失敗したマルクス主義
ではヒットラーのナチズムというかファッシズムというか、それはなんなんだと考みると、あれは失敗したマルクス主義じゃないかとぼくは思うんです。近頃になって戦争中確か全訳ではなく抄訳だったと思うんだけど、第一書房のヒットラーの『わが闘争』を読んだときにはまるでよくわかんなかったんだけれど、つい最近読んでみましてね、ヒットラーのさまざまな概念っていうのは、ロシアのマルクス主義から借りてきているような気がしましたね。とくに経済概念とか、社会環境についての概念なんていうのはね。
(「思想の進化と幻想」1981.3.30鮎川信夫との対談 一部「現代詩手帖」1981.7に掲載
「思想と幻想」1981.7.15思潮社に収録された)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
(「思想の進化と幻想」1981.3.30鮎川信夫との対談 一部「現代詩手帖」1981.7に掲載
「思想と幻想」1981.7.15思潮社に収録された)
- ファッシズムとスターリン主義は別な顔した双生児であると思ってきた。しかし、ヒットラーがロシアマルクス主義によく学んでいるというと、産んだ母親はマルクス主義なのか。逆に成功したマルクス主義というのはあるのだろうか。ないに決まっているのかな。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月10日(日) 13:56:20 Modified by shomon