2023/5/29に追加された、八神マキノのソロ曲『ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-』。
桐生つかさのストーリーコミュ出演はこれが初。また、マキノとはユニット【ルビーカウンテス】を組んでいる。
(コミュLIVE『ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-』)
桐生つかさのストーリーコミュ出演はこれが初。また、マキノとはユニット【ルビーカウンテス】を組んでいる。
マキノ | ……記録開始。 コード『XXX』、対象者……『八神マキノ』。 および、記録終了までに関わりをもつアイドルたち。 |
マキノ | データは……まだ十分とは言えないわね。 本番までに可能な限り蓄積していかないと。 |
マキノ | まずはファンからの希望を精査。 その上で、共演者ともっともシナジーが高まる方向へ、 演出を誘導していく必要がある。 |
マキノ | まぁ、ファンの意見については もう収集メソッドを確立しているし、それほど大変では…… ん? |
つかさ | おう、マキノ。 今度のLIVE一緒なんだって? |
李衣菜 | 今日は事務所にいるっていうから、挨拶しにきたよ! それがビジネスのキホン……なんだよね、つかささん! |
つかさ | そ。結局のところ、ビジネスは人間がやるもんだから。 挨拶できないやつは仕事できないってな。 ……って、どうした? 眉間に皺寄ってるぞ。 |
李衣菜 | タブレットで何か見てるの? ……これ、ファンのSNS? |
マキノ | ……ええ。正確には私固有のファンというよりは、 アイドル全般を追っている層だけど。 |
SNSのファン | 「マキノ、今度ソロ曲をLIVEで歌うんだ。 ま、どんなことするか大体予想つくし、 現地無理してチケットとらなくてもいいや。」 |
つかさ | ハハッ、いるいる! こういうやつ! |
李衣菜 | い、いるんだ……!? |
つかさ | そりゃ、肯定的なファンもいれば、斜に構えてるのもいるさ。 業界事業を知ったような、したり顔のやつもな。 でも、こんなことをSNSで書くやつほど……。 |
マキノ | ……ごめんなさい。プロデューサーのところへ行くわ。 挨拶はまた今度、落ち着いたときにさせて。 |
つかさ | ……ああ。邪魔して悪かった。 また。 |
李衣菜 | ……マキノさん、なんか凹んでた? |
つかさ | どうだかな。 見たところ、そんなヤワじゃないと思うけど。 ま、ずっと落ち込んでるようなら、慰めてやろうぜ。 |
マキノ | プロデューサー。 私に足りないところを、今すぐ列挙してほしい。 |
P | どうしたの? なにかあった? |
マキノ | 「マキノのLIVEは予想がつくから無理にいかなくていい」…… そう言っているファンがいたの。 |
マキノ | 私は私に求められているものを、最大限叶えるために データを集積し、解析して、完璧に仕上げている自負がある。 今度のLIVEに向けても、同様よ。 |
マキノ | 予想がつく……それはいいわ。 求められた要求に応えているということだから。 けれど、いかなくていい、という意見には納得できない。 |
マキノ | 要求に応えているのだから、見にいきたいと考えるのが当然。 こういう意見があがるということは、 自身では気づかない穴が存在していると仮定したわ。 |
P | 自分も、マキノが精一杯やっているのは知っているよ。 ただ、そのファンの需要とマキノの供給が 微妙に食い違っている……そういうことではないのかな? |
マキノ | 需要と供給の違い……それは仮説のひとつに過ぎないわ。 それも、もっとも安易で、もっとも生産性のない、ね。 問題はもっと多角的に分析するべきよ。 |
マキノ | いいわ。貴方も気づいていないのならば、 自分で見つけ出してみせましょう。 サポートだけ、任せたわよ。 |
P | ……そうだね。 納得いくまで、探してみようか。 |
(CASEα 『観察対象:多田李衣菜』) | |
李衣菜 | 今日はよろしく、マキノさん! ……その、この間の、平気だった? |
マキノ | ええ、問題ないわ。 それより、改めて挨拶を。 よろしく。今日のイベントも、今度のLIVEも。 |
李衣菜 | うん! どっちも盛り上げようね! |
マキノ | ……貴方も、準備はいい? |
P | 李衣菜のことを、記録するんだよね? |
マキノ | そうよ。 タイプが違うアイドルを観察することで 私との差異が得られるはず……有益な時間にしましょう。 |
(LIVE会場) | |
ファンの男性 | LIVE楽しみにしてます! |
マキノ | ……ありがとう。 貴方を必ず、満足させると約束するわ。 |
ファンの少女 | ねぇリーナちゃん、あれやってあれ! いつものやつ! エアギター! |
李衣菜 | いいよー! じゃあ、今日のイベントのための、スペシャルギター! |
李衣菜 | イエーイ! 盛り上がってるかーい! |
ファンたち | イエーイ!! |
マキノ | (いつもの……お決まりのやりとりね。 ロックアイドルという特色を生かした、エアギター。 定番を持つと集客に繋がるのは、合理的。) |
マキノ | (いえ、それでは、あのSNSの発信とつじつまが合わない。 スペシャルギター……場に応じた変化を期待して、 見にきている、ということ?) |
ファンの男性 | これこれ! これみにきたんだよ! |
李衣菜 | マキノさんも! 一緒にやろう! |
マキノ | わ、私も!? |
ファンの少女 | みたーい! やってやって♪ |
李衣菜 | マキノさんなら、クールでロックにキメられると思うんだ! ほら、構えはこう! 腕をスナップさせて……ジャジャーン! |
マキノ | じゃ、ジャジャーン? |
李衣菜 | で、叫ぶ! ロックしてるかーい! |
マキノ | なぜこんな……いえ、実地から得られるものもあるか。 んん……ろ、ロック……してるかい……? |
李衣菜 | ノー! マキノさんならまだいける! 声張って! ここからマキノさんのロック道が、始まるんだから! |
マキノ | ……。 ロック、してるかーい!! |
ファンたち | うおーー!! |
(控え室) | |
李衣菜 | はー、サイコーだった!! |
P | お疲れさま。 マキノ、最後のも記録したけど、いる? |
マキノ | そこは……!! い、一応とっておいて……。 |
(CASEβ 『観察対象:ナターリア』) | |
マキノ | ……このことから、対象・多田李衣菜の観察によって 導きだされる仮説は……いえ、まだ……。 |
P | ……考え込んでるのは、例の? |
マキノ | 李衣菜の記録をまとめていたのだけれど、全然ね。 彼女だけでは、解に至るデータは不十分よ。 |
マキノ | 今日はナターリアと、よね。 そこで少しでも、糸口を掴めるといいのだけれど。 ……貴方は、何かわかって? |
P | 李衣菜には、瞬発力と愛嬌があるね。 真っすぐに自分のステージを作っていく、度胸も。 |
マキノ | そうね。 それは、既出のデータ……だけど、確かに私との違いでもある。 ふむ……どちらにせよ、まだデータ不足か……。 |
ナターリア | お疲れさまー! ナターリア、とうちゃーく♪ 今日はよろしくナ、マキノ♪ |
マキノ | こちらこそ。 じっくり観察も、させてもらうわ。 |
(バラエティ収録前) | |
マキノ | 進行が台本で指定されている、クイズバラエティ。 ディレクターも、指示から逸れるのを嫌うタイプと聞いているわ。 適切に番組を進行し、要求に応えていくことが必要ね。 |
マキノ | 台本は、頭に入っているかしら? |
ナターリア | ナントナク! |
マキノ | なんとなく……まぁ、いいわ。 私が完璧に記憶しているから。 |
ナターリア | そんなに気にしなくていいと思うゾ! バラエティは、みんなで楽しく!なんだから♪ マキノも楽しも―! |
ナターリア | それに、今日はスシが食べられるって聞いたんダ! スシっ♪ スシっ♪ |
マキノ | 該当するクイズに正解すれば、ね。 でも、そのクイズは台本の進行では……。 |
P | ふたりとも、出番だって。 |
ナターリア | リョーカイ! よっし、ナターリア、やるゾー! |
(収録中) | |
司会 | お次はこちら! 江戸前高級寿司をかけたクイズにチャレンジ! |
ナターリア | うわー! ネタがキラキラだー! シャリ……ナンダコレ! 赤いゾ! |
司会 | おっ、いいところに気がついたね! 特製の赤酢を使用してるんだよ。 赤いシャリは初めてかな? |
ナターリア | 食べたことナイ! どんな味なんだろう……ますます食べたいナ! |
司会 | じゃあ頑張って正解しよう! |
マキノ | そんなに焚きつけて……残念がるアイドルを 撮りたい番組側の意図はわかるけれど、 あまり行き過ぎると、意気消沈してしまうじゃない。 |
マキノ | 私たちがクリアしていいのは、 台本に則れば、最後のスイーツだけなのだから……。 |
司会 | 問題です。本来は収獲期に害鳥を追い払うための道具であり、 現在は祭りの際に踊りの小道具として使用されている、 楽器の名称はなんでしょう? |
ナターリア | ハイハイハーイ! それ、ナターリア知ってる! ナルコ! だよネ! |
司会 | …………大正解ー! よくわかったねぇ! みなさんおなじみ『鳴子』でした! じゃあ……ご褒美のお寿司、がっつりいっちゃって! |
マキノ | せ、正解してしまった……!? |
ナターリア | いやったー! イッタダキマース! ……ん。む、……んぐ? |
ナターリア | ん、ん〜〜〜〜〜!! オイシーーーー!! ナンダコレ! ホッペ落ちてなくなっちゃうヨ! |
マキノ | ちょっと台本を無視して、どういうつもり? あぁ、ほっぺにお米までつけて……! |
ナターリア | え? クイズに正解したら食べられるんデショ? ナターリア、なんにも間違ってないヨ! |
ナターリア | そんなことより、マキノもほら! 食べなヨ! トロなんて、もうトロトロに蕩けちゃうんダカラ! |
マキノ | 私は……むぐっ。 ん、んん……あっ、おいひい……。 |
司会 | うんうん。 可愛いアイドルちゃんも、とろけさせる美味しさのようです! それでは、次の問題にいきましょう! |
(収録終了後) | |
ディレクター | やぁやぁ、お疲れさん。 |
マキノ | お疲れさまです……! ……すみません、台本を無視してしまう形になって。 |
ディレクター | あぁ、そのことね。いいよいいよ。 食べたかった! って悔しがってるところより おいしそうにしてた方が、撮れ高あったから! |
マキノ | えっ……。 |
ディレクター | いやー、ナターリアちゃん、勢いいいねー! お寿司そんなに美味しかった? |
ナターリア | おいしすぎて、テンゴクかと思ったヨ! また食べに来たいナ。 |
ディレクター | あはは! それはいい! また次もよろしく頼むよ〜! |
(控え室) | |
ナターリア | ねぇ、怖くはなかったの? 台本からそれたら、不興を買って…… 二度と呼ばれない危険性を、孕んでいたのよ。 |
ナターリア | んー? でもナターリア、今まで台本から外れちゃっても、 怒られたことなんてナイヨ? |
ナターリア | そんなことより、楽しくするほうが大事ダッテ! ミンナも笑顔になって、ハッピーダヨ♪ マキノもスシ食べて、ニコニコだったデショ? |
マキノ | それは……。 |
P | ナターリアから収穫はあった? |
マキノ | データは得られたわ……けれど。 外れを引く確率が高いとき、それでも未知の可能性に 賭けるのは、望ましいことなの? |
マキノ | 私は、確実性を重視している。 不安定な状況を良しとするのは、非合理的だから。 それは、アイドルとして、本当は間違いということ……? |
P | (そんなことはない) |
マキノ | ……そうね、答えを導き出すには、時期尚早だった。 もっともっと、試行を重ねないと。 それこそ、確実な解を手に入れるために。 |
(休憩室) | |
P | 李衣菜やナターリアのようなアイドルからこそ、 得られるモノがあると思って仕事を入れてみたけれど…… かえって、悩ませてしまっただろうか。 |
P | かといって、足掻きたいといっているマキノに、 やめろとは言えない。言うべきでもないだろう。 あと、できることは……。 |
つかさ | お、いた。この間借りた資料についてなんだけど……って、 なんだ、マキノみたいに。 眉間に皺寄せるの、流行ってるのか? |
つかさ | なに、お前ら、もしかしてまだ、 あのファンの意見気にしてんの。 |
P | (マキノから聞いたの?) |
つかさ | 聞いたっつーか、偶然見たっつーか。 お前まで一緒に悩むほどのことか? あんなの、スルー一択だろ。 |
P | マキノほどは、実は気にしていないよ。 ファンがアイドルに、何を期待して応援するのかは、人それぞれ。 こちらからは強制できないからね。 |
つかさ | アタシも同意見。 ま、見る気ないやつを無理やり振り向かせんのも、 それはそれで腕の見せ所だけどな。 |
P | マキノも、それくらい単純に考えてくれたら いいんだけど……。 |
つかさ | それは無理だろ。 どう見ても、納得するまで理屈こねくりまわして、 自分で確かめて、ようやく動くタイプじゃん。 |
つかさ | いや……そもそもそういう問題ですらねーか。 これは、マキノの……。 |
P | ……よかったら、気にかけてあげてくれない? |
つかさ | ……それはお前の仕事じゃないのか? ギブアップ? |
P | まさか。 ただ、マキノ、たまに妙に頑なになるから。 特に自分には。 |
つかさ | まー、そういうこともあるか。 立場の違いってやつは超えられないからな。 いいぜ。貸しひとつな。 |
(CASEγ 『観察対象:椎名法子』) | |
マキノ | データはある程度出揃った……。 解も見えつつある、けれど……。 |
法子 | おっつかれさまー! あ、マキノさん……わっ、勉強中かな? じゃあ、静かに……。 |
マキノ | 大丈夫よ。 集中はしてるけれど……お構いなく。 |
法子 | そう? じゃあ、遠慮なく! ……あ、マキノさんも食べる? 勉強するときは、ドーナツがお供に最適だよ! |
マキノ | ……いただくわ、ありがとう。 んっ、優しい甘さで……おいしい。 ……はぁ。 |
法子 | えっ、足りなかった? もう一個いる? |
マキノ | いえ、足りてるわ。十分。 そうではなくて、ちょっと、頭の痛い問題が……少しね。 |
法子 | マキノさんが悩むような問題……!? だ、大丈夫? やっぱりもういっこドーナツ…… あっ、話だけならきけるよ! |
マキノ | 話を……ねぇ、貴方、 自分のステージを見なくていい、という相手が、 自分にどんな穴を見出してそう言っているのか、予測できる? |
法子 | 穴……予測……? ……難しいこと考えてるんだね!? |
マキノ | そ、そうかしら……。 |
法子 | そうだよ! う〜ん……よくわかんないけど、穴があるってダメなことなの? |
法子 | 穴があるからこそ、食べられる部分が輝くんだよ! あの空洞には、生地をよりおいしくさせる魔法が……! |
マキノ | ストップ。ドーナツの話にズレているわ。 穴から即座に連想するなんて、 そういう変換機能が、ドーナツ好きには備わっている……? |
法子 | あっ、ごめんごめん。でもアイドルも一緒じゃない? 穴があっても人を幸せにできる! ドーナツと同じように! ……じゃ、だめ? |
つかさ | それ、正解。 |
法子 | ……あ、つかささん! ドーナツ食べる? SNSで人気の新作もあるよ! |
つかさ | お、サンキュー。 ……ん、相変わらず、ドーナツに対する目利きがすげーな。 で、ドーナツとアイドルがなんだって? |
マキノ | ……前の、SNSの意見について、見解を聞いていたの。 ちょうどいいわ、貴方はどう思った? |
つかさ | アタシ? そうだな……空腹でとにかく食いたいってときに、 ひとり1個限定の高級ドーナツ食いにいくか? そんな感じ。 |
法子 | えー、そういうときはねー、 その1個を大事に食べればいいんだよ! ゆっくり味わって食べれば、心もお腹いっぱい♪ |
つかさ | あっはっは! さすが、法子はブレなくていいな! |
マキノ | …………。 |
マキノ | まったく、なんだか気が抜けたわ。 肩に力が、入りすぎていたのかしら……私。 |
(CASEδ 『LIVE当日』) | |
ナターリア | お客さんいっぱいダナ! 早く踊りたくてウズウズしてきた! |
李衣菜 | ステップ大丈夫かなぁ……! 怪しかったらアドリブでいい? ロックにキメるからさ。 |
マキノ | 適度な緊張は、むしろパフォーマンスを上げるわ。 あまり緩まりすぎてはだめよ。 |
