ロシア宇宙主義概観
クリティカル
肯定的な美術系
クリティカル
- Michael Hagemeisterの「ツィオルコフスキーとソビエト宇宙飛行のオカルト起源」 (2022)
- ツィオルコフスキーの「宇宙哲学」は、進歩への信念だけでなく、異なる哲学的、超科学的、オカルト的な伝統のブリコラージュから構築されている。
- ツィオルコフスキーの研究と技術開発の動機は、救済と脱出の秘教的な教えであり、これがソビエトの宇宙計画とその基礎を形成した。
- ロシアでは今日でも魔法的・秘教的な科学と技術の理解が広く受け入れられており、「ロシア宇宙主義」と呼ばれるイデオロギーが存在する。
- Marlène Laruellenの見るロシア宇宙主義(2019)
- 科学の立場をとる宇宙主義者の代表例といえるツィオルコフスキーも、天使や精霊のような優れた「エーテル」の存在を信じるなど、スピリチュアルな面に根ざしていると指摘する
- Michel Eltchaninoffの見るロシア宇宙主義(2023)
- 科学と神秘(ロシア正教を含む)の融合体、ソ連時代の知的背景のひとつである「ロシア宇宙主義」の奇怪さを提示する
- ロシアの宇宙主義者たちノート: 神智学と人智学
- ソ連崩壊後のロシアのオカルトへのアプロ―チと宇宙主義(by Birgit Menzel)
- ソ連崩壊後のロシアのオカルトのリバイバルには、ポップ宗教・オカルトの政治的利用(宇宙主義を含む)・神智学や人智学関連の非政治的オカルト・オカルトの学術的分析がある。
- さまざまだが、ロシアの過去への執着は、国民のアイデンティティが精神的な正当化としての推進力、動機づけている力であることを裏付けている。
- ロシア宇宙主義の復活 by Ellen Pearlman(2019)
- ニューメディアアーティスト、批評家、キュレーター、ライターのEllen Pearlmanによれば、1970年代のタルコフスキー監督の『ソラリス』あたりから、ロシア宇宙主義者と総称される人々の主要人物であるフョードロフの考えが知られるようになった...
- Epstein (2021)によるロシア宇宙主義の概観
- 1970年代から80年代のロシアの哲学的議論において、宇宙主義は最も影響力のあるトレンドとして浮上した。宇宙主義は特定の運動だけでなく、ロシア哲学全体の包括的な性質と遺産を指すようになった。
- Mikhail Epsteinの宇宙主義者Svetlana Semenovaについての記事(2021)
- セミョーノヴァは、「魂の磁力によって、離れていても事実上それらの原子が一緒に保たれる」という立場を取り、これは「独自の自由意志を持つ魂の存在を前提としており、これはニッサのグレゴリオスが説明した教会の信念」と合致するが、「復活の主導権が死者の魂ではなく子孫の決定にあるというフョードロフのプロジェクトとは相容れない」という。
肯定的な美術系
- ロシア宇宙主義タイムライン
- 1792年〜2000年代初頭までのロシア宇宙主義と総称される人々についてリストアップ
- Boris Groysのロシア宇宙主義 (2018)
- 社会環境の影響とグローバリゼーション、宇宙の依存関係、太陽エネルギーの浪費と不安、バタイユの理論、チジェフスキーの太陽活動と政治の関連、ロシア宇宙主義とアヴァンギャルド、フョードロフの哲学と美術館の役割、生物宇宙主義者・不死主義者の宣言、生政治プロジェクトと科学技術、ツィオルコフスキーの宇宙的生政治思想、ボグダーノフの生政治プロジェクトについて、記載。
- Boris Groysのロシア宇宙主義 (2018)の参照補足
- Boris Groysとバタイユと太陽
- Groysの参照したヘーゲル「精神現象学」絶対知
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