最終更新:ID:Tyyo+HJGpA 2009年10月27日(火) 23:27:00履歴
「はい、今日はここまでよ」
「……くっ」
DM界……それはデュエルモンスターズのモンスターが暮らす世界。
戦士、魔法使い、天使、悪魔といった様々な種族が争い、共存する世界。
そんなDM界のとある森があった。深く広大な森は、木々が鬱蒼としており太陽の光も届かず薄暗くなっている。
その森が幾度か白い光に照らされ、爆発音を響かせていた。
森に住む、昆虫や獣、一部の魔法使いや妖精たちはその音に反応する。
爆発音の音源に進むと、そこには白い服を身にまとった魔法使いが、よく鍛錬された杖を前方の戦士に向けていた。
戦士は大きな剣を手放している。そして魔法使いの杖の先端からは小さくも相当な魔力が凝縮されている球体が作り出されてた。
「今日も負けたわね……そんな調子では、私に勝つ事も守る事も不可能よ?」
「……うるさい」
魔法球を消し、座り込んだままの戦士に合わせるように魔法使いはしゃがみ込んだ。
覗きこむように戦士に顔を近づけると、戦士は赤面し視線を逸らした。
そんな戦士の反応を楽しむように微笑んでいる魔法使いの名は、サイレント・マジシャン。
右目は白銀の髪によって隠れている、時には厳しいものの普段は心優しい女魔術師。
Lvは既に最高の8になっており、魔法使い族最強の魔力を誇り、その容姿も美しく魔法使い族以外にも戦士族等に人気がある。
そして先ほどまでサイレントマジシャンと模擬戦をし、見事に敗北した戦士の名はサイレント・ソードマン。
サイレントマジシャンとは対照的な金髪で、少々無口で無愛想な戦士の青年。
Lvはまだ発展途上の5であり、こうしてサイレントマジシャンとLv7になる為、そして恋人であるサイレントマジシャンを守れる力を身に付ける為の修行をしている。
「今日はもうやめにしましょう」
「いや、まだやれる」
「い〜え、今日はもうおしまいよ。もうすぐレベルアップの試練があるのでしょう? 今日は休んだほうがいいわ」
「……わかった」
彼女の言う事のほうが正しいと判断し、ソードマンは渋々頷いた。
その反応に「よろしい」と笑顔を見せ、彼の体、修行の際に出来てしまった傷のところに触れる。
傷が少しだけ沁みて、ソードマンは少し眉をしかめるが、すぐに白く暖かな光に包まれた。
その光はソードマンの傷を治していく。これはマジシャンの治癒魔法である。
光が消えていくと、ソードマンの傷は完全に癒えており、マジシャンは杖を置いて彼に抱きつくように密着した。
ソードマンが見下ろすと、自分を見上げて微笑んでいるマジシャンの姿。
まるで甘える猫のようで、ソードマンがいつも聞かされている台詞を彼女は口にした。
「早く、私を守れるようになりなさいね?」
「あぁ、わかっている……」
いつものとおり、軽くマジシャンの髪を掻き分けながらソードマンは答える。
早く強くならなければ、と思ったりもする。
彼に頭を撫でられて、マジシャンは満足そうな笑顔で、ソードマンの首に腕を回す。
そしてゆっくりと顔を近づけ、彼の唇を奪った。
ソードマンもそれに答えるように、そのまま唇を重ねたまま押し倒すように彼女を寝かせた。
唇を離すと、マジシャンが紅潮し瞳を潤ませて微笑んでいた。
「こっちでは、ちゃんとリードするのよ?」
「……わかっている」
マジシャンの言葉の刹那、二人の唇が再び重なった。
今度は先ほどのより深い口付けで、二人はお互いの舌を絡め合い唾液を交換し合う。
この恋人同士の交わりの際、ソードマンは心の中のどこかで思う……自分はよく彼女の恋人になれたのだと。
本当にソードマンにとっては奇跡と言ってもいい。
なにせマジシャンは別種族からも人気があるほど。その殆どは同性の女が占めている。
それは彼女が住んでいる村に男が少なく女が多いということがある。そして、その数少ない男の大半は彼女に心奪われていた。
村の男すべてが彼女の恋人候補と言ってもいい。それこそソードマンよりも強く権力もある者もいた。
しかし、その中でマジシャンはソードマン選んだ、向こうから告白した。
理由は分からない。訊ねても彼女が教えてくれないからだ。
