「ここは何処だ?」
 頭の中がモヤモヤしたまま、オブライエンは目を覚ました。
そこは先程まで自分が居た覇王城ではなく、花畑の中に自分は居て、
近くには澄んだ川も流れていた。
「これが死後の世界? と言う奴か?」
 オブライエンはゆっくりと立ち上がり、辺りを見回す。
改めて見て、今、自分が居る景色の美しさに心を奪われそうになる。
「い、イカン! ジム! 皆!」
 景色に見とれそうになったが、オブライエンはすぐに状況を飲み込み、
先に倒れて行った仲間を探そうと走り出す。
「皆、何処だ? 居たら返事をしてくれ!」
 オブライエンは走り回り、あちこちを探したが、返答は無かった。
それでもオブライエンは必死になって探した。
「ハァ……クソ!」
 自分がどれだけ動いたか、分からなくなった頃、
オブライエンは疲れが出て、その場に膝を付く、目的を見失い、
オブライエンは改めて不安に駆り立てられる。
(俺は一体、どうなったんだ?)
 死んだかどうかも分からない、自分の状態にオブライエンは不安になり、
頭を抱え苦悩する。
「クソ! 地獄でも天国でも良い! 頼むから俺に答えを与えてくれ!」
「答えならあります」
 オブライエンは自棄気味に叫ぶと、1つの声がそれに応えた。
「誰だ?」
「お久しぶりです」
 オブライエンが頭を上げた先に居たのは、
嘗て自分が覇王の恐怖に打ち勝つきっかけとなった女性モンスター
海神の巫女がそこに居た。
「お前は……」
「ようやく見付けました……」
 巫女の登場に呆然となっていたオブライエンだが、
巫女はオブライエンの姿を見るなり、前方に倒れ込んだ。
「お、オイ!」
 それにオブライエンは反応し、巫女の元に駆け寄り、体を支える。
「オイ! しっかりしろ! オイ!」
 オブライエンの問い掛けにも巫女は虚ろな表情であった。
触れた体は冷たく、疲労困憊である事をオブライエンは理解し、
巫女をその場に寝かせ、走り出した。

「何? 一体?」
 巫女が目を覚ますと、自分の額に何か冷たい物が当たっているのを感じた。
手に取って確かめると、それは濡れたハンカチであった。
それをよく見ようとすると、浅黒い手がハンカチを奪い、再び額に乗せられた。
「ちゃんと寝ていろ。体調管理は兵士に取って最大のミッションだぞ」
 オブライエンは軽く巫女を叱ると、鍋の方に歩き、
鍋の中身を棒でかき混ぜる。
「少し待っていろ。これを食べれば、百人力だ」
 オブライエンは鼻歌交じりに料理をしていた。
相変わらず、体は苦しい状態だが、その様子を見て、
巫女は微笑ましい気分になった。



「まぁ食え、見た目は悪いが味の方は一級品だ」
 オブライエンが差し出した器には、茶色い液体に様々な野菜、
肉が入っており、その姿に巫女は多少、敬遠したが、
勇気を出し、一口すすってみる。
「美味しい……」
「だろ」
 巫女の感想を聞き、オブライエンは軽く笑い、
自分も器に中身を盛り、食べだす。
「遠慮せずに食べろ。たとえ10人分食べても許す。
 それだけの功績をお前は残した」
「そんなに食べられませんよ」
 オブライエンの申し出を巫女は笑い、
2人は楽しげに笑い合っていた。
「それに私は何の功績も残していません」
「いや、お前は充分過ぎる事を俺にしてくれた」
 オブライエンは一旦、器を置き、真剣な表情で巫女に話す。
「お前があの時、俺を頼ってくれなければ、
 俺は力を取り戻す事が出来なかった」
「そんな私は……」
「俺がそうだと言っているんだから、それでいいんだ。
 死んでしまったが、役目は果たした。それで満足だ」
「いえ、それは違います」
 巫女は先程までのオドオドとした様子ではなく、
凛とした態度でオブライエンに話し始める。
「オブライエン様も私も死んではいません」
「なら、ここは何処だと言うんだ?」
「私の憶測でしかありませんが、恐らくここはその中間だと思われます」
「何だと……」
 巫女の仮説にオブライエンは言葉を失う。
「何をどうすれば、そんな結論に行き着く?」
「では逆に聞きますが、この鍋や器、
 それに材料などはどうやって手に入れたのですか?」
「それは……俺が望めば、勝手に出て来た。
 どうせ死後の世界なんだから、好き勝手出来るだろうと思ったから」
「それはおかしくありませんか?」
 巫女の凛とした声にオブライエンは表情を引き締め、巫女の話を聞く。

