修羅のかげ
帰命
祖国の土や吹きすさぶ風や
人の心に修羅のかげあるも
いまは
おほきみのみ光の下に
いのちかへれ
あそこであんなに苦しんでゐる人
どうかかなしい生命の光もて
修羅の行路を泣いてかへれ
(詩集「草葬」1944.5自家版詩集 「初期ノート」1964.6.30試行出版部に収録された)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
祖国の土や吹きすさぶ風や
人の心に修羅のかげあるも
いまは
おほきみのみ光の下に
いのちかへれ
あそこであんなに苦しんでゐる人
どうかかなしい生命の光もて
修羅の行路を泣いてかへれ
(詩集「草葬」1944.5自家版詩集 「初期ノート」1964.6.30試行出版部に収録された)
- かの戦争において数々の戦地に赴く人の中に吉本さんは修羅の姿を見たのだろう。そしてこの修羅は吉本さんにも大きく存在した影だったのだろう。そして敗戦でこの修羅の行路を帰って来たたくさんの人がいる。そうして戦後が始まったのだ。「おおきみのみ光」はいったい何になったのだろうか。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月01日(金) 21:41:46 Modified by kozymemory