しみつたれた鞄をぶらさげて
おれたちが首うな垂れて
とぼとぼビルデイングの間を歩いているだけだとあざ嗤う分子は反革命である
おれたちがしみつたれた鞄をぶらさげて
明日の食糧に戦慄しに出かけるだけだと宣伝する諸君は反革命である
(「二月革命」1957.10「荒地詩集1957」荒地出版社に掲載 「吉本隆明詩集」1963.1思潮社に収録された)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
とぼとぼビルデイングの間を歩いているだけだとあざ嗤う分子は反革命である
おれたちがしみつたれた鞄をぶらさげて
明日の食糧に戦慄しに出かけるだけだと宣伝する諸君は反革命である
(「二月革命」1957.10「荒地詩集1957」荒地出版社に掲載 「吉本隆明詩集」1963.1思潮社に収録された)
- ビルの間を、いくつもの駅前を、歩いている多くのおれたち。ビルの窓をのぞけばそこにもたくさんいるおれたち。朝吊革につかまるおれたち。夕方わずかの酒肴を前に語らうおれたち。こんなおれたちの姿が見られない連中に用はない。あざ嗤うくだらない連中の前では、おれたちはいつまでもわざと首うな垂れていようかな。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月03日(日) 13:17:43 Modified by shomon