レーニン組織論の罪
共産党の不破哲三は、テレビの画面ではなかなかの男前で、押し出しもよく婦女子に人気があるだろうなと感じた。いつもご立派で清潔政治をやっているような発言をしていたが、もちろん聞く人が聞けば嘘と矛盾がすぐ判る程度のものだった。田原総一朗などはあなたたちの発言はいつも正論なのだが、その正論が現実離れしているからいけないのだと言わんばかりだったが、わたしなどが不破の発言を聴いたり表情を視たりしていると、正論などはちっとも言っていない。赤松や山花にくらべると組織だった嘘をいっているだけで、人間的な魅力も本音も感じられなかった。もちろん政党としての集合的魅力も本音もない。この人たちを本音のいえない魅力のない人間にしてしまったのはレーニンの組織論の罪なような気がしてならなかった。
(「情況との対話第6回−総選挙の話」1993.9「サンサーラ」徳間書店に掲載)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
(「情況との対話第6回−総選挙の話」1993.9「サンサーラ」徳間書店に掲載)
- 日共などという超保守頑迷固陋政党に何か「正論」などというものがあるのだろうか。そんな風に感じる田原がどうかしているのだ。組織的な嘘を堂々と述べてしまって、なんらそれが正当なことだと思ってしまう。これが前衛論であり、レーニンが作り上げ陥ってしまった罪なのだろう。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月10日(日) 15:08:19 Modified by shomon