ロシア右翼, ロシア史教科書
ロシア教科書: 世界史(1945-21世紀)の流れ
2023年9月から11年生(高校)は改訂された「ロシア史(1945-21世紀) （История России）（日本語訳）を学んでいる。この教科書と同時に改訂されたのが「世界史(1945-21世紀)（всеобщей истории）である。こちらも近現代史について記述し、おそらく現プーチン政権の公式的立場を記載していると思われる。
基本的には米国を主敵とする記述と、植民地解放と絡めた米国批判である。
以下は世界史の流れ:
ロシア教科書: 世界史(1945-21世紀)の流れ 
2023年9月から11年生(高校)は改訂された「ロシア史(1945-21世紀) （История России）（日本語訳）を学んでいる。この教科書と同時に改訂されたのが「世界史(1945-21世紀)（всеобщей истории）である。こちらも近現代史について記述し、おそらく現プーチン政権の公式的立場を記載していると思われる。
基本的には米国を主敵とする記述と、植民地解放と絡めた米国批判である。
以下は世界史の流れ:
- 1 冷戦の始まりと二極体制の形成
- 第二次世界大戦の終結後、西側と東側の2つの国家ブロックが形成された。この対立は「冷戦」と呼ばれた。その結果、ドイツは西ドイツと東ドイツという2つの国家に分裂し、2つの軍事政治ブロック (米国主導の NATO、後にソ連主導のワルシャワ条約機構) が形成された。
- 2-3 20世紀後半の米国と西ヨーロッパ諸国
- 1950年代から60年代にかけての西側諸国は、経済発展の加速、福祉社会の形成、社会保障の発展が特徴だった。同時に、社会運動の強化や社会の民主化に向けた闘争を引き起こす多くの問題が残っていた。最も顕著だったのは、1968年のフランスでの学生と労働者のデモと、米国での人種差別反対運動だった。
- 4 20世紀後半から21世紀初頭の米国と西ヨーロッパ諸国
- 20世紀後半の情報革命、エネルギー危機、環境危機は、脱工業化社会への移行に寄与した。その現れのひとつは、社会構造の変化、つまり「ホワイトカラー」の数の増加と役割の強化だった。新保守主義の影響を受けて、経済への国家介入は減少した。しかし、これは新たな経済危機を防ぐことはできず、その最大の危機は2008年に始まった。1992年の欧州連合の創設と継続的な拡大により、各国の国家主権が減少し、米国と密接に結びついたブリュッセルの官僚機構の役割が強化された。
- 5-6 20世紀後半から21世紀初頭の中央および東ヨーロッパ諸国
- 20世紀後半、東ヨーロッパ諸国は経済、社会、文化などで大きな成功を収めた。しかし、ハンガリー、チェコスロバキア、ポーランドなど一部の国では、当局の軽率な行動が国内の政治危機を引き起こした。ソ連のペレストロイカは、統治体制の交代とこれらの国の西側への再指向に貢献した。ユーゴスラビアでは、民族間の対立と西側諸国の介入に基づいて、20世紀末に激しい軍事行動が行われ、最終的に単一国家の崩壊につながった。
- 7 1940年代から1970年代の東アジアと東南アジアの国々
- 第二次世界大戦後、東アジアと東南アジアの植民地と従属国における民族解放運動が急激に激化した。ほぼあらゆる場所で、共産主義者と旧体制の支持者の間で闘争が起きた。最も暴力的で血なまぐさい衝突は、米国がこの闘争に介入した場所（朝鮮戦争、ベトナム戦争）で発生した。
- 8 アジア諸国:社会主義的発展の選択
- 中国共産党が蒋介石支持派に勝利し、1949年に中華人民共和国が宣言され、中国では社会主義の建設が始まった。当初、中国はソ連と緊密に協力していた。しかし、ソ連で反スターリン運動が始まると、両国の関係は急激に冷え込んだ。毛沢東は世界共産主義運動の主導的役割を主張し始め、中国の発展を急速に加速させる方向に進んだ。しかし、「大躍進」政策は失敗した。その後、毛沢東は「文化大革命」を開始し、権力を大幅に強化することができた。彼の死後、��小平が中国の指導者となり、彼の主導で大規模な経済改革が国内で開始された。
- 9 20世紀後半から21世紀初頭の東アジアの国々
- 1960年代、日本は最も高い経済成長率を示した。1970年代以降、発展のリーダーは「太平洋のドラゴン」である韓国、台湾、シンガポール、香港だった。21世紀初頭以来、中国は大きな成功を収め、工業生産の面で世界第1位を獲得した。
- 10 20世紀後半から21世紀初頭の南アジアと東南アジアの国々
- 南アジア諸国は、植民地支配からの解放後、さらなる発展に関わる数多くの問題を解決することを余儀なくさた。これらの国々の中には社会主義の建設を宣言した国もあれば、独裁的な親米政権を樹立した国もあった。これらの国のうち最大の国であるインドは、国家管理の下で市場経済を発展させた。21世紀初頭、この地域のほぼすべての国の開発は、かなり成功していた。
- 11 20世紀後半から21世紀初頭の近東と中東の国々
- 20世紀後半から21世紀初頭にかけての中東・近東諸国の発展には、独自の特徴があった。西側諸国への依存から解放された後、この地域の国々はそこに出現したイスラエル国家と戦い、冷戦の状況下で大国が対立に介入した。イスラム教の宗教運動間の不一致と対立は、すべての国の生活に大きな影響を与えた。
- 12 熱帯・南部アフリカ諸国。植民地支配からの解放と発展の道の選択
- 1950-1960年代に、植民地における民族解放運動の強化と大都市自体の変化の結果、アフリカ諸国は独立国家となった。発展の過程で、アフリカ諸国は多くの問題に直面した。国家間戦争や内戦、軍事クーデターがアフリカで頻繁に起こるようになった。民族間の衝突は、民族浄化を伴うこともあった。アフリカ大陸で最も発展した国である南アフリカでは、国民の大半が長年アパルトヘイト体制に反対して戦った。旧大都市と米国は、アフリカ諸国を支配しようとした。
- 13-14 20世紀後半から21世紀初頭のラテンアメリカの国
- 20世紀後半から21世紀初頭にかけて、ラテンアメリカ諸国は、米国への依存からの解放と密接に結びついたさらなる近代化という課題に直面し続けた。多くの国が、民主化、経済発展の加速、社会問題の解決を目指した改革を実施した。これらの問題を革命的な手段で解決しようとする試みも頻繁に行われた。しかし、そのような変革の時期には、国内の反動と外国資本、主に米国資本の利益のために行動する独裁政権が樹立される時期が続いた。
- 15-16 1940年代後半から1980年代後半の国際関係
- ソ連と米国という二大超大国の対立の形となった冷戦期の国際関係は、明確に二つの主要な段階に分けられる。最初の段階（1946〜1960年代）は、新たな世界大戦にエスカレートする恐れのある地域戦争と深刻な軍事・政治危機が特徴であった。第二段階（1960年代後半〜1980年代前半）には、軍備競争を制限し、ヨーロッパの国境を相互承認し、外交政策を実施する手段としての戦争を放棄する主要な協定が締結された。1980年代前半の国際情勢の短期的な悪化の後、ソ連と米国の関係を正常化するプロセスが始まった。兵器の種類全体を制限、削減、および廃止するための条約が締結された。国家間レベルでは、冷戦の終結が宣言された。しかし、ソ連と社会主義陣営の崩壊により、米国とその同盟国は軍事的・政治的影響力を強化し、地球上のほとんどの国々に自らの価値観を押し付けようとするようになった。2つの権力の中心（米国とソ連）を持つ「二極世界」は存在しなくなり、「一極」世界へと変わった。
- 17-18 1990年代から2023年の国際関係。西側諸国の世界支配の危機
- 20世紀末から 21世紀初頭の国際情勢を評価する際には、ヨーロッパの立場が明らかに変化し、地球規模の問題の解決における役割が縮小していることを念頭に置く必要がある。冷戦中も、ヨーロッパの指導者たちは国際情勢において自らの立場を示していた。しかし、ここ数十年、ヨーロッパ諸国は自国の利益への固執を明らかに弱め、米国の完全な影響下で行動している。その一方で、米国は同盟国だけでなく中立国の政策も統制しようとしている。米国は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの多くの国に対する影響力を強化しようとしている。さらに、米国指導者にとっての統一論点は、ロシアとの対立である。
- ユーラシア空間での出来事、BRICS、上海協力機構などの新しい統合協会の形成などは、地球上のほとんどの国が一極世界の考え方や実践に反対し、この方向でロシアと協力関係を築く用意があることを裏付けている。これらすべての要素は、21世紀初頭の新たな現実に基づいた公正な世界秩序と新たな国際政治体制を構築するための説得力のある動機となる。
- 19-20 20世紀後半から21世紀初頭の科学と文化
- 20世紀後半から21世紀初頭にかけての科学的成果と発見は、人類文明全体の発展と外観の変化の加速に貢献し、地球上のほとんどの住民の生活と日常生活に根本的な変化をもたらした。これらの変化は文化の発展にも影響を与えた。文化の発展は、一般的にグローバル化と国家のルーツの探求の両方のプロセスによって特徴付けられる。共通の美的嗜好、基準、ステレオタイプが競い合い、さまざまな国や民族の文化的伝統との接点を見つけた。これはダイナミックで実り多いプロセスだが、その結果は非常に矛盾している。
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