では言った通り、表遊戯×レベッカ投下します。
設定は無印最終回の約1年後と言った所です。どうぞ。

学校が終わり遊戯、城之内、本田の3人はファミレスでドリンクバーを頼んで、
会話をしていた。王の魂があるべき場所へと帰り、1年の時が過ぎた。
3人とも進路に悩む時期であり、全員、何処か憂鬱そうな評定していた。
「それで、どうするよこれから?」
本田が呆けた表情で机に突っ伏し2人に話し掛けた。
2人は明後日の方向を見ながらゆっくりと進路に付いて話し始めた。
「僕はじいちゃんのゲーム屋を手伝うよ」
「まぁ遊戯はそれで問題無いけどさ……城之内はどうすんだよ?」
「お前に心配されなくても、近くの運送会社に内定貰っているよ」
「ああ、そう。でも、それで大丈夫なの?」
「まぁ、もう少しで借金の方も完済出来そうだし、
真面目にやっていれば生活は出来るよ。俺達よりもお前はどうなんだよ?」
「取り敢えず大学に行く事にする」
季節はもうすぐ冬であり、3人は不安、期待、見
えない未来等に億劫な状態になっていた。
話題に困った一同は既に将来を見据え行動を起こしている仲間達の話題に入った。
「にしても皆、スゲェーよな……」
「そうだね杏子も自分の夢に向かって渡米して、日々がんばっているし」
「御伽の奴もアメリカでゲームデザイナーとしてバリバリやっているしな」
「獏良も専門学校への進学が決定しているしな、でも1番驚かされたのは海馬だ」
そう言い城之内は窓に貼られている子供達の書いた絵を見つめていた。
これは海馬が子供達を限定に募集した新カードの案であり、
選考の結果、優秀な作品をこうして張り出している。
「しかし、まぁ……海馬の奴もI2社にトンでもない事、
要求するなこれをOCG化しろなんてよ」
本田は無造作に絵の1枚を取ってペガサスに同情した
。貼られている絵の中には『E・HEROネオス』や『ダンディライオン』
と言った次世代のデュエリスト達が使うエースカードも存在するとも知らずに。
本田は絵を元の窓に貼り直すと、海馬の事に話題を切り替え話し始めた。
「海馬で思い出したけどさ、日本でも本格的に始動させたのだろ?」
「何がだよ?」
「プロデュエリスト制度だよ!」
本田の言葉に遊戯と城之内は反応して顔を本田の方向に向けた。
これまで日本では人気と高レベルなデュエリストが多数、存在するにもかかわらず、
プロリーグは存在しない事に業を煮やした海馬は自ら日本プロリーグを主催。
これまで不安定な収入であったがプロ制度の存在でデュエリストは大きく変ろうとしていた。
今までの大会で優秀な成績を収めているデュエリストは試験を免除してなっている為、
遊戯と城之内は既にプロであった。

「プロならさ……何も運送会社に就職しないでも、
賞金でパパッと借金ぐらい返せるだろ?」
「バカな事言うなよ。お前内情、どうなっているのか分かって言っているのか?」
城之内は楽観的な本田に現在の状態を話し始めた。
プロで豪勢な生活を送れるのは一握りであり、
殆どのプロは副業としてデュエリストを行いチャンスを待っている。
嘗て凌ぎを削った仲間達もそうしている状態である。
「俺だって大会で優勝しても15万だぞ」
「それに大体、賞金はカードで消えるし、大変だよプロとしてやって行くのも」
「わ……悪い。でも、それだけじゃないだろ海馬の行動は」
「うん。全体的にデュエリストのレベルを上げる為に近々、
デュエリストの養成学校を作るって言っていたからね」
そう言い今度は近くのポスターを見て、海馬のデュエルに対する真剣さに只、
3人は圧倒されていた。
「これからは伝説のデュエリストさんもウカウカ出来無いぞ。
何しろコピーとして神のカード以外は多々、出回ったからな」
「そうは言っても、数は少ないぞ。俺の『真紅眼の黒竜』も
遊戯の『ブラック・マジシャン』もだ。でも1番驚いたのは海馬だな」
「そうだね。『青眼の白竜』をコピーとは言え出す事を許可したからね、
でも、あの時のセリフ衝撃的だったね、城之内君」
「ああ、『俺の魂を一部、解放する。俺を超えて見ろ! ワハハハハハハ!』
だもんな」
それは未来のデュエリストに対する期待が篭った言葉であった。
本田の言葉通りウカウカしていられない2人はゆっくりと立ち上がり、
その場を後にしようとした。それに続いて本田も立ち上がった。
「そろそろお開きにしようぜ」
「そうだな、又な遊戯」
「うん。城之内君。本田君。又ね」
3人は夫々、家路に付いて、この日は解散した。
遊戯は真っ直ぐに自分の家である『亀のゲーム屋』へと向かった。
店の入り口から入っていくと、何時もなら祖父である双六が出迎えるのだが、
この日は何時もと違っていた。
「あ。お帰りなさいダーリン」
この日、遊戯を出迎えたのは祖父同士が親友で自身も遊戯を強く慕っている
レベッカ・ホプキンスであった。
レベッカは椅子に腰掛けカウンターを陣取っていた。
遊戯に挨拶をすると読んでいた雑誌に再び目を戻した。
現在、レベッカは祖父の仕事に付いて行き、日本に滞在している。
何かと理由を付けては遊戯の所に行き、今の様な状態を続けている。
遊戯はレベッカの近くに椅子を持って行き、
座って退屈そうにしているレベッカの話し相手になった。

