ロシア宇宙主義についてのノート・調べものメモ

ロシア宗教>ヘシカズム

ラドネジの聖セルギイの奇蹟 (1314-1392)


ラドネジの聖セルギイ ( Сергий Радонежский, Sergii Radonezhsky)は、1314年5月3日、ロシアのロストフに生まれ、1392年9月25日にモスクワ近郊のラドネジで死去したロシア正教の修道士で、精神的教義と社会プログラムにより彼は ロシアで最も尊敬される精神的指導者の一人。彼の三位一体修道院はロシアの中心地となり、宗教再生と国家アイデンティティの象徴となった。

セルギイの奇蹟

ラドネジのセルギイは、正教では多数の奇蹟を起こしたことになっている。「聖人伝・ラドネジの奇蹟者 聖セルギイの生涯」, 正教時報社, 1983-10, pp.10-15には以下のような奇蹟が挙げられている。(なお、絵画はLife and iconic sites of St. Sergius Radonezh (Google Art & Cultureによる。)

猛獣が来て、小屋の外で吠えることもありましたが、セルギイは恐れませんでした。ある日、セルギイは、小屋のそばに来た飢えた熊にパンくずを与えました。この日から度々熊がやって来るようになり、彼は時々自分の食事をとらずに飢えた熊を養いました。

[St. Sergius’s monastic feats. Meeting with a bear]
セルギイは一人の弟子を伴って、修道院近くの谷へ行きました。そこには雨水が集まってできた水たまりがありました。彼がひざまずいて熱心に祈りました。すると、泉が湧き出ました。この泉は、現在も湧きつづけています。
またセルギイは、病人をいやし、死者を甦らせましたが、常に自分の名誉を避けて神に感謝するよう勧めていました。

[Miracles in the life of St. Sergius. The healing of a boy]
ある時、セルギイが自分の日課に従って夜中に祈りを捧げいると、突然彼を呼ぶ声が響きわたりました。彼が十字を切って窓を開けると、天から不思議な光が射し、声が響きました。
「セルギイよ、神はおまえの祈りをお聴きになられた。見よ、この鳥のようにおまえの弟子の数は増えるであろう。」
セルギイが目を上げて天を見ると、地の四方から修道院に向って多くの美しい鳥が翔んで来ました。

[St. Sergius’s monastic feats. Vision with birds]
ある晩、セルギイが修道院のために生神女の庇護を求めて祈ったあと、しばらくの間休んでいると不思議な出来事が起こりました。
セルギイは、急に弟子のミヘイにむかって「目を覚ましなさい。今ここに来訪者があります」と言いました。すると「至聖なるお方がいらっしゃいました」という声が外からきこえてきました。
セルギイはあわてて外に飛び出しました。突然、地の四方が光に満ちあふれ至聖なる生神女マリヤが、西二使徒ペートル、イアオンを使って現われました。
生神女は、セルギイに向って「わたしが選んだ者よ。あなたの祈りは聴き入れられました。わたしは生きている間もあなたの死後も、この修道院と共にいるでしょう」と語ると、姿を見えなくなりました。
セルギイは、死者のように地上に倒れて気を失っているミヘイを起こしました。ミヘイは、「聖なる父よ。この奇蹟は、いったいに何のしるしですか。教えて下さい。わたしの霊は、死の時のようにわたしから離れ去ろうとしました」と言いました。しかし、セルギイは喜びのあまりしゃべることができませんでした。そしてしばらくたって彼は、「わが霊はこの奇蹟のために震えている」とようやくひと言だけしゃべりました。
セルギイは修道士イサアクとシモンの二人を呼び出してこの奇蹟について語り、共に生神女に感謝の祈りを捧げました。

[Miracles in the life of St. Sergius. The appearance of the Mother of God]
セルギイが息をひきとる時、あたりに甘い香りが満ちあふれ、その顔は喜びに満ちた光に包まれました。一三九二年、十月七日のことでした。
彼の死後三十年たって、その不朽体は大聖堂に安置されました。






コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます