「うぅ…恥ずかしいですわ、主様……」
「何をいう、女王様!素敵だぞ!」
「素直に喜べませんわ…」

魅惑の女王(アリュール・クイーン)が半泣きになりながら、自らの主を睨む。
彼女の着せられた衣装は、濃紺の水着――俗にいうスクール水着だった。
きちんと「れべる7 ありゅーる」と表記されたワッペンまで縫い付けている、無駄に丁寧な品である。
そもそも魅惑の女王と呼ばれてはいるものの、彼女はマスターと出会いそして愛し合うまで頑なに処女を守っていたし、一端以上の羞恥心を持ち合わせてもいた。

「胸もキツいですし、お股にも食い込んでしまってますわ……」
「女王様性的過ぎる。俺が虜になっちまうわけだよ」
「主様が、私の虜……ですの?」
「そうだよ!」

スクール水着をエロく着こなす女王から目を逸らしながら、マスターが息を吐く。
興味本意で着させてみたら、予想以上にストライクだったと言わざるを得ない。
正面から五分見てたら、間違いなく襲う衝動を押さえきれなくなっていただろう。

「え、えと……主様?」
「どしたい女王様?」
「私の魔法を使いますわ……?」
「女王様の魔法?」

女王から目を逸らしているマスターに、女王が後ろから抱き着く。
ただでさえ肉感的な女王の肢体なのに、スクール水着という薄布一枚しか間にない状態で触れられてしまう。

「じょ、女王様の身体が!おっぱいが!当たって、当たってるんだけど!」
「私の魔法で、主様を装備しちゃいますわっ」
「ちょ―――」

主様にしがみついたまま、女王はだらしなく弛みきった笑顔になる。
恋などしたこともなかった、恋など知りもしなかった彼女だが、鼓動の高鳴りと幸せさの理由は知っている。

「私が魔法を解くまで、ずっとくっついちゃいますわ♪」
「ちょ、いつ解けるのさ!?」
「永遠に解けませんわ♪」

――この恋の魔法は、永遠に――

女王は、最早ただの一人の女だった。
恋し、愛されるだけのただの女――
しかしながら、その極々普通の女としての輝きこそが、魅惑の女王の真の魅力となったという。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます