A「ネタデッキ作ったんだがテストプレイ協力してくれね?」
B「いいぞ。こっちもちょうどネタデッキを試したかったんだ」
と、こんな感じで始まったアカデミア一般生徒のネタ決闘。

互いにコンボデッキなので、クリッター突撃やら何やらのサーチ、手札入替え合戦が続き、そして―――


LP2200:手札3
伏せモンスター1、バイサー・デス1
伏せ魔法・罠2
ダークゾーン

LP2000:手札2
伏せモンスター1、そよ風の精霊(守備)1
伏せ魔法・罠2

(……Aのデッキが読めない!!)
バイサー・デスしかり、ハーピー・レディが単騎で普通にビートしてきたり、明鏡止水の心が入ってたり、墓地に美しき魔物使い(星5攻1750のバニラ)がいる他謎要素てんこ盛りだ。
Aのターンになった。
「フゥハハハー、カードが揃ったぜ!!」
コンボ成立らしい。
「伏せモンスターをオープン、水霊使いエリア反転召喚!!」
は?水属性モンスターいないっすよ?
「魔法カード、強制転移、攻撃表示のエリアを転移する!!」

……泣く泣く俺の嫁たるそよ風の精霊を供出。現状、もう一体の方が奪われるとヤバい。
「奪ったモンスターを生け贄にバイサー・ショック召喚、チェーンして拷問車輪起動!!対象はエリア!!」
「チェーンで収縮をバイサー・ショックに使う。」
ヤバい、マジで何したいか分からん。
ただ、伏せのミラフォと踊る妖精が手札に戻ったのが痛い。何か特殊召喚されて殴られたら負ける。それにしても磔のエリアか……エロいな。これがしたかったのか?
「更に、明鏡止水の心をエリアに使用、破壊されなくなったぜ。更に更に死者蘇生で美しき魔物使い蘇生、バトルフェイズに移行する!!」
何をしたいかが分かった。
何ができる訳でもないが、仕方ないので最後まで付き合ってやる事にした。

※※※※※※※※※

車輪に取り付けられたエリアが、目に涙を浮かべて苦痛に耐えている。
「バイサー・デス、バイサー・ショックの攻撃!!処刑攻撃!!」
フワリと浮かんだ万力の拷問器具が、既に拘束されているエリアへ更に取り付けられる。
「イヤァァァァァ!!」
これから与えられようとする激痛を、恐れ、叫ぶ。
だが、禍々しいモンスターは意に介さずその螺子を締める。
「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
締め上げられる頭蓋と四肢。本来なら一瞬で破壊されて済む痛みが、装備されたカードのせいで止まない。
「美しき魔物使いの攻撃!!とどめくらえエメラルドスプラッシュ!!」
非情な鞭打ち。
絶叫が響き、所々破れたローブから露出した肌が痛々しいミミズ腫れを浮かべる。
傷跡から血が滲み、顔は涙や鼻水でグチャグチャになっている。
デュエルの決着が着いても、エリアが気を失うまで拷問は続いた。

(ってな感じに痛め付けられて泣き叫ぶエリアたん見たいから作ったデッキなんだぜ!!)
以上、妄想でした。
しかし、彼は大きな過ちを犯していた。

「バイサー達の処刑攻撃!!」
Bへダメージが通る。しかし、エリアは涼しい顔。
明鏡止水――落ち着いた心を意味する言葉。
無我の境地へと達したエリアは、声一つ上げず――
「勃たね―――――――――!!」
更に、二人同時に同じ過ちを犯していた。
「あ、そうだ。美しき魔物使いの攻撃に対してネクロ・ガードナー効果発動!!」
鞭打ちを失敗する。そんな大事なカード、忘れるなという話だ。
「フン、自らの僕を痛め付ける為のデッキなど、言語道断横断歩道!!」
主人公っぽい啖呵を切るが、Bは名前すら与えられない一デュエリスト。
しかもガードナーの存在を忘れてた上、しょーもない古いギャグのせいで格好よくもない。
「そして俺のターン、ツイスターで拷問車輪破壊、ライボルも起動!!本当はそよ風の精霊に使う筈だった進化する人類をエリアに装備して直接攻撃ィィィィィ!!」
怒濤の反撃。タイミングよくカードを引く奴である。
「勝った、第三部、完!!」
Bのデッキ――そよ風の精霊に進化する人類を装備させて回復し、モンスターBOX、銀幕の鏡壁、神の宣告等のライフコストを維持するデッキは、そのコンボを発揮する事なく勝利した。
<了>
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