2003(平成15年)
異形の心的現象 統合失調症と文学の表現世界
吉本隆明全著作(単行本)
異形の心的現象 統合失調症と文学の表現世界
- 森山公夫との共著
- 2003.12.25 批評社 1,800+税
- 第1章 文学と統合失調症の心的世界
- 「精神分裂病」から「統合失調症」へ
- 『彼岸過迄』の中の「夢幻様」描写の意味
- 『三四郎』の中の「夢幻様」描写の意味
- 『彼岸過迄』『三四郎』『草枕』に描かれた漱石の「夢幻様」世界
- 第2章 「臨死体験」と原始仏教の世界──死に損なって・体験とその後
- 「夢幻様」世界に親和性をもつ漱石の作品
- 死に損なって―溺れた体験とその後
- 比喩として「怪しげなこと」へ
- ──中沢新一さんとの対話のなかで考えたこと
- 『心の考古学』への憧憬──ヘーゲルの歴史認識を超えて
- 「統合失調症」における「統合」の意味──臨床経験から
- 「心』」るいは「精神」内容二つの部分の相互関係
- ──『言語にとって美とは何か』と『胎児の世界』の共通性
- 『統合失調症──精神分裂症を解く』をめぐって
- 第3章 もうひとつの視線──四次元的幻視の心的世界
- 作家と「夢幻様」体験の親和性──漱石、ドストエフスキー、夢野久作
- 上からのもうひとつの視線の想像力──『銀河鉄道の夜』の描写
- 四次元的映像空間を四次元的視線で見る想像力
- ──麻原彰晃と芥川龍之介の視角
- もうひとつの視線と「狂気」の世界
- 「狂気」と「健常」の閾値──「生育の構造」をめぐって
- 浄土教にみる「狂気」の殊遇 親鸞の教えをめぐって1
- 親鸞の悟り夢告──「もの狂い」の排除の論理 親鸞の教えをめぐって2
- 第4章 「和解」と「諦念」、そして「内省」──新しい関係世界の脱=
- 構築
- 不安と葛藤の関係を超えて──固有の世界と折り合いを付ける
- 対立と孤立を超えて──「内省」のむずかしさ
- 1.大岡昇平さんの場合
- 2.小島信夫さん、鶴見俊輔さんの場合
- 3.安原顕さんの場合
- 4.出口裕弘さんの場合
- 5.娘──次女の場合
- 「ひきこもり」の心的風景
- ──『ひきこもれ──ひとりの時間をもつということ』をめぐって
- 補章 僕のメンタルヘルス
- 『心的現象論序説』における「心」と「精神」
- 「心の危機」と労働の変質
- 不健康の社会的典型
- 家族の不健康とは
- 社会関係の不健康──市民病という名の病気
- 親鸞の悟りと精神の病い
- 「狂気」と文学の可能性
- レーニン的唯物論の陥穿と仏教の世界
- 精神医療にいける霊性と呪術的世界
- 「原生的疎外」をめぐって
- 「精神分裂症」から「統合失調症」へ──実態の変革へむけて
- 解題(森山公夫)
- 敗戦後の六〇年
- 敗戦体験からの帰還
- 六〇年安保闘争前後
- 全共闘運動と吉本思想
- 八〇年代と吉本思想の展開
- 現代的課題
- 「もう一つの視線」
- 「精神とはなにか?」
吉本隆明全著作(単行本)
2006年12月19日(火) 01:03:26 Modified by shomon