今宵もまた月が昇る。美しく満ちた月が、暗いサテライトを照らしていた。
もう自分も寝なくてはいけないと思い、子供達の様子を見ようとハウスに目をやる。
子供達が全員寝ているのを確認すると、クロウは寝袋に横たわり、静かに瞼を閉じた。

「…クロウにーちゃん…」
誰かの声がする。その声は少女の声でまだまだ幼い。それに聞き慣れた言葉だ。
きっと自分が面倒を見ている子の一人だろう。もうこんな時間だと言うのに、どうして起きてしまったのだろうか。
その疑問に一気に意識が覚醒し、眠気が夜の風に吹っ飛んだ。目を開くと、やはりそこには小さな少女がいた。
ただいつもの様子と違うのは、不安げな表情と涙に潤んだ大きな黒い瞳。やはり何かあったのだろうと感じた。
「ったく、どーした?もうお子様は寝る時間だぞ」
「…怖い夢…見たの…」
「何だよ…そんなことか」
「クロウが…クロウにーちゃんが居なくなる夢…」
俺がいなくなる、という悪夢を見たらしい。確かに自分達を支えてくれる人がいなくなれば不安にもなるだろう。
今にも泣き出しそうな彼女を少しでも安心させようと、小さな頭を優しく撫でてやる。
「…俺は何処にも行かねーよ、ほら、一緒に寝てやるからよ」
「…うん」
そう言うなり、彼女は俺の布団に潜り込んでくる。
どうすればいいのかわからず彷徨っていたのだろう。夜の空気で体は酷く冷えていた。
体温を分け与えてやりたくて、震える小さな体をそっと抱き締めた。
「クロウ…ここにいるよね…?」
温もりを少しでも感じようと胸に顔を埋めてくる。まだ子供のはずなのに、この行動だけは本当の女性のようだった。
寒いサテライトの夜でも暖かな体温が心地よかったのか、彼女はすぐに寝息を奏で始めた。しかし俺は逆に、全く眠れない。

「…やべぇ」
本当にヤバい気がする。幼女に発情などしてはいけないのに。
静かな寝息をやけに近く感じてしまい、触れる指の感覚が鼓動を強く早くしていく。
自分の鼻息が荒い。そう実感していた。この芯から湧き上がってくる熱を解放しなければ…
してはいけないとわかっていながらも、俺は欲望に耐えることはできなかった。
生意気にも勃ち上がっている自身が情けないと思いながら、そこに手を伸ばす。
「…クロウにーちゃん?」

背後の小さな声に、背筋が凍るような虫唾が走った。
恐る恐る後ろを振り返ると、そこにはやはり心配そうに自分を見つめてくる少女の姿。
こんな姿を見られてはどうしようもない。発狂しそうになるのを堪えながら、冷静さを保とうとする。
暖かな寝袋の中でも寒気を感じる程鳥肌が立ってるのがわかった。冷や汗が額を伝う。
「まだ起きてたの…かよ…?」
「…ねぇ、クロウにーちゃん…何やってるの?」
誤魔化そうとしても無駄だった。もうほとんどバレてしまっている。
その証拠に、細く小さな手が硬く張り詰めた自身に当たっている。
彼女はその正体を確かめようと、頭を潜り込ませてそれを探り当てようとした。
「っ…こら!お前みたいな奴が見るもんじゃ…っう」
何とか軽い体を引き上げて阻止しようとしたが、それよりも先にそれを発見した少女に握られてしまった。
ああもう駄目だ。まだ純粋な少女に触られてしまった。見られてしまった。
やっぱりこんなことしなければよかったんだよ俺の馬鹿野郎が。
「クロウ…苦しそう」
毛布の中の心配そうな声に心臓が跳ね上がる。
それと同時に熱い自身を握る手に強く力が込められたような気がした。
これ以上されたら理性などひび割れてはじけ飛んでしまいそうだ。