「にしても退屈ね……」
「まぁ、こんな日もあるよ」
口を尖らせ文句を言うレベッカを遊戯は何時もの穏やかな表情で宥めた。
この様なやり取りを2人は心から楽しんでいた。
レベッカの方はそれで何の問題も無かったが、
遊戯の方はその事に対して不安を感じていた。
「ね……ねぇ」
遊戯は言い難そうに口を動かし、レベッカに話し始めた。
「何ダーリン?」
「レベッカは何時までここに居るの?」
思いも寄らなかった遊戯の言葉にレベッカは呆然としていた。
その言葉を聞くと先程まで普通にしていた表情が瞬く間から怒りが滲み出し、
それは遊戯に向けられた。
「何よそれ……ダーリンは私がここに居て迷惑な訳?」
「そんな事僕は言って……」
「じゃあ何だって言うのよ!」
突然の事にレベッカは声を荒立て遊戯に接した。
その様子に遊戯は小さくなっていたが、今のレベッカに止まる様子は無かった。
「分かったわよ……そこまで言うなら……」
「待ってよレベッカ……」
「聞きたくないわよ! 遊戯のバカ!」
それだけを言うとレベッカは半泣きの状態で外へと飛び出し、
店から消えていなくなった。1人取り残された遊戯は少しの間、呆然としていたが、
土地鑑が殆ど無いレベッカが街を徘徊するのは危険だと察し、
すぐに自分も後を追う様に外へと飛び出した。
あちこちを探し回っている間、遊戯は過去の出来事を思い起こしていた。
この街はアンダーグラウンドな部分も多く、今まで自分も相当、危険な目に合って来た。
その頃はまだ、王の魂がいてくれた事もあり、何とか切り抜けられたが、
今、彼は存在しない、自分の軽率な発言を悔いながら遊戯は必死でレベッカを探し続けた。
日も暮れかかった頃であった。町中を探し回り、
ヘトヘトになった遊戯は最後に訪れた公園で漸く目的の人物を発見した。
鮮やかなツインテールの金髪を夕日で光らせている少女は億劫な表情で下を向いていた。
頬には薄っすらと涙の跡もあり、先程まで泣いていたと言う事は分かった。
遊戯はゆっくりとレベッカの元に歩を進めレベッカの前に立つと優しく話し始めた。
「探したよ帰ろう」
遊戯の声を聞き、すぐにでもレベッカはその旨に飛び込みたかったが、
プライドがそれを邪魔して、わざと冷たい態度を取った。
「何の用?」
「良いから帰ろう」
「無理しなくて良いよ。私と居るの嫌なのでしょ?」
「そんな事、僕は一言も……」
「良いよ。そろそろ潮時だと思っていたし、アメリカに帰っても良いかなって……」
「レベッカ!」

