わたしを拒絶する風景
わたしはほんたうは怖ろしかつたのだ世界のどこかにわたしを拒絶する風景があるのではないかわたしの拒絶する風景があるやうに・・・・・・といふことがさうして様々な精神の段階に生存してゐる者が決して自らの孤立をひとに解らせようとしないことが如何にも異様に感じられたわたしは昔ながらのしかもわたしだけに見知られた時間のなかをこの季節にたどりついてゐた
(「固有時との対話」1950に書かれ、1952.8.1自家版詩集として発行 ユリイカ版、思潮社版、思潮社現代詩文庫版の各「吉本隆明詩集」に収録された)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
(「固有時との対話」1950に書かれ、1952.8.1自家版詩集として発行 ユリイカ版、思潮社版、思潮社現代詩文庫版の各「吉本隆明詩集」に収録された)
- 季節は冬である。わたしが拒絶するように、わたしも拒絶されているのだろうか。わたしの孤独はこの季節の先にも続いていくのだと思われる。この孤独から逃げることなく進んでいくことしかないのだ。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月01日(金) 18:19:12 Modified by shomon