忘却からの帰還〜Atomic Age

2023年秋学期からロシアで使われている11学年用のロシア史(1945〜21世紀)教科書には、「特別軍事作戦」以外にも、プーチンの見方が公式歴史として記されている。

そのひとつが、「フルシチョフによる、1957年のクリミアのウクライナへの編入」に対する強い非難である。


この「クリミアのウクライナ編入」についての言及は、それ以前のロシア史の教科書には見当たらない。2014年のクリミア併合後の、2016年はもとより、2020年に至るもまったく触れていない。

	История. История России. 1946 г. — начало XXI в. Базовый уровень: 11 класс - Часть 1
	ロシア史 1946年〜21世紀初頭 基本レベル 11学年 第1巻 (2020)
	История. История России. 1946 г. — начало XXI в. Базовый уровень: 11 класс - Часть 2
	ロシア史 1946年〜21世紀初頭 基本レベル 11学年 第2巻 (2020)
	Учебник по истории. Конец XIX — начало XXI века. Базовый уровень - 11 класс
	ロシア史 19世紀末〜21世紀初頭 基本レベル 11学年 (2016)

---

なお、2014年のクリミア併合についての記述は、2016年版にはないが、2020年版には登場している。

История. История России. 1946 г. — начало XXI в. Базовый уровень: 11 класс - Часть 2

ロシア史 1946年〜21世紀初頭 基本レベル 11学年 第2巻 (2020)

§ 31. 2012〜2019 年のロシア連邦

2. クリミアとロシアの再統一。2014 年初頭のウクライナの深刻な政治危機の最中、合法的に選出されたV. F. ヤヌコビッチ大統領が打倒された。キエフでは西側諸国の支援を受けて過激な民族主義者が権力を握りました。ロシア語を地域言語とみなす法律を廃止することが提案されたが、これは事実上ロシア語の使用を禁止することを意味する。これに対し、ロシア南部と東部のロシア語話者は自らの権利を守るために立ち上がった。

クリミアとセヴァストポリの住民投票では、クリミア住民の99.77%、セヴァストポリ住民の95.6%がクリミアとセヴァストポリのロシアへの再統一に投票した。2014年3月18日、クリミア共和国のロシア連邦への編入およびロシア連邦内の新主体の形成に関するロシア連邦とクリミア共和国間の条約が調印された。この日はクリミアとロシアの再統一の日として祝われる。2014年3月21日、ロシアのプーチン大統領はクリミアとセヴァストポリのロシア連邦への編入に関する法律に署名した。

クリミアとロシアの再統一は、その社会経済的生活の再生の始まりを示した。最初は、西側諸国の制裁とウクライナによるクリミアの封鎖により、既存の経済関係、輸送通信、電力供給が中断された。ロシア政府は、封鎖の影響を排除するだけでなく、クリミアとセヴァストポリの経済的および社会的発展を加速するための措置を講じた。この地域は、大幅な税制優遇措置と事業活動の登録に関する特別な条件を備えた25年間の自由経済地域と宣言された。固定資本への投資の流入が始まった。

独自の地域エネルギー供給および給水システムの建設により、ウクライナによる経済封鎖の影響を克服することができた。

最大のプロジェクトは、クリミアとロシアの他の地域を結ぶように設計されたクリミア橋の建設だった。ケルチ海峡に橋を架ける試みは20世紀に何度も行われたが、成功しなかった。2014年に、トゥズラ砂州に沿って橋を建設することが決定された。交通横断には70以上の選択肢が検討された。考古学および自然遺産の保護、安全、地元住民の利益を考慮したものが採用された。設立された公衆評議会は、橋の建設を提案した専門家、科学の代表者、公的機関の意見を聞いて議論した。2018年の夏、予定より大幅に早く、クリミア橋の自動車交通が開通した。連邦高速道路「タヴリダ」の建設が積極的に進められていた。短期間で、シンフェロポリに新しい空港ターミナルビルが建設された。これにより、半島とロシアの他の地域との間の信頼性の高い交通網を確保することが可能になった。

3. 外交政策。シリアにおける国際テロとの戦いへのロシアの参加。ウクライナでの出来事、クリミアのロシアへの再統合は、米国と欧州連合の激しい反応を引き起こし、わが国に対して数多くの経済的および政治的制裁を課した。欧州評議会の議会会議の活動へのロシアの参加は停止された。ロシアに対する圧力は前例のないものになった。冷戦中と同様に、西側諸国は再び、ロシアという人物を「自由世界」のすべての問題の罪人として敵のイメージを描き始めた。



クリミア共和国のロシア連邦への加盟に関する協定の調印式にて。 2014年3月18日。左から右へ：クリミア共和国首相S.V.アクショーノフ、クリミア共和国国家評議会議長V.A.コンスタンチノフ、V.V.プーチン、セヴァストポリ市長A.M.チャリー。撮影：S.グネエフ

質問とタスク

1. 2012年と2018年の大統領選挙で、有権者の大多数が V.V. プーチンに投票したのはなぜか？ 2. クリミアとセヴァストポリがロシアと再統合された理由は何か？ この出来事の重要性を説明せよ。3. 2012年から2018年までのロシアの外交政策について説明せよ。ロシアは世界的なテロとの戦いでどのような措置を講じたか？ 4. この期間のロシアの文化とスポーツ生活における最も重要な出来事を説明せよ。


情報源の利用

ロシア連邦大統領 V.V. プーチンの連邦議会への演説(2014年3月18日)を読み、質問に答えてタスクを完了せよ。We study the document

3月16日、クリミアで国民投票が実施された。これは、民主的な手続きと国際法規範に完全に準拠して実施された。投票には82%以上の有権者が参加した。96%以上がロシアとの統一に賛成票を投じた。この数字は極めて説得力がある。
なぜこの選択​​がなされたのかを理解するには、クリミアの歴史、ロシアがクリミアにとって、そしてクリミアがロシアにとって何を意味し、何を意味しているかを知るだけで十分だ。
クリミアでは、文字通りあらゆるものに共通の歴史と誇りが浸透している。ここには聖公子ウラジミールが洗礼を受けた古代ケルソネソスがある。彼の精神的な偉業、つまり正教への改宗は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの人々を結びつける共通の文化、価値、文明の基盤を決定づけた。クリミアには、1783年にクリミアをロシア国家の支配下に置いた勇気あるロシア兵の墓がある。クリミアは伝説の都市、偉大な運命の都市、要塞都市、そしてロシア黒海海軍発祥の地であるセヴァストポリである。クリミアはバラクラヴァとケルチ、マラーホフ・クルガン、サプン山である。これらの場所はどれも我々にとって神聖な場所であり、ロシア軍の栄光と前例のない勇気の象徴である。
クリミアは、さまざまな民族の文化と伝統が独自に融合した地である。そして、これがクリミアを大ロシアと非常によく似たものにしている。大ロシアでは、何世紀にもわたって、ひとつの民族も消滅したり、解散したりしていない。ロシア人とウクライナ人、クリミア・タタール人、その他の民族の代表がクリミアの地で隣り合って暮らし、働き、自分たちのアイデンティティ、伝統、言語、信仰を守ってきた。

1. クリミアがロシアと再統一された理由は何ですか？ 2. 大統領は演説でどのような歴史的出来事を思い起こしているか？ 演説で言及された地名には、どのような歴史的出来事が関連しているか？


論考

1. ロシア国民がクリミアとセヴァストポリのロシアとの再統一を一致して支持したのはなぜか？ 2. 2012年から2018年までのロシアの歴史で、自分にとって最も重要な出来事は何か？ 自分の見解を論じよ。3. 現代のロシアのアスリートの一人についてのレポートを作成せよ。

---

---