最終更新:ID:YaAa6RRPkQ 2011年05月24日(火) 10:56:49履歴
49 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2009/07/03(金) 23:34:19 ID:RqIVfW66
なんとなくアイデア的なものはあるんだ
英雄の知り合いの息子がアキさんを好きで今度パーティに呼ばれてるんだが、
まだアキを嫁にやるとかそんなことは考えられないので遊星に恋人のふりしてもらう
でもどうしてもアキさんがほしいバカ息子はチンピラ雇って遊星を襲わせる
その間にアキさんを手籠めにしようとするが間一髪でチンピラフルボッコにした遊星が助けに戻る
まだ恐怖で震えているアキさんを遊星が慰めてそのまま…とか
ただこんだけ書いてまともな文章にできる自信と体力がない
644 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2009/09/11(金) 01:22:18 ID:a1H18eJ/
偉大なる妄想を書き残してくれた>>49をリスペクトして遊アキ書いてみた。ただし以下の点に注意。
・>>49の要約を見ながら書いたせいか前半部分が異様に長い。
・遊星とアキは互いに意識し合っている。
・アキさんではなくアキちゃんです。乙女ですかなり。
・アキちゃん強姦されかけます。
・馬鹿息子名前無し。しかもただのレ○プ魔にしか見えない。
以上。細けぇことはBRガイル!
「…恋人のふり?」
突然の頼み事に、遊星は作業を進めていた手を休めた。
「ええ…遊星、お願いできないかしら…?」
「……」
アキの話はこうだ。
彼女の父親、十六夜英雄の知り合いの息子がアキを口説き落とそうと、アプローチをかけてきているらしい。しかし些か粘着質で、それに加えアキを嫁にやるなんてまだ考えたくもないということで困っているらしい。
それで思いついたのが遊星に恋人のふりをしてもらい、彼に諦めさせるという作戦だった。
「…成る程、な。話はわかった」
「…いい…の?」
「困っている人を見捨てるわけにはいかない。それに…」
「…?」
「……。いや、なんでもない。とにかく協力しよう」
「―!ありがとう、遊星!」
嬉しそうに微笑うアキを見て遊星は苦笑する。
恋人のふりをしてデートごっこ。それを意中の相手とするのは精神的にはかなり辛いところがある。
しかし遊星はアキの為を想い、彼女の力になるためだと割り切って恋人役を買ってでた。
それから二人は数日間、恋人同士のように振る舞った。端から見たら本物のカップルにしか見えないほど、その光景は絵になっていた。
アキ曰く、例の男は部下にアキの動向を探らせているらしい。だからそれを利用して見せびらかしてやろう、というプランだった。
「名案だな」と遊星は笑って言った。アキもクスクスと微笑って「そうね」と返した
ある日の夜
遊星との偽デートの帰り道、アキは人気のない夜道を一人歩いていた。
「……?」
しかし人の気配を感じ取り、そちらのほうを見る。そこには待ち構えるように壁に寄り掛かっていた細身の男がいた。
「こんばんは、アキ」
「…久しぶりね」
この男こそがアキ達を散々悩ませていた張本人だった。見覚えはあったのだが、アキは名前を思い出せなかった。
「酷いな、僕の名前忘れるなんて」
「あら…ごめんなさい」
「でもいいよ。これからは、なんでも僕の事を教えてあげるから。そして僕にも君の事を教えてもらう」
「お断りするわ。それに…知ってるでしょう?私には…」
「不動遊星」
「―!!」
「知っているよ。でも僕達の間には彼なんかいらない。そうだろう?アキ」
「…彼に…」
「ん?」
「彼に…何をしたの…!?」
「…なぁに、たいしたことじゃない。僕の『お友達』を彼に紹介しただけさ」
「ッ!!」
聞いたことがある。この男は自分の部下の他に質の悪いチンピラとツルんでいると。つまり今、遊星は…!
「そして!」
「―!…あっ!」
油断していた隙に男はアキに詰め寄り、手首を強く握りしめアキを壁に押し付けた。
「痛っ…」
「あんな汚らわしいサテライト育ちなんかと一緒にいちゃダメだよアキ。僕が『消毒』してあげよう」
「なにを…ッ!!?」
一瞬の出来事だった。
キス、された。いきなり。無理矢理。押さえつけられて。抵抗も許されぬうちに
ファーストキスを奪われた
「―っ!んんっ!」
アキは涙ぐみながら、必死に抵抗する。しかし細身とは言え成人男性に力ずくで押さえられては、身をよじるくらいしかできなかった。
「…!…チッ」
男は慌てて顔を離す。舌を入れようとしたところ、アキに噛み付かれたからだ。
「はぁ…はぁっ…」
アキは、この場で泣きわめきたかった。こんな男に。こんな最低な奴に、初めてのキスを奪われてしまったのだから。せめてもの抵抗と言わんばかりに、キッと睨みつけた。
「…これはお仕置きが必要だね」
男はギリッとアキの手首を強く握り、拘束を強めた。
そして痛がるアキを無視して、アキの胸元を乱暴に肌蹴させた
「っ!?いやぁ!」
身をよじり、必死に抵抗をするが拘束は緩まなかった。欲望を剥き出しにした男の視線は、まさにケモノそのものであった。もはや普通の目をしていない。『犯してやる』と叫んでいるかのような目をしていた。
アキは不快に思い、恐怖を感じ取り、絶望を味わった。怖くて、体に力が入らない。恐ろしくて、足がガクガクと震えて動かない。
男の視線に耐え切れず、アキは瞳を固く閉ざし、心の中で遊星に助けを求めていた。
「無駄だよ彼は来ない。4、5人どころの人数じゃないんだ、もう諦めるんだね」
「…っ遊星!!」
―その時、
「アキ!!!」
アキの呼び掛けに答えるかのように、遊星は現れアキの名を叫んだ。
「遊…星…っ」
震えながらそちらを向くと、あちこちに切り傷や打撲傷を受けながらも息を切らせてアキを助けにきた遊星が確かにそこにいた。
「…そ、そんな…馬鹿な、あれだけの人数を…!?それにどうしてここが…!」
動揺した男が慌ててそんなことを考えているうちに、遊星は右手に持っているD・ホイールのヘルメットを思いきり振り上げ、男目掛けて力の限り投げつけた。
「ぶばぁッ!」
ヘルメットは見事に男の顔面に直撃して、その衝撃で男は地面に倒れ込んだ。
「…貴様のお友達から全部聞き出した。それだけだ」
遊星は冷たく言い放って、慌ててアキの傍へと駆け寄った。涙ぐんで、衣服もあられもない姿となったアキが、縋るように遊星に抱きついた。
「…ゆっ…せぇ…」
「アキっ…!」
遊星は彼女を抱き留めて、自分のジャケットを羽織らせて無理矢理肌蹴させられたアキを包み込む
「っき、さま…不動…遊星ぇぇッ…!」
男はよろよろと立ち上がり、鼻血を押さえながらナイフを構えた
「………」
遊星は恐れることなく、それどころかズンズンと男に歩み寄り、距離を詰めていった
「貴様!近寄るな!サテライト育ちのクズがっ!アキにもだ!お前のような奴が…「黙れ」
遊星は途中で遮り、あろうことか男のナイフの刃を素手で握りしめた
「ヒッ…!?」
異様な行動にたじろぐ男の隙をつき、遊星は男の手首を手刀をかましてナイフを叩き落とす。そして遊星は、拳を振り上げギリギリと力を込める。ナイフを握った時からボタボタと滴る血で朱く染まった右拳を。
「…二度と…」
「ヒ…ァ、うあぁ…!」
「二度とアキに近づくな!!」
「ぶげぇっ!」
遊星の渾身の拳が男の顔面を殴り飛ばす。地面に倒れ伏した男はぴくぴくと痙攣して失神していた。
遊星は男のそのザマを数秒見据えて溜息をつき、ゆっくりとアキの傍まで戻ってきた。
「…アキ」
「……ゆ…せ、ぇ…」
「…もう大丈夫だ」
遊星はアキを抱き寄せ、包み込んだ。その温かい抱擁にアキはついに泣き崩れ、遊星に縋りついた。
「遊星っ…!遊星っ…遊…せぇ…ひっく…ッ」
弱々しく抱きついてくるアキを、遊星は何も言わずに力強く抱きしめた…。
遊星はアキを連れて自分達の家へ戻ってきた。ジャックもクロウもいなかったが、都合が良いと思い彼等のことは考えなかった。彼女を自分の部屋のベッドに座らせ、ナイフを握った右手に包帯を軽く巻いて、遊星も少し間を空けて隣に座った。
先程よりかはいくらか心も落ち着いたようだが、まだアキはガタガタと体を震えさせ両腕で自分の体を抱きしめていた。遊星は温かい飲み物でも淹れようと思い、立ち上がる。
「っ…待って…!」
「……アキ…?」
タンクトップの端を掴まれ遊星は硬直する。アキは瞳を潤ませながら必死に遊星を呼び止めていた。
アキの気持ちを察して遊星は彼女の隣に腰を下ろした。
「……遊星…わた、し…」
「……」
「こわ、かった…服も乱暴に、されて…キスも、無理矢理っ…」
「アキ…」
遊星はぽつぽつと辛そうに語りかけてくるアキを見かねて、彼女の肩をそっと抱き寄せた。
「遊星っ…?」
「アキ、俺を見ろ」
「えっ―――」
くいっ、と下顎を上げられたと思った瞬間…
遊星がそっと唇を重ねてきた。
「……っ…!」
すぐに離れたが、その感触は紛れも無くキスそのものであった。混乱するアキの頬を撫でて、遊星は静かに話し出した。
「アキ。想いのこもっていないキスなんてキスじゃない。相手の気持ちを無視して一方的に口付けるなんてキスなんかじゃないんだ」
「―!!」
「…アキの【ファースト】は今、俺が貰ったよ」
「…遊星っ!」
アキはその時、漸く自覚した。ああ、自分は遊星のことが好きなんだと。好きだから一緒にいたいんだ、愛しているから彼のことを分かりたいんだ…と。
恋人ごっこや偽デートの時に感じていた胸のもやもやの原因も今ならはっきりとわかる。辛かったからだ、かりそめの関係を持つことが。
そして好きだと自覚できた今、アキの胸中にある想いが渦巻いていた。
「(…遊星に、なら…私…)」
ぎゅ、と胸に添えた手に力を込める。そして勇気を出してアキは話し出した。
「遊星…」
「アキ…?」
「お願い…私を抱いて…?」
「―!!」
「嬉しかった…遊星のキス。私、やっとわかったの。私は遊星のことが好き…貴方になら、何をされてもいいの…」
「…アキ…」
「遊星…お願い。私の本当の処女(はじめて)を…貴方に捧げたいの…」
「…わかった。俺も…アキを抱きたい。あんな男に触れられたところ…全部俺で、塗り潰してやる」
「…クス。遊星もやっぱりケモノなのね。独占欲丸出しよ…?」
「そうさ…アキを俺だけのものにしたい。だが俺はアキの気持ちを無視したりしない。アキを大事にしたい。だから…」
遊星は珍しく緊張したように一呼吸置き、アキを真っ向から見つめて静かに話し出す。
「抱いていいか…アキ」
「……うん…」
二人はじっと見つめ合い、そっと口付けを交わした。キスの心地を感じるアキの肩を押し、遊星はアキを押し倒した。ベッドのスプリングがぎしりと悲鳴をあげたが、もはや二人には聞こえていなかった…
「…んっ…」
唇を離すと、アキはポーっとした表情を浮かべて遊星を見つめていた。遊星はふと思い立ったように押し倒したアキを見下ろして、彼女に問うた。
「アキ…深いほうの味も知っておくか?」
「…深い…ほう?…あ、…ん…」
その意味を理解する暇もなく、遊星は再びアキにキスをしてきた。嫌がることもなくアキはそれを受け止めたが…
「…んんっ!?…ふ…っぁ…!」
突如、遊星の舌が侵入してきた。そしてアキは漸く言葉の意味を理解した。深いほう…つまりディープキスだ。そういえばあの男も、舌を入れようとしてきていたなと思い出した。無我夢中で噛み付いてやったが。
「ん…ふぅ…、はぁ…!」
なんて、考える余裕はもう奪われていた。アキは初めてのディープキスに翻弄されていた。
歯列をなぞり、舌同士を絡ませ、唾液がくちゅくちゅと音を立てる。呼吸もままならないのに永遠に続いてほしいとすら思える甘美な接吻に、アキはすっかり虜となっていた。
「…ん…、んぅ…ッ!」
しかし上手く呼吸もできないため、アキは遊星の背中を弱々しく叩いた。直ぐさま遊星はキスをやめて顔を離す。
刹那、つぅ…と銀色の糸が遊星とアキを繋いだ。アキはドクドクという胸の躍動を抑えながら、自分の唇を指でなぞった。
「すまない…先に言えばよかったな。呼吸は落ち着いて、鼻から……?」
「……っ…」
「…すっかり虜になったみたいだな」
「…えぇ…ゾクゾクしすぎて…癖になっちゃいそう…」
うっとりとした恍惚の表情を浮かべ、アキは嬉しそうに微笑う。遊星も苦笑して、アキの頬を撫でる。
「いつでもしてやるさ…少しずつ慣れていけばいい」
「そうね…ありがとう、遊星」
はにかんでお礼を言うアキに遊星は「気にするな」と短く返して、軽く口付ける。
今度は触れるだけのフレンチキス。ディープとは違う、かわいらしくて愛おしいこのキスもまた、アキを幸せな気持ちでいっぱいにしていた。
「…アキ」
「?」
「そろそろ…いいか?」
「―!…うん…」
いよいよ愛の営みが始まるのかと思うと、込み上げてくるような嬉しさと、恐怖にも似た緊張感がアキの胸に渦巻いた。
「なるべく…優しくする」
緊張している様子のアキの頬をそっと撫でる。そして遊星は彼女の服を少しずつ脱がせていった。あの男とは違い、ゆっくりと丁寧に彼女の服を脱がせていく。それだけでも嬉しくて、アキは涙が出そうになった。
「…っ恥ずかしいわ…遊星…」
ブラとショーツだけの下着姿にされて、アキは恥ずかしすぎてどうにかして隠したいと思い、身を竦める。
「意外と…可愛い下着をつけているんだな」
「〜っ!」
アキが身につけていたのは、淡いベビーピンクの下着であった。上下揃ってまじまじと見られ、この時点でアキの心臓は羞恥心で破裂しそうだった。
フッ…と遊星は微笑い、アキの太腿やお腹を撫で回した。
「ひゃんっ!」
ゾワ…とした甘い痺れに、アキは反射的に喘ぎを漏らした。気をよくした遊星は、いよいよアキの豊満な胸へと手を這わせた。
「…ん、っあ…」
まずは控えめに胸を揉んでみる。触ってみて改めて思うが、やはりアキの胸は大きかった。なのにとても柔らかかった。張りのあるのに弾力も申し分ない。
「はっ…ふぁ…っ!やん…遊…せぇ…んっ…!」
マシュマロのようなアキの胸を愛撫するうちに、アキ自身も快感を感じて甘い吐息を漏らしていた。きゅっと瞳を閉じて、じわじわと迫り来る快感に耐えていたようだ。
「(……可愛い…)」
普段は強気でクールなアキ。そんな彼女が、今。自分の愛撫によって身悶えている。そう考えただけで遊星の中の「男」は高ぶりを感じずにはいられなかった。
遊星は快感に耐えているアキの隙をついて背中に手を回し、片手で器用にブラのホックを外してやった。
「きゃっ…!」
形のいい乳房が完全に露わになる。ブラによる拘束から解き放たれたその双丘は、先程よりも視覚的にそそられるものがあった。アキは思わず反射的に胸を両腕で隠そうとする。
「アキ…見せてくれ。なにも隠さずに、全部…」
「……遊…星っ…」
抵抗をやめたアキの腕をそっと払い、今度は直にその胸に触れる。触れただけなのにアキはビクッと反応し、喘いだ。
「…ひぁっ!」
「…?」
遊星は不審に思い愛撫を続ける。さっきよりも力を込めて、その豊満な乳房を揉みしだく。
「あっ…や…んんッ…!」
「…そうか。ここか」
ニヤリと不敵に笑い、遊星はアキの胸の乳首を親指で軽く弾いた。
「くふぅっ!」
思った通り、アキは快楽に打ち震えてシーツを握りしめた。
「乳首が弱いんだな…アキ」
遊星はシニカルな笑みを浮かべて、趣向を変える。胸を揉みしだく愛撫をやめて、弱点を責め続けることにした。右の乳首は引っ掻くように爪で弾き、左の乳首は舌で舐めた。
「ふぁあっ!やっ…あぁ!」
ビクビクと震え、快楽に耐えるアキ。自分の弱いところを知られ、そこばかりを弄られる。それはアキの中に秘められた被虐心を強く揺さぶり、マゾヒストな快楽を呼び起こした。
遊星も驚いていた。彼女の被虐的な感度に。そして嗜虐的な自分の衝動に。自分の愛撫に鳴かされるアキを見て遊星はその圧倒的な独占欲に震え上がりそうだった。
その「はずみ」かはわからないが、遊星は無意識のうちに舌で舐めるだけに留まらず、その胸の果実にカリッと歯を立てていた。
「―っ!はぁああっん!!」
予想外なまでの強い刺激にアキは軽く絶頂を迎えた。そしてその瞬間、遊星も冷静さを取り戻した。慌てて彼女の様子を伺うと、アキの目尻には涙がたまっていた。
「―っ!アキ…!」
遊星の胸中に後悔の念が押し寄せる。優しくすると言ったのに。大事にしたいと言ったのに。いつの間にか欲望に支配されて、彼女を傷つけてしまった。重苦しい自責の念が、遊星に纏わり付いた。
「…ゆぅ…せっ…」
「…すまない…アキ…っ。俺はっ…これじゃ…あの男がしたことと…」
「…そんな顔…しないで…?」
「なっ…?」
アキは遊星の後頭部に手を回し、引き寄せた。そして、ゆっくりと唇を重ね合わせた。初めての、自分からのキスだった。
「…遊星とあの人は…全然違う。遊星の手は優しくて…温かくて…嬉しくなるもの…。さっき言ったでしょ…?私…遊星になら…何をされてもいいの…」