突如として自分の肩を掴んできた手にレベッカは恐れ、
これまでの軽口が一気に封じられた。遊戯を見ると少し怒った表情をしていた。
本気で怒っていない事は分かるが、
普段からにこやかな表情しか見た事の無いレベッカに取って、
今の遊戯からは恐怖しか感じ取れなかった。
「バカな事ばかり言っていないで帰ろう」
「あ……う、うん……」
多少、強引な感じで遊戯に手を引かれ言われるがままレベッカは遊戯の後を付いて行き帰路へ付いた。
「レベッカ良いかな?」
そう言い遊戯はレベッカの部屋へと入って行った。
元々は父親の部屋だが長期海外出張中の為、
埃塗れだったのを掃除して現在は良く居るレベッカの部屋となっている。
レベッカは先に入浴を済ませており、
ツインテールを解きTシャツにハーフパンツと言うラフなスタイルでいた。
遊戯も似た様な格好であった。
「そんなに遠慮しないでよ、ここはダーリンの家でしょ」
「それはそうだけどね」
「でも今日は本当に驚かされたよ、ダーリンの色々な一面が見れて」
「うん、ゴメンね、レベッカを困惑させて」
「でもさ……本当に何なの?」
レベッカは感情に流されない状態を築き、
毅然とした態度で遊戯の話を聞こうとした。
「聞いてレベッカ、
あの時言ったあの言葉はレベッカを邪魔だと思って言ったセリフでは無いよ」
「そんなのは分かっているよ。汗だくになって探してくれたダーリン見ていたら」
「不安に思ったから、どうしても聞いておきたかったの」
「え? それって……」
レベッカは遊戯の真剣な表情に見惚れながら、
これから言われる言葉を真剣に聞こうと逸る気持ちを押さえながら、
遊戯の言葉を待った。
「聞いてレベッカ。僕はレベッカが僕の事を好きだって言うのは凄く嬉しいと思っているよ、
だから僕もレベッカの気持ちに応えたい。僕もレベッカの事が好きだよ。
だから、ずっと一緒にいようね」
ある程度の予想は出来ていたが面と向かって『好き』と言われた事は今回が初めてであり、
レベッカは頬を赤らめ焦点の合わない目で遊戯を見つめていた。
その間も遊戯はレベッカの顔を真っ直ぐと見ており、
レベッカは遊戯の瞳に吸い込まれそうな状態になっていた。
「嬉しいよ……私」

レベッカは目に涙を溜めた状態でゆっくりと話し始めた。
目こそ何処か焦点が合っていないが表情は喜びが零れ落ちそうな状態であった。
「ダーリンが杏子の事、好きだってのは良く理解出来た。
でも、それなのにこんな……こんな……」
そう言いながら既に目からは涙が零れ落ちておりレベッカの喜びと言う物が
遊戯にもヒシヒシと伝わって来た。
「本当に嬉しいよ。ダーリン、でも私、言葉だけだと不安だよ」
「え? それって……」
遊戯は一瞬レベッカの言った事がどう言う意味なのかは分からなかったが、
目を静かに閉じ、頬を朱色に染め、唇を突き出しているレベッカを見て、
遊戯はレベッカの言葉を理解した。レベッカの気持ちに応えるべく、
自分も目を閉じ唇を近付けるとレベッカの唇に触れ、お互いの温度を感じ合った。
レベッカの唇は年頃の女の子らしく健康的で艶やかな感触であり、
初体験の遊戯はそれを必死で感じ取った。数秒のキスを終えると、
レベッカは遊戯に抱き着き、頬を染めたまま遊戯の胸の中で幸せそうに微笑んでいた。
「しっかりと受け取ったよダーリンの思い」
「うん。僕も受け取ったレベッカの思い」
「じゃあ次ね」
何の事か遊戯は理解出来なかったが、Tシャツを脱ごうとしているレベッカを見て、
レベッカが何を求めているかというのが分かり、
遊戯は慌ててレベッカの手を取り静止させた。
「ダメだよ! レベッカ!」
遊戯は真剣な表情でレベッカを静止したがレベッカはその遊戯の行為に対して
不満で一杯であった。
「何でよ!」
「僕達にはまだ早過ぎるよ!」
「そんなの関係無いよ! 私、覚悟出来ているのに!」
そう言いレベッカは一旦、遊戯の胸から離れ、机の引き出しから何かを取り出し、
遊戯に見せ付けた。それは避妊具であった。
それを持った状態でレベッカは再び遊戯の胸に飛び込んだ。
「ねぇお願い……これ以上、恥を掻かせないで……」
「レベッカ……」
覚悟を決めているレベッカに圧倒されながら遊戯は後ろへと押されて行き、
レベッカの手は遊戯の後ろを回り部屋の電気を落とされた。遊戯はこの時点で、
もう後戻りは出来無いと判断し、遊戯も覚悟を決めた。
月明かりのみが天窓から入る状態の部屋で遊戯とレベッカは互いに一糸纏わない状態で
ベッドに居た。遊戯はまだ発展途上の段階ではあるが、
しっかりと女を表現しているレベッカの体に反応を示していた。
反応している遊戯の物を見てレベッカは軽く頬を染めた。
「凄いね……ダーリンのそれ」
「そ、そう?」
「愛し合おうね、一杯」

