中学生のための社会科
この本の表題として『中学生のための社会科』というのがふさわしいと考えた。ここで「中学生」というのは実際の中学生であっても、わたしの想像上の中学生であってもいい。生涯のうちでいちばん多感で、好奇心に富み、出会う出来事には敏感に反応する軟らかな精神をもち、そのうえ誰にもわずさわれずによく考え、理解し、そして永く忘れることのない頭脳をもっている時期の比喩だと受け取ってもらってもいい。またそういい時期を自分でもっていながらそれに気づかず、相当な年齢になってから「しまった!」と後悔したり、反省したりしたわたし自身の願望が集約された時期のことを「中学生」と呼んでいるとおもってもらってもいいとおもう。
(「中学生のための社会科」2005.3.1 市井文学)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
(「中学生のための社会科」2005.3.1 市井文学)
- 思えば、この中学生とは私のことだと、何度も今確信しました。実際の中学生のときもその通りだったし、今の私も同じなのです。そして今読んでいきまして、また新しくいくつものことを知りました。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月10日(日) 20:48:41 Modified by shomon