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wikipedia:白頭巾の伝説

wikipedia:The Legend of the White Cowl(白頭巾の伝説)


白頭巾の伝説(The Legend of the White Cowl, Повесть о белом клобуке)は、1510年にプスコフの修道士フィロフェイ(Philotheus of Pskov)が最初に記録したロシア正教の物語である。これは、非常に危険なローマからコンスタンティノープルを経てモスクワに至る、非常に重要な宗教遺物について語っており、この当時、多くのロシア人は世界で最も優れたキリスト教会がモスクワに移されたと信じていた。
歴史的背景

16世紀初頭、ロシア正教会は、コンスタンティノープル総主教庁および、滅亡してまもないビザンツ帝国からの独立を主張する過程にあった。「白頭巾の伝説」は、ビザンツ帝国のこの世俗的および宗教的権威の継承者としてのロシアの地位の歴史的・宗教的必然性を主張している。 コンスタンティノープル総主教庁は最終的に1589年にロシア正教会の独立を承認した。

「白頭巾の伝説」は、当時のロシアにおける第三ローマ思想にも当てはまる。コンスタンティノープルが第二のローマであったように、ロシアも台頭して第三のローマとなった。その解釈では、白頭巾は徒競走のバトンのように機能し、ある都市から次の都市に渡され、卓越した地位を維持する。

1667年、この物語はモスクワ大会議で「虚偽で間違っている」と非難され、ドミトリー・トルマック( Dmitry Tolmach)によって組み立てられたものであると非難された(専門家によっては、この名前をDmitry TrakhaniotあるいはDmitry Gerasimovのどちらかとして理解しており、両者ともこのニックネームが付けられている)[1][2][3][4]。 歴史家たちは、この非難はモスクワ評議会とノヴゴロドの衝突が動機となった可能性があると考えている[4]。この非難のため、この物語は古儀式派の間で人気となった[3]。
伝説

14世紀半ば、コンスタンティノープルの総主教は、伝説的なキリスト教の美徳と敬虔さを備えたフィロテオスだった。ある夜、彼は輝かしい若者の幻視を見た。その青年は、コンスタンティヌス帝が教会の栄光のために教皇シルウェステル1世に白頭巾を贈ったと告げた。 しばらくの間、それは西方ローマカトリック教皇の所有物だったが、最終的に彼らはこの白頭巾をフィロテオスに送った。若者はフィロテオスに、腐敗した西方教会が返還を要求する前に、贈り物を受け取り、すぐにロシアのノヴゴロドに送るべきだと語った。

確かに教皇は白頭巾の返還を要求したが、コンスタンティノープル総主教は賢明にもこれを拒否した。当初、総主教は聖遺物を自分の都市に保管することを望んでいたが、輝く若者が再び彼の前に現れ、トルコ人の手による帝国の差し迫った破滅について告げた。総主教はこの警告に知恵を見出し、すぐに白頭巾をノヴゴロドに送り、無事に到着した。それはヴァシーリー・カリカ大司教 (1330–1352) に贈られた。 白頭巾はノヴゴロド大司教に特有の特別なシンボルとなった。実際、1564年の教会評議会は、大司教が白頭巾を着用し、通信文に赤い蝋印を使用する権利を確認した(後者の特権は以前は大公と総主教に与えられていた)。

今日、総主教と府主教たちは白頭巾をかぶっている。ノヴゴロド大司教は他の司教と同じように黒頭巾をかぶっている。
Notes

前回1204年の第4回十字軍によるコンスタンティノープルの略奪以来、ビザンツ帝国は十字軍に耐えられないという考えが大きく指示されてきた。したがって、そのような遺物を隠すことは、ロシア正教の読者には非常に合理的であるとみなされるだろう。 同様に、1453年にビザンチン帝国がオスマン帝国に滅ぼされたとき、1510年のロシア正教の読者は、そのような遺物を保護する緊急性を認識しただろう。
References
  1. Solntsev, Fedor (2007). Drevnosti Rossiĭskogo gosudarstva. Moskva: Belyĭ gorod. ISBN 978-5-7793-1250-9. OCLC 232995137.
  2. "Тайны русской веры. От язычества к империи. Повесть о новгородском белом клобуке Повесть о белом клобуке". arbat-samotsvety.ru. Retrieved 2021-06-28.
  3. Franklin, Simon (2000). "Review of The Legend of the Novgorodian White Cowl (The Study of Its "Prologue" and "Epilogue")". The Slavonic and East European Review. 78 (4): 773–775. ISSN 0037-6795. JSTOR 4213137.
  4. SWOBODA, MARINA (1998). "The Place of Novgorod in Ivan Timofeyev's "Vremennik"". Russian History. 25 (4): 409–428. doi:10.1163/187633198X00194. ISSN 0094-288X. JSTOR 24659105.
  • Ernest Lee Tuveson, Redeemer Nation: The Idea of America's Millennial Role. (1980 ed.)
  • Georges Florovsky, The Ways of Russian Theology. (1937, English Translation 1979)
  • Miroslav Labunka, The Legend of the Novgorodian White Cowl. (Munich, Germany, 1998) In English.

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