「ぐうっ、ううっ……!」

 少年は額に脂汗をかきながら、低く苦しげな声を漏らすと、みっしりと肉の詰まった明日香の
大きな尻に腰をぴったりと密着させ、もの凄い勢いで精液を膣内へと流し込んでいた。
 尻肉を掴んだ指先は痕が残りそうなほど強く食い込み、肉杭は少年の意志をまったく無視す
るかのように何度も痙攣しながら、どくどくんと精液を吐き出していく。
 それは、少年がかつて経験したことのない程の強烈な射精感であり、蛇口をいっぱ
いに捻ってしまったかのように勢いよく迸る精液の量は、ちょっとした恐怖を感じる程であった。

「う……くゥお……」

 勝手に口から漏れ出す声。言葉にならないそれは、まるで他人のもののようにさえ聞こえる。 一体どれだけの時間、射精し続けていたものか。
 気がつけばあの喪失感にも似た射精の感覚は消えて失せ、まだ硬さを保ったままの肉杭を包
み込む、明日香の膣の強烈なまでのぬめりを強く意識させられる。
 このままでは、また射精してしまう。
 生まれて初めて「射精」という行為に恐怖を感じ、少年は慌てて肉杭を明日香の膣から引き抜
くと、

「わっ――ひっ」

 間の抜けた声を上げて、そのまま補習室の床へ尻餅をつくように倒れ込んでしま う。



「んああっ!」

 最後の一突きは、まさに理想的な一撃であった。
 痛みを感じるほどに強く掴まれた尻へと、打ち付けられた腰。そして、子宮口をこじ開けんば
かりに深々と打ち込まれた肉杭。
 それだけでも最近、ご無沙汰だった身には強烈な快楽であったのだが、極めつけは堪えに堪
えての射精であった。
 まるで、ホースの口を潰して勢いを増してでもいるかのように、びゅうっ、びゅうっ、と子宮
の中へ飛び込んでくる精液の塊は、脳髄を灼くような衝撃と共に、極上の快楽を明日香の神経に
与える。

「ふお……っ、おっ、オあ……おっ!」

 涎に塗れた唇はだらしなく開いたままに、そこから押し出されるように漏れる声は、普段の彼
女を知る者が聞けば目を丸くすること請け合い、といったほどに淫らな色を湛えており、

「だ……メ、またイっ、ク……!」

 湯気が立ちそうなほど熱い吐息と共に、全身を震わせて立て続けに絶頂を迎える。


「く……ぅ、クぅ……ん」

 肉杭の痙攣はそのまま明日香の膣を通って子宮を震わせ、一刻み毎に快楽のボリュームを上
げていく。
 普段の、聡明で高潔な精神をその身に宿したような姿からは大きくかけ離れた、しかしそれで
いて、見る者が目を離すことのできなくなるような魅力はそのままの明日香がそこにはいた。

 床にへたりこんだまま、勃起した肉杭を天井へ向けて痙攣させつつ、少年は全力疾走でもし
てきたかのように荒い息を吐いていた。

「ふふ……満足した?」

 横座りの姿勢で、裸体を隠そうともせずに明日香は訊ねる。
 明日香自身も肩で息をしながらではあったが、それでも目を白黒させている少年よりは余裕
がありそうであった。

「わ、判りません……」

 自分でも何かよく判らない、ふわふわしたものの上に乗っかったような奇妙な感覚に全身が
包まれていて、正に「夢心地」を体感しているようであった。

「私のおまんこ、気持ちよかったみたいね」
「そ、それはもう……」

 何か上手い言葉で賛辞を送ろうとするも、とりたてていい言葉が浮かんでこない。

 ちょっと情けなくなってしょぼんとしていると、不意に顔を寄せた明日香が少年の唇をちろ
りと舐めた。

「わっ――!?」

 驚く少年をよそに、いたずらっぽく微笑むと、

「クサイ言葉なんか要らないわ。キミの素直な気持ちが聴きたいな」

 そう言って、少し切れ長の瞳で見つめてくる。

少年が天上院明日香とのデュエルに敗れたのは、ほんの二日前の事である。

 調整を済ませたデッキの調子を確かめようと、対戦相手を探していたところへ、補習室でプ
ロリーグの試合のビデオを熱心に見ていた少年が、偶然明日香の目にとまったのだった。