P | ナターリア、李衣菜、法子。 確認したいことがあるから、 スタッフさんがきてほしいって。 |
3人 | はーい! |
法子 | いつも通りいっぱい楽しんで、 幸せな時間、作ろうねっ♪ |
P | いってらっしゃい。 ……マキノは、緊張はしていない? |
マキノ | 愚問ね。まったく。 ステージの経験値はそれなりにあるじゃない。 それなのに心配されるなんて……度し難いな。 |
P | うん、いつものマキノだね。 ……その様子だと、答えは見つかった? |
マキノ | それは……。 |
スタッフ | すみません! 八神さんにも確認したいことが! |
マキノ | はい、すぐ行きます。 |
マキノ | 後で……LIVEが終わってからにしましょう。 少なくとも、パフォーマンスに支障はきたさない、 とだけ言っておくわ。 |
(コミュLIVE『ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-』)
(舞台袖) | |
マキノ | まぁ、こんなものね。 |
つかさ | お疲れさん。 マキノがいいパフォするから、アタシらのダンスも 引っ張られたよ。悩みは、晴れた感じか? |
P | 今から答えを聞くところだよ。 |
つかさ | ちょうどいい、アタシにも聞かせろよ。 |
マキノ | なんで貴方まで聞くのよ……いいけれど。 答えは……、 |
マキノ | わからない。 |
つかさ | は? |
マキノ | ……正確には、 『八神マキノ』が出すべき答えは、だけれど。 |
マキノ | 私はこれまで、ゴールが100点だと思っていたの。 ファンやスタッフの要望を分析し、 叶えることでなしとげられる、最大数値。 |
マキノ | ……でも、 満点が合格点とは、限らなかった。 |
マキノ | 『100点では満足できない。 それ以上の何かが、現地に足を運ぶために必要な付加価値』 あのSNSの意見はそう言っていたのよ。 |
マキノ | 不確実性がアイドルの全てではないけれど…… 同じように、確実性もアイドルの全てではない。 |
マキノ | つかさはそれがわかっていて、 あのとき私に、ヒントを出したのでしょう? |
つかさ | ヒントって偉そうなもんでもないけどな。 訊かれたから答えたけど、必要だったとも思わない。 |
マキノ | ……そうね。 結局のところ、答えは最初から示されていた。 それを……私が、時間をかけて、受け取っただけ。 |
マキノ | もちろん、 李衣菜たちが持つ『100点を超える式』だって、既に解析済み。 けれど……それは『八神マキノの式』ではない。 |
マキノ | 『八神マキノ』が用いるべき式は、 悔しいけれど、まだ見つかってないの。 だから今の答えは『わからない』わ。 |
つかさ | ハハッ、いいんじゃん? 潔くて。 |
つかさ | 違いを見つめて、できないことも認めて、 でもその上で、まだ『わからない』か。 イイね、そういうの好きだぜ。 |
つかさ | じゃあな……あ、プロデューサー。 貸し……忘れんなよ。必要ならリマインドするから。 |
マキノ | ……貸し? |
P | こっちの話。 そんなことより、答えが見つかってよかった。 |
マキノ | 途中だって言ったじゃない。 話を聞いていなかったの? |
P | いや、立派な答えだと思うよ。 マキノがこれから挑むのは、また新しい式になるんだ。 誰も当てはめる方程式を知らない、ね。 |
マキノ | ……そういう見方もあるか。 たしかに……『わからない』ままに立った 今日のステージは……いつもと少し、違って見えた。 |
マキノ | 誰も知らない未知の方程式…… ふふ、望むところよ。 |
マキノ | 簡単に解けない式であればあるほど、いいわ。 私の知的好奇心は、これ以上ないほど刺激される。 貴方も、そうでしょう? |
P | (同意する) |
マキノ | データを集積して、解析して、 幾度ものトライアンドエラーの先に、導き出される答え……。 |
マキノ | 必ず、つかみ取ってみせるわ。 私だけの、解を。 |
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