「離せって…早く寝ろよ」
「やだ、クロウにーちゃんを楽にしてあげるの」
細い指に一層力が込められて、揉まれるように動かされる。丁度良く心地よい感覚。
その感触に、自分の自慰では味わえない快楽を感じて、熱い息を静かに吐く。
というか早くこいつを止めないと。彼女を汚してしまうという最悪の事態だけは避けたかった。
「…お前意味わかってるのかよ?こんなこと普通はやっちゃあいけねぇんだぞ」
「クロウにーちゃんのだから、全然嫌じゃないもん」

「…後悔しても知らねーからな?」

もう彼女を止める術はない。そう感じた俺は静かに止めようとする腕を解放した。
自分の力なら少女の行動など楽に止められるであろうに。何故自分はそれをしなかったのだろう。
答えは一つ。きっともっとやってほしいと自分が心から望んだからだろう。
「…えへへっ」
その言葉を合図に彼女はその行為を再開した。より強く、より激しくそこを刺激される。
与えられる道の快感に思わず声を漏らしてしまいそうだが、少女の前で声を出すのはあまりにも挫けないと思い堪えた。
触れてくる手の温かさと柔らかさは、自分のそれとは比べ物にならない。
元々ある程度興奮が高められていたことによって、自分が達するのは遅くはなかった。
「っ…ふぅ」
荒く深い息を吐いて、多量の精液を彼女へと放った。溜め込んでいたそれを吐き出すのは、とても心地が良かった。
しかし、全て吐き出した後に聞こえてきた彼女の声で、何か耐えられないような喪失感が襲ってくる。

「…これ…なぁに?」
彼女は寝袋から顔を出し、赤い舌で顔にかけられた白い液体をぺろっと舐め上げる。
こんな舐め方をされれば、本人にその気は無くてもまるで誘っているかのように見えてしまう。
舌を引っ込めると、その酷く不快な味に幼い顔が歪められた。
「おい!舐めるなっ、汚いぞ!」
「…にがぁい」
しかしごく微量のそれを飲み込むのは困難ではなかったようで、出された舌に白いものは残っていなかった。
彼女の純潔を汚してしまったことを申し訳なく思いながら、まだ顔に着いている液体を取ってやる。
しかし俺は気付いていなかった。彼女のこの行為によって自分の野望がむくむくと大きくなっていることに。

「…ほら、もう満足しただろ?皆もうおねんねしてんだからお前もさっさと…」
「…ねえ、クロウにーちゃん。どうして名前呼んでくれないの?」
「はあ?」
彼女の愛撫が終わり、再び眠ろうとしていた所で彼女が突然聞いてきた。俺は気の抜けた返事しかできない。

そう言えば俺は養っている子供たちの名前を呼んだことが少ない。
ほとんどが「お前ら」とか「あいつら」で済まされている。名前を呼ぶとしても余程のことがない限りだ。
特にこいつ…ヒカリは名前を言ったことも無いに等しいほど少なかった。それは俺もよくわかっている。
けれどどうしても怖いのだ。あいつらの名前を呼んでやる、ということが。
あいつらには両親がいない、ずっと孤独でこの地獄とも言えるサテライトを彷徨っていたのだ。
俺は母親代わりになったつもりであいつらを世話していたが、それでも俺は本当の母親じゃないのだ。
本当ならココロもタイガもギンガもヒカリもダイチも「お母さん!」と呼んで母親の暖かな胸に抱き付きたいはずだ。
なのに偽りの母親である俺があいつらの名前を呼んで抱き締めてやるなんて、とてもじゃないができなかった。
深く考えすぎだろ、と言われたら何も言えないがそれでも、俺は…