それどころか、逆に何でだと思うか訊いてくる。
正直回答に困り、その反応をするたびにマジシャンは少し寂しそうな表情を浮かべる。
それが気になっているのだが、今のところソードマンには思い当たるものがない。
この修行も、元々ソードマンが一人でやっていたのだがマジシャンが共にしてくれるようになり、ソードマンは確実に強くなっている。
「んあぁッ、ソードマ、あッ、いぃよ……ッ!」
「ッ……!」
マジシャンの艶な喘ぎがソードマンを記憶世界から現実世界に引き戻した。
マジシャンは何も身に着けておらず、髪を乱しながらソードマンに身をゆだねている。
そしてソードマンも全身とはいかないが上半身裸だった。
つい昔のことを思い出してしまった。
交わりの最中に余計な事を考えていたなんて知れたら怒られてしまうので、今行っている行為に集中した。
とは言っても、もうソードマンの我慢は限界を迎えていた。
熱い塊がマジシャンの中で弾けた。それと同時に彼女も果てる。
二人は自らの絶頂が終わるまでずっと抱き合っていた。
少し時間が経って、陽は沈み森は暗闇に包まれる。
その中に光があった。白い光は二人の男女を照らしていた。
行為も終え、呼吸も整えて落ち着いたソードマンとマジシャンは脱ぎ捨てた服も着替え終えるところであった。
最後にとんがり帽子を被り、大剣を担ぐように持つソードマンの隣にマジシャンは歩み寄った。
「それじゃあ、帰りましょうか」
「あぁ」
マジシャンは彼にそう言うと、自分とソードマンの体を白銀の光で包み込んだ。
そして二人は自分が帰るべき場所に帰ることにしたようだ。
二人は同じ村に住んでいる。この森を抜けて少し歩いた所にある小さな村。
そこは戦士等もいるが、大半は魔法使いで占められた村だ。
そして、二人の体は宙に浮き、自分達の村に向け飛んでいく。まるで流星のように……
明日も村から更に歩いた所にある街で学校、その後ソードマンの修行。
いつもと変わらない日常が待っている。二人の絆も変わらない。
そう思っていた……
【続】
「……くっ」
DM界……それはデュエルモンスターズのモンスターが暮らす世界。
戦士、魔法使い、天使、悪魔といった様々な種族が争い、共存する世界。
そんなDM界のとある森があった。深く広大な森は、木々が鬱蒼としており太陽の光も届かず薄暗くなっている。
その森が幾度か白い光に照らされ、爆発音を響かせていた。
森に住む、昆虫や獣、一部の魔法使いや妖精たちはその音に反応する。
爆発音の音源に進むと、そこには白い服を身にまとった魔法使いが、よく鍛錬された杖を前方の戦士に向けていた。
戦士は大きな剣を手放している。そして魔法使いの杖の先端からは小さくも相当な魔力が凝縮されている球体が作り出されてた。
「今日も負けたわね……そんな調子では、私に勝つ事も守る事も不可能よ?」
「……うるさい」
魔法球を消し、座り込んだままの戦士に合わせるように魔法使いはしゃがみ込んだ。
覗きこむように戦士に顔を近づけると、戦士は赤面し視線を逸らした。
そんな戦士の反応を楽しむように微笑んでいる魔法使いの名は、サイレント・マジシャン。
右目は白銀の髪によって隠れている、時には厳しいものの普段は心優しい女魔術師。
Lvは既に最高の8になっており、魔法使い族最強の魔力を誇り、その容姿も美しく魔法使い族以外にも戦士族等に人気がある。
そして先ほどまでサイレントマジシャンと模擬戦をし、見事に敗北した戦士の名はサイレント・ソードマン。
サイレントマジシャンとは対照的な金髪で、少々無口で無愛想な戦士の青年。
Lvはまだ発展途上の5であり、こうしてサイレントマジシャンとLv7になる為、そして恋人であるサイレントマジシャンを守れる力を身に付ける為の修行をしている。
「今日はもうやめにしましょう」
「いや、まだやれる」
「い〜え、今日はもうおしまいよ。もうすぐレベルアップの試練があるのでしょう? 今日は休んだほうがいいわ」
「……わかった」
彼女の言う事のほうが正しいと判断し、ソードマンは渋々頷いた。
その反応に「よろしい」と笑顔を見せ、彼の体、修行の際に出来てしまった傷のところに触れる。
