流れをぶった切る鬼柳×ミスティ。
エロ少なめ。ほとんどない。でも長い。

※長くなりすぎて割愛した設定※
ミスティが、なんかの撮影で満足街に来た。
鬼柳は町長なので、ニコ・ウェストと一緒にいろいろと対応してあげた。


「今夜、行くから…」
すれ違いざま、耳元でそう囁かれた。
驚いて振り返ったが、ミスティは何事もなかったようにマネージャーと今後の予定について打ち合わせをし始めた。
ウェストが声をかける。
「鬼柳兄ちゃん?どうしたの?」
「あ、ああ…なんでもねぇよ。」
ウェストにあいまいな返事をしながら、鬼柳の目線はミスティの背中を追っていっていた。



トントン、と控えめな音が鳴った。
鬼柳はドアをゆっくりと開けた。
「こんばんは。」
真夜中とあって、小さな声でミスティは挨拶をした。
鬼柳は「お、おう。」とぎこちなく返事をし、ミスティを部屋の中へ招き入れた。

ベットと仕事用の机だけがある、質素な部屋に通された。
ミスティは壁に飾られたさまざまな写真を見る。
「あら、これは…遊星たちね。ここに来たことがあるの?」
「俺を救ってくれたんだ。死に場所を求めてこの街にやってきた…俺を。」
ミスティの横に並び、写真を眺めながら鬼柳は言った。先ほどまで緊張した様子だった彼の表情が、少しだけ和らいだように見えた。
「そう…。」
写真に指を這わせながら、ミスティは言葉をつづけた。
「あなたにとって…ダークシグナ―であったことは、消し去りたい過去だったの?」
「まぁ…そうだな。思い出しちまった時、死ぬほど後悔した。絶望した。なぜあんなことになっちまったんだろうってな。……遊星、ジャック、クロウ…沢山の人に迷惑をかけた。俺は生きていてはいけないさえと思った。」
鬼柳は写真を見つめたまま、言葉を続ける。
「あんたは…そんなことは思わなかったのかよ?」
「そうね…。でも、ダークシグナ―にならなければ、弟の死の原因を知ることもできなかった。アキさんのことを、ずっと誤解したままだったわ。それに……」
「それに?」
ミスティが顔を上げた。鬼柳の顔を見つめる。
「あなたとのことは、別に嫌じゃなかったわよ?」
「なっ…」
鬼柳の顔が赤くなる。
ミスティは意外そうな顔で鬼柳を見つめた。
「あら、恥ずかしがることないじゃない。あの頃はほとんど毎日――」
「いいいい言うな!それ以上言うな!」
鬼柳は耳まで赤くした顔をそむけ、ミスティの言葉を遮った。

長い静寂が続いた。
相変わらず鬼柳は顔を赤くしたまま、ミスティに背を向けている。
ミスティはそんな彼の背中をただ見つめていた。

ミスティが先に口を開いた。
「ごめんなさい。思い出したくなかったかしら。」
心なしか、声が沈んでいるように聞こえる。
「あ、いや、そういうわけじゃ…」
鬼柳が振り向いた。まだミスティに目を合わせることは出来ないようだ。
「ただ、なんつーか、その……あの時は俺も復讐にとらわれたままで…その、いつもより変だったっていうか……サテライトじゃあんたみたいな美人に会うこともなかったから……」
「出来心だったっていうの?」
「そ、そういうつもりじゃねぇよ!…確かに、ダークシグナーの時は、その、ガキが出来ねぇからって、いつも……その、だ、出しちまってたけど……俺は、誰でもよかったってわけじゃ…」
「本当に?」
ミスティの声がわずかに弾んだ。
「……」
鬼柳の顔はますます赤くなる。

鬼柳は、ダークシグナ―としてミスティと出会うずっと前から、彼女のことを知っていた。
サテライトにいたころ、ゴミとして送られてきた雑誌の中に、彼女の写真を見つけていたのだ。
まだ駆け出しのころだったミスティの写真に、鬼柳は一目惚れし、ジャケットのポケットに大事にしまっていた。結局その写真は、ジャケットともにセキュリティに取られてしまったのだが。