「っ…アキ…」
「……そ…それ、に…」
「…?」
「…き…気持ち良かった…から…っ///」
「―!」
頬を朱く染めてそう言ったアキに、遊星は言いようもない気持ちの高ぶりを感じた。嗚呼、なんて愛しいんだろう。どうしてこんなにかわいらしいのだろう…。
そう思った瞬間に、気がつけば彼女の体を抱き起こして、抱きしめていた。
「っ…遊星…?」
「………」
「……んっ…」
何も言わずに、ただ抱きしめてくる遊星。アキも黙ってその心地良さに身を委ねることにした。
そのまま数秒が経ち、やがて遊星は再びアキを押し倒した。驚く様子も見せずに、アキは遊星を見上げた。
「……続き…して?遊星…」
「…あぁ」
仕切り直しという意味も込めて、二人はキスをした。ゆっくりと唇を離すと、遊星は愛撫を再開する。
胸に触れ、徐々にその手を下腹部へと這わせていく。脇腹や太腿を掠めた時にアキは反射的に軽く喘いだ。
そして遊星の手はいよいよ下着越しにアキの下腹部へと到達した。試しに遊星は下着の上から秘部に触れてみた。
「…っひぁあ!」
ヌチュ…という卑しい水音が微かに聞こえた。遊星はそのままショーツの中へと手を突っ込み、指を動かしてみる。
「ん…あぁ…っ!やぁ…ッ」
アキのそこはもう充分すぎるほど潤っていた。指を抜き去ると、指先にはてらてらと煌めく愛液が付着していた。
「びしょびしょだな…アキ。こんなに感じてくれていたのか」
「…っ!」
「…可愛い」
薔薇のような朱色に染まったアキの顔を見て遊星は微笑う。そして、ショーツの端を摘んでするりと脱がせてやった。
遂にアキは一糸纏わぬ、生まれたままの姿となった。
「…やっ…ダメ…そんなに見ないで…!」
「……アキ…綺麗だ」
「―〜っ!!」
遊星の賞賛はとても嬉しかったが、それだけでこの恥ずかしさは消えたりはしなかった。耐えられなくて、どうにか大事な部分を隠そうとする。
「ダメだ…隠さずに見せてくれと言ったろう…?」
「…っあ…」
抵抗虚しく、遊星に押さえ付けられてしまった。勿論痛くはないのだが、拘束力は強かった。
あの男のように力ずくで押さえなくてもこうして抵抗できなくなるあたり、やはり遊星は器用なのだろうと思い知らされた。
「…充分濡れてはいる。だがだからと言って、まだ挿入れるわけにはいかない」
「あっ…」
「少し…ほぐすぞ」
そう言って遊星はその細長い指を一本、アキの蜜壷へと沈めていく。
「んぅ…ッ」
初めて味わう異物感。自分の「そこ」に「誰かの何か」が入ってくるという初めての感覚に、アキは戸惑った。
「…辛いか?アキ…」
「…っ…うう、ん…」
首を横に振るアキだが、遊星にはその弱々しい仕草やナカのきつさからアキの状態を容易に察した。
入れていたのは人差し指。だから他の指はフリー、つまり空いていた。遊星は親指を動かし、アキのクリトリスにそっと触れた。
「…やっ!?はぁんっ!」
予想通りアキはビクンと悶えた。遊星はそのまま乳首にした時のように引っ掻くようにそこを刺激し続けた。勿論同時に、人差し指も激しく動かした。
「やぁ、あ!ダメ、それ…感じすぎちゃ…ふあっ!!」
ビクビクと震えてシーツを握りしめる。快感に必死で耐えるアキを見下ろして、遊星はゆっくりと指を引き抜いた。
「あぅっ…ゆう…せっ…」
「もうそろそろ…大丈夫だろう」
「―!」
遂に、この時が来た。遊星と文字通り、「繋がる」その時が。アキは嬉しさと恐怖が同時に沸き上がってくるのを感じた。
「………あ」
「…?」
突如、遊星の顔色が青ざめた。何事かと思いアキは身を起こす。
「…どうしたの?遊星」
「……どうしたものかな…」
「…?なにが…?」
「……………避妊具」
「……はっ…?」
予想の斜め上を行く返答にアキは脱力した。が、しかし行為のことを考えてみればそれは当然のことであった。アキにとってはたいして心配することではなかったが…
「遊星…いらないわ、そんなの…」
「………いや待て、落ち着けアキ。俺達にはまだ早「馬鹿!そんなの分かってるわよ!な、中出ししろなんて一言も言ってないじゃないっ!!」
「…っ?」
顔を真っ赤にしたアキに怒鳴られて、さすがの遊星もたじろいだ。アキは溜息をつきながら、静かに話し出した。
「…気持ちは嬉しいわ、遊星…。でも…私、ゴムなんて付けてほしくないの」
「え…?」
「私…生の感触が…ありのままの遊星が…欲しいの…。ゴムなんかに遊星がくれる体温も、快感も、幸せも…何も奪われたくないの…」
「アキ…」
「……私も…欲張りなのかな。でも…!」
「わかっている…それに相手をこの身で精一杯感じたいという気持ちはよくわかる。なにより俺は、アキにそれだけ想われて…嬉しい」
「…遊星っ…」
「だが…中に出さなくても、妊娠する可能性はいくらでもある。…それでいいのか?」
「…うん。その時のことは…その時考えましょ?」
はにかんでそう言ったアキに遊星はフッと笑って「そうだな…」とだけ返した。
今はそこまで考える必要なんてない。散々愛撫されて体はすっかり火照り、すぐにでも達してしまいそうなアキと、行為が始まってからずっと高ぶり続けて、今にもはち切れんばかりに存在を主張する遊星のソレ
二人はとっくに、限界寸前だったのだから。
遊星もいよいよ邪魔な服を脱ぎ捨てた。タンクトップを放り、カチャカチャとベルトを外す。通販のボクサーパンツごと一気にずり下ろすと、猛々しく高ぶった男根が解き放たれた。
「―っ!!」
それを見た瞬間、アキは今までにない程顔を真っ赤に染めた。初めて見た、男の人のモノ。口をぱくぱくさせながら、ジッとそれを観察するように凝視した。
「…あまり直視されるのも…なんというか困るんだが」
「あ、う…ごめんなさいっ…」
慌ててアキは顔を背ける。遊星は困ったように笑いながらアキを押し倒した。
「……あっ…」
アキはその時、無意識のうちに遊星の体を見つめていた。衣服を全て取り払ったからこそ改めてわかる。彼の男らしい肉体のことが。細いのに力強い腕。硬そうな胸板。無駄のない引き締まった筋肉。それら全てがアキを魅了していた。
「…アキ…?」
「……綺麗…」
「…は?」
「―っ!な、なんでもない…!」
「…?」
言えるわけがない。貴方の肉体美に見惚れていました、だなんて。ぶんぶんと首を振って気を取り直し、アキはゆっくりと遊星の背中に腕を回した。
「…それでいい、アキ。耐えられなかったら思い切り爪を立てるんだ」
「…でも、」
「俺はそれを受け止めることくらいしか出来ない。…だから遠慮しなくていい」
「…わかった…」
こくん、と力無く頷く。遊星は「いい子だ」と囁いて、頭を撫でる。そしていよいよ、アキの膣に自らの分身をあてがった。
「いくぞ…」
「んッ…」
ゆっくりと少しずつ沈めていく。指とは比べ物にならない質量に、早くもアキは屈してしまいそうだった。
「ん…っはぁあ…ッ」
「っアキ…力抜け…」
ギチギチと締め付けてくる膣内を押し進み、ついに最大の『壁』にぶつかった。それは遊星を拒むかのように立ち塞がった。
「…っ…」
「ゆう…せっ…?」
「アキ…深呼吸して、力を抜いてくれ…」
「え…」
「それと…『遠慮するなよ』」
「…どういう―――」
アキが聞き返すのを待たずに、遊星は一気に処女膜を突き破った。
「ひっ…ああぁあッ!!!」
つんざくような悲鳴をあげて、反射的に遊星の背中に思い切り爪を立てた。ガリガリと皮膚が裂ける鋭い痛みを感じて遊星は顔をしかめたが、アキの為を想い何も言わずにただその痛みを甘受した。
「ひっ…あ、んぅ…ッはあぁ…」
ハァハァと浅い呼吸を荒々しく繰り返すアキ。ほんの少し体を動かすだけで、下半身が激痛を訴える。
「すまない…アキ…」
「…ゆ…う…せぃ…っ」
「でも…よく耐えたな」
「えっ……あ…」
気を落ち着かせて結合部を見ると、遊星の男根は根元まで深く挿入っていた。そう、今アキと遊星は本当の意味で繋がることができたのだ。そのことを理解した途端に、アキの瞳から涙が零れ落ちた。
「っ遊星ぇ…!」
「アキ…痛かっただろう…本当にすまない…」
「違う…違うよ…辛いから泣いてるんじゃない…嬉しすぎて…涙が止まらないだけなの…ッ」
「…アキ…」
遊星はアキの目尻に溜まった涙をそっと指で拭い、キスをした。キスの甘い痺れはアキを夢中にさせて、次第に痛みも和らいでいった。舌を抜いて唇を離すと、アキは恍惚とした表情を浮かべて微笑んでいた。
「んっ…遊星…もう…動いて…?」
「…大丈夫なのか?辛いなら我慢しなくていい、もう少し待っても…」
「いいの。…私ばっかり…だったから…遊星にも…んっ…、気持ち良くなってほしい…から」
「アキ…」
そう言ってくれるのが堪らなく嬉しくて、そして同時に申し訳なく思う。だが辛いのはある意味遊星も同じ。遊星のモノは今にも欲を吐き出さんと、ただ快感に焦がれていた。
「…すまない。いくぞ…アキ…」
「…っんあ…きて…遊星っ…!」
意を決して遊星は動き出す。始めはゆっくりと、スローペースで浅い出し入れを繰り返した。次第にアキも熱い吐息を吐き、少しずつ快感の喘ぎを鳴き始めていった。
「あっ、あん!ひぁ…っ遊星ぇ…!」
アキの甲高い喘ぎを聞くうちに遊星も律動のペースを速めていき、やがてグチュグチュと卑猥な水音が聞こえてきて、その音が更にアキの官能を高めていった。
「ふぁ!ダメっ、ひぁあ!やっ…遊星ぇ…感じ、すぎちゃ…あぁんっ!!」
パンパンと激しくピストンを繰り返す。アキはギュッとシーツを握りしめ、与えられる快感を無心に受け止めた。
「んぁあっ!え…やっ!待っ…はぁん!そこぉ…ッ!」
「っ…ここ…か?」
ある一点を擦れた時、アキの体がビクンと反応した。遊星はそれを見逃さず、何度も突き入れその一点を見つけ出す。
「ああぁ!やぁ!ダメ!やだ…そこ突かれ、たら、私…っはぁ!あああぁ!」
「―っ…!」
アキの膣内がきつく締まり、本能的に遊星はモノを引き抜いた。直後、アキの体がビクビクと痙攣し、そして力無く横たわった。絶頂に達して、イッたようだった。
「…はぁっ…アキ…」
遊星も荒々しく呼吸をして、ゆっくりと腰を引いた。
「―!!ダメ、待ってっ!」
だがアキは、力の入らない体を精一杯動かして遊星を引き止めた。
「ア…キ、なにして…っ」
「ダメ…まだ終わり、じゃ…ない…でしょ…?」
「なっ…」
「遊星…まだ『出して』ない…から…」
そう言われた瞬間、遊星はドクンと心臓が跳ね上がるのを感じた。確かに射精するまでには至らなかった。だがここまで高ぶれば後は自分でどうにでもできる。だがアキは信じられないようなことを言い出した。
「…いいよ…遊星…私のナカ…もう一回来て…っ」
自分の蜜壷を指で開き、アキは遊星を誘ってきたのだ。
「っ…!」
「お願い…きて遊星…っ、中途半端で終わらせたくないのっ…遊星も一緒にイこ…?」
「…っアキ!!」
もはや余裕のない遊星は、衝動的にアキの膣内に自身をあてがった。そして思い切り挿入する。さっきとは『すべり』が段違いであった。
「んっ、あぁ!遊星っ!いっぱい…いっぱい気持ち良くなって!はぁんっ!あ、私の…中で…んんッ!」
「アキ…アキ…ッ!」
無我夢中に激しく腰を振る。容赦のないピストンであったが、それでいて冷静に確実に、さっきのアキが過敏に反応したポイントを突き崩していた。
「やぁあっ、はぁん!遊星、遊星ぇ!もっとぉ!ひぁぁあ!」
快楽に喘ぎながらも、アキは遊星の名を呼び背中に回した腕に力を入れてしがみついた。そのままひたすらお互いに快楽を貪る。やがて遊星は、強烈に沸き上がるものを感じ取った。
「っ!アキ…もう…限界だ…ッ!」
「んぁ…わた、しも…もぉイッちゃ…あぁ!また、イッちゃうよぉ!」
「―アキ!!」
「遊せっ…あぁ!ふぁああぁっ!!」
最後に遊星はアキの腰を掴み、最奥まで突き入れた。一番奥深くまで突き崩され、アキの膣はキツく遊星のモノを締め上げた。
アキがイクのとほぼ同時に遊星は男根を引き抜き、絶頂感に耐え切れずアキのお腹に射精した。濃厚でドロリとした白濁液が、アキの体を汚していく。
「あ…っん…ゆう…せっ…」
「アキ…。…ん…?」
遊星が呼吸を整えながらアキの顔を覗き込むと、彼女の瞳は固く閉ざされていた。
「…気絶…させてしまったのか…」
その事実に、ズキリと胸が痛む。処女だったアキ。二回もイかせてしまった。しかも無理をさせてまで…。これでは疲労で意識を手放しても仕方ないことであろう。
「…アキ…」
白濁液に汚れた体を綺麗にしてやって、後始末を済ませた遊星は自分の服を着る。アキにも服を着せてやるべきか迷ったが、下着などを自分が穿かせるのはマズイ気がして、やめておいた。
代わりに風邪を引かないようにと、温かい毛布にアキの体を包み込む。
呼吸も落ち着き、スゥスゥと規則正しいリズムの寝息を立てて眠るアキの頭を撫で、そっと頬に口付けた。
「…おやすみ、アキ」
耳元でそう囁いて、遊星は部屋の照明を落として音を立てずに部屋を出た。室内にはアキの寝息だけが静かにこだましていた…
―――――――
「……ん」
アキが目覚めると、視界には見知らぬ天井が映った。寝ぼけた頭をフル稼働して、ここが遊星の部屋だったということを思い出した。では何故自分が遊星の部屋で眠っていたのか?
―ズキンッ!
「痛っ…!…あ!」
下半身の鈍痛。そしてその痛みで全てを思い出した。
「そうだ…私昨日、遊星と…!っ痛…」
やはり無理をしすぎたのであろう。少し体を動かすだけでも下半身が激痛を訴えてくる。アキは自分の下腹部を触ってみる。そういえば気を失う直前、遊星はお腹の上に射精していた気がする。だが…
「…綺麗になってる。服もたたんで…それにこんな毛布出てなかったわよね…。…遊星が…やってくれたのかな」
そう思うと、嬉しくて自然と微笑んでしまう。しかしそうなると疑問だ。遊星はどこにいるのか?そもそも今は何時なのか…。
時計をキョロキョロと捜していると、壁にアンティークな掛け時計があった。成る程、なんか遊星らしいと思ったアキであった。
「…へ?8時…40分?」
硬直するアキ。ゆっくりとカーテンをあけると、窓からは輝かしい日光が注がれてきた。
「――〜っ!!」
声にならない叫びをあげて驚愕したアキ。跳び上がるように体を起こして起床した。
「…もうっ!」
下半身の痛みなんて気にしていられない。服を急いで着込み、部屋を出る。内部の構造はよく知らなかったが、適当に捜し回っていると遊星はすぐに見つかった。
「…あぁ。おはよう、アキ」
いつものように遊星はD・ホイールの整備をしていた。作業の手を止め汗を拭い、アキを見遣る。体は大丈夫そうなので少し安心した。
「お、おはよう…じゃなくて!ごめんなさい、アカデミアが…!」
「…今日は日曜日だぞ。補習でもあるのか?」
「……あ。…じゃ、じゃあ電話貸して!家に…」
「ご両親には昨日の夜に連絡しておいたぞ。一人娘が帰ってこなかったら心配するだろうからな」
「え…あ、ありがとう…」
「ちなみにジャックとクロウはいないぞ。気になって連絡したが、ジャックはカーリーのところに、クロウはマーサ達に会いに行ってそのまま泊まったらしい」
「へ、へぇ…そうだったのね」
「そこに座っててくれ。軽く朝食でも作ろう。それともシャワーでも浴びてくるか?それならあがる時間に合わせて作るつもりだが…」
「あ、そのっ…。…はい」
聞きたかったことを片っ端から流れるように答えられてしまい、アキは思わず畏まった返事をしてしまう。主導権を握られて躍らされてるような気がして、アキは少しムッとむくれた。
それを知ってか知らずか遊星は苦笑し、台所へと向かう。その途中、すれ違いざまに見えたものにアキは驚愕した。
「(…!遊星の背中…!)」
タンクトップからほんの僅かに覗くえぐれたような深い傷痕。ハッと思い自分の指先を見ると、すっかり渇いていたがそこには遊星の血がこびりついていた。そうだ、あの傷は間違いなく自分がつけたものであった。
「……っ…」
「…ア…キ…?」
気がつけばアキは、遊星の背中に抱き着いていた。硬直する遊星。どうしたものかと思っていると、アキのほうから話し出してきた。
「……背中…痛い…?」
「背中…?…痛ッ、」
「痛かった…?ごめんなさい…やっぱり痛いのね…」
「…気にするな…思い切りやれと言ったのは俺なんだから」
「っでも…!」
申し訳なくて、アキは慈しむようにその傷に触れる。少しの痛みと、もどかしい感覚が耐え難くて、遊星はアキのほうに振り返り、抱き返した。
「アキ…何も気にするな。俺とお前の…約束なんだから」
「…約…束…?」
「『何度でも受け止めてやる。全部吐き出せ、お前の悲しみを』…そう言っただろう?」
「あっ…」
「だからいいんだ…アキ。お前の痛みも…悲しみも…怒りも…恐怖も…苦しみも。辛い時は何度でも俺が受け止めてやるから…」
「っ…遊星ぇ…!」
そうだ。思えば昨晩、自分の心は本当にボロボロだった。あの男に無理矢理押さえ付けられて、キスされて、強姦されかけた。怖かった…辛かった…悲しかった…。だけど、今は?
もうそんな負の感情は何も残ってはいなかった。遊星が抱きしめてくれたから。想いのこもったキスをしてくれたから。優しくて力強い腕で大切に扱ってくれたから…。
全ては遊星のおかげ…そう認識した途端に、アキは涙が出そうになった。
「…泣かないでくれ…アキ」
「ふッ…でもっ…!」
「泣いているよりも…笑顔のアキのほうが…俺は好きだよ」
「…っ…!…遊星…」
アキは遊星の背中に腕を回して、ぎゅっと抱き着いた。彼の胸の中に顔を埋めて、震えるようなか細い声で話し出す。
「…好きよ…遊星…大好き…」
「アキ…」
「どこにも行かないで…お願い…私っ…」
「…お前を置いてどこにも行かないよ」
「…遊星…っ」
「アキ…愛してる」
耳元で囁き、遊星はアキを力の限り抱きしめた。繋ぎ止めるように…閉じ込めるように。アキもそれを受け入れ、同じように遊星を抱き返した。
やがて二人は何も言わずにお互いに見つめ合い、そっと唇を重ねた。そんな二人を祝福するかのように、朝の陽射しがその姿を照らし出していた…
〜FIN〜
なんとなくアイデア的なものはあるんだ
英雄の知り合いの息子がアキさんを好きで今度パーティに呼ばれてるんだが、
まだアキを嫁にやるとかそんなことは考えられないので遊星に恋人のふりしてもらう
でもどうしてもアキさんがほしいバカ息子はチンピラ雇って遊星を襲わせる
その間にアキさんを手籠めにしようとするが間一髪でチンピラフルボッコにした遊星が助けに戻る
まだ恐怖で震えているアキさんを遊星が慰めてそのまま…とか
ただこんだけ書いてまともな文章にできる自信と体力がない
644 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2009/09/11(金) 01:22:18 ID:a1H18eJ/
偉大なる妄想を書き残してくれた>>49をリスペクトして遊アキ書いてみた。ただし以下の点に注意。
・>>49の要約を見ながら書いたせいか前半部分が異様に長い。
・遊星とアキは互いに意識し合っている。
・アキさんではなくアキちゃんです。乙女ですかなり。
・アキちゃん強姦されかけます。
・馬鹿息子名前無し。しかもただのレ○プ魔にしか見えない。
以上。細けぇことはBRガイル!
「…恋人のふり?」
突然の頼み事に、遊星は作業を進めていた手を休めた。
「ええ…遊星、お願いできないかしら…?」
「……」
アキの話はこうだ。
彼女の父親、十六夜英雄の知り合いの息子がアキを口説き落とそうと、アプローチをかけてきているらしい。しかし些か粘着質で、それに加えアキを嫁にやるなんてまだ考えたくもないということで困っているらしい。
それで思いついたのが遊星に恋人のふりをしてもらい、彼に諦めさせるという作戦だった。
「…成る程、な。話はわかった」
「…いい…の?」
「困っている人を見捨てるわけにはいかない。それに…」
「…?」
「……。いや、なんでもない。とにかく協力しよう」
「―!ありがとう、遊星!」
嬉しそうに微笑うアキを見て遊星は苦笑する。
恋人のふりをしてデートごっこ。それを意中の相手とするのは精神的にはかなり辛いところがある。
しかし遊星はアキの為を想い、彼女の力になるためだと割り切って恋人役を買ってでた。
それから二人は数日間、恋人同士のように振る舞った。端から見たら本物のカップルにしか見えないほど、その光景は絵になっていた。
アキ曰く、例の男は部下にアキの動向を探らせているらしい。だからそれを利用して見せびらかしてやろう、というプランだった。
「名案だな」と遊星は笑って言った。アキもクスクスと微笑って「そうね」と返した
ある日の夜
遊星との偽デートの帰り道、アキは人気のない夜道を一人歩いていた。
「……?」
しかし人の気配を感じ取り、そちらのほうを見る。そこには待ち構えるように壁に寄り掛かっていた細身の男がいた。
「こんばんは、アキ」
「…久しぶりね」
この男こそがアキ達を散々悩ませていた張本人だった。見覚えはあったのだが、アキは名前を思い出せなかった。
「酷いな、僕の名前忘れるなんて」
「あら…ごめんなさい」
「でもいいよ。これからは、なんでも僕の事を教えてあげるから。そして僕にも君の事を教えてもらう」
「お断りするわ。それに…知ってるでしょう?私には…」
「不動遊星」
「―!!」
「知っているよ。でも僕達の間には彼なんかいらない。そうだろう?アキ」
「…彼に…」
「ん?」
「彼に…何をしたの…!?」
「…なぁに、たいしたことじゃない。僕の『お友達』を彼に紹介しただけさ」
「ッ!!」
聞いたことがある。この男は自分の部下の他に質の悪いチンピラとツルんでいると。つまり今、遊星は…!
「そして!」
「―!…あっ!」
油断していた隙に男はアキに詰め寄り、手首を強く握りしめアキを壁に押し付けた。
「痛っ…」
「あんな汚らわしいサテライト育ちなんかと一緒にいちゃダメだよアキ。僕が『消毒』してあげよう」
「なにを…ッ!!?」
一瞬の出来事だった。
キス、された。いきなり。無理矢理。押さえつけられて。抵抗も許されぬうちに
ファーストキスを奪われた
「―っ!んんっ!」
アキは涙ぐみながら、必死に抵抗する。しかし細身とは言え成人男性に力ずくで押さえられては、身をよじるくらいしかできなかった。
「…!…チッ」
男は慌てて顔を離す。舌を入れようとしたところ、アキに噛み付かれたからだ。
「はぁ…はぁっ…」
アキは、この場で泣きわめきたかった。こんな男に。こんな最低な奴に、初めてのキスを奪われてしまったのだから。せめてもの抵抗と言わんばかりに、キッと睨みつけた。
「…これはお仕置きが必要だね」
男はギリッとアキの手首を強く握り、拘束を強めた。
そして痛がるアキを無視して、アキの胸元を乱暴に肌蹴させた
「っ!?いやぁ!」
身をよじり、必死に抵抗をするが拘束は緩まなかった。欲望を剥き出しにした男の視線は、まさにケモノそのものであった。もはや普通の目をしていない。『犯してやる』と叫んでいるかのような目をしていた。
アキは不快に思い、恐怖を感じ取り、絶望を味わった。怖くて、体に力が入らない。恐ろしくて、足がガクガクと震えて動かない。
男の視線に耐え切れず、アキは瞳を固く閉ざし、心の中で遊星に助けを求めていた。
「無駄だよ彼は来ない。4、5人どころの人数じゃないんだ、もう諦めるんだね」
「…っ遊星!!」
―その時、
「アキ!!!」
アキの呼び掛けに答えるかのように、遊星は現れアキの名を叫んだ。
「遊…星…っ」
震えながらそちらを向くと、あちこちに切り傷や打撲傷を受けながらも息を切らせてアキを助けにきた遊星が確かにそこにいた。
「…そ、そんな…馬鹿な、あれだけの人数を…!?それにどうしてここが…!」
動揺した男が慌ててそんなことを考えているうちに、遊星は右手に持っているD・ホイールのヘルメットを思いきり振り上げ、男目掛けて力の限り投げつけた。
「ぶばぁッ!」
ヘルメットは見事に男の顔面に直撃して、その衝撃で男は地面に倒れ込んだ。
「…貴様のお友達から全部聞き出した。それだけだ」
遊星は冷たく言い放って、慌ててアキの傍へと駆け寄った。涙ぐんで、衣服もあられもない姿となったアキが、縋るように遊星に抱きついた。
「…ゆっ…せぇ…」
「アキっ…!」
遊星は彼女を抱き留めて、自分のジャケットを羽織らせて無理矢理肌蹴させられたアキを包み込む
「っき、さま…不動…遊星ぇぇッ…!」
男はよろよろと立ち上がり、鼻血を押さえながらナイフを構えた
「………」
遊星は恐れることなく、それどころかズンズンと男に歩み寄り、距離を詰めていった
「貴様!近寄るな!サテライト育ちのクズがっ!アキにもだ!お前のような奴が…「黙れ」
遊星は途中で遮り、あろうことか男のナイフの刃を素手で握りしめた
「ヒッ…!?」
異様な行動にたじろぐ男の隙をつき、遊星は男の手首を手刀をかましてナイフを叩き落とす。そして遊星は、拳を振り上げギリギリと力を込める。ナイフを握った時からボタボタと滴る血で朱く染まった右拳を。
「…二度と…」
「ヒ…ァ、うあぁ…!」
「二度とアキに近づくな!!」
「ぶげぇっ!」
遊星の渾身の拳が男の顔面を殴り飛ばす。地面に倒れ伏した男はぴくぴくと痙攣して失神していた。
遊星は男のそのザマを数秒見据えて溜息をつき、ゆっくりとアキの傍まで戻ってきた。
「…アキ」
「……ゆ…せ、ぇ…」
「…もう大丈夫だ」
遊星はアキを抱き寄せ、包み込んだ。その温かい抱擁にアキはついに泣き崩れ、遊星に縋りついた。
「遊星っ…!遊星っ…遊…せぇ…ひっく…ッ」
弱々しく抱きついてくるアキを、遊星は何も言わずに力強く抱きしめた…。
遊星はアキを連れて自分達の家へ戻ってきた。ジャックもクロウもいなかったが、都合が良いと思い彼等のことは考えなかった。彼女を自分の部屋のベッドに座らせ、ナイフを握った右手に包帯を軽く巻いて、遊星も少し間を空けて隣に座った。
先程よりかはいくらか心も落ち着いたようだが、まだアキはガタガタと体を震えさせ両腕で自分の体を抱きしめていた。遊星は温かい飲み物でも淹れようと思い、立ち上がる。
「っ…待って…!」
「……アキ…?」
タンクトップの端を掴まれ遊星は硬直する。アキは瞳を潤ませながら必死に遊星を呼び止めていた。
アキの気持ちを察して遊星は彼女の隣に腰を下ろした。
「……遊星…わた、し…」
「……」
「こわ、かった…服も乱暴に、されて…キスも、無理矢理っ…」
「アキ…」
遊星はぽつぽつと辛そうに語りかけてくるアキを見かねて、彼女の肩をそっと抱き寄せた。
「遊星っ…?」
「アキ、俺を見ろ」
「えっ―――」
くいっ、と下顎を上げられたと思った瞬間…
遊星がそっと唇を重ねてきた。
「……っ…!」
すぐに離れたが、その感触は紛れも無くキスそのものであった。混乱するアキの頬を撫でて、遊星は静かに話し出した。
「アキ。想いのこもっていないキスなんてキスじゃない。相手の気持ちを無視して一方的に口付けるなんてキスなんかじゃないんだ」
「―!!」
「…アキの【ファースト】は今、俺が貰ったよ」
「…遊星っ!」
アキはその時、漸く自覚した。ああ、自分は遊星のことが好きなんだと。好きだから一緒にいたいんだ、愛しているから彼のことを分かりたいんだ…と。
恋人ごっこや偽デートの時に感じていた胸のもやもやの原因も今ならはっきりとわかる。辛かったからだ、かりそめの関係を持つことが。
そして好きだと自覚できた今、アキの胸中にある想いが渦巻いていた。
「(…遊星に、なら…私…)」
ぎゅ、と胸に添えた手に力を込める。そして勇気を出してアキは話し出した。
「遊星…」
「アキ…?」
「お願い…私を抱いて…?」
「―!!」
「嬉しかった…遊星のキス。私、やっとわかったの。私は遊星のことが好き…貴方になら、何をされてもいいの…」
「…アキ…」
「遊星…お願い。私の本当の処女(はじめて)を…貴方に捧げたいの…」
「…わかった。俺も…アキを抱きたい。あんな男に触れられたところ…全部俺で、塗り潰してやる」
「…クス。遊星もやっぱりケモノなのね。独占欲丸出しよ…?」
「そうさ…アキを俺だけのものにしたい。だが俺はアキの気持ちを無視したりしない。アキを大事にしたい。だから…」
遊星は珍しく緊張したように一呼吸置き、アキを真っ向から見つめて静かに話し出す。
「抱いていいか…アキ」
「……うん…」
二人はじっと見つめ合い、そっと口付けを交わした。キスの心地を感じるアキの肩を押し、遊星はアキを押し倒した。ベッドのスプリングがぎしりと悲鳴をあげたが、もはや二人には聞こえていなかった…
「…んっ…」
唇を離すと、アキはポーっとした表情を浮かべて遊星を見つめていた。遊星はふと思い立ったように押し倒したアキを見下ろして、彼女に問うた。
「アキ…深いほうの味も知っておくか?」
「…深い…ほう?…あ、…ん…」
その意味を理解する暇もなく、遊星は再びアキにキスをしてきた。嫌がることもなくアキはそれを受け止めたが…
「…んんっ!?…ふ…っぁ…!」
突如、遊星の舌が侵入してきた。そしてアキは漸く言葉の意味を理解した。深いほう…つまりディープキスだ。そういえばあの男も、舌を入れようとしてきていたなと思い出した。無我夢中で噛み付いてやったが。
「ん…ふぅ…、はぁ…!」
なんて、考える余裕はもう奪われていた。アキは初めてのディープキスに翻弄されていた。
歯列をなぞり、舌同士を絡ませ、唾液がくちゅくちゅと音を立てる。呼吸もままならないのに永遠に続いてほしいとすら思える甘美な接吻に、アキはすっかり虜となっていた。
「…ん…、んぅ…ッ!」
しかし上手く呼吸もできないため、アキは遊星の背中を弱々しく叩いた。直ぐさま遊星はキスをやめて顔を離す。
刹那、つぅ…と銀色の糸が遊星とアキを繋いだ。アキはドクドクという胸の躍動を抑えながら、自分の唇を指でなぞった。
「すまない…先に言えばよかったな。呼吸は落ち着いて、鼻から……?」
「……っ…」
「…すっかり虜になったみたいだな」
「…えぇ…ゾクゾクしすぎて…癖になっちゃいそう…」
うっとりとした恍惚の表情を浮かべ、アキは嬉しそうに微笑う。遊星も苦笑して、アキの頬を撫でる。
「いつでもしてやるさ…少しずつ慣れていけばいい」
「そうね…ありがとう、遊星」
はにかんでお礼を言うアキに遊星は「気にするな」と短く返して、軽く口付ける。
今度は触れるだけのフレンチキス。ディープとは違う、かわいらしくて愛おしいこのキスもまた、アキを幸せな気持ちでいっぱいにしていた。
「…アキ」
「?」
「そろそろ…いいか?」
「―!…うん…」
いよいよ愛の営みが始まるのかと思うと、込み上げてくるような嬉しさと、恐怖にも似た緊張感がアキの胸に渦巻いた。
「なるべく…優しくする」
緊張している様子のアキの頬をそっと撫でる。そして遊星は彼女の服を少しずつ脱がせていった。あの男とは違い、ゆっくりと丁寧に彼女の服を脱がせていく。それだけでも嬉しくて、アキは涙が出そうになった。
「…っ恥ずかしいわ…遊星…」
ブラとショーツだけの下着姿にされて、アキは恥ずかしすぎてどうにかして隠したいと思い、身を竦める。
「意外と…可愛い下着をつけているんだな」
「〜っ!」
アキが身につけていたのは、淡いベビーピンクの下着であった。上下揃ってまじまじと見られ、この時点でアキの心臓は羞恥心で破裂しそうだった。
フッ…と遊星は微笑い、アキの太腿やお腹を撫で回した。
「ひゃんっ!」
ゾワ…とした甘い痺れに、アキは反射的に喘ぎを漏らした。気をよくした遊星は、いよいよアキの豊満な胸へと手を這わせた。
「…ん、っあ…」
まずは控えめに胸を揉んでみる。触ってみて改めて思うが、やはりアキの胸は大きかった。なのにとても柔らかかった。張りのあるのに弾力も申し分ない。
「はっ…ふぁ…っ!やん…遊…せぇ…んっ…!」
マシュマロのようなアキの胸を愛撫するうちに、アキ自身も快感を感じて甘い吐息を漏らしていた。きゅっと瞳を閉じて、じわじわと迫り来る快感に耐えていたようだ。
「(……可愛い…)」
普段は強気でクールなアキ。そんな彼女が、今。自分の愛撫によって身悶えている。そう考えただけで遊星の中の「男」は高ぶりを感じずにはいられなかった。
遊星は快感に耐えているアキの隙をついて背中に手を回し、片手で器用にブラのホックを外してやった。
「きゃっ…!」
形のいい乳房が完全に露わになる。ブラによる拘束から解き放たれたその双丘は、先程よりも視覚的にそそられるものがあった。アキは思わず反射的に胸を両腕で隠そうとする。
「アキ…見せてくれ。なにも隠さずに、全部…」
「……遊…星っ…」
抵抗をやめたアキの腕をそっと払い、今度は直にその胸に触れる。触れただけなのにアキはビクッと反応し、喘いだ。
「…ひぁっ!」
「…?」
遊星は不審に思い愛撫を続ける。さっきよりも力を込めて、その豊満な乳房を揉みしだく。
「あっ…や…んんッ…!」
「…そうか。ここか」
ニヤリと不敵に笑い、遊星はアキの胸の乳首を親指で軽く弾いた。
「くふぅっ!」
思った通り、アキは快楽に打ち震えてシーツを握りしめた。
「乳首が弱いんだな…アキ」
遊星はシニカルな笑みを浮かべて、趣向を変える。胸を揉みしだく愛撫をやめて、弱点を責め続けることにした。右の乳首は引っ掻くように爪で弾き、左の乳首は舌で舐めた。
「ふぁあっ!やっ…あぁ!」
ビクビクと震え、快楽に耐えるアキ。自分の弱いところを知られ、そこばかりを弄られる。それはアキの中に秘められた被虐心を強く揺さぶり、マゾヒストな快楽を呼び起こした。
遊星も驚いていた。彼女の被虐的な感度に。そして嗜虐的な自分の衝動に。自分の愛撫に鳴かされるアキを見て遊星はその圧倒的な独占欲に震え上がりそうだった。
その「はずみ」かはわからないが、遊星は無意識のうちに舌で舐めるだけに留まらず、その胸の果実にカリッと歯を立てていた。
「―っ!はぁああっん!!」
予想外なまでの強い刺激にアキは軽く絶頂を迎えた。そしてその瞬間、遊星も冷静さを取り戻した。慌てて彼女の様子を伺うと、アキの目尻には涙がたまっていた。
「―っ!アキ…!」
遊星の胸中に後悔の念が押し寄せる。優しくすると言ったのに。大事にしたいと言ったのに。いつの間にか欲望に支配されて、彼女を傷つけてしまった。重苦しい自責の念が、遊星に纏わり付いた。
「…ゆぅ…せっ…」
「…すまない…アキ…っ。俺はっ…これじゃ…あの男がしたことと…」
「…そんな顔…しないで…?」
「なっ…?」
アキは遊星の後頭部に手を回し、引き寄せた。そして、ゆっくりと唇を重ね合わせた。初めての、自分からのキスだった。
「…遊星とあの人は…全然違う。遊星の手は優しくて…温かくて…嬉しくなるもの…。さっき言ったでしょ…?私…遊星になら…何をされてもいいの…」
「っ…アキ…」
「……そ…それ、に…」
「…?」
「…き…気持ち良かった…から…っ///」
「―!」
頬を朱く染めてそう言ったアキに、遊星は言いようもない気持ちの高ぶりを感じた。嗚呼、なんて愛しいんだろう。どうしてこんなにかわいらしいのだろう…。
そう思った瞬間に、気がつけば彼女の体を抱き起こして、抱きしめていた。
「っ…遊星…?」
「………」
「……んっ…」
何も言わずに、ただ抱きしめてくる遊星。アキも黙ってその心地良さに身を委ねることにした。
そのまま数秒が経ち、やがて遊星は再びアキを押し倒した。驚く様子も見せずに、アキは遊星を見上げた。
「……続き…して?遊星…」
「…あぁ」
仕切り直しという意味も込めて、二人はキスをした。ゆっくりと唇を離すと、遊星は愛撫を再開する。
胸に触れ、徐々にその手を下腹部へと這わせていく。脇腹や太腿を掠めた時にアキは反射的に軽く喘いだ。
そして遊星の手はいよいよ下着越しにアキの下腹部へと到達した。試しに遊星は下着の上から秘部に触れてみた。
「…っひぁあ!」
ヌチュ…という卑しい水音が微かに聞こえた。遊星はそのままショーツの中へと手を突っ込み、指を動かしてみる。
「ん…あぁ…っ!やぁ…ッ」
アキのそこはもう充分すぎるほど潤っていた。指を抜き去ると、指先にはてらてらと煌めく愛液が付着していた。
「びしょびしょだな…アキ。こんなに感じてくれていたのか」
「…っ!」
「…可愛い」
薔薇のような朱色に染まったアキの顔を見て遊星は微笑う。そして、ショーツの端を摘んでするりと脱がせてやった。
遂にアキは一糸纏わぬ、生まれたままの姿となった。
「…やっ…ダメ…そんなに見ないで…!」
「……アキ…綺麗だ」
「―〜っ!!」
遊星の賞賛はとても嬉しかったが、それだけでこの恥ずかしさは消えたりはしなかった。耐えられなくて、どうにか大事な部分を隠そうとする。
「ダメだ…隠さずに見せてくれと言ったろう…?」
「…っあ…」
抵抗虚しく、遊星に押さえ付けられてしまった。勿論痛くはないのだが、拘束力は強かった。
あの男のように力ずくで押さえなくてもこうして抵抗できなくなるあたり、やはり遊星は器用なのだろうと思い知らされた。
「…充分濡れてはいる。だがだからと言って、まだ挿入れるわけにはいかない」
「あっ…」
「少し…ほぐすぞ」
そう言って遊星はその細長い指を一本、アキの蜜壷へと沈めていく。
「んぅ…ッ」
初めて味わう異物感。自分の「そこ」に「誰かの何か」が入ってくるという初めての感覚に、アキは戸惑った。
「…辛いか?アキ…」
「…っ…うう、ん…」
首を横に振るアキだが、遊星にはその弱々しい仕草やナカのきつさからアキの状態を容易に察した。
入れていたのは人差し指。だから他の指はフリー、つまり空いていた。遊星は親指を動かし、アキのクリトリスにそっと触れた。
「…やっ!?はぁんっ!」
予想通りアキはビクンと悶えた。遊星はそのまま乳首にした時のように引っ掻くようにそこを刺激し続けた。勿論同時に、人差し指も激しく動かした。
「やぁ、あ!ダメ、それ…感じすぎちゃ…ふあっ!!」
ビクビクと震えてシーツを握りしめる。快感に必死で耐えるアキを見下ろして、遊星はゆっくりと指を引き抜いた。
「あぅっ…ゆう…せっ…」
「もうそろそろ…大丈夫だろう」
「―!」
遂に、この時が来た。遊星と文字通り、「繋がる」その時が。アキは嬉しさと恐怖が同時に沸き上がってくるのを感じた。
「………あ」
「…?」
突如、遊星の顔色が青ざめた。何事かと思いアキは身を起こす。
「…どうしたの?遊星」
「……どうしたものかな…」
「…?なにが…?」
「……………避妊具」
「……はっ…?」
予想の斜め上を行く返答にアキは脱力した。が、しかし行為のことを考えてみればそれは当然のことであった。アキにとってはたいして心配することではなかったが…
「遊星…いらないわ、そんなの…」
「………いや待て、落ち着けアキ。俺達にはまだ早「馬鹿!そんなの分かってるわよ!な、中出ししろなんて一言も言ってないじゃないっ!!」
「…っ?」
顔を真っ赤にしたアキに怒鳴られて、さすがの遊星もたじろいだ。アキは溜息をつきながら、静かに話し出した。
「…気持ちは嬉しいわ、遊星…。でも…私、ゴムなんて付けてほしくないの」
「え…?」
「私…生の感触が…ありのままの遊星が…欲しいの…。ゴムなんかに遊星がくれる体温も、快感も、幸せも…何も奪われたくないの…」
「アキ…」
「……私も…欲張りなのかな。でも…!」
「わかっている…それに相手をこの身で精一杯感じたいという気持ちはよくわかる。なにより俺は、アキにそれだけ想われて…嬉しい」
「…遊星っ…」
「だが…中に出さなくても、妊娠する可能性はいくらでもある。…それでいいのか?」
「…うん。その時のことは…その時考えましょ?」
はにかんでそう言ったアキに遊星はフッと笑って「そうだな…」とだけ返した。
今はそこまで考える必要なんてない。散々愛撫されて体はすっかり火照り、すぐにでも達してしまいそうなアキと、行為が始まってからずっと高ぶり続けて、今にもはち切れんばかりに存在を主張する遊星のソレ
二人はとっくに、限界寸前だったのだから。
遊星もいよいよ邪魔な服を脱ぎ捨てた。タンクトップを放り、カチャカチャとベルトを外す。通販のボクサーパンツごと一気にずり下ろすと、猛々しく高ぶった男根が解き放たれた。
「―っ!!」
それを見た瞬間、アキは今までにない程顔を真っ赤に染めた。初めて見た、男の人のモノ。口をぱくぱくさせながら、ジッとそれを観察するように凝視した。
「…あまり直視されるのも…なんというか困るんだが」
「あ、う…ごめんなさいっ…」
慌ててアキは顔を背ける。遊星は困ったように笑いながらアキを押し倒した。
「……あっ…」
アキはその時、無意識のうちに遊星の体を見つめていた。衣服を全て取り払ったからこそ改めてわかる。彼の男らしい肉体のことが。細いのに力強い腕。硬そうな胸板。無駄のない引き締まった筋肉。それら全てがアキを魅了していた。
「…アキ…?」
「……綺麗…」
「…は?」
「―っ!な、なんでもない…!」
「…?」
言えるわけがない。貴方の肉体美に見惚れていました、だなんて。ぶんぶんと首を振って気を取り直し、アキはゆっくりと遊星の背中に腕を回した。
「…それでいい、アキ。耐えられなかったら思い切り爪を立てるんだ」
「…でも、」
「俺はそれを受け止めることくらいしか出来ない。…だから遠慮しなくていい」
「…わかった…」
こくん、と力無く頷く。遊星は「いい子だ」と囁いて、頭を撫でる。そしていよいよ、アキの膣に自らの分身をあてがった。
「いくぞ…」
「んッ…」
ゆっくりと少しずつ沈めていく。指とは比べ物にならない質量に、早くもアキは屈してしまいそうだった。
「ん…っはぁあ…ッ」
「っアキ…力抜け…」
ギチギチと締め付けてくる膣内を押し進み、ついに最大の『壁』にぶつかった。それは遊星を拒むかのように立ち塞がった。
「…っ…」
「ゆう…せっ…?」
「アキ…深呼吸して、力を抜いてくれ…」
「え…」
「それと…『遠慮するなよ』」
「…どういう―――」
アキが聞き返すのを待たずに、遊星は一気に処女膜を突き破った。
「ひっ…ああぁあッ!!!」
つんざくような悲鳴をあげて、反射的に遊星の背中に思い切り爪を立てた。ガリガリと皮膚が裂ける鋭い痛みを感じて遊星は顔をしかめたが、アキの為を想い何も言わずにただその痛みを甘受した。
「ひっ…あ、んぅ…ッはあぁ…」
ハァハァと浅い呼吸を荒々しく繰り返すアキ。ほんの少し体を動かすだけで、下半身が激痛を訴える。
「すまない…アキ…」
「…ゆ…う…せぃ…っ」
「でも…よく耐えたな」
「えっ……あ…」
気を落ち着かせて結合部を見ると、遊星の男根は根元まで深く挿入っていた。そう、今アキと遊星は本当の意味で繋がることができたのだ。そのことを理解した途端に、アキの瞳から涙が零れ落ちた。
「っ遊星ぇ…!」
「アキ…痛かっただろう…本当にすまない…」
「違う…違うよ…辛いから泣いてるんじゃない…嬉しすぎて…涙が止まらないだけなの…ッ」
「…アキ…」
遊星はアキの目尻に溜まった涙をそっと指で拭い、キスをした。キスの甘い痺れはアキを夢中にさせて、次第に痛みも和らいでいった。舌を抜いて唇を離すと、アキは恍惚とした表情を浮かべて微笑んでいた。
「んっ…遊星…もう…動いて…?」
「…大丈夫なのか?辛いなら我慢しなくていい、もう少し待っても…」
「いいの。…私ばっかり…だったから…遊星にも…んっ…、気持ち良くなってほしい…から」
「アキ…」
そう言ってくれるのが堪らなく嬉しくて、そして同時に申し訳なく思う。だが辛いのはある意味遊星も同じ。遊星のモノは今にも欲を吐き出さんと、ただ快感に焦がれていた。
「…すまない。いくぞ…アキ…」
「…っんあ…きて…遊星っ…!」
意を決して遊星は動き出す。始めはゆっくりと、スローペースで浅い出し入れを繰り返した。次第にアキも熱い吐息を吐き、少しずつ快感の喘ぎを鳴き始めていった。
「あっ、あん!ひぁ…っ遊星ぇ…!」
アキの甲高い喘ぎを聞くうちに遊星も律動のペースを速めていき、やがてグチュグチュと卑猥な水音が聞こえてきて、その音が更にアキの官能を高めていった。
「ふぁ!ダメっ、ひぁあ!やっ…遊星ぇ…感じ、すぎちゃ…あぁんっ!!」
パンパンと激しくピストンを繰り返す。アキはギュッとシーツを握りしめ、与えられる快感を無心に受け止めた。
「んぁあっ!え…やっ!待っ…はぁん!そこぉ…ッ!」
「っ…ここ…か?」
ある一点を擦れた時、アキの体がビクンと反応した。遊星はそれを見逃さず、何度も突き入れその一点を見つけ出す。
「ああぁ!やぁ!ダメ!やだ…そこ突かれ、たら、私…っはぁ!あああぁ!」
「―っ…!」
アキの膣内がきつく締まり、本能的に遊星はモノを引き抜いた。直後、アキの体がビクビクと痙攣し、そして力無く横たわった。絶頂に達して、イッたようだった。
「…はぁっ…アキ…」
遊星も荒々しく呼吸をして、ゆっくりと腰を引いた。
「―!!ダメ、待ってっ!」
だがアキは、力の入らない体を精一杯動かして遊星を引き止めた。
「ア…キ、なにして…っ」
「ダメ…まだ終わり、じゃ…ない…でしょ…?」
「なっ…」
「遊星…まだ『出して』ない…から…」
そう言われた瞬間、遊星はドクンと心臓が跳ね上がるのを感じた。確かに射精するまでには至らなかった。だがここまで高ぶれば後は自分でどうにでもできる。だがアキは信じられないようなことを言い出した。
「…いいよ…遊星…私のナカ…もう一回来て…っ」
自分の蜜壷を指で開き、アキは遊星を誘ってきたのだ。
「っ…!」
「お願い…きて遊星…っ、中途半端で終わらせたくないのっ…遊星も一緒にイこ…?」
「…っアキ!!」
もはや余裕のない遊星は、衝動的にアキの膣内に自身をあてがった。そして思い切り挿入する。さっきとは『すべり』が段違いであった。
「んっ、あぁ!遊星っ!いっぱい…いっぱい気持ち良くなって!はぁんっ!あ、私の…中で…んんッ!」
「アキ…アキ…ッ!」
無我夢中に激しく腰を振る。容赦のないピストンであったが、それでいて冷静に確実に、さっきのアキが過敏に反応したポイントを突き崩していた。
「やぁあっ、はぁん!遊星、遊星ぇ!もっとぉ!ひぁぁあ!」
快楽に喘ぎながらも、アキは遊星の名を呼び背中に回した腕に力を入れてしがみついた。そのままひたすらお互いに快楽を貪る。やがて遊星は、強烈に沸き上がるものを感じ取った。
「っ!アキ…もう…限界だ…ッ!」
「んぁ…わた、しも…もぉイッちゃ…あぁ!また、イッちゃうよぉ!」
「―アキ!!」
「遊せっ…あぁ!ふぁああぁっ!!」
最後に遊星はアキの腰を掴み、最奥まで突き入れた。一番奥深くまで突き崩され、アキの膣はキツく遊星のモノを締め上げた。
アキがイクのとほぼ同時に遊星は男根を引き抜き、絶頂感に耐え切れずアキのお腹に射精した。濃厚でドロリとした白濁液が、アキの体を汚していく。
「あ…っん…ゆう…せっ…」
「アキ…。…ん…?」
遊星が呼吸を整えながらアキの顔を覗き込むと、彼女の瞳は固く閉ざされていた。
「…気絶…させてしまったのか…」
その事実に、ズキリと胸が痛む。処女だったアキ。二回もイかせてしまった。しかも無理をさせてまで…。これでは疲労で意識を手放しても仕方ないことであろう。
「…アキ…」
白濁液に汚れた体を綺麗にしてやって、後始末を済ませた遊星は自分の服を着る。アキにも服を着せてやるべきか迷ったが、下着などを自分が穿かせるのはマズイ気がして、やめておいた。
代わりに風邪を引かないようにと、温かい毛布にアキの体を包み込む。
呼吸も落ち着き、スゥスゥと規則正しいリズムの寝息を立てて眠るアキの頭を撫で、そっと頬に口付けた。
「…おやすみ、アキ」
耳元でそう囁いて、遊星は部屋の照明を落として音を立てずに部屋を出た。室内にはアキの寝息だけが静かにこだましていた…
―――――――
「……ん」
アキが目覚めると、視界には見知らぬ天井が映った。寝ぼけた頭をフル稼働して、ここが遊星の部屋だったということを思い出した。では何故自分が遊星の部屋で眠っていたのか?
―ズキンッ!
「痛っ…!…あ!」
下半身の鈍痛。そしてその痛みで全てを思い出した。
「そうだ…私昨日、遊星と…!っ痛…」
やはり無理をしすぎたのであろう。少し体を動かすだけでも下半身が激痛を訴えてくる。アキは自分の下腹部を触ってみる。そういえば気を失う直前、遊星はお腹の上に射精していた気がする。だが…
「…綺麗になってる。服もたたんで…それにこんな毛布出てなかったわよね…。…遊星が…やってくれたのかな」
そう思うと、嬉しくて自然と微笑んでしまう。しかしそうなると疑問だ。遊星はどこにいるのか?そもそも今は何時なのか…。
時計をキョロキョロと捜していると、壁にアンティークな掛け時計があった。成る程、なんか遊星らしいと思ったアキであった。
「…へ?8時…40分?」
硬直するアキ。ゆっくりとカーテンをあけると、窓からは輝かしい日光が注がれてきた。
「――〜っ!!」
声にならない叫びをあげて驚愕したアキ。跳び上がるように体を起こして起床した。
「…もうっ!」
下半身の痛みなんて気にしていられない。服を急いで着込み、部屋を出る。内部の構造はよく知らなかったが、適当に捜し回っていると遊星はすぐに見つかった。
「…あぁ。おはよう、アキ」
いつものように遊星はD・ホイールの整備をしていた。作業の手を止め汗を拭い、アキを見遣る。体は大丈夫そうなので少し安心した。
「お、おはよう…じゃなくて!ごめんなさい、アカデミアが…!」
「…今日は日曜日だぞ。補習でもあるのか?」
「……あ。…じゃ、じゃあ電話貸して!家に…」
「ご両親には昨日の夜に連絡しておいたぞ。一人娘が帰ってこなかったら心配するだろうからな」
「え…あ、ありがとう…」
「ちなみにジャックとクロウはいないぞ。気になって連絡したが、ジャックはカーリーのところに、クロウはマーサ達に会いに行ってそのまま泊まったらしい」
「へ、へぇ…そうだったのね」
「そこに座っててくれ。軽く朝食でも作ろう。それともシャワーでも浴びてくるか?それならあがる時間に合わせて作るつもりだが…」
「あ、そのっ…。…はい」
聞きたかったことを片っ端から流れるように答えられてしまい、アキは思わず畏まった返事をしてしまう。主導権を握られて躍らされてるような気がして、アキは少しムッとむくれた。
それを知ってか知らずか遊星は苦笑し、台所へと向かう。その途中、すれ違いざまに見えたものにアキは驚愕した。
「(…!遊星の背中…!)」
タンクトップからほんの僅かに覗くえぐれたような深い傷痕。ハッと思い自分の指先を見ると、すっかり渇いていたがそこには遊星の血がこびりついていた。そうだ、あの傷は間違いなく自分がつけたものであった。
「……っ…」
「…ア…キ…?」
気がつけばアキは、遊星の背中に抱き着いていた。硬直する遊星。どうしたものかと思っていると、アキのほうから話し出してきた。
「……背中…痛い…?」
「背中…?…痛ッ、」
「痛かった…?ごめんなさい…やっぱり痛いのね…」
「…気にするな…思い切りやれと言ったのは俺なんだから」
「っでも…!」
申し訳なくて、アキは慈しむようにその傷に触れる。少しの痛みと、もどかしい感覚が耐え難くて、遊星はアキのほうに振り返り、抱き返した。
「アキ…何も気にするな。俺とお前の…約束なんだから」
「…約…束…?」
「『何度でも受け止めてやる。全部吐き出せ、お前の悲しみを』…そう言っただろう?」
「あっ…」
「だからいいんだ…アキ。お前の痛みも…悲しみも…怒りも…恐怖も…苦しみも。辛い時は何度でも俺が受け止めてやるから…」
「っ…遊星ぇ…!」
そうだ。思えば昨晩、自分の心は本当にボロボロだった。あの男に無理矢理押さえ付けられて、キスされて、強姦されかけた。怖かった…辛かった…悲しかった…。だけど、今は?
もうそんな負の感情は何も残ってはいなかった。遊星が抱きしめてくれたから。想いのこもったキスをしてくれたから。優しくて力強い腕で大切に扱ってくれたから…。
全ては遊星のおかげ…そう認識した途端に、アキは涙が出そうになった。
「…泣かないでくれ…アキ」
「ふッ…でもっ…!」
「泣いているよりも…笑顔のアキのほうが…俺は好きだよ」
「…っ…!…遊星…」
アキは遊星の背中に腕を回して、ぎゅっと抱き着いた。彼の胸の中に顔を埋めて、震えるようなか細い声で話し出す。
「…好きよ…遊星…大好き…」
「アキ…」
「どこにも行かないで…お願い…私っ…」
「…お前を置いてどこにも行かないよ」
「…遊星…っ」
「アキ…愛してる」
耳元で囁き、遊星はアキを力の限り抱きしめた。繋ぎ止めるように…閉じ込めるように。アキもそれを受け入れ、同じように遊星を抱き返した。
やがて二人は何も言わずにお互いに見つめ合い、そっと唇を重ねた。そんな二人を祝福するかのように、朝の陽射しがその姿を照らし出していた…
〜FIN〜
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遊アキ好きです(●´ω`●)
アニメ見てましたけど……心通じあえて
良かったです(*´ω`*)