藤原優介の存在から端を発したダークネスの事件も片がついた。
あとは卒業までのんびりと過ごすのみ。
卒業模範タッグデュエルも代表に選ばれなかったからとても気が楽だ。
…というよりパートナーすら決めてなかったりする。
しばらくはのんびり寝坊して、目が覚めたら釣りに行って…

「十代、起きてくれ。十代ったら…!」
聞こえてくるいつもの声…。ユベル…俺は眠いんだ…。
「十代!起きて、起きるんだ!」
さらに身体が揺すられる…だから俺は眠い…。……?
身体が?揺すられる?誰に?
慌てて身を起こすと、俺の身体を揺すっていた奴と目が合う。
俺の眠りを妨げたのは…明らかにアカデミアの生徒ではない少女。
なのに俺には見覚えがある…一体どこで?
「良かった、起きてくれたか十代。見ての通り大変なことになったんだ。」
「いや、待て…お前は誰だ?」
俺の問いかけに少女の顔に動揺が走り…すぐに納得したかのように頷いた。
「そうだね、この姿の僕は覚えてないかも知れないね。僕だよユベルだ」
「……………はい?」
「どうやらなんらかの原因で魂が分かれてしまったみたいだ。しかも僕には力が残ってない」
…つまり、ユベルは現世で普通の女の子に生まれ変わりました…って?
「僕の力は君の中に全て残っているみたいだ。…これからどうすればいい?」
それは俺が聞きたい…さてどうしようか…


A 校長に相談
B 女子の事は女子に…

Bルート進行します〜


「……と言う訳なんだけど………」
明日香とレイに事の顛末を説明するが、二人とも目が点になっている。当然か。
「えーと…あなたが…ユベル…さん、ということでいいのよね?」
「ああ、そうだ。こんな姿…といっても僕の元の姿だけど…ね」
「へ〜え、随分と美人さんだったんだね〜」
妙に和気藹々とした雰囲気に包まれつつある…っていうか問題解決になっていない。
「と、とにかくこうして出てきたユベルをどうしようって話なんだけど」
「どうするも何も普通に暮らしていけばいいんじゃない?」
「そうそう!なんか最近変なのが沢山いるし、今更だよ十代。」
レイの悪気は無いであろう一言にユベルの顔が引きつるが、歓迎ムードであることにはホッとした。
「フフッ、それじゃあ僕もここでの生活を楽しませてもらえるんだね。…そうだ!」
意外にも明日香やレイに友好的な態度のユベルが何かを思いついたらしくこちらを向いた。
「十代、君はタッグのパートナーがいないから、僕が君のパートナーになろう」
瞬間、部屋の空気が変わった。何かに亀裂が入ったような、そんな不吉な気配がする。
「ま、待ちなさい!いきなり十代のパートナーになるなんて無理よ!」
「そ、そうだよ!第一ユベルさんはデッキも持っていないんでしょ!?」
明日香とレイが何故か必死になってユベルを制止する、一体何なんだ?
「確かに…それは問題だ。………そうだ!」
困ったように考え込んだユベルだったが、すぐに表情が明るくなった。
「カードだったら…手に入るじゃないか!」