レベッカの覚悟を聞くと、遊戯も真顔で頷き、2人は行為を始めようとした。
遊戯はレベッカの唇に顔を近付けて行き、そのまま唇に触れ、
そこから1歩出た行為へと移った。自身の舌をレベッカの口内に挿入して行き、
舌を絡ませた。
レベッカの方は遊戯に応えるかの様に自分も積極的に舌を動かして行き、
遊戯の舌に絡ませた。互いの舌が互いの口内を行き来して行き、
2人は感じた事の無い感覚に囚われ酔い痴れていた。糸が引く状態になった時、
2人は名残惜しそうに唇を離し、遊戯は次の行為に移ろうとした。
体を下へと移動させ、丸みを帯び始めた膨らみへと手を伸ばして行き、
手の中にレベッカの膨らみを感じ取ると、
細心の注意を払いながらゆっくりと動かして行った。
「はぁあぅ! ちょ……っと止めて……」
か細く否定するレベッカの声に遊戯は慌てて手を退けて、レベッカに話し始めた。
「ゴメン。痛かった?」
「違うの。痛くないけどゾクゾクして……それに……」
「それに何?」
「ダーリンも胸大きい方が好き?」
レベッカは胸を両手で隠しながら、涙目で聞いた。
そんなレベッカに対して遊戯は優しく微笑み掛け、安心させる様に話し始めた。
「僕はそんなの気にしないよ」
「けど……」
「どうしてもって場合は僕が大きくするから」
そう言い遊戯はレベッカの手をやんわりと退けて、
顔をレベッカの乳頭に近付けて行き、啄ばむ様に吸い付いた。
「ひゃぁ! そんなの……ダーリン!」
レベッカは退かされた手で顔を隠しながら、快楽に飲まれて行った。
レベッカの表情を見て遊戯は確信を感じ、更なる行為へと発展させようとした。
体を動かし、レベッカの恥部へと移動させ、顔を埋めて行った。
「ダメ! ダーリン! そんな……」
遊戯の顔は漸く薄く生え始めた、金色の恥毛を掻き分け、
レベッカの最も重要な部分に到達すると、舌を伸ばして行き、
そのまま舌で辺りを掻き分けた。
「ふぅぃ! そ、そんな所、舐めちゃ嫌!」
言葉とは裏腹にレベッカの女は遊戯の行為に対して喜びを感じており、
更なる行為を求め、蜜を出し、遊戯を誘惑して行った。
遊戯はレベッカの気持ちに応えるかの如く、舌を更に奥へと挿入して行き、
レベッカに快楽を与えて行った。
「いうや……あ、はぁ……あ……」
まともに会話が成立しない程、レベッカは快楽を感じており、
一旦、遊戯はレベッカから離れ、1歩離れた状態でレベッカの状態を見た。
蜜の匂いは恥部全体に充満しており、レベッカの雌は遊戯の雄を誘おうと、
蜜を垂らし誘惑をしていた。これに遊戯の雄は反応を示し、
貰った避妊具を装着し始めた。初体験の為か、2、3個ダメにしたが、
どうにか装着に成功し遊戯はレベッカに最終確認を取ろうとした。

