内臓系と体壁系
<こころ>とわたしたちが呼んでいるものは内臓のうごきとむすびついたあるひとつの表出だ。また知覚と呼んでいるものは感覚器官や、体壁系の筋肉や、神経のうごきと、脳の回路にむすびついた表出とみなせばよい。わたしはこの著者からその示唆をうけとったとき、いままで文字以後の表現理論として展開してきたじぶんの言語の理念が、言語以前の音声や音声以前の身体的な動きのところまで、拡張できる見とおしが得られた。もちろん内臓系の<こころ>のうごきはわたしの定義している自己表出の根源であり、体壁系の感覚器官のはたらきは指示表出の根源をつくっている。
(三木成夫「海・呼吸・古代形象」1992.8.31うぶすな書院 の「解説」)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
(三木成夫「海・呼吸・古代形象」1992.8.31うぶすな書院 の「解説」)
- たしかに、これは驚いてしまう方法論であり、また充分に納得してしまうことであるわけだ。そうすると、これは言語論のみならず、もっと拡大できる方法論のように私にも思えてしまう。もっとさまざまに考えられる方法ではないのかと私はしきりに考えているところです。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月10日(日) 14:32:23 Modified by shomon