子離れができないような母親に限って
子離れができないような母親に限って、虐待に走るのではないか
子どもが可愛くてたまらず、なかなか子離れができないような母親に限って、虐待に走るのではないかとぼくは考えます。
なぜならば、男と子どもへの愛情を比べたときに、最初から男に対する愛情のほうがまさっていて、それが男にも伝わっているようならば、男は相手の連れ子だろうと何だろうと、憎たらしいとか邪魔だとか思ったりはしないんです。
女性が自分の子どもを虐待するのは、本心から憎いということではなくて、男との関係のバランスにおいてやることでしょう。つまり、子どもを邪魔に思っている男に気を遣い、その顔色をうかがって過剰に同調することから、男よりもさらに惨酷な行為にエスカレートしてしまったりするのです。
ですからもとを正せば、男が連れ子に敵対意識をもつくらい、女性が自分の子どもに愛情を注いでいるということです。
(「超恋愛論」2004.09.15大和書房)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
子どもが可愛くてたまらず、なかなか子離れができないような母親に限って、虐待に走るのではないかとぼくは考えます。
なぜならば、男と子どもへの愛情を比べたときに、最初から男に対する愛情のほうがまさっていて、それが男にも伝わっているようならば、男は相手の連れ子だろうと何だろうと、憎たらしいとか邪魔だとか思ったりはしないんです。
女性が自分の子どもを虐待するのは、本心から憎いということではなくて、男との関係のバランスにおいてやることでしょう。つまり、子どもを邪魔に思っている男に気を遣い、その顔色をうかがって過剰に同調することから、男よりもさらに惨酷な行為にエスカレートしてしまったりするのです。
ですからもとを正せば、男が連れ子に敵対意識をもつくらい、女性が自分の子どもに愛情を注いでいるということです。
(「超恋愛論」2004.09.15大和書房)
- この吉本さんのいわれる内容に、また私は頷いてしまいます。こうした報道があるたびに、「実の親なのに、なんといういうことをするんだろう」
- と思ってしまうわけですが、実はその実の親である母親は、その子が可愛くてたまらないのだろうが、それをいや男のほうをこそ愛しているのだと表現したいときに、ああしたことが起きてしまうのだと私にも思えるのです。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月10日(日) 18:55:45 Modified by shomon