、そういうわけだ、笑わせてくれた礼に今度だけは貸しにしておいてやる」
「ふ、ふざけるな!! そんな借りなどいらん、殺せ!」
「おお怖い、だがそれならなおさら殺せんな。まあ私はもう貴様などどうでもいい、そのままにしておけばやがて回復するだろう
 あとは自害するなりまた私を殺しに来るなり好きにしろ。まあ回復したとしても貴様はもう2度と剣は持てんだろうがな」
「くっ、いつか必ず後悔させてやるからな」
美女は目に涙を浮かべながらエルフの剣士を睨みつけた。
「ふっ、まあ楽しみにしておこう。だがそのときに私も今のままとは限らんがな」
「馬鹿め、生気を求めてわたしのように女を襲い続けても貴様はそれを上回る呪いの力によってどんどん衰弱していくことだろう」
「そうかな? 確かにこの剣は決して破壊できないが、それならそうで手はいくらでもあるのだよ」
「なに?」
「では、その時まで、さらばだ」
エルフの剣士は旅立った。
目的地はあらゆる魔の力を吹き飛ばすというハリケーンの力渦巻くトルネードバードの谷。
そして斬首の美女もやがて立ち上がる。
汚されたからだの上に点々と散らばる白いしみにいつの日かの復讐を誓って。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます