冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

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ロシア史(1945-21世紀)の教科書第1章「ソ連」の流れ


2023年9月から11年生(高校)は改訂された「ロシア史(1945-21世紀) (История России)(一部日本語訳)を学んでいる。この教科書は第2次世界大戦後のロシア史をソビエト連邦時代を第1章、ロシア連邦時代を第2章として、近現代史について記述し、おそらく現プーチン政権の公式的立場を記載していると思われる。

第1章は、第2次世界大戦後のスターリン時代と冷戦の始まり、フルシチョフとキューバ危機やベルリンの壁、灰色のブレジネフ、ハンガリー動乱とプラハの春、デタントから、ペレストロイカ、そしてソ連崩壊に至る。

直接的には「特別軍事作戦」につながらないが、おそらくプーチンによるソ連指導者たちへの評価(ブレジネフやKGB出身のアンドロポフをポジティブに、フルシチョフやゴルバチョフをネガティブに評価)が書かれているようである。また、クリミア問題の起源が§5にある。
1954年、N. フルシチョフの個人的な主導で、ソ連の法律の規範を遵守することなく、クリミアはロシア連邦社会主義共和国からウクライナ社会主義共和国に移譲された。クリミア住民の大半はロシア民族だったが、彼らの意見を聞く人は誰もいなかった。ソ連の共和国のいずれかとの領土的提携は、単一国家の枠組みの中では根本的に重要ではないと考えられていた。しかし、フルシチョフによるこの措置は、行政境界が国家境界になったソ連崩壊時に長期的な政治的影響を及ぼした。その結果、クリミアは長年ロシアから切り離されていた。歴史的正義が回復されたのは2014年になってからだった。
この記述は基本的には間違っていない。クリミアに限らず、グルジア(ジョージア)のアブハジアや南オセチアなど、15の連邦共和国のいずれに帰属されていた自治共和国〜民族自治区と呼ばれる第3階層の行政区分(第1がソ連、第2が15の連邦共和国)も同様。ソ連崩壊後の連邦共和国たちの独立とともに、分離独立・民族紛争問題に火種になっている。所詮はソ連の構成要素でしかなく、連邦共和国境界や自治区境界といったところで、行政境界にすぎなかったものが、ソ連崩壊で本物の国境になったことは、大なる問題。

また、東側・ソ連側から見た(あるいはロシア国民に信じ込ませたい)冷戦史という点でも面白いところ:

以下は第1章の流れ:




























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