下半身に痺れににも似る衝撃が走った。さっき愛撫された時の同じだ…って、ちょい待て!ということは…

「あ、クロウにーちゃんのまたおっきくなった!」
「お、おい!?もうやめろって!」
「…じゃあ、私の名前呼んでくれる?」
う、と言葉が詰まる。つまりはこいつに向かって名前を、ヒカリ、と呼んでやけばもう終わることなのだろう。
たった三文字を声に出すという、とても簡単なことだがそれでも俺には一トン以上の荷物だ。
…とか何とか考えてる内にもヒカリは動いている。
「…よいしょ」
ヒカリが何か寝袋の中でゴソゴソしている。かと思ったら元気を取り戻した自身の先に暖かな何かが触れる。
慌てて布団の中を覗き込もうとすると風に吹き飛ばされそうな程小さな声が聞こえた。
「…大人の人って…こうすると名前…呼んでくれるんだよね」
「は!?何言ってやがる、お前はまだ子供だろ!つーかそんなこと何処で…」
「…クロウ…」
幼く静かな声が俺の身体中の熱を一気に冷ました。それとほぼ同じ。
「いああぁっ!?」

反り返った小さな身体から、金切り声が上がった。
「ばっ…!?」
慌てて腰を引き離そうと手を伸ばした時にはもう遅かった。
「い、いたい、いたいいたい痛いっ…!」
ぼろぼろと涙をこぼしながら毛布を掴み、激痛から逃れようと滅茶苦茶に暴れ出す。
発狂を通り越していると言わんばかりの勢いで叫び暴れるヒカリの口を塞ぎ、何とか押さえつける。
まだ年が十も行っていない少女の幼い膣に慣らしもせず腰を振り下ろしたのだから当然なのかもしれない。
この状態で滅茶苦茶に腰を振ったりなんかしたらさらに苦痛を倍にすることになる。
塞いだ口からくぐもった声が漏れている。接合部から愛液とは別の生暖かな液体が流れ出すのを感じた。
(くそ…っ)
処女なのもあるのだろうが、体が幼すぎて狭さと締めが半端ない。ヒカリがこれだけ苦しんでいるというのに、強すぎる締めに快感を感じている自分を殺してやりたい気分だった。
にもかかわらずその狭い膣内はもう半分ほどオレを飲み込んでいて、何故入ったのかと疑問をもたらす。
ひとまずこの狭さとキツさ、ヒカリの様子からもここから抜き取るのは不可能だと考えた。しかし、そう判断しても進むことさえできない。
…抜くことも進めることもできないのであれば、その答えは一つだ。
口を塞いでいた手をそっと離し、柔らかな髪の頭をふんわり撫でてやる。
「…ぁ、あ…?」
息苦しさから解放され、大粒の涙を浮かべる大きな瞳がオレをを見上げる。その瞳からは光が失われ、オレを映しているのかも明かではなかった。
「…ヒカリ」
「くろうにーちゃ…?…ひ、ぃ…痛ッ…!」
一瞬だけぱちりと瞬きがされたかと思うと、また下半身の痛みにオレにしがみつく。先ほどよりは痛みは引いたようだが、それでも激痛という文字は消えないようだった。
…やっぱり、痛みが完全に引くまで時間を掛けて慣らした方がいい。まだまだ幼いこいつにとって、性行為とは負担が大きすぎる。
小さな身体を労るよう抱き締めながら、そっと細い首に舌を滑らせる。ひっ、と小さな声が上がり、案の定身体が跳ねる。
「…ヒカリ、大丈夫か?」
「…う、ん」
きゅっと白い瞼を閉じて腕に顔を埋めてくる。まだ直強く締めてくる熱い内部を感じて、自分が育ててきた少女と繋がっているのだと改めて感じる。
無理をする必要なんてない。ゆっくりでいいのだ。
軽く身体を揺さ振り、痛みが生じない程度に刺激してやると痛みとは違う姿で甘く震える。
耳朶に軽く歯を立て、舐め上げてやったり、頬や額に口づけたりと白く柔らかな肌に触れて、気を逸らさせることを多用した。
「ぁ…あ」
異物の侵入を拒んでいた膣壁は、オレを包んで熱く蠢き始める。それは彼女が感じ始めている証拠だった。
しかしまだ器官が発達していないのか、快楽を感じ始めても愛液はさほど分泌されていない。
もう平気か、と聞けば熱に浮かされたような表情でこくこくと頷く。自分が見てきたヒカリとは全く違う姿に息を呑んだ。
様子を見ながらゆっくりと腰を動かしていくと、それに合わせて短い吐息がこぼれていく。いくら慣らしても浅く幼い小さな性器にオレの全ては入らないようだった。
冷たい風にさらさないように、そっと身体を包み込む。酷い冷え様だった細い身体は、いつの間にか火のように熱を帯びていた。
「クロウにーちゃんっ…」
「…ヒカリ、ヒカリ」
あれだけ拒んでいた名前を、ずっと連呼している自分はなんと挫けないものか。
けれど自分の思いを優先して、大切に守ってきた子供を放っておくなんて、絶対にしてはいけないのだ。
未だ毛布を握ったままの小さな手を取って、手と手を絡めてそっと落とした。
けれど愛液が分泌されず、動きは難いままだ。それでも痛みを上回る快感を与えるようにと、小刻みに揺さ振って刺激を与える。
「ひっ…あ、な、何か…くるよぅ…!」
恥じらいながらも絞り出すように言った言葉に、彼女が絶頂を迎えようとしているのだとわかった。
膣内を傷つけない程度に腰を動かす速度を上げていく。きゅっ、と幼い膣がオレを強く締め付けた。
「あ、ああぁ…!」
「…っ」
ただ求めて、ただ抱き締めて…
「くろ…っ…ひ、あぁあぁぁっ」
「うっ…くっ」
絶頂に悶える細く小さな身体を折れるほどに抱き締めて、奥底で情熱を吐き出した。