A 制服を着て購買へ
B 島中に落ちているカードを拾いまくる

B選択で続きます。
アニメでちょっとだけ出てきた前世姿で登場してもらったけど、叩かれそうで戦々恐々。
今夜はここまで、続きは起きてから…



「ほら御覧よ十代、こんなとこにもカードが!」
島の施設に入り込んだユベルは意外な才能を発揮していた。
次から次へとカードを発見する。すぐにカードの枚数は100を越えた。
「さあ、質はともかく量は集まった。あとは僕の腕次第、というわけだ」
寄せ集めのカードを使ってデッキを構築し(中身は内緒らしい)ご機嫌のユベルと森を歩く。
「この島は自然がたくさん残っているね、遠く昔の世界を思い出すよ」
俺にも微かに残っている前世の記憶…全てを覚えているユベルは幸せなのか、それとも…
「そんな暗い顔をして、僕の『あの』姿のことを考えていたな?」
「…っ!い、いや…」
「君は嘘をつくのが下手だ。それに僕はその事を不幸だなんて思ってはいない」
それを裏付けるかのようにユベルの口調は晴れやかだ。
「お陰で君と一つになり、今はこうして戦争が日常ではない世界で君とこの姿で会えた」
かつて争いの耐えない時代に、俺を守るために人ならざる者の姿になったユベル。
再び人の姿を手に入れることが出来たその理由はなんであれ、今はそれに感謝したい。
「それにしても…こうして男女が並んで歩いているというのは…デート、というやつじゃないかい?」
「ぶっ!?」
「アハハハハハ!良いよその反応!からかい甲斐があるよ!」
「お、お前なぁ!……んっ!」
猛る俺の眼前にフワリと羽毛のように滑り込んでくるユベル。
そして唇に柔らかい感触………。
「フフッ…デートの最後はキス。基本なんだろう?」
呆然とする俺を置いて居住地区へと歩いていくユベル。
正気を取り戻すには数分の時間が必要だった。



A 部屋に戻る
B ユベルはアカデミアに行ったようだ

プレ大掃除をやったら一日が終わってしまった…
おまたせしましたA選択で進行です。



呆然と立ち尽くしてたらユベルを見失った…とりあえず寮に戻るとしよう。
「おや、ただいま十代。帰っていたんだ」
レッド寮の部屋にもどってしばらくすると、ユベルが外から帰ってきた。
こいつ…いけしゃあしゃあと…。
「お前は一人でどこ行ってたんだよ?それに…さっきのは一体…」
「どこって、島の中を見て回ってたのさ。十代は授業と釣りと睡眠しかしなかったからね。」
「……ワンパターンで悪かったな」
「フフフ、そうスネるなよ。それとさっきのって言うのは…キスのことかい?」
「……ああ!そうだよ!」
ストレートな言い回しにこちらが赤面する。
「さっきも言ったじゃないか、デートの最後はキス、基本だって」
「あ、あのなぁ…あんなのは軽々しくするもんじゃ…」
「僕は本気だよ十代…」
俺の抗議を遮り真剣な面持ちでユベルは告げた。
「僕は不安なんだ。こうして再び十代に会えた、一つになれた。そしてこうして触れ合えるようになった。」
「…でもね、僕はこの世界にとってイレギュラー。いつまたあの世界に戻されるのか、ひょっとしたら消滅するか…」
ユベルの不自然なまでのはしゃぎっぷりはそんな不安を誤魔化すためだったのだろう。
「ユベル…」
「ねぇ十代、お願いだ。僕がこうして十代と触れ合うことが出来た時があったという証に…」
そこまでユベルは言ってから、一呼吸おいて…
「一度だけで良い…僕を抱いてくれ」

「だ、抱いてくれってお前それは…」
「お願いだ、思い出を僕にくれないか…」
ユベルの考えていることは、自分が再び俺と離れた時にまた忘れ去られることへの恐怖。
そのために、俺に忘れられないような記憶を残しておきたい…という気持ちだろう。
「わかった。だけどなユベル…」
「?」
「思い出を残すためじゃない、これからもずっと一緒だ。その証のためにお前を抱く、良いな?」
「…十代、やはり君は最高だ。いいとも、僕を君の物にしてくれ…」
ゆったりとした作りのユベルの服を脱がしてベッドの上に優しく横たえる。
「十代…僕の身体…おかしくないか?胸だってその…大きくないし…」
「ああ…すごく綺麗だし、どこもおかしくないさ。ただ…」
「ただ?」
「俺も経験がないんでよくわからないんだけどな」
「初めてだって?ダメじゃないか、明日香嬢にもレイ嬢にも手を出してないなんて」
「は、はい?」
「二人とも君に気があることに気がついてないわけじゃないだろ?」
…レイの方は判りやすいが…明日香も…なのか?ってそうじゃなく…
「お、お前がいるのにそんなことするはずが…」
「二人とも良い娘だし、今更嫉妬なんてしないさ。早く僕たちを棒姉妹にしちゃいなよ」
なんだか妙な雰囲気になってきた…。
「い、今はお前のことを考えてたいからな…続けるぞ」
「フフッ…わかった。僕を好きにしてくれ」