「…私ね、生き返ったら、まずあなたに抱いてもらおうと思ってたの。」
少し恥じらうようにミスティは言った。
「なっ……」
鬼柳が顔を上げる。
頬を染め、恥ずかしそうにうつむく彼女の姿に胸が高鳴った。
長いまつげに黒髪がかかる。よく見れば、薄いコートの中はまるで下着のような服装だ。
先ほどまでまともに彼女を見ることが出来ていなかったため、今さらそんなことに気がついた。
「な…なんで。」
街の女たちにいくら言い寄られても湧き上がらなかった感情が、鬼柳の心の中に渦巻いていた。
「わかった!お、俺をからかってるんだろ?」
「…そんな気持ちで、女が一人で夜、男の家に来ると思う?」
ミスティと目が合う。

この瞳に見つめられれば、どんな人間でも目をそらすことは出来ない。
鬼柳はごくり、と唾を飲み込んだ。
「ねぇ、お願い。」
ミスティの手が、鬼柳の腕を這う。
ほとんど身長の変わらない二人だったが、ミスティは少し首をかしげて上目使いに鬼柳を見た。


気がつけば、ミスティの腕をつかみ、その形の整った唇に口づけていた。
「ん…ふっ……」
声が漏れる。
ミスティは腕を鬼柳の背中にまわし、下から上へとゆっくりと何度も何度も撫であげる。
鬼柳はミスティの後頭部をつかみ、何度も角度を変えながら口づけを続けた。
舌を絡め、粘膜の混ざり合う音が部屋に響いた。

「はぁっ…」
永遠に続くかと思うような、長い口づけだったが、鬼柳が急に顔を離した。
二人の口の間には唾液の糸が繋がっている。
「…どうしたの?」
糸を拭いながら、甘えるような鼻にかかった声でミスティが呼びかけた。
「…こんなんじゃ、満足出来ねぇ。」
言うや否や、鬼柳はミスティのコートを脱がせた。
ミスティも、鬼柳が脱がせやすいように体を動かす。
「あなたもよ…」
自分の服を脱がせながら、ミスティは器用に鬼柳の服も脱がせていった。

生まれたままの姿の二人がベットの上で重なる。
「あなた…少し痩せた?」
「つい最近まで不規則な生活してたからな……そういうあんたは、また一段ときれいになったな。」
「おばさんを褒めても…んっ、何もでないわよ…あっ、ん。」
右手で乳房をつかみ、なでまわす。左のほうは口に含み、舌で乳首を刺激する。
伊達に毎日のように関係を結んでいた間柄ではない。
鬼柳はミスティの感じやすいところを徹底的に責めた。
「はぁ…ぅんっ……」
「いい声出てるじゃねぇか…」
右手で乳首をピンとはねる。ミスティの体がはねた。
「ああっ……!…あなたって…んっ…」
上気した表情でミスティが呼びかける。
「ん?」
「純情なように見えて、こういうときは生き生きしてるわよね…。隠れS…ってやつ?」
「…!」
己の欲望に任せてここまで突っ走っていた鬼柳は、一瞬にして我に返った。
「……。」
ゆっくりとミスティから身を離す。興奮とは別の意味で顔が赤い。
「あら…気を悪くしちゃった?」
乱れた呼吸を整えながら、下からミスティが様子を窺う。
「なんで、俺なんだ?」
「え?」
「あんたみたいないい女なら…俺じゃなくても、どんな男だって簡単に手に入れられるだろう。」
もしかしたら、自分はただ遊ばれているだけなのではないか。ふと、そんな気持ちが鬼柳の心をよぎった。
自分にとってミスティは初恋の相手であり、あこがれの人だ。
しかし、ダークシグナ―の時は自分の思考回路の大部分が遊星への復讐へと向けられていたため、特に何も思わなかったが、今は違う。
もしかしたら、ミスティはただ、昔懐かしさの遊び半分で自分に声を掛けただけかもしれない。一人舞い上がっている自分が恥ずかしくなったのだった。
「そうね…確かに、いい男はどこにでもいるけど……。」
ミスティは汗で額に張り付いた髪を払う。
「でも、さっきも言ったけど、生き返ってからはあなただけ。」
鬼柳の下からゆっくりの抜け出し、向かい合って座った。
「あなたに、抱いてほしいって思ってたの。」
鬼柳の頬に手を伸ばす。
「なんで…」
「もう、最後まで女の口から…言わせないで……」
目を伏せる。先ほどまでの情事で、目じりにたまっていた涙がつうっと頬を伝わった。
どきり、とする。
夜、人目を忍んでわざわざ自分に会いに来てくれた。そんな彼女の気持ちを愚弄してしまったかもしれない。
「……」
鬼柳はそっとその頬に手を添え、涙をぬぐった。
「そうだよな…すまねぇ。」
再び、ゆっくりと押し倒した。
「だったら…心ゆくまで満足させてやるよ…」

