無意識に恐慌にはなることはありえない
今は不況ですから、昔のマルクス主義なら経済恐慌から金融恐慌になるという理窟になるのでしょうが、僕らは絶対にならないと考えています。その根拠としては、価格と価値の乖離が著しいですから、先進国で了解させすれば価格は地域によって設定することが可能であり、それは価値とは関係なく成り立ちえます。遊離した価格の振る舞い方は人間でいえば意識と同じで、つまり経済が意識をもちはじめたわけです。無意識に恐慌にはなることはありえない、というのはその根拠なんです。
(「丸山真男について」1997.4.17談話収録「吉本隆明が語る戦後55年第12巻」2003.11.10三交社に掲載)
隆明鈔--吉本隆明鈔集
(「丸山真男について」1997.4.17談話収録「吉本隆明が語る戦後55年第12巻」2003.11.10三交社に掲載)
- なぜかどこでも「恐慌になるのではないか」という言動を聞いてきました。でも現実はそういう事態には全然陥らないわけです。それは何故かといえば、この通りかな、なんて思います。もう昔の考え方で通用する時代ではなくなったのですね。
隆明鈔--吉本隆明鈔集
2006年12月10日(日) 15:36:34 Modified by shomon