傷が少しだけ沁みて、ソードマンは少し眉をしかめるが、すぐに白く暖かな光に包まれた。
その光はソードマンの傷を治していく。これはマジシャンの治癒魔法である。
光が消えていくと、ソードマンの傷は完全に癒えており、マジシャンは杖を置いて彼に抱きつくように密着した。
ソードマンが見下ろすと、自分を見上げて微笑んでいるマジシャンの姿。
まるで甘える猫のようで、ソードマンがいつも聞かされている台詞を彼女は口にした。
「早く、私を守れるようになりなさいね?」
「あぁ、わかっている……」
いつものとおり、軽くマジシャンの髪を掻き分けながらソードマンは答える。
早く強くならなければ、と思ったりもする。
彼に頭を撫でられて、マジシャンは満足そうな笑顔で、ソードマンの首に腕を回す。
そしてゆっくりと顔を近づけ、彼の唇を奪った。
ソードマンもそれに答えるように、そのまま唇を重ねたまま押し倒すように彼女を寝かせた。
唇を離すと、マジシャンが紅潮し瞳を潤ませて微笑んでいた。
「こっちでは、ちゃんとリードするのよ?」
「……わかっている」
マジシャンの言葉の刹那、二人の唇が再び重なった。
今度は先ほどのより深い口付けで、二人はお互いの舌を絡め合い唾液を交換し合う。
この恋人同士の交わりの際、ソードマンは心の中のどこかで思う……自分はよく彼女の恋人になれたのだと。
本当にソードマンにとっては奇跡と言ってもいい。
なにせマジシャンは別種族からも人気があるほど。その殆どは同性の女が占めている。
それは彼女が住んでいる村に男が少なく女が多いということがある。そして、その数少ない男の大半は彼女に心奪われていた。
村の男すべてが彼女の恋人候補と言ってもいい。それこそソードマンよりも強く権力もある者もいた。
しかし、その中でマジシャンはソードマン選んだ、向こうから告白した。
理由は分からない。訊ねても彼女が教えてくれないからだ。
それどころか、逆に何でだと思うか訊いてくる。
正直回答に困り、その反応をするたびにマジシャンは少し寂しそうな表情を浮かべる。
それが気になっているのだが、今のところソードマンには思い当たるものがない。
この修行も、元々ソードマンが一人でやっていたのだがマジシャンが共にしてくれるようになり、ソードマンは確実に強くなっている。
「んあぁッ、ソードマ、あッ、いぃよ……ッ!」
「ッ……!」
マジシャンの艶な喘ぎがソードマンを記憶世界から現実世界に引き戻した。
マジシャンは何も身に着けておらず、髪を乱しながらソードマンに身をゆだねている。
そしてソードマンも全身とはいかないが上半身裸だった。
つい昔のことを思い出してしまった。
交わりの最中に余計な事を考えていたなんて知れたら怒られてしまうので、今行っている行為に集中した。
とは言っても、もうソードマンの我慢は限界を迎えていた。
熱い塊がマジシャンの中で弾けた。それと同時に彼女も果てる。
二人は自らの絶頂が終わるまでずっと抱き合っていた。
少し時間が経って、陽は沈み森は暗闇に包まれる。
その中に光があった。白い光は二人の男女を照らしていた。
行為も終え、呼吸も整えて落ち着いたソードマンとマジシャンは脱ぎ捨てた服も着替え終えるところであった。
最後にとんがり帽子を被り、大剣を担ぐように持つソードマンの隣にマジシャンは歩み寄った。
「それじゃあ、帰りましょうか」
「あぁ」
マジシャンは彼にそう言うと、自分とソードマンの体を白銀の光で包み込んだ。
そして二人は自分が帰るべき場所に帰ることにしたようだ。
二人は同じ村に住んでいる。この森を抜けて少し歩いた所にある小さな村。
そこは戦士等もいるが、大半は魔法使いで占められた村だ。
そして、二人の体は宙に浮き、自分達の村に向け飛んでいく。まるで流星のように……
明日も村から更に歩いた所にある街で学校、その後ソードマンの修行。
いつもと変わらない日常が待っている。二人の絆も変わらない。
そう思っていた……
【続】
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