その日、龍亞はアカデミアの図書室に居た。
龍可が前々から借りたがっていた本がある事を思い出し、それを借りて帰ろうと思った為だ。
「えっと・・・デュエルの哲学は、と。」
本棚を見渡し、目的の本をとる。と、本の隙間から見た事のないカードが出て来た。龍亞はそれを手に取り、じっと見つめる。
「・・・「催眠術師の謀略」?聞いた事ないカードだけど・・・テキストも書いてないし。」
考えに沈む前に、チャイムが鳴る音でふと龍亞は我に帰る。
「やべっ、もう下校時刻じゃん!?早く帰らないと龍可に叱られる!!」
本を大急ぎで借り、「催眠術師の謀略」をポケットに突っ込んだまま龍亞は帰宅した。

「ただいまーっ!」
「お帰り、龍亞。今日はパティも来てるのよ。」
「パティが?」
話を聞くと今夜は色々と話が立て込んで、すっかり遅くなったとの事。そしてパティの両親から許可を得て一泊するらしい。
いつも2人でと言うのを若干寂しく感じていた龍可の気持ちを踏まえれば、龍亞に異論はなかった。

食事を終え、龍可とパティが話せる時間を作る為に今日は龍亞が進んで食器片づけをする。

「あっ・・・そう言えば。」
龍亞はポケットにしまったままの「催眠術師の謀略」を思い出し、その手に取る。
「これって、ディスクにセットしたらどうなるんだろ・・・。」
デュエルディスクを腕につけ、「催眠術師の謀略」をセットする。次の瞬間・・・「催眠術師の謀略」から光が放たれる。
「うわっ!?」
慌てて龍亞は目をつぶり、周りを見渡すが何1つ変わった様子はない。
「ふぅ・・・何だったんだろ、今の?」
「龍亞〜、ちょっとこっちに来て〜。」
「はーい。」
光の正体を知らぬまま、龍亞は2人の待つ部屋に向かった。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます