概要

第2次グルファ城の戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ696年10月、ロードレア国軍とロッド国軍の間に起きた戦いである。

戦闘に至るまでの背景


▲696年10月における勢力図

ロードレア四天王の一人ラディアは毒矢に倒れ、同じく四天王の一人アリガルは寝首をかかれた。
この2度の事件を裏で操っていたのがロッド国軍師ギザイアである。
696年10月28日、ついにロッド国を真正面から討つことを決めたレイディックは、各地の将に集結命令を下し、総兵力12万という大軍を動員させた。
総大将にレイディック、軍師にヴェリア、副軍師にアレス、先陣にバイアラスという磐石の陣営であった。
ラディアの敵討ちというこの戦いに、彼女の愛弟子だったバイアラスの戦意はこれまでになく高揚し、彼は自軍の旗に「翼」の絵柄を用い、その全てに「舞風の仇討ちを」と書かせた。
バイアラスは、レザベリアスの戦いの最中、ラディアに「お守り」と称されたリボンを渡された事があり、そのとき自分がラディアの運を吸ってしまったのではないかという迷信めいた負い目を感じていたという。

グルファ城アリガルから奪ったロッド国は、ここを国境最前線基地とするため、2万8千の軍勢を駐屯させていた。
しかし、ロードレア国の反撃が想像を上回る速度と兵力を擁していたことに加えて、アル国が第2次ラウラの戦い以降、停戦条約を破って侵攻を開始したこともあり、ギザイアは地の利のある後方で兵を集結させるべく、ミルナスを引き連れてグルファ城より撤退するが、その際、城をシーヴァスに任せた。
後継者争いに敗れたシーヴァスを捨て駒にしたのは誰の目にも明白だが、シーヴァス自身は、この戦いでロードレア国を撃退すれば逆に自分の地位を一気に向上させられると、野望に燃えていた。

両軍の戦力

攻撃側守備側

ロードレア国軍
軍勢
ロッド国軍
総兵力120000兵力総兵力28000
レイディック総指揮シーヴァス
ヴェリア軍師
主要参戦者

レイディック

ヴェリア

アレス

バイアラス

レイバード

シーヴァス





ザロ

グロライド

ルガッツ

ナッシュ
※実際は、かなりの兵をギザイアが引き連れて撤退した為、ロッド国軍の正確な兵数は不明。

戦闘経緯



グルファ城への攻撃は、先発隊のバイアラスアレスに委ねられた。
まずはバイアラスが真正面からグルファ城へ総攻撃を仕掛ける。
これは、アレスが別働隊を率いて城攻めの策を発動するまでの時間稼ぎではあったが、バイアラス部隊の士気は高く、策の発動までに城を落とす覚悟での攻撃であった。
アレスは、この城がロードレア国領土の時代から、「山を利用して東側を守っている要塞」であることを熟知していた。
だからこそ、断崖絶壁の天然の壁に守られたこの城は、東側の守りは常に手薄であった。
だが、突如としてグルファ城の背後が轟音を立てて崩壊する。
アレス部隊が、山頂から巨大な岩石を次々と落とし、これが勢いをつけて崖の上から城に落下してきたのだ。
一瞬にして城壁が崩壊するが、元々断崖絶壁に守られ、兵を侵入させることのできない東側を破壊されても、グルファ城そのものの崩壊には繋がらない。
にも関わらずこの手に打って出たということは、城攻めをする切り札となるべき策がもう一つある。
シーヴァスはそれを予期し、ロードレア国軍がその「第二の策」の準備に取り掛かっている間に先手を打つべく、城を捨てて全軍バイアラス部隊へと打って出た。
その出陣こそが、アレスの第二の策であった。
シーヴァスの智謀を決して侮ってはいないアレスは、シーヴァスならばそこまで考えて行動するだろうと予期し、バイアラス部隊に真の布陣を指示した。
城を力攻めしていたバイアラス部隊は、一旦後退すると素早く陣形を建て直し、城から出てきたシーヴァス部隊を包囲する形をとった。
シーヴァスは完全に包囲されるが、獅子奮迅の戦いぶりを見せて数十騎に討ち減らされながらもかろうじて陣を突破して生き延びた。
そして、シーヴァスは軍勢を立て直すと称して、ギザイアとは合流せず、一旦本国へと退いていく。

この時の彼の脳裏に浮かんだことは、逆転の秘策などではなく、ギザイアミルナスが、ロードレア国軍を相手に自分以上に無様に敗れる事で、自分の失態を帳消しにしてもらうという、歪んだ願望だけであった。

戦いの結末

グルファ城を奪還したロードレア国軍は、リヴァイルシアとの直接対決となるエスデリアの戦いへ駒を進めることとなる。



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