340 カイト×小鳥 [sage] 2011/10/26(水) 14:03:20.00 ID:UP6HE6yn Be:
ドロワ×カイトを書いてる時にネタが降ってきたのでカイト×小鳥投下します。NGは名前欄で
・遊馬←小鳥前提
・時間軸
・非道カイト注意
・無理やりだけど途中まで
次レスからどうぞ






デュエリストは海を臨む。
未知なる世界への出発、約束の場所、尊敬する人の思い出の地、絆を繋ぐ懸け橋、たくさんのデュエリストが立っていた場所で観月小鳥も海を見ていた。
潮風が鼻腔をくすぐり、彼女のチャームポイントでもあるリボンがゆらゆらと揺れる。
胸の前で拳をぎゅっと握り一呼吸すると、背後から足音が近づいてくるのを感じ取った。
「話とは何だ。」
黒いコートに身を包んだ天城カイトはけだるそうに腕を組んでいる。いつも連れているロボットはいないが、カイトの眼光は鋭く、小鳥はその圧力に思わず後退りした。
だが、今日は怖じけづいてはいられない。なぜなら街を歩いていた彼を追い、ここに呼び出したのは小鳥自身であったからである。
幼なじみもいない、天才デュエリストの幽霊さんもナンバーズクラブの皆もいない。今日ばかりは誰かを頼ればその人に迷惑をかけてしまう。小鳥は大丈夫だと自分に言い聞かせるとカイトをじっと見つめた。
「お願い、遊馬にナンバーズを渡してあげて」
少し上擦った声で捻り出された小鳥の懇願はカイトに鼻であしらわれてしまう。
「わざわざ呼び出したからには何かあるのかと思ったが…」
カイトはため息をつく。腰に提げたデッキホルダーからカードを取り出すと小鳥に向けて見せた。
「あなたには必要ないでしょ!」
「残念ながら俺にもナンバーズを手放せない理由がある。だが…」
カイトは小鳥が目を瞬きする間に近づくと、彼女の顔に手を沿わせる。
「九十九遊馬の事を誰よりも理解しているお前には聞きたい事があったんでね。」

「やっ…」
小鳥はカイトの胸板押し返して必死に抵抗するが、力で勝てるはずもなく、冷たい掌が服の中に入り込みまだ膨らみきっていない乳房に触れた。
「嫌っ!離しなさいよ!」
「これぐらいでびびっていたらナンバーズは渡せないな」
カイトはニヤリと笑う。お腹をすーっと撫でると、スカートの中に手を滑らせて一番敏感な場所を細い指でつつく。
「あっ……」
今まで感じた事のない快感に甘い声を漏らす。思わず口を塞ぐが、カイトは下着の上から攻める事を止めない。
「やだっ…助けて…」
「お前を助けられるのはここには誰もいない。さあ、遊馬の情報を吐いてもらおうか」

遊馬、カイトが口にした名前が彼女の頭をぐるぐると廻る。
デュエルが弱くてもいつも助けてくれた遊馬。泣いてた時はいつも慰めてくれた遊馬。
「ゆう、ま…」
「そうだ、奴の持つ力は一体何だ。」
カイトの問いかけに頷く事もなく
「遊馬はどこ…助けて」
「俺の質問に答えろ!」
カイトは声を荒げる。しかし、小鳥は今は見えない幼なじみの名前を必死に叫んだ。
「遊馬っ…」
「あいつはここにはいない!」
カイトは小鳥を勢いよく突き飛ばす。フラフラとよろめく小鳥に一瞥するとカイトは背を向けた。
「二度と…俺に近づくな…!」
一段と低く搾り出されたような怒声に小鳥は駆け出した。

「俺も馬鹿だな…少しからかうつもりがいつのまにか本気になっていたのか」
カイトは小鳥が走り去った時、確かに啜り泣く声が聞こえていた。
ナンバーズを集める事に意味がないように言われたからだろうか、カイトは自分でも予期しない行動に出てしまったのである。
「ハルト…」
こんな兄でも許してくれるのだろうか。
その問いかけに沈みゆく太陽は見て見ぬフリをするだけである。


「結局私は何もできなかった…皆がいないと駄目なのはちっとも変わってないや」
小鳥は人のいない公園のベンチに座ると、ハンカチで涙を拭った。
「私からカイトに声をかけたのに、怒らせちゃって、勝手に泣いて、逃げて、本当馬鹿みたい」
こんな時こそ幼なじみの彼に会いたい―――ふとそう考えていた自分に思わず苦笑する。いくら口先では格好つけても心は誰かに支えて貰わないと簡単に崩れてしまう。
「皆に会いたい…」
こんな日は全力で騒いで何もかも忘れたい。
小鳥はオレンジ色の空に背を向けて歩きだした。


デュエリストは海を臨む。それは海がすべての想いを受け止めてくれる気がするからだ。
喜びも悲しみも怒りも涙もすべてを吸い込んでくれる存在に人々は夢を描き夢を壊していくのである。
二人の出会いは波にさらわれて消えてしまうのか、涙と共に渦潮を作るのか、太陽は海と重なりながら想いを馳せた。

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