「本当に良いね?」
遊戯の問いに対してレベッカは只、黙って頷いた。
レベッカの覚悟を汲み取ると遊戯は自身をレベッカの恥部へと導いて行き、
そのまま押し込む様に差し入れて行った。
「ひぐぃう! ぐっ……」
レベッカは今までに感じた事の無い苦痛に表情を歪ませ痛みに耐えた。
遊戯の方もここまで来るとレベッカを気遣う余裕は無く、そのまま差し込んで行き、
何かが突き破れる様な感覚と共にそれは終わりを告げた。
レベッカは遊戯の物を全て受け入れ、
2人が繋がっている部分からは一筋の鮮血が流れていた。
「それで……これからどうする?」
遊戯は避妊具越しでも伝わるレベッカの愛情に我を忘れそうになったが、
必死に堪えて、この後の予定をレベッカに尋ねた。
「最後までして……このまま、お願い……」
レベッカは震える声で遊戯に懇願をした。目は涙を溜め込んでおり、
表情も苦痛の色は消えていなかったが、遊戯はレベッカの意志を最優先して、
行動を起こし始めた。
「ひ! ぐなぁ! ううううう……」
出来る限り苦痛を与えない様に始めはゆっくりと腰を動かしていた遊戯だが、
次第に包み込み快楽を与えるレベッカに我慢が出来なくなり、
自然と腰の動きは早まって行った。ここでレベッカにも変化が現れ始めた。
不慣れではあるが波の様に来る快楽にも似た感覚に囚われ始め、
苦痛を和らげる呼吸が快楽を表現する呼吸へと変化して行った。
「凄いよレベッカ……僕の吸い取られそうだよ……」
「良いよ! もっと感じて! 私で気持ち良くなって!」
遊戯はレベッカの言葉に甘え。空いている手をレベッカの胸に置き、
そのままやんわりと揉んで行った。
「あああ! レベッカ好きだよ!」
「ああん! ダーリン! 私も好き。大好き!」
2ヶ所同時に責め立てられレベッカは今、
自分が感じている感覚が快楽だと認識して酔い痴れた。
遊戯の方も目を強く閉じ快楽に流されない様にしていたが限界は近かった。
「レ、レベッカ! もう……」
「い……良いよダーリン! 一杯、頂戴、あああああああ!」
レベッカが限界を感じ、頂点に達した。
その直後、遊戯も熱く滾った物をレベッカの中で爆発させた。
その温度は避妊具越しでも十分に伝わり、レベッカは遊戯の熱に酔い痴れた。
2人は尋常では無い量の汗を掻いていた事に気付き、
ここで名残惜しそうに遊戯の方から離れ、
避妊具をティッシュで包んでゴミ箱に捨てると、
レベッカを抱き抱える様に持ち上げ、瞼に優しくキスをした。
「これで良い?」
「うん、ありがとダーリン」
「辛くなかった?」
「平気。大切にされ過ぎても、それはそれで困るから」

互いに汗が引かない状態で2人は穏やかで優しい時間を過ごしていた。
2人は心地良い感覚に呆けていたが、レベッカの方からそれを打ち破った。
「ダーリン、これからどうするつもり?」
突如として振られた話題に遊戯は我に帰ってレベッカの相手を始めた。
「何を?」
「将来の事よ。このまま隠居生活に入るとは言わないでしょ」
「隠居生活って……」
「ハッキリ言ってダーリンの実力は、現在、最高レベルの物だと私は思うわ。
見てはいないけど王様のデッキと3枚の神のカード打ち負かしたのでしょ」
「まぁ……そうだけど」
「双六さんは昔、トレジャーハンターで世界中を飛び回り、
全てに終焉してここを建てたのでしょ? ダーリンにはまだ早過ぎるわよ、ここは」
「そうは言ってもな……プロだけでは生活し難いし……」
「違うよ! 私と一緒に旅へ出ない?」
「え?」
レベッカの誘いに遊戯は目を丸くして驚いた。
レベッカの大胆過ぎる軽口は何時もの事だが今回の場合、
それは全く伝わらなかった。レベッカは真剣な表情を崩さず話を続けた。
「地盤をしっかりと固めた方が言い場合もあるよ。城之内の場合がそう。
でもダーリンは違う。進化したデュエルモンスターを2人で見て行かない?」
「興味はあるけど。僕も色々なデュエルをしてみたいし……」
「でしょ! だったら行こう! ね、出国しよう!」
レベッカはまるで近くにピクニックに行く様なノリで遊戯に接していた。
デュエルにもっと関わりたいと言う感情は王をあるべき場所に返した後も消える事は無く、
逆に情熱は大きくなる一方であった。
そこにレベッカの後押しが加わって遊戯の決心はこの夜、完全に固まった。
それから時は流れ、遊戯達は高校を卒業し、夫々の道へと歩き始めた。
城之内は運送会社で働きながらプロとしてやっていこうと決め、
本田は2流の大学に取り敢えず進学。
そして遊戯はと言うと小さなリュックに簡素な荷物を詰め、
祖父の双六に見守られながら、家を後にしようとしていた。
「ワシも若い頃は色々な物を見て回った。遊戯よ、しっかりとやっていくのだぞ」
「うん! 僕はもう1人の僕に見せて上げたかった。
嘗て黒い歴史として使われた石版の戦いはもう無いと言う事をね」
「その意気だ、行って来い遊戯!」
「うん! 行ってきますじいちゃん!」
遊戯はレベッカの元へ足早に向かい、2人同じ道を歩いて行った。
2人はデュエルバックパッカーとして世界中を飛び回る道を選んだ。
その後、海馬の手により『デュエルアカデミア』が設立され、
多くのデュエリストが幻の遊戯王を求め、2人は伝説になっていったが、
それは又、別の話である。

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