方向性は下に書いてある

「あれなーんだ?」
そう悪戯っぽく言ったのは水島神楽(ミズシマカグラ)である。そこには、何か居た。何かとしかいいようがない。剣が見たことのない光景がそこにはあった。
「HEROって何のために作られたか知ってる?」剣は首を横に振る。
「知らないです。」
淡々とした口調で話し始めた。
「HERO。この変身するためのライダーシステム。これが作られた理由は、来るべき闇を倒すため。約100年前、地球に、いや日本に隕石が落ちました。それは爆発と同時にある放射線をだしました。それを後にGN波と名付けたわ。それは生物にこそ影響はないけれど古代人が封印したダークロードの封印が解けてしまったの。」
「ダーク・・・ロード?」
聞いたことのない話に剣は首を傾げる。
「そう。闇の伝説と光の神話ぐらいは知ってるわよね?」
「知ってますけど。それと何か関係があるんですか?」
「闇の伝説ダークロード。闇に墜ちた様々な生命のこと。当然人間も堕ちた人はいるわ。ダークロードはこの世界を一つに統率しようとしたわ。あらゆる手段を使って。逆らう生命は絶滅させてきた。ダークロードはこの地球が生命を宿してから現在までずっと生きているわ。恐竜の絶滅はダークロードのせいなのよ。これに唯一対抗できるのが・・・ライトロード。光の神話。ライトロードは光。ダークロードは闇。対になるこの二つの力の戦いは3000万年前ついに終息したわ。しかしダークロードを倒すまでには到らなかった。だから封印した。人間って実は3000万年以上前から地球にいたのよ。私も最近知ったわ。そしてこのダークロードが現代に復活した。でもねGN波が及ぼした影響はダークロードの復活だけでなく光の意志の覚醒も促したの。だからヒーロー協会が設立した。ライダーシステムはその光の意志を増幅させることで変身する。君には光の意志が宿っている。」
「俺に、光の意志?」
「そう。私達はあなたの光の意志を見抜いた。だからあなたをヒーローにした。すべては世界を破壊から守るため。これで分かったでしょう。HEROが居る意味。」
「じゃあ。テレビに出てるあのヒーローもダークロードと戦ってるの?」
神楽は首を横に振った。
「いいえ。Aランク以下の物には何も知らせてないわ。もともと光の意志がなければsランクにはなれない。あなたは7人目。最初に光の意志が覚醒した人間は・・・シャイニングマン。彼は私達の想像を遥かに上回る純粋な光の意志だったわ。」
「俺をヒーローにしたって事はあれと戦えって事ですか?」
神楽は黙って頷いた。
「無理だよ。戦えるわけないよ。」
剣はその場に座り込んでしまった。
「戦えるわ。だってあなたはシャイニングマンの意志を継いでいるもの。」
神楽が言った。
「このベルトを付けて。ボタンを押して。そうすれば戦えるわ。」
剣が立ち上がりベルトを受け取るとおなじみのあの台詞を言い放った。

「変身!!」

剣をまばゆい光が包んだ。
「おめでとう。あなたはヒーロー、ウイングマン。」
「ウイング・・・・マン?」
「憎きライトロードの戦士。ツブス。」
ダークロードが襲いかかってきた。剣・・もといウイングマンはとっさにかわした。
「何故だ?このベルトの武器の使い方、戦い方が手に取るように分かる。」
ウイングマンは「フーチャーソード」を召還した。
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
ダークロードに向かって一閃。
「ダークロードは闇、ライトロードは光。お互いの属性がお互いの弱点。だからライトロードを倒せるのはダークロードだけであってダークロードを倒せるのもライトロードだけ。」神楽はそうつぶやいた。
「あなたの光の意志はシャイニングマンよりも強い。」
 

「勝った?この俺が?疲れた。」
そういって剣は倒れてしまった。
「最初の変身だから疲れたのね。すごいわあなた。初めてなのにダークロードを一人倒すなんて。」

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