風は過去のほうから来た
<風は何処からきたか?>
何処からといふ不器用な問ひのなかにはわたしたちの悔恨が跡をひいてゐた
わたしたちはその問ひによって記憶のなかのすべてを目覚ましてきたのだから
<風は過去のほうから来た>
(「固有時との対話」1950に書かれ、1952.8.1自家版詩集として発行 ユリイカ版、思潮社版、思潮社現代詩文庫版の各「吉本隆明詩集」に収録された)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
何処からといふ不器用な問ひのなかにはわたしたちの悔恨が跡をひいてゐた
わたしたちはその問ひによって記憶のなかのすべてを目覚ましてきたのだから
<風は過去のほうから来た>
(「固有時との対話」1950に書かれ、1952.8.1自家版詩集として発行 ユリイカ版、思潮社版、思潮社現代詩文庫版の各「吉本隆明詩集」に収録された)
- この「風」とはなんだろうか。吉本さんが現実の世界で就職等の問題で苦しんでいたときに、そういうことを表現するのではなく、どうしても自分の過去のたくさんの思い出の中からしか表現できなかったということなのかなと私は今思い至ったのです。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月01日(金) 18:20:26 Modified by shomon