 ラー・イエローの中でも、下の方に位置する程度の実力しか持ち合わせていない少年とでは、
勝負になる以前のデュエルになったのだが、

『明日、もう一度勝負してくれないかしら。キミもちゃんとベストのデッキで』

 少年のプレイに何か感じるものがあったのか、それともただの気まぐれか。
 それでも憧れのデュエリストとの戦いに臨むべく、少年は持てる全ての実力を出し切って、翌
日のデュエルを戦い抜いた。

『明日の放課後、この前の補習室で待ってて。誰にも言ったらダメよ?』

 当然、勝てはしなかったものの、明日香はデュエル場で観戦している他の誰にも聞こえない様
に、いたずらっぽく囁いて去っていった。
 何があるのかよく判らなかったが、妙な胸騒ぎがしたのでそのまま彼女の言う通り、誰にも告
げずにデッキとディスクだけを持って補習室に行くと、明日香は一足先に部屋にいた。

 そこから今に至るまでは、正にユメマボロシの如く、とでも言おうか。
 不意に首に両腕を絡めてしなだれかかってくると、背筋がぞくりと震えるような顔でねっと
りとしたキスをひとつ。
 そこからは彼女のリードと、暴走する若い性が入り乱れた挙句、合計四発も射精してようや
く一息ついた、というところである。

「死ぬほど気持ちよかったです」
「大げさね」
「ホントですよ」

 少年はごく、自然な動作で明日香に顔を寄せると、その頬に優しくキスをする。

「童貞のボクじゃ、天上院さんを満足させられなかったかもしれないのだけが心残りだけど……
ホントに最後は息が止まって、そのまま元に戻らないかもって」

 明日香は少し驚いたように目をぱちくりとさせている。

「正直なところ、もうこれだけ気持ちよかったら、このまま息が止まってもいいや、って思い
ましたし」
「それじゃ、困るわ」

 明日香は少年が思わずどきりとするほど、自然な笑顔を見せ、

「腹上死なんて、みっともないもの」
「――あ、あはは……調子に乗って、何言っちゃってるんでしょうね」

 フクジョウシの意味はよく判らなかったが、なんだか急に気恥ずかしくなって、少年は笑っ
て何とかゴマかそうとする。
 すると今度はいきなり強い力で引っ張り込まれ、少年は顔を明日香の乳房の間に埋めていた。

「て、天上院さん……?!」
「明日香、でいいわ。二人だけの時だけね」
「え……?」

 思わず上を向いた少年の唇に、今度はちゃんと明日香の唇が重なる。
 気取ったところのない、柔らかなキス。

 驚いて硬直したままの少年を放って、明日香は立ち上がりさっさと制服を身に着けていく。
 呆然としてただそれを見ているだけの少年に、

「キミ、デュエル上手くなるわ」
「……え?」
「かなり荒削りだったけど、ちゃんと磨けば、ブルーに来るのもそう難しいことじゃないと思
う」

 セックスをしている間は、アップにまとめていた髪を後ろに流して、手で大きく梳く。
 見事なブロンドが大きく広がって流れる様に思わず見とれていると、明日香は自分のディス
クを持ってドアに向かう。

「もし、ブルーに来れたら、またデュエルしましょう。その時も私に何か感じさせることがで
きたら……」
「で、できたら?」

 裸であることも忘れて思わず身を乗り出すと、明日香はくすっと笑い、

「またココで……ね」

 パタン、とドアが閉まる音がするまで、少年は動けずにいた。
 彼女の残した言葉が意味するところを理解したことで、頭はショートしたように思考を止め
てしまい、馬鹿みたいに裸のままボンヤリとしていたが、

「……夢じゃない、んだ」

 全身を覆う倦怠感と、ヒリつくような痛みを訴える肉杭が、そのことを物語っている。

 少年は裸のまま立ち上がると、AV機器のコンソールの上に無造作に置かれた自分のデュエル
ディスクを指で撫でた。冷たいその感触が、頭の中を覆っていたモヤを吹き散らしてくれるよう
な、そんな錯覚を覚える。

「――強くならなくちゃ」

 自然に口を吐いて出た呟きに、少年はひとり頷いてディスクをぽん、と叩いた。


[おしまい]         

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