彼らよりももっと一途に青白くなる
私はこれは最後の切札なのですがとても苦しい道なのですが
彼らよりももっと一途に青白くなることよりも
彼らをむざんに踏みつけることより外に
どうしてよいか判らないのです
(詩集「草葬」1944.5自家版詩集「初期ノート」1964.6.30試行出版部に収録された)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
彼らよりももっと一途に青白くなることよりも
彼らをむざんに踏みつけることより外に
どうしてよいか判らないのです
(詩集「草葬」1944.5自家版詩集「初期ノート」1964.6.30試行出版部に収録された)
- 昭和19年吉本さんが米沢高等工業学校にいた頃、次第に学友たちが戦争へ出かけていく中で、ガリ版で作った自家版の詩集「草葬」の中の「原子番号二番」という詩の一節です。時代が次第に閉塞していく中で、吉本さん自身は、自分がいっそう孤絶を深めるような思いにかられたのではないかと私には感じられます。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月01日(金) 21:42:12 Modified by kozymemory