「死は誰にでも訪れる平等な物です。
 死んだ物が何を望んでも手に入らないのでは?」
「しかし、現にこうして……」
「だからです。私たちはまだ、自分達の世界に繋がりを求めている。
 だから、このような世界に居るのではないのですか?」
 巫女の仮説をオブライエンは真剣に考え込み、1つの結論を出す。
「俺の意見が定かでないのは分かった。しかし、
 それはお前も同じ事だろ。俺達がここで話し合った所で何の答えも出ない」
「答えなら出ています」
 巫女は立ち上がり、あぐらをかいていたオブライエンの前に立ち、
真剣な表情で話す。
「来た経緯は分かりません。けど私は繋がりを求め、
 ここに辿り着きました。それは真実です」
「繋がりだと?」
「ハイ。あなたと言う人と私は繋がっていたいです」
 その言葉に迫力さえ感じ、オブライエンは圧倒されていたが、
すぐに表情を引き締め、立ち上がり巫女を自分の元に寄せる。
「キャ!」
「その言葉、宣戦布告と取らせてもらうぞ」
「ハイ……」
 それだけを言うと巫女は何も言わず目を閉じた。
オブライエンも目を閉じ、顔を近づけ唇に触れ、
2人気持ちを通じ合わせる。
「うむぅ……ふぅ……」
 巫女は自分の口内に入って来るオブライエンの舌に苦しそうにしながらも、
それを受け入れる。オブライエンの舌は巫女の口内を嘗め回し、
存分に味わった所で離れ、二人は互いに見つめ合う。
「全てを俺に預けてくれるか?」
「ハイ。私も全てを受け止めます」
 巫女の覚悟を確かめ。オブライエンは巫女の服に手をかけた。
脱がされて行くにつれ、巫女の豊満な胸が露となり、
オブライエンはその大きさに釘付けとなっていた。
「あの……そこだけでも困るのですが……」
 巫女の震えた声でオブライエンは我に返り、慌てて続け、
残りの服を脱がせる。全てを脱がせ、
オブライエンは全裸になった巫女をマジマジと見た。
「どうですか? おかしな所とかありませんか?」
 巫女は不安そうに聞くが、オブラインは聞いていなかった。
手に余る豊満な胸、くびれたウエスト、透き通る白い肌、
薄めの恥毛、女性と言う物を表現する時、最も適した、
その姿にオブラインは釘付けになっていた。
「下らん質問だな。答えるまでもない、体で表現してやる」
 オブライエンは自分の服に手をかけ、
すぐに全裸となり、2人は向かい合う。
「素敵。逞しいですわオブライエン様」
「フ……日頃からトレーニングをしていた甲斐があったな」
 オブライエンは平静を装って、巫女の感想を受け止めた。
既に男を証明しているそれは、ビクビクと脈付き、
放出される瞬間を待っている。
「始めるぞ。ミッションスタートだ」
「ハイ……」
 2人は同時に歩み寄り、互いの体が触れると、
再び口付けをし、お互いの気持ちを高ぶらせていた。

