ロシアの宇宙主義者たちノート
6.4 最初の弟子たち、ドストエフスキーとトルストイ
登場人物は以下の6人：
6.4 最初の弟子たち、ドストエフスキーとトルストイ 
登場人物は以下の6人：
- ニコライ・チェルヌイシェフスキー（Николай Гаврилович Чернышевский, Nikolay Chernyshevsky, 1828-1889）: 「ロシアの文学・社会批評家、ジャーナリスト、小説家、民主主義者、社会主義哲学者であり、しばしば空想的社会主義者であり、ロシアのニヒリズムとナロードニクの理論家として知られており」「『何を為すべきか（Николай Гаврилович Чернышевский. Что делать?, A vital question; or, What is to be done?）を執筆」
- ニコライ・ドブロリューボフ（Никола́й Алекса́ндрович Добролю́бов, Nikolay Dobrolyubov, 1836-1861）「ロシアの詩人、文芸評論家、ジャーナリスト、そしてロシア革命運動の著名な人物。 彼はカール・マルクスとレーニンの両方にとって文学的英雄であった」
- ディミトリー・ピーサレフ（Дмитрий Иванович Писарев, Dmitry Pisarev, 1840-1868）: 「ロシアの文学評論家および哲学者であり、ロシアのニヒリズムの中心人物で、ニーチェ哲学の先駆者として知られ]、その解放運動と自然科学の提唱がロシアの歴史に与えた影響で知られている」
- ニコライ・パブロヴィッチ・ペテルソン（Николай Павлович Петерсон, Nikolai Pavlovich Peterson, 1844-1919）: 「ヤースナヤ・ポリャーナの学校教師で、レフ・トルストイとフョードル・ドストエフスキーの知人であり、ニコライ・フョードロフの崇拝者であり出版者である」
- フョードル・ドストエフスキー (1821-1881)
- レフ・トルストイ (1828-1910)
- 背景
- 1860年代初頭、若いロシアの知識人たちの間で人気のある本は、ニコライ・チェルヌイシェフスキーの小説「何をすべきか？」だった。
- チェルニシェフスキー、ニコライ・ドブロリューボフ、デミトリ・ピサレフの著作は、1860年代の学生世代に重大な影響を与えた。
- 多くの若いロシアの学生は、ロシアを社会主義的で唯物論的なユートピア社会に急進的に変革することを議論し、計画した。
- これらの学生の一部は、アイデアと文章をやりとりし、将来の行動を計画するための秘密のグループを結成した。
- ニコライ・パブロヴィッチ・ペテルソンとの遭遇
- 1864年に、「組織」として知られるようになるモスクワ拠点のグループのメンバーであるニコライ・パブロヴィッチ・ペトロソンは、革命プロパガンダを広めるためにボゴロツクに行き、そこでフョードロフと出会った。
- ペテルソンとフョードロフの関係が、アレクサンドル2世皇帝への暗殺未遂事件と関連してフョードロフの逮捕につながったが、最終的に彼は釈放され、共謀者たちはさまざまな刑罰を受けた。
- フョードロフは1864年までに彼のプロジェクトの主要な輪郭を明確にしていた。
- ペテルソンは記述者としてフョードロフに加わり、フョードロフの口述筆記を始めた。
- フョードロフのアイデアは、フョードロフとペテルソンが休暇中や夏の間に出会った期間に主に執筆された。
- ペテルソンからドストエフスキーへつながる
- ペテルソンがフョードロフのアイデアをドストエフスキーやトルストイに最初に紹介した。
- 1876年には、ドストエフスキーはペテルソンから原稿を受け取った。
- フョードロフの知らない間に、ペテルソンはおそらくフョードロフからインスパイアされたアイデアを含む原稿をドストエフスキーに送った。
- ドストエフスキーは、1876年3月号の『作家の日記』でその原稿から抜粋を公開したが、アイデアを「孤立したもの」とし、彼らが批判した社会の問題を代表するものとみなした。
- 1年後、ドストエフスキーはペテルソンから別の原稿を受け取り、そのアイデアに大きな関心を示し、それに同意した。
- ドストエフスキーは、フョードロフの作品における中心的なコンセプトである先祖の復活の性質について疑問を呈し、それが精神的または寓話的に理解されるべきか、あるいは文字通りに受け取られるべきかを考えた。
- ドストエフスキーはこの復活がどのように実現するのか、それが実際で死者が肉体的に復活するのかについて具体的な問いを提起した。
- ドストエフスキーやウラジーミル・ソロヴィオフが、秘教的で神秘的な復活を秘儀の信者だけに提供するものと考えたのに対して、フョードロフは普遍的で文字通りの復活を信じていた。
- フョードロフとペテルソンによって準備された原稿は、ドストエフスキーの問いへの回答であり、フョードロフの著作集の最初の巻に掲載された。
- フョードロフのアイデアは、ドストエフスキーの小説「カラマーゾフの兄弟」に影響を与え、特に父殺しのテーマに影響を与えた。
- トルストイ
- フョードロフのアイデアを紹介する原稿は、レオ・トルストイの注意を引き、トルストイは普遍的な復活の概念に対して複雑な反応を示した。
- トルストイとフョードロフは1880年代から初めての1890年代にかけて何度も会い、トルストイはフョードロフの道徳的な原則に大いに敬意を払った。
- トルストイは、自身の原則に合致する人物を探しており、その中でフョードロフが最良の例であると考えた。
- トルストイのフョードロフに対する敬意は相互のものではなく、フョードロフはトルストイの意見に公然と異議を唱えた。
- フョードロフの理論は、普遍的な復活(universal resurrection)と身近なものを愛するアイデアに焦点を当て、トルストイの信念と著作とは対照的だった。
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