ユベルの秘所にそっと口をつけると、頭の上から切なげな吐息が聞こえ始めた。
「じゅ、十代…そ、そんなに…しないでくれ…お、おかしくなりそうで…」
初めてなのだから、しっかりと濡らさないといけないんじゃないか…
知った様なことを言っているが、所詮本で仕入れただけの知識だ。
「僕の準備はもう大丈夫だから…早く、早く十代と一つになりたい…」
ユベルの言葉に我慢が出来なくなった俺はユベルの足を抱えるとゆっくりとモノを押し挿れた。
「ああ…入ってくる…十代が僕に…。い、いっ…だ、大丈夫…大丈夫だから続けてくれ」
目の淵に涙を浮かべながらも気丈に振舞うユベルを気遣って抱きしめながら静止した。
「十代、動いていいよ…一緒に気持ちよくなろう。」
ユベルの言葉にゆっくりと抽送を開始する。
ズッ、ズッ…と肉同士の擦れる音が徐々に湿り気を帯び、激しいものに変わってゆく。
「ああっ…十代…もっと、もっと激しく僕を愛してくれ!」
我を忘れて激しく動いてしまったが、ユベルの方も大丈夫そうだ…。
…ただ、俺の限界の方が近い。
「ゆ、ユベル…お、俺もう……っ!」
「ああ、好きな時にイってくれ!僕の中で全て吐き出して!」
「ユベル…ユベルぅっ!」
「じゅ、十代ぃ!」
我慢することも出来ずあっけなく俺は果てた。
暴発した精液がユベルの奥深くへと流れ込んでいく。
「十代…僕を放さないでくれ…」
膣内射精の余韻に浸りながら、ユベルは俺の身体にしがみついた。

「……ん、朝…か…」
差し込んでくる太陽の光に目を覚ました。
身を起こすとベッドには俺一人、いや部屋に俺一人だった。
「…ユベル」
悲しみはない。俺とユベルは確かに通じ、愛し合い、一つになったのだから。
「さあ、起きないとな…卒業間近で単位不足なんて洒落にならねぇし」
ひとつ伸びをして眠っていた身体に活を入れる。
「そうだとも、俺たちは一緒…そうだろユベル」
それは独り言だったのだが、それに応えてくれるかのように…



A ドアが勢いよく開かれた
B いつもの「声」が聞こえてきた
>349
A把握です。〆です。



突然、立てつけの悪い扉が勢いよく開かれた。
「十代!起きてくれ!…っておや珍しい、君が起きてるなんて」
次いで飛び込んできた影が、失礼千万な朝の挨拶をしてくる。
「…朝から一体なんなんだよユベ…って何だよその格好は!?」
「見てくれよ十代。明日香嬢がくれたんだ。どうだい、似合うかい?
そこにはブルー女子の制服を身にまとったユベル。
似合うか…ね。うん、そのうち慣れるんじゃないかな…。
「…今、失礼なことを考えたね十代。」
「い、いやいやそんなことはない!似合ってる、うん似合ってる」
「そうそう、僕を卒業までアカデミア生徒として扱ってくれるらしいんだ。」
「ま、マジで!なんなんだこの学校は!?」
「明日香嬢とレイ嬢が学校に頼んでくれたんだ。ホントに良い娘達だ、早く彼女達もモノにするんだよ?」
「ま、待て待て待て!」
「さあ、早く出かけよう!僕たちの無敵のタッグを見せつけてやるんだ」
「お、おい!」
「それから明日香嬢とレイ嬢を陥落させる策も練らないとね。忙しくなるねぇ。」
有無を言わさず俺を引っ張っていくユベル。
これからしばらく…もしかしたら一生、こんな日常が待っているのだろうか…?

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