 オブライエンは巫女を押し倒し、口内を舌で犯しながら、
空いている手は胸を揉んでいる。
「ハァ……あぅ……」
 巫女はオブライエンの手に翻弄され、
甘い声を出した。その声にオブライエンは興奮し、
舌を口から離し、顔を胸へと持って行き、手と舌で巫女の胸を責めた。
「あ! いやぁ……そんな……」
 口と手で胸を責められ、巫女は襲って来る快楽が怖く、
拒否しようとするが、快楽に流され、それが出来なかった。
(これは病み付きになるな……)
 手の中で形を変える柔らかな感覚、口の中に広がる甘く懐かしい味、
それらにオブライエンは虜になっており、チュッチュッと音を立て、
巫女の胸を堪能する。
「ハァ……オブライエン様、私も……」
 このまま流されないよう、巫女はオブラインに言う。
オブライエンは立ち上がり、巫女の愛撫を待った。
巫女はオブライエンの物に顔を近付け、
物をジッと見つめ、触れ、そして口で愛撫する。
「ウッ!」
「大きい、それに熱いです……」
 巫女は舌でオブラインに奉仕しながら、
感想を言う。巫女は口内でオブラインを感じ、妖艶な表情を浮かべた。
「オイ。もう良い……」
 オブライエンは震える声で、巫女を止め、
巫女は口を離し、オブライエンをジッと見た。
「ハイ。お願いします……」
 オブライエンは巫女の上に覆いかぶさり、
既に準備が出来ている巫女の恥部に物を押し当て、
そのまま一気に押し込んだ。
「あ……ああ……あああ!」
 巫女の声はそれまでとは違い、苦痛が混じった物であった。
全てを入れ終え、荒い息遣いで自分に抱き着く、
巫女をオブライエンは見た。
「お前、処女……いや、水族にそんなのあるのか?」
「へ……平気ですから、動いて……」
 巫女は震える声で言い、オブラインは巫女の言う通り、
初めから強く腰を打ち付ける。
「あ! ハァ……あう……」
 自分の中でオブライエンが入っていく度、
巫女は甘い声を出し、目を強く閉じ、
ムズムズと感じるそれを受け止めていた。
「ハァ……オブライエン様の熱いです」
「もう出すぞ……ウッ!」
 短くオブライエンが言うと、巫女の中に大量の精液が注ぎ込まれる。
「ハァ! 熱い……熱い……」
 巫女は自分の中に注ぎ込まれるそれに、
我を忘れ、全身で快楽を受け止め、
荒い息遣いで遠くを見ていた。
それは繋がっているオブライエンもであり、
2人は同じ気だるさを共有しあっていた。

「そう言えば、まだ聞いていなかったな」
「ハイ?」
 服を着直した2人は互いに気まずい状態だったが、
オブライエンが何気なく言った一言に巫女は反応をした。
「何をですか?」
「お前の名前だ」
 オブライエンに言われ、巫女はハッとし、
表情を整えると真剣な顔で言う。
「失礼しました。私の名前はアクアと申します。
 これからもよろしくお願いします。オブライエン様」
「ああ。だが、俺の方も伝える事がある」
「何をですか?」
「俺のフルネームはオースティン・オブライエンだ。
 そう言う関係になる以上、俺の事はオースティンと呼べ、出来るか?」
 初めは事態を飲み込めずキョトンとしていたアクアだったが、
オブラインが自分を認めてくれた事を理解すると、
すぐに表情は明るい物に変わり、満面の笑みを浮かべ返す。
「オースティン様……これで良いですか?」
「上出来だアクア。行くぞ!」
 オブライエンは立ち上がり、アクアの手を取った。
「何処へですか?」
「俺もお前も仮説を言い合っているにすぎない。
 この世界の真実を確かめる。このミッションにはお前の力が必要だ。
 俺に力を貸してくれアクア」
「ハイ。オースティン様!」
 オブライエンに手を引かれ、
アクアとオブライエンは走り出した。
まだ何も見えてはいないが2人の間に苦悩や不安は無かった。
これからの事を知る為、2人は走り出した。
繋がれたその手は力強く結ばれていた。

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