「うー…やっちまった」
気が付いたらもう夜明けに近づいていたようで、辺りは柔らかに薄明るくなっていた。

ヒカリの体にとって性交とはかなり重い負担だったようで、ヒカリから自身を抜き取った時にはもう疲労で気を失っていた。
抜いた時に響いた粘着質な水音と、膣口からどろりと溢れだした白濁液の存在はどうしても忘れられない。
いや、それよりも、それよりもだ。自分はとんでもない罪を犯してしまったのだ。彼女の中で吐き出してしまうという罪を。
まああの狭い膣内から一瞬にして抜くなど不可能だっただろうし、そもそも彼女はまだ月経さえ経験していないのだからあまり問題はない。
しかしあのように出してしまっては性病に罹る可能性がある。こんなにも不衛生なサテライトで、そして彼女のように膣内を引き裂いてしまった場合は特にだ。
勿論その後処理は責任を持ってオレが行った。処理をしている中でまた理性がブチッと切れそうになったがなんとか押さえた。

「風邪、ひかなきゃいいけどな」
ヒカリが何処で誰にあんなことを聞いたのか、何故ああまでしたのかと疑問は残ったがなるべく気にしないようにする。
自らの寝袋の中で小さな体を縮こませて眠っているヒカリの頭を優しく撫でてやった。
小さくクロウ、と呟かれ、その行為のきっかけとなってしまった彼女の質問を思い出す。
『どうして名前呼んでくれないの?』
あの時ちゃんと質問に答えてやるべきだったと、今さら後悔した。
「…オレだって呼びたくないわけじゃねぇよ、けど」
安らかな寝顔の瞼の隅に残った涙を払ってやりながら、気休めにならないことを承知で呟いていた。
「お前らが、辛くなるかと思って名前で呼んでねえんだ」
寝顔が切なげに歪められているのに気付き、そっと頬に口付けを落としてやる。そういえば今の今まで唇にキスしていなかったと気付いたが、そんなことはどうでもいい。
「けどな、これだけは言える…お前らが、オレの何よりも大事だってこと」
体よりも、命よりも…デッキよりも。これからも守るべき存在だってこと。だから今はどうか、安らかに。
もう一度頬に唇を落として、タイガ達を起こしにハウスへ向かった。

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