ロシア宇宙主義についてのノート・調べものメモ

ロシアの宇宙主義者たちノート

7.1 共同事業のエソテリック次元


  • 宇宙主義思想家の中で、フョードロフはエソテリシズムに関連するあらゆるものを最も率直に否定したが、他の宇宙主義者と同様に、その教えはエソテリックな教えが根底にある。
  • フョードロフはエソテリックな知識を頻繁に無視しているにもかかわらず、フェーヴルの6つの特徴はすべてフョードロフの思想の中に見出すことができる。
  • そのアントワーヌ・フェーヴル: "エゾテリシズム思想" (1995)によるエゾテリシズムに共通しているもの:
    • コレスポンダンス(照応) (correspondences)
    • 生きている自然 (living nature)
    • 想像力と媒体 (imagination and mediations)
    • 変成の体験 (experience of transmutation)
    • 和協 (the praxis of the concordance)
    • 伝授 (transmission)

  • コレスポンダンス(照応) (correspondences)
    • Rodstvo(ロドストヴォ):kinship (関係, 親族), relatedness (関連性)は、人を人生、両親、親戚、祖国と結びつけるものであり、選ばれなかった、消すことのできない永続的な関係のほとんどの基礎となるもの
    • "Nerodstvo" (unkinship) 「ネロドストヴォ」(アンキンシップ)とは人類と世界の現状であり、ロッドストヴォの修復は共通の課題の中心である
    • フョードロフにとって、遠い国々とその住民、遠い惑星、さらには遠い銀河さえも、私たちにとって異質な存在ではなく、「ネイティブ」のロドニエ
    • これはフェーヴルの「照応」の機能を果たす
    • 利己主義(個人主義、独我論)と利他主義の統合は、「私たち」と「すべて」という2つの言葉の結合によって表現できる

  • 生きている自然 (living nature)
    • フョードロフによれば「残響と震え(振動)は...粒子が属する死者との親族関係によって結びついている、生物の粒子の震えの反応エコーを発見する。」 [5] これはフェーヴルが「生きている自然との共振性」と呼ぶもの
    • フョードロフは自然を「私たちの一時的な敵だが永遠の友人」と呼ぶ[6]
    • 人間は理性によって、盲目的な自然を規制することを意図しており、アダムの時代から現在に至るまで失敗してきた。
    • しかし、すべては理解され、最終的には人類によって導かれる。
[5] ニコライ・フョードロフ: "共同事業の哲学",2:273
[6] ニコライ・フョードロフ: "共同事業の哲学",2:239-40

  • 想像力と媒体 (imagination and mediations)
    • フョードロフの見解「真の知識は主観的でも客観的でもなく投影的」はフェーヴルの「想像力と媒体」と呼ぶもの
    • 人間の相互作用だけでなく、物理的、化学的相互作用も含む宇宙は、その存在が「主体」としての我々の存在に依存したり独立したりする「物体」ではなく、我々が創造する「プロジェクト」
    • 「投影主義」は、フョードロフによる理想主義と唯物論の間の架け橋であり、その代替物
    • フョードロフやその後のロシアの宗教宇宙主義者にとって、聖イコンは投影モデルとしての役割を果たす
    • フョードロフは、大聖堂での典礼を、「大聖堂の外での典礼」の完了のための不完全な最初の祝福として提示[9]
[9] ニコライ・フョードロフ: "共同事業の哲学",2:44

  • 変成の体験 (experience of transmutation)
    • フョードロフの「共同事業」の目標は、人類と宇宙の両方の変革であり、これはフェーヴルの「変成の体験」に相当する
    • フョードロフの変容は、内なるものと外なるもの、精神的なものと物理的なもの、小宇宙的なものと大宇宙的なもの
    • この変容をもたらす「グノーシス」とは、受動的ではなく能動的な、理論的ではなく実践的、瞑想的ではなく奇跡論的、個人的ではなく共同体的な知識
    • フョードロフの教えは「すべての宗教は本質的に一つの宗教から派生したもの」で、その一つとは「亡くなった祖先への崇拝」

  • 和協 (the praxis of the concordance)
    • 人類のすべての宗教は、かつては一つであったが、今では異質でしばしば敵対的な派閥に分かれていたが、フョードロフ版のフェーヴルの「コンコルダンス(和協)を実践すること」において再び一つとなるだろう。

  • 伝授 (transmission)
    • 意図的ではないが、古典的なエソテリック形式で、最初の伝授は口伝
    • フョードロフの文体は非常に表現力豊かだが、難解で反復的で非体系的[16]で、読めたのはルゲイ・ブルガーコフ、 ニコライ・ベルジャーエフなど数人
    • 彼らの詳細レビューと議論文化により、銀の時代 [「金の時代」と「アバンギャルド」の中間の19世紀末]の詩人・芸術家・作曲家・作家(ドストエフスキー、トルストイ、ソロヴィヨフなど)などに、フョードロフの概念は知られた
    • 少数のフョードロフの教えの熟達者・伝授者が、知的エリートに広め、知的エリートたちがさらに広めた

[16] S. N. Bulgakov, "Zagadochnyi myslitel' (N. F. Fedorov)," in Gacheva and Semenova, Fedorov: Pro et contra 1:392.





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