ぎしり。
ベットの上で二つの影がうごめく。
あまり上等でないベットは、影の動きに合わせてぎしぎしと音を鳴らす。
「はぁっ……んっ…」
もう何度目だろうか。
自分の膝の上に向かい合って座り、腰を動かすミスティを感じながら、鬼柳はふと思った。
これまでも、そして今日も幾度となく彼女を抱いているが、彼女はいつまでも自分を飽きさせない。
感じ方ひとつにとっても、どれとして同じものはない。いつもいつも違う表情・声で自分を楽しませてくれる。
「んっ…ちょっと……」
「あぁ?」
幾度となく叫び、喘いだおかげで少し枯れた声で、ミスティは上から不満の声を漏らす。
鬼柳の声もまた、熱を帯びていて、いつもより若干上ずっている。
「あなた…今、他のこと考えてたでしょ?」
「そんなわけないだろ。あんたの声、いいなって思ってただけ…だよ、っと……」
こてんと、だるまが転がるようにミスティを仰向けに寝かせる。
「んぁっ…!」
もちろん、繋がったままだ。動いた衝撃で、ミスティの敏感な場所に鬼柳のそれがあたる。
「俺、あんたが初恋の相手で、初めての相手なんだ。」
「あら…初めてづくしね。」
「だからよ…」
長いまつげに軽く口づける。
ミスティの締め付けが強くなる。
「はっ…今、すげぇ幸せだぜ…!」
今日何度目かの、自らの欲望を放った。


もうすぐ夜が明けようという時になって、ミスティはベットから身を起こし、衣服を整え始めた。
「もう行くのか?」
「他の人に気付かれちゃうじゃないの。」
「別に俺は構わないんだけどなぁ…」
名残惜しそうにミスティの長い髪を弄りながら、鬼柳は言った。
てきぱきと支度を整えるミスティとは対照的に、彼はまだベットの上に寝転んでいる。

「また、遊びにこいよな……その、お、俺は、あんたしか抱きたいと思わねぇんだ。」
玄関でミスティを見送る。
「あら、光栄だわ。……でも、そうね。もしかしたら、またすぐに会えるかもしれないわ。」
「ん?どういうことだよ?」
「私、危険日だったのよね。」
さらりと言われた一言に、鬼柳は血の気が一気に引いていくのを感じた。
「え。」
「ちゃんと、認知してね?」
満面の笑みを浮かべて、ミスティは明け方の街へ出て行った。




909 名無しさん@ピンキー [sage] 2010/07/04(日) 00:00:01 ID:Oibsv78R Be:
GJ!
鬼柳さんはネタからシリアスまで動かしやすそうなキャラだしなー って考えてたらウェストと同じように自分を慕うニコを遠ざけようと わざと強姦する鬼柳さんが浮かんだ
911 名無しさん@ピンキー [sage] 2010/07/04(日) 22:54:37 ID:ITSeiDHG Be:
ニコ「鬼柳さん誰この オ バ サ ン」 ミスティ「何かしらこの チ ビ じ ゃ り」 鬼柳「………………」 遊